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星秀の過去

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「「「「お疲れ様です健二さん。」」」」

「ああ。お疲れ。」



事務所に戻ってきたら渚達がいた。さっきとは全然違う態度で。やっぱ健二って凄いやつなんだな。



「さっき言った通り誠也を連れていくからな。あと星秀も。」

「はい。ですが健二さん。星秀がいつ戻ってくるかだけ教えて貰ってもいいですか?」



…ん?渚ってやつの様子がおかしい。なんか心配してる顔だぞ。星秀さんか?星秀さんの心配してんのか?蓮ってやつも凛翔ってやつも勝ってやつもみんな星秀さんを見てる。やっぱ健二さんと星秀さんには何かあるのか…?



「渚。それはまた連絡する。遅くなるかもしれんし早くなるかもしれん。それは星秀次第だ。」

「…承知しました。」

「じゃあ、また後でな。組長はもう少し帰ってこねぇからそれまでに仕事終わらせとけよ。」



と、健二が言うと渚たち4人が健二に頭を下げた。俺はそいつらを見ながらこの部屋を出た。出たって言っても健二に抱きかかえられてるから自分の足じゃねぇけどな。



「星秀。何処に行くかわかってるな?」

「もちろんです。」

「ならいい。」



健二の機嫌が良くなった。あの時とは全然違う。けど今度は逆に星秀さんがおかしい。不安がってる顔。それを隠そうと必死になってるけど俺にはわかる。星秀さんは怯えてる。



「…健二さん。」

「どうした誠也。どこか痛いか?」

「いや、そうじゃない…。」

「じゃあどうした?」

「…どこに行くんですか?」

「今からか?」

「…はい。」

「お前の部屋だ。」



俺の部屋…?あの監禁部屋のことか。ならなんで…?俺はさらに疑問が大きくなった。俺の部屋に行くなら星秀さんをお供につける必要はあったか?だってここはこの組の屋敷だろ?なのになんで…。



「それがどうしたんだ誠也。」

「…あ、いや。気になっただけだ。」

「そうか。ていうかお前よく喋るようになったな。そんなに星秀が心配か?」

「…え?」



なんだよこいつ…。なんで分かるんだよ…。怖すぎんだろ…。星秀さんもより焦っちまった。俺のせいで…。



「お前の事はなんでも分かるぞ誠也。なんたってお前は分かりやすいからな。さっきからチラチラ星秀の事も見てるし。そんなにこいつが心配か?俺が星秀をお供にしたことも不思議がってんだろ。」

「…………………。」



そうだよ…。その通りだ…。だって星秀さんは俺に唯一優しくしてくれた人だ。俺の人生においてな。親にすら優しくされなかった。それを星秀さんはしてくれた。だから俺は星秀さんのためなら…。



「…そうだったらなんだよ。なんか問題でもあんのか?」

「そりゃ問題だな。大問題だぞ。誠也、いいか?お前は組長のもんなんだ。俺らの頭のもの。お前は星秀のものじゃない。何があってそんなに星秀に懐いてんのか知らねぇけど星秀も組長のもんなんだよ。分かるか?」



…は?もの?星秀さんは幹部なんじゃねぇの?どういうことだよ。



「…どういう意味だ。」

「まぁ時期に分かるさ。なぁ星秀。お前も逃げるなよ。」

「逃げません。」

「いい子だな。」



分かんねぇ…。どういうことだよ…。は…?健二ってやつは良い奴じゃねぇのかよ。俺に…。意味わかんねぇ…。なんで星秀さんはそんな顔してんだよ…。



「よし、着いたぞ。星秀。お前から入れ。」

「はい。」



星秀さんは健二の指示通り部屋に先に入った。その後で俺を抱き抱えてる健二も入って…鍵をかけた。



「星秀。」

「はい。」

「はい、じゃねぇだろ。分かってんだろうがお前。ベットに行け。」

「け、健二さん…!」



今から3人でするっていうのか?でもなんで星秀さんから行かせんだよ…!しかも星秀さんの顔…。お前星秀さんの上司じゃねぇのか!なんであんな顔させてんだよ…!さっきは弁当もあげてたのに…。



「なんだ。お前はどうしたんだ誠也。」

「なんで…星秀さんを…?」

「時期に分かる。星秀、早くしろ。ベットに上がれ。」

「…はい。」



おかしい。明らかにおかしい。星秀さんのあの顔普通じゃない。怖がってる。怯えてる。けどそれを俺に悟られないようにしてる。俺のせいで星秀さんが巻き込まれた…。



「いい子だ星秀。誠也、お前はちょっと待てな。」



待てって…。今俺の事お前が抱っこしてんじゃねぇか。だから俺は元から動けねぇよ。いや、今はそれよりも星秀さんだ…。なんで星秀さんをベットに…?



「星秀。服を脱げ。」



…は?何言ってんだこいつ!星秀さんは部下だろ!?幹部じゃねぇの!?



「おい!何言ってんだよ…!星秀さんはお前の部下だろ!?」

「…お前?」

「……………っ。」



やばい…。健二を怒らせた。今怒らせたら星秀さんが危ないのに…。どうしよう…。とにかく謝らねぇと…。本当はこんなやつなんかに謝りたくなんてないけど星秀さんのためだ。



「…ごめ、なさい。」

「まぁいい。許してやる。あとな誠也。星秀は確かにお前の言う通り俺の部下かもしれねぇ。でも部下であると同時に組長の愛人でもあるんだよ。俺の言ってる意味が分かるか?つまりこいつは俺のもんでもあるんだ。まぁ組長の愛人って言ってもほぼ性欲処理させられてるだけだけどな。元々星秀はお前のように組長が気に入って連れ去ってきたんだからな。」



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