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謀叛
72話 特定
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その頃森廣は急いで寛也のもとに向かって行っていた。
「組長!奴に動きがありました!」
奴というのは、裏切り者の事だ。寛也はやっと掴んだ情報を直ぐに聞き出した。
「今そいつはどこにいる」
「ここです、一昨日倒産したキャバクラにいるようです」
裏切り者はスマホを使い分けているようだが、裏切り行為をする時には決まって使っているスマホがあったのでそれをバレないようにハッキングし、GPS機能を頼りに2人はその場所へ向かった。
「ここです」
2人は急いでおりた。だが、着いた時にはもぬけの殻だった
「遅かったか」
「組長!これ…」
森廣は自分がハッキングしたであろう裏切り者のスマホを持ってきた
「くそ、気づかれてたんだな」
「また振り出しですね」
裏切り者はかなり頭がいいようだな、舐めていた俺たちが悪いと寛也は言い、車へ戻った
森廣は何者かの視線に気が付き、振り返ったが誰もいなかった
「どうした?」
じーっと一点を睨む森廣に寛也は不安になり話しかけた
「いえ、視線を感じたと思ったのですが、勘違いだったようです」
「そうか、それならいい。事務所に戻ろう」
森廣は車を発進させた
その車を建物の影から見つめる人物がいた。森廣は勘違いではなかった。
「危ない危ない、バレる所だった。森廣さん流石だな。まぁ、これも全部計画通りなんだけどな」
そう呟きその人物はどこかへ去っていった。
寛也と森廣が事務所へと戻ると北風と天馬しかいなかった。これで北風の無実が証明された
「他の奴らはどこいった?」
「分かりません」
「は?」
「ちょっと出てくるわ~って言ってそれぞれ出かけていきましたよ。出かけた時間はみんな違いましたけど」
「そうか」
「なんかあったのか?」
天馬が心配そうに聞いてきた
「なんでもねぇよ」
寛也はいつも通り答えた。自分のオフィス部屋に戻って入念に調べたが、何一つ手がかりを掴めない。森廣も同じだった。俺たちはいいように動かされてるな、と思った寛也は焦っていた。このままでは駿里がまた危険な目にあうかもしれないからだ。
それだけは絶対に避けたいと思っていた寛也だったが、大事なことをこの時忘れていた
寛也は幹部全員に自分の家の鍵を渡していたのだ。もし自分の都合が悪くなった時駿里の世話を頼もうと渡していた。だが、色々ありすぎてそのことをすっかり忘れていたのだ。
もう少しで日付が変わる時間になり、寛也は家に戻ろうと森廣と事務所を出た。
家に入り、寝ているであろう駿里を見に行こうと寝室へ入った時駿里の姿がないことに気がついた。
トイレか?それとも風呂か?そう思い家中を探しまくったがどこにも姿がなかった。
そしてやっと思い出した。幹部達にこの家の鍵を渡していたことを。
「森廣、大変なことになった」
寛也はすぐに森廣に電話をした
『どうされましたか?』
「駿里、連れ去られた。今すぐ下の階に行って幹部全員の家を見てくれ。俺もすぐ行く」
『わかりました』
寛也はすぐに家を出て、2階下の58階へ向かった。既に森廣が着いており、煙草谷、北風の家に行き2人がいることを確認していた。
続いて寛也もほかの幹部の部屋に行きいることを確認しに行った。島袋と煙草谷、北風も協力をし出来るだけ早く確認作業をした。
そして
残る部屋はあと1つとなった。
ほかの幹部達は全員居た。それが意味するのはここの部屋の住民が駿里を連れ去ったということだ。
お願いだから居てくれと、そんな思いをしながら寛也はその部屋に入った。
だが、そこはもぬけの殻だった。
寛也は立ち尽くした。
こんな結果になって欲しくなかったと、、、。
「……俺のせいだ」
誰もいない部屋の中で寛也は自責の念に強く苛まれた
「組長!奴に動きがありました!」
奴というのは、裏切り者の事だ。寛也はやっと掴んだ情報を直ぐに聞き出した。
「今そいつはどこにいる」
「ここです、一昨日倒産したキャバクラにいるようです」
裏切り者はスマホを使い分けているようだが、裏切り行為をする時には決まって使っているスマホがあったのでそれをバレないようにハッキングし、GPS機能を頼りに2人はその場所へ向かった。
「ここです」
2人は急いでおりた。だが、着いた時にはもぬけの殻だった
「遅かったか」
「組長!これ…」
森廣は自分がハッキングしたであろう裏切り者のスマホを持ってきた
「くそ、気づかれてたんだな」
「また振り出しですね」
裏切り者はかなり頭がいいようだな、舐めていた俺たちが悪いと寛也は言い、車へ戻った
森廣は何者かの視線に気が付き、振り返ったが誰もいなかった
「どうした?」
じーっと一点を睨む森廣に寛也は不安になり話しかけた
「いえ、視線を感じたと思ったのですが、勘違いだったようです」
「そうか、それならいい。事務所に戻ろう」
森廣は車を発進させた
その車を建物の影から見つめる人物がいた。森廣は勘違いではなかった。
「危ない危ない、バレる所だった。森廣さん流石だな。まぁ、これも全部計画通りなんだけどな」
そう呟きその人物はどこかへ去っていった。
寛也と森廣が事務所へと戻ると北風と天馬しかいなかった。これで北風の無実が証明された
「他の奴らはどこいった?」
「分かりません」
「は?」
「ちょっと出てくるわ~って言ってそれぞれ出かけていきましたよ。出かけた時間はみんな違いましたけど」
「そうか」
「なんかあったのか?」
天馬が心配そうに聞いてきた
「なんでもねぇよ」
寛也はいつも通り答えた。自分のオフィス部屋に戻って入念に調べたが、何一つ手がかりを掴めない。森廣も同じだった。俺たちはいいように動かされてるな、と思った寛也は焦っていた。このままでは駿里がまた危険な目にあうかもしれないからだ。
それだけは絶対に避けたいと思っていた寛也だったが、大事なことをこの時忘れていた
寛也は幹部全員に自分の家の鍵を渡していたのだ。もし自分の都合が悪くなった時駿里の世話を頼もうと渡していた。だが、色々ありすぎてそのことをすっかり忘れていたのだ。
もう少しで日付が変わる時間になり、寛也は家に戻ろうと森廣と事務所を出た。
家に入り、寝ているであろう駿里を見に行こうと寝室へ入った時駿里の姿がないことに気がついた。
トイレか?それとも風呂か?そう思い家中を探しまくったがどこにも姿がなかった。
そしてやっと思い出した。幹部達にこの家の鍵を渡していたことを。
「森廣、大変なことになった」
寛也はすぐに森廣に電話をした
『どうされましたか?』
「駿里、連れ去られた。今すぐ下の階に行って幹部全員の家を見てくれ。俺もすぐ行く」
『わかりました』
寛也はすぐに家を出て、2階下の58階へ向かった。既に森廣が着いており、煙草谷、北風の家に行き2人がいることを確認していた。
続いて寛也もほかの幹部の部屋に行きいることを確認しに行った。島袋と煙草谷、北風も協力をし出来るだけ早く確認作業をした。
そして
残る部屋はあと1つとなった。
ほかの幹部達は全員居た。それが意味するのはここの部屋の住民が駿里を連れ去ったということだ。
お願いだから居てくれと、そんな思いをしながら寛也はその部屋に入った。
だが、そこはもぬけの殻だった。
寛也は立ち尽くした。
こんな結果になって欲しくなかったと、、、。
「……俺のせいだ」
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