極道の密にされる健気少年

安達

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恐怖の世界

9話 2日目

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「しゅーんり。」 





俺を呼ぶ声で目が覚めた。これは夢じゃなかったんだ。






「おはよう」





「・・ぉはよ」




「朝ごはん食べるから起きるぞ。」









駿里は寛也に続いて寝室をでた。
リビングにはもう1人いた。この人も俺を攫った中の1人だ。





 





「おはようございます組長。駿里くん。朝食ができています。」




 





「おはよう。駿里こいつは俺の側近の森廣竜也。」







「よろしくお願いします駿里くん。」







俺は森廣さんに向かってぺこりとした。







「ほんとにかわいいな駿里。」





そんな俺に寛也がキスしてきた。






「やめろ!」






「口悪いな。俺のこと昨日寛也さんって言ってたけど、呼び捨てで呼べよ。わかったか?あとタメ口にしろ。」







分からないなら、わかるまで分からせるよとでも言うように俺を見てきた。









「わかった」










変に怒らせたらまずいと思い大人しく言うことを聞いた。




「そうだ。俺はこれ食べたら仕事行く。世話係が後でくるから逃げようなんて思うなよ」





今更逃げる気なんてないと言ったら嘘になるが逃げる気力がもうなくなっていた。







「分かってる・・」




「ならいい」





駿里ドアノックの音がした方を見た。
そこには裕太を撃ったやつがいた。





「組長失礼します。」




「こいつが今日の世話係の島袋。じゃあ仕事に行ってくる。」





「お気をつけて。」






島袋は俺に近づいてきた。





「おい。食べたなら皿洗うからもってこい。」





「はい」




駿里は島袋が怖くて仕方なかった。簡単に人を撃てるやつが近くにいるのが耐えられない。寝室に行こうとした時。






「おい。どこにいく」




「ッえっと、寝室です・・」



「俺の目が届くところにいろ。」




「わかりました。」















ヤクザだから怖いのは当たり前だけど、これはいくらなんでも怖すぎる。駿里は精神的に追い詰められていく。





ソレを出会ったばかりの島袋は見抜いていた。こいつはいつか逃げると言うことも見抜いていた。その為自分の目が届く範囲に駿里を置いたのだった。










「腹へったら言え。」






「はい」





「にしてもお前本当に可愛い顔してんな」





さっきキッチンにいたはずの島袋がソファに来て駿里の顔を掴んだ。島袋の目はまるで獲物を見つめるようなものだった。





「組長が捨てたら、俺が拾ってやるよ」




と笑いながら言った。



「まあ今は手を出さないし、組長を裏切るような行為は俺はしないから安心しろ」



 

駿里は心からホッとした。早く逃げたい。その思いが駿里の中でどんどん大きくなっていくのだった。1人リビングで計画をし始めるがまずこの足枷をどうにかしないといけないし、ここはマンションの最上階。はっきり言って逃げるのは不可能である。でも撃たれた裕太も心配だし、バイトも学校もほったらかしだ。










駿里は必ず逃げてやると固く決意をした。
そんな決意は簡単に無くなってしまうこともしらずに














島袋には駿里が逃亡する未来が見えていた。






一度わざと逃して2度と逃げたくないと思わせるようにしようか逃さないように四六時中見張っておくか迷っていた。













その島袋の決断によって駿里は旭川組のものによって残酷な目に遭わされるのであった
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