上 下
18 / 38
phase1 二章 赫翼とエースと黒蛇

十七話 エステア軍艦隊撃破ミッション(2)

しおりを挟む
 宇宙空間に上がった俺達四人はファナリスと別れ、『ノアの方舟』へと向かった。

格納庫に着くとユカが歩いてきた。

「ユカさん、地球防衛機構と共同作戦を行うことは、、、、」

「知ってるわ」

ミネーが皆まで言う前にユカが答えた。

「地球防衛機構ベガラス基地との共同作戦でしょ?これ固定イベントだからエステア軍のラスボス倒さないと自由に行動できないのよ」

「え、そうなの?」

「書いてあったじゃない」

「マジか、、、、」

「マジよ。任務以外で地球防衛機構から離れることは不可能」

ユカが溜め息をつく。

「はあ、運営どうしちゃったのかしら」

「仕方がないよ。今は目の前の敵に集中しよ」

ヴァリュートが半ば諦めたように言う。

「そういやユカさんこんなとこいる場合じゃないでしょ。船を動かさないと」

「まだいいわ。戦場まで勝手にワープさせられるみたいだし」

「そーなんですか、、、、」

みんな少し呆れているようだ。

その時、格納庫にアナウンスが響き渡る。

《地球防衛機構全艦隊へ通達する。我々はこれよりエステア軍艦隊の前面にワープする。ワープホールを抜け次第アーマードスーツを発進、敵艦隊を撃滅せよ!》

「もう合流したの?早すぎでしょ、、、、それじゃ頑張ってね」

ユカがボヤきながらその場を後にする。

「俺たちもアーマードスーツに乗ってた方がいいよな?」

「降りてすぐだけどな」

「仕方ないよねー、何がかはわからないけど」

「へへへ、頑張ろー」

俺の言葉にミネー達は頷いて自機のもとへ向かった。

宇宙空間に集結した艦隊がワープホールに突入していく。

アプデ後最初の戦闘がハナサギ達を待ち構えている。

⭐️⭐️⭐️
敵艦隊の前に到着したことをユカに告げられた俺達は発進し、ファナリス達第六アーマードスーツ部隊とベガラス基地の第三アーマードスーツ部隊と合流した。

味方の艦隊がレーザー砲で敵艦隊を攻撃し始めた。

「軽装備のアーマードスーツは対艦装備のアーマードスーツから敵アーマードスーツを遠ざけろ、いいな!」

リクが仲間に指示を出す。

「了解!」

部隊のメンバーが元気よく応える。

《敵アーマードスーツの出現を確認、数が多い!》

ユカが警戒をうながす。

「了解した、全機気合い入れろ!」

飛来した敵のアーマードスーツからライフルが放たれる。

「よし、イベントの時の要領で行くか」

ミネーがスピードを上げる。

「張り切っちゃうぞー!」

アリスもライフルを乱射しながらスピードを上げる。

「張り切ってるねー、ボクたちも頑張ろうか」

「そうだな。さっさと終わらせよう」

俺とヴァリュートもスピードを上げる。

敵は多いが、さほど強くない。

「今のうちに艦隊に近づけ、、、、いや待て」

リクが艦隊に向かって行こうとした味方を止める。

「どうした、リク?」

ファナリスが敵をぶった斬りながら問いかける。

「お、何かあったのかな?」

ヴァリュートがレーダーを確認する。

敵のアーマードスーツが三機、こちらに向かってとんでもないスピードで飛んでくる。

「みんな、ヤバいのが来るよ!」

「ファナリス、ハナサギ、グレイス、応戦してくれ!」

リクが指示を出す。

「了解した、行くぞハナサギ!」

「分かった!」

エリアルバンシィのパイロットのグレイスが驚く。

「ハナサギ、、、、!シンギュラリティになりうる存在。あの戦艦はピースコンパスのか。丁度いい、ハナサギの実力を見せてもらおう」

三機のエリアルが突如襲来した赤蛇を迎撃する。

「なっ、赤蛇だと?」

グレイスが驚く。

「落ち着いてやれば勝てます、焦らずに!」

誰かが励ましてくれた。

『いつもは最低二機で相手取ってるんだがな、、、、たまにはこういうのもいいか」

「分かった。すまない」

励ましてくれた誰かに礼を言ってエナジーソードを装備する。

それぞれの機体が赤蛇と交戦を開始する。

「うわ、ビットンだ!」

エリアルバレルディ戦で植え付けられたトラウマを刺激された俺は思わず緊急回避した。

「いや、あれほどじゃない、、、、そもそも数が全然違うわ。ビビって損した」

秒で落ち着きを取り戻した俺は縦横無尽に駆け回るビットンを切り裂いていく。

『あいつ、赤蛇のオールレンジ攻撃に対応してやがる、、、、だと?カガリに気に入られるだけはあるな』

そんなことを考えながらグレイスは赤蛇がビットンを放つ前の予備動作を見切って攻撃を仕掛けた。

赤蛇のビットンが放たれる前に爆散する。

少なからず本体もダメージを受けたようだ。

「二人ともやるじゃないか!」

赤蛇をほぼ撃墜にまで追い込んだファナリスがハナサギとグレイスを褒める。

「な、もう終わったのか?」

「え、ファナリス速すぎだろ」

俺は赤蛇を仕留めつつも驚いた。

グレイスもびっくりしているようだ。

ま、驚きつつも俺と黒いエリアルも赤蛇を仕留めたんだけどな。

「そのまま艦隊への攻撃部隊を支援してやってくれ!」

リクからまた指示がとぶ。

「了解!」

三機のエリアルが敵艦隊に向かって行く。

⭐️⭐️⭐️
少し離れたところに一隻、小型の戦艦が待機していた。

「エリアルイウデクス、出る。奴の化けの皮を剥いでやる」

白と紫の塗装のエリアルイウデクスが戦火煌めく戦場に向けてハッチから射出される。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

VRゲームでも身体は動かしたくない。

姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。 古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。 身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。 しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。 当作品は小説家になろう様で連載しております。 章が完結次第、一日一話投稿致します。

基本中の基本

黒はんぺん
SF
ここは未来のテーマパーク。ギリシャ神話 を模した世界で、冒険やチャンバラを楽し めます。観光客でもある勇者は暴風雨のな か、アンドロメダ姫を救出に向かいます。 もちろんこの暴風雨も機械じかけのトリッ クなんだけど、だからといって楽じゃない ですよ。………………というお話を語るよう要請さ れ、あたしは召喚されました。あたしは違 うお話の作中人物なんですが、なんであた しが指名されたんですかね。

宇宙の戦士

邦幸恵紀
SF
【SF(スペースファンタジー)/パワードスーツは登場しません/魔法≒超能力】 向井紀里《むかいきり》は、父・鏡太郎《きょうたろう》と二人暮らしの高校一年生。 ある朝、登校途中に出会った金髪の美少女に「偽装がうまい」と評される。 紀里を連れ戻しにきたという彼女は異星人だった。まったく身に覚えのない紀里は、彼女の隙を突いて自宅に逃げこむが―― ◆表紙はかんたん表紙メーカー様で作成いたしました。ありがとうございました(2023/09/11)。

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?

ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚 そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています! 面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※ ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜

華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日  この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。  札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。  渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。  この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。  一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。  そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。 この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。 この作品はフィクションです。 実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。

処理中です...