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第一部(幼少編)
33話 はやくも織田信長vs明智光秀となりまして
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「いきなり斬りかかってごめんなさい。理由はわかったから、もう怒ってないわ」
「ほんとか!?やっぱ蝶はイイヤツだな!大好きだぞ!」
そう、恥ずかしげもなく言うと、刀をおさめてあいた両手を、ぎゅっと握られた。
気分は握手会。
「大好き」の言葉の大きさのわりに、そこに含まれる愛情は軽いのがわかる。
うーん、やっぱちょっと変わってるな。
この時代の人は、こんなにあっさりと異性に、同性同士であっても好き好き連呼しないのだ。私はよくしちゃうんだけど。
私が十兵衛や兄上に軽く「好きー」とか「あいしてる~」とか言うと、ドン引かれるもん。
もちろん、恋愛の意味ではない。二人とも実の兄と、弟みたいなものだし。
こんな、少女漫画や乙女ゲームの攻略対象みたいに、好意を言動に表したりしないのだ。
え、それともここってやっぱり乙女ゲームの世界でした?
「それよりお前、強いな!噂には聞いてたが、ここまで出来るとは思わなかったぞ」
「ん?ウワサって何?」
「知らないのか?お前、美濃姫は男勝りな女武将って言われてるんだぞ」
おお、そうだったのか……知らなかった。
たぶん、十兵衛とか城のみんながシャットアウトして私の耳に入らないようにしてたな……。
チラと見ると、私の従者はものすごい顔でこっちを睨んでた。
あれ!?すごいご機嫌ナナメだ。珍しい。
十兵衛はよそゆきモードの時は基本スン顔というか、なるべく感情を表に出さないデキる男でいたいらしく、言葉遣いも態度も丁寧な模範的従者キャラになる。
他人が、特に目上の人がそばにいるのにこの態度はとても珍しい、というか初めて見た。
私、こんなに怒られることしただろうか。
いや~してるな!絶賛結婚式ブッチ中だったのよね、そういえば!
「なあ、そっちの、名前はなんて言うんだ?蝶の近侍か?」
私の視線の流れにつられて、信長も十兵衛を見ていた。
この二人がここで出会って会話などしてよいものか、相変わらず歴史知識ゼロ人間の私には、判断ができない。
十兵衛はすぐによそゆきの笑顔を顔面にはりつけると、爽やかに答えた。
「明智十兵衛光秀と申します。帰蝶様の護衛を務めております」
「ふぅん。お前も、歳のわりに強いな。なあ、この中で誰が一番強いか、勝負しようぜ!」
「はい?」
なんと、十兵衛のはりつけた笑顔が固まった。
これ、もしかすると私にじゃなくて、信長くんに怒ってるのかもしれない。
それはそうだ。十兵衛からしてみれば、第二の故郷を燃やされたようなものだもんね。あんな理由じゃ納得できない。
こういうヘイト感情が積み重なって、本能寺バーニング事件になるのだろうか。
「いいわね、決めましょう!信長様には私の刀を貸してあげる。兄上から貰ったものだから、折らないでね」
「おう!悪いな、蝶」
「き、帰蝶、様!祝言はどうするのですか!?こんなことをしている場合ではないでしょう!?」
「まあまあ、固いこと言うなって」
「そうそう。ほら、十兵衛、信長をぶった斬れるチャンスよ?ここを逃したら、人目があってもうできないわ」
こそ、と十兵衛に耳打ちすると、彼はまだ納得のいかない、という顔をしつつ私には従う姿勢を見せた。
遺恨は、今のうちになくしておいた方がいい。
ここですっきりしておけば、今後「寺ごと燃やそう」って考えに至らなくなるかもしれないし。
あと、いまさら結婚式会場へ戻りたくないので、なるべく引き延ばしにかかろう。
将来魔王になる少年と、その魔王を倒す勇者光秀の夢の対決だ。
ん?
それって、こんなところで実現させて良いものかしら?
音のほとんどないはずの夕暮れに、金属の当たる乾いた音があがる。
十兵衛と信長くんは互角……とは言いがたく、十兵衛はどう見ても劣勢。信長は遊んでいるようだった。
猫のようというには攻撃が重く、
虎のようというには動きが軽くトリッキー。
刀と刀での勝負には、まったく見えないのだ。信長だけ、別のスポーツをやっているかのよう。
これは、まだ少年と言っていい歳ながら、勝てる大人はほとんど……とりあえず私が知るかぎり、美濃にはいないな。
「お前、やっぱりイイな!蝶の次くらいに強いだろ!」
「いえ、帰蝶様より強いです。護衛ですから!」
こらこら、私が負けたのは一回だけだぞ。
でもたしかに、十兵衛は強くなった。同年代の少年になら、負けることはないだろう。
これはたぶん、信長が規格外なのだ。
どうやったらこんなふうに、ノーモーションで跳んだりはねたりできるのだろう。筋肉の質?付き方?
さすが、魔王。
「そうか!なら、ミツ、お前俺の家臣になれよ!」
ぴょんぴょん跳びながら、信長くんは堂々と明智光秀を家臣に勧誘した。
あれ、それはまずいのでは?と思考が停止しそうになったところに、ブン、と鋭く風を切る音が聞こえて、前を見る。
ものすごい形相で、十兵衛が信長の首元に刀を振り下ろしたようだった。避けられたけど。
「僕は……私は、帰蝶様の従者です!誰が、お前なんかのものになるか!!」
声が、ビリビリ響く。
あの子のこんな、雷鳴みたいな声、はじめて聞いた。
私と真逆で冷静に物事を見るあの子が、こんなふうに心の叫びをそのまま口に出すのは、お父様を馬鹿にされた時と、今回での二回目。
私がびっくりしてるのに気づいたのか、十兵衛は慌てて刀をおろして、声のトーンを落とした。
「それから、変な名で呼ばないでください。私は明智十兵衛光秀です」
「ん。そうか、光秀な」
なにが楽しいのか、信長はニコニコ笑っている。
反対に十兵衛は貼り付けなおした笑顔の目立たぬところ、青筋がピクピクしていた。怒ってます。
道中の会話で、十兵衛はどうあっても美濃に帰る気はないと言っていたので、それなら逆に信長と仲良くさせて親友にしてしまおうか。そうしたら燃やさないよね!と思っていたのだけど、この様子を見ると、ぜんぜん、仲良くなれそうにはない。
この二人、やっぱ史実通り仲悪いんだ……どうしよう、と、どう仲裁しようかと悩んでいたら、遠くから男のひとの声が近づいてきた。
聞き覚えのある声、おそらく、平手のじいやさんだ。
「ふたりとも、そこまでにしましょう!そろそろ戻らないと、じいやさんの声が擦り切れそう!」
「お、ほんとだ。ジーイ!こっちだぞーー!」
いや、ぜったい怒られるから。そんな軽く居場所を伝えたら……
ものすごい剣幕の平手様が、草をかき分けてずんずん進んできた。
そして信長くんはじいやにものすごく怒られた。
式は明日に延期になったらしい。
じいやさんは胃が痛いのか、おなかをおさえながら「次やったら諫死しますぞ……!」と信長を脅していた。
かんし とは?
「ほんとか!?やっぱ蝶はイイヤツだな!大好きだぞ!」
そう、恥ずかしげもなく言うと、刀をおさめてあいた両手を、ぎゅっと握られた。
気分は握手会。
「大好き」の言葉の大きさのわりに、そこに含まれる愛情は軽いのがわかる。
うーん、やっぱちょっと変わってるな。
この時代の人は、こんなにあっさりと異性に、同性同士であっても好き好き連呼しないのだ。私はよくしちゃうんだけど。
私が十兵衛や兄上に軽く「好きー」とか「あいしてる~」とか言うと、ドン引かれるもん。
もちろん、恋愛の意味ではない。二人とも実の兄と、弟みたいなものだし。
こんな、少女漫画や乙女ゲームの攻略対象みたいに、好意を言動に表したりしないのだ。
え、それともここってやっぱり乙女ゲームの世界でした?
「それよりお前、強いな!噂には聞いてたが、ここまで出来るとは思わなかったぞ」
「ん?ウワサって何?」
「知らないのか?お前、美濃姫は男勝りな女武将って言われてるんだぞ」
おお、そうだったのか……知らなかった。
たぶん、十兵衛とか城のみんながシャットアウトして私の耳に入らないようにしてたな……。
チラと見ると、私の従者はものすごい顔でこっちを睨んでた。
あれ!?すごいご機嫌ナナメだ。珍しい。
十兵衛はよそゆきモードの時は基本スン顔というか、なるべく感情を表に出さないデキる男でいたいらしく、言葉遣いも態度も丁寧な模範的従者キャラになる。
他人が、特に目上の人がそばにいるのにこの態度はとても珍しい、というか初めて見た。
私、こんなに怒られることしただろうか。
いや~してるな!絶賛結婚式ブッチ中だったのよね、そういえば!
「なあ、そっちの、名前はなんて言うんだ?蝶の近侍か?」
私の視線の流れにつられて、信長も十兵衛を見ていた。
この二人がここで出会って会話などしてよいものか、相変わらず歴史知識ゼロ人間の私には、判断ができない。
十兵衛はすぐによそゆきの笑顔を顔面にはりつけると、爽やかに答えた。
「明智十兵衛光秀と申します。帰蝶様の護衛を務めております」
「ふぅん。お前も、歳のわりに強いな。なあ、この中で誰が一番強いか、勝負しようぜ!」
「はい?」
なんと、十兵衛のはりつけた笑顔が固まった。
これ、もしかすると私にじゃなくて、信長くんに怒ってるのかもしれない。
それはそうだ。十兵衛からしてみれば、第二の故郷を燃やされたようなものだもんね。あんな理由じゃ納得できない。
こういうヘイト感情が積み重なって、本能寺バーニング事件になるのだろうか。
「いいわね、決めましょう!信長様には私の刀を貸してあげる。兄上から貰ったものだから、折らないでね」
「おう!悪いな、蝶」
「き、帰蝶、様!祝言はどうするのですか!?こんなことをしている場合ではないでしょう!?」
「まあまあ、固いこと言うなって」
「そうそう。ほら、十兵衛、信長をぶった斬れるチャンスよ?ここを逃したら、人目があってもうできないわ」
こそ、と十兵衛に耳打ちすると、彼はまだ納得のいかない、という顔をしつつ私には従う姿勢を見せた。
遺恨は、今のうちになくしておいた方がいい。
ここですっきりしておけば、今後「寺ごと燃やそう」って考えに至らなくなるかもしれないし。
あと、いまさら結婚式会場へ戻りたくないので、なるべく引き延ばしにかかろう。
将来魔王になる少年と、その魔王を倒す勇者光秀の夢の対決だ。
ん?
それって、こんなところで実現させて良いものかしら?
音のほとんどないはずの夕暮れに、金属の当たる乾いた音があがる。
十兵衛と信長くんは互角……とは言いがたく、十兵衛はどう見ても劣勢。信長は遊んでいるようだった。
猫のようというには攻撃が重く、
虎のようというには動きが軽くトリッキー。
刀と刀での勝負には、まったく見えないのだ。信長だけ、別のスポーツをやっているかのよう。
これは、まだ少年と言っていい歳ながら、勝てる大人はほとんど……とりあえず私が知るかぎり、美濃にはいないな。
「お前、やっぱりイイな!蝶の次くらいに強いだろ!」
「いえ、帰蝶様より強いです。護衛ですから!」
こらこら、私が負けたのは一回だけだぞ。
でもたしかに、十兵衛は強くなった。同年代の少年になら、負けることはないだろう。
これはたぶん、信長が規格外なのだ。
どうやったらこんなふうに、ノーモーションで跳んだりはねたりできるのだろう。筋肉の質?付き方?
さすが、魔王。
「そうか!なら、ミツ、お前俺の家臣になれよ!」
ぴょんぴょん跳びながら、信長くんは堂々と明智光秀を家臣に勧誘した。
あれ、それはまずいのでは?と思考が停止しそうになったところに、ブン、と鋭く風を切る音が聞こえて、前を見る。
ものすごい形相で、十兵衛が信長の首元に刀を振り下ろしたようだった。避けられたけど。
「僕は……私は、帰蝶様の従者です!誰が、お前なんかのものになるか!!」
声が、ビリビリ響く。
あの子のこんな、雷鳴みたいな声、はじめて聞いた。
私と真逆で冷静に物事を見るあの子が、こんなふうに心の叫びをそのまま口に出すのは、お父様を馬鹿にされた時と、今回での二回目。
私がびっくりしてるのに気づいたのか、十兵衛は慌てて刀をおろして、声のトーンを落とした。
「それから、変な名で呼ばないでください。私は明智十兵衛光秀です」
「ん。そうか、光秀な」
なにが楽しいのか、信長はニコニコ笑っている。
反対に十兵衛は貼り付けなおした笑顔の目立たぬところ、青筋がピクピクしていた。怒ってます。
道中の会話で、十兵衛はどうあっても美濃に帰る気はないと言っていたので、それなら逆に信長と仲良くさせて親友にしてしまおうか。そうしたら燃やさないよね!と思っていたのだけど、この様子を見ると、ぜんぜん、仲良くなれそうにはない。
この二人、やっぱ史実通り仲悪いんだ……どうしよう、と、どう仲裁しようかと悩んでいたら、遠くから男のひとの声が近づいてきた。
聞き覚えのある声、おそらく、平手のじいやさんだ。
「ふたりとも、そこまでにしましょう!そろそろ戻らないと、じいやさんの声が擦り切れそう!」
「お、ほんとだ。ジーイ!こっちだぞーー!」
いや、ぜったい怒られるから。そんな軽く居場所を伝えたら……
ものすごい剣幕の平手様が、草をかき分けてずんずん進んできた。
そして信長くんはじいやにものすごく怒られた。
式は明日に延期になったらしい。
じいやさんは胃が痛いのか、おなかをおさえながら「次やったら諫死しますぞ……!」と信長を脅していた。
かんし とは?
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