極道の密にされる健気少年

恐怖の世界

11話 裏の計画

あれから島袋は駿里が逃亡するかもしれない言うことを組長に告げていた。






「そこでなんですが、一度わざと逃してみてはどうでしょうか？」




「あ？何でだ。ふざけてんのか？警察にでも駆け込まれてみろ。めんどうなことになるぞ」





「マンションの手前で捕まえればいいんです。一度逃げてもう2度と逃げると思わせないような思いをさせれば組長のものになりますよ」





「ソレもそうなんだがな。それだけじゃ気持ちまでは俺のものにならない。俺は確実にあいつがほしい。手に入ったとしても家から出すつもりはさらさらないがな」





「駿里が裕太と呼んでいた奴を目の前で殺しますか？あいつを攫った時に一緒にいた奴です。かなり仲が良さそうに見えましたし、あいつの性格的に自分のせいで人が死ぬのは耐えられないと思うんです。」







島袋の発言に寛也はニヤリと笑った。少し考え込んだ後に決断をした。

























「殺しはしない。後始末が面倒だからな。だが多少の怪我は負ってもらおう」






「では、仕事が立て込んでいると言うことにして、下っぱな奴を見張り役にしましょう。そのついでにそいつも駿里を逃した罪で制裁を下しましょう」




「お前は悪知恵が働くな」



満足そうに寛也は酒を一気飲みした



















寛也が考える駿里への制裁はあまりにも残酷なものだった








そんなことを知る由もない駿里は寛也らの罠にはまっていく