孤独を選んだ少女のたった一人の友達

孤独を選んだ少女のたった一人の友達

男子の名前と視線

  それから毎日、私はその男子に話かけられた。話の内容は覚えていないがしつこく話しかけてきたのは覚えてる......休み時間、移動教室の移動中、授業中......更には下校中まで......。まぁ、向こうが一方的に話しているだけで私はケンカ売られた時しか反応しなかったが.........。いつも思うのはなんでこいつはこんなに飽きないんだろう？こんなに冷たい接せられたら普通の感性を持った人ならすぐに離れて行くのに、こいつはどんなに冷たく接しても、ケンカを売られた時に教科書で殴っても、離れて行かなかった。まぁ、こいつがとんでもないバカなんだからなんだけど......。そういえばこいつの名前聞いて無いな......知っても意味ないけど。ここまで関わって名前を知らないのは初めてだった。ただ、名前を知らなくても困らなかった。なぜなら、結局この男子が一人で狂ったようにしゃべっているだけで、私はほぼ話していないからだ。名前に関してははっきり言ってどうでも良かったが、この男子が話しかけ始めてからとても『深刻な問題』が起きていた。『深刻な問題』とはこの男子が話しかけてきているときの周りの視線が以前とは変わっていることだ。前まで私がそこにいないみたいに見向きもしなかったのに、今では冷たい視線を送ってくるようになった。何故視線が変わったかは分からない。ただ視線が変わったことは事実だ。この冷たい視線には見覚えが有り、とても恐怖を感じた。この視線は前の学校でいやというほど見てきた。そしてこの視線は、前の学校でいじめられているときに周りが放ってきた視線だ......そう、私は前の学校でいじめられていたのだ......。