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終章 魔王討伐へ
四十五話 戦域分岐
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「ひたすらに暴れれば良いんでしょ!」
ベルフェゴールが鎖鎌をブン回して不死兵の首を刈り取る。
「そうだ!各自の判断で散開しろ!」
パンタロンがそう怒鳴って飛び上がり、キュールの元へ向かう。
「ふ、わらわに向かってくるか。おい、ペラコント、お前も下の奴らを相手してやれ」
キュールがペラコントを振り落とす。
「ったく、エルフ使いの荒いやつだぜ」
ペラコントが着地するなり、魔法を発動する。
「アイスニードル!」
地面から氷柱が突きだし兵士達を貫く。
「オラオラ!」
バルクが氷柱を避けながら打ち砕く。
「俺はあそこの城を制圧する!」
バルクが古城の方に走り出す。
「一人で大丈夫か?」
ブリエッタが尋ねるが、バルクは不敵な笑みを浮かべただけだった。
「じゃあ私は地下公道に行くわ」
「鎖鎌じゃ闘えんだろ」
アスフェンが突っ込む。
「うるせえ、大鎌に変幻させるんだよ」
「じゃあ俺はあのドラゴンだ。アスフェン、手伝えよ」
ブリエッタが飛び上がる。
「答える前から行ってんじゃねえよ」
アスフェンも後を追う。
ベルフェゴール達が唖然とする。
「どんな脚力してんだよ」
二人は楽々とパンタロンを追い越す。
「出鱈目が過ぎるぜ……!」
「「うおお!」」
二人の攻撃がキュールの鼻先に炸裂する。
『コイツら……!』
あまりの速さに対抗出来ず、地面に叩き付けられる。
「おい、キュール、何やってんだ!」
ペラコントが驚く。
「エレメントバインド!」
ヒューズが炎、氷、雷の三属性で構成された鞭をうつ。
「ちっ!」
ペラコントが紙一重で避ける。
「避けたか」
「くっ、おいキュール!……おい?」
ヒューズの鞭がしなる。
ペラコントが冷や汗をかく。
「忌々しい……!」
ペラコントが移動する。
ヒューズもそれを追う。
「私も!」
イザベラが追従する。
キュールがガバッと起き上がる。
「だーっ!死ぬかと思いましたわ!」
アスフェンとブリエッタが武器を構える。
「こいつは……とんでもなくタフだぜ」
「思ったより固かったな」
二人がまたキュールに仕掛ける。
キュールの意識が飛びかける。
『この裏切り者ども……!』
「貴様らぁ!魔族であるにも関わらずなぜ魔王様の元に集わず敵対する!」
キュールが怒鳴る。
二人がポカンとする。
「は、魔族?」
「俺達が?」
「そんな力を持っている人間がいるものか……もしかして貴様ら人間であるのか?」
「おん」
「生まれも育ちも人間界だぜ」
キュールが震える。
『なんじゃと!?こんな化け物を産んだ人間がおるのか!?』
パンタロンが二人の後ろに降り立つ。
「バルクとチュンチュン、『スターハイツ』は古城の方に向かった。ベルフェゴールとイケメソとレグルスは地下公道へ、ヒューズ、イザベラはあの魔術師と戦闘中だ」
「アリスは?」
アスフェンが尋ねる。
「大聖堂の方へ救援に向かった。魔王がいつ現れるか分からん。恐らくバルクかベルフェゴールの方に現れると思うが」
「なるほどな、このドラゴンはお前に任せて、あいつらの所へ行けってことだな」
ブリエッタが言うとパンタロンが直ぐに否定する。
「少しは手伝ってくれ」
「お喋りはすんだか!」
キュールが熱線を吐く。
三人が飛び避ける。
「頼むぜ、イケオジ!」
ブリエッタが叫びながら棍棒をキュールの背中に叩き込む。
アスフェンも拳を叩き込む。
『この者達、他の有象無象と明らか別格!まさか、十五年前に魔王様を打ち破ったのは……』
キュールが口を大きく開けて仰け反る。
「口が開いてるぜ、お嬢さん」
パンタロンがエネルギーを急速チャージし、究極電磁波をキュールの口に放出する。
大爆発が起きる。
「よし、別れて……はぁぁ?」
パンタロンが何事もなかったように暴れだすキュールを見て思わず頓狂な声を出した。
『完全に俺の認識が間違っていた、アスフェンとブリエッタの攻撃しか有効打になっていない。俺の技なんかこれっぽっちも効いてねぇ』
パンタロンが冷や汗を流す。
『敵味方双方の力量を見誤っちまった!』
ブリエッタとアスフェンがキュールから距離を取る。
「こいつがくたばるまで撃ち込んでくれ、一回効かなかったぐらいで焦るんじゃないぞ!」
「慢心してたな、あのイケオジ」
アスフェンが呆れる。
『こりゃこんなトカゲに時間かけてる場合じゃないな』
ベルフェゴールが鎖鎌をブン回して不死兵の首を刈り取る。
「そうだ!各自の判断で散開しろ!」
パンタロンがそう怒鳴って飛び上がり、キュールの元へ向かう。
「ふ、わらわに向かってくるか。おい、ペラコント、お前も下の奴らを相手してやれ」
キュールがペラコントを振り落とす。
「ったく、エルフ使いの荒いやつだぜ」
ペラコントが着地するなり、魔法を発動する。
「アイスニードル!」
地面から氷柱が突きだし兵士達を貫く。
「オラオラ!」
バルクが氷柱を避けながら打ち砕く。
「俺はあそこの城を制圧する!」
バルクが古城の方に走り出す。
「一人で大丈夫か?」
ブリエッタが尋ねるが、バルクは不敵な笑みを浮かべただけだった。
「じゃあ私は地下公道に行くわ」
「鎖鎌じゃ闘えんだろ」
アスフェンが突っ込む。
「うるせえ、大鎌に変幻させるんだよ」
「じゃあ俺はあのドラゴンだ。アスフェン、手伝えよ」
ブリエッタが飛び上がる。
「答える前から行ってんじゃねえよ」
アスフェンも後を追う。
ベルフェゴール達が唖然とする。
「どんな脚力してんだよ」
二人は楽々とパンタロンを追い越す。
「出鱈目が過ぎるぜ……!」
「「うおお!」」
二人の攻撃がキュールの鼻先に炸裂する。
『コイツら……!』
あまりの速さに対抗出来ず、地面に叩き付けられる。
「おい、キュール、何やってんだ!」
ペラコントが驚く。
「エレメントバインド!」
ヒューズが炎、氷、雷の三属性で構成された鞭をうつ。
「ちっ!」
ペラコントが紙一重で避ける。
「避けたか」
「くっ、おいキュール!……おい?」
ヒューズの鞭がしなる。
ペラコントが冷や汗をかく。
「忌々しい……!」
ペラコントが移動する。
ヒューズもそれを追う。
「私も!」
イザベラが追従する。
キュールがガバッと起き上がる。
「だーっ!死ぬかと思いましたわ!」
アスフェンとブリエッタが武器を構える。
「こいつは……とんでもなくタフだぜ」
「思ったより固かったな」
二人がまたキュールに仕掛ける。
キュールの意識が飛びかける。
『この裏切り者ども……!』
「貴様らぁ!魔族であるにも関わらずなぜ魔王様の元に集わず敵対する!」
キュールが怒鳴る。
二人がポカンとする。
「は、魔族?」
「俺達が?」
「そんな力を持っている人間がいるものか……もしかして貴様ら人間であるのか?」
「おん」
「生まれも育ちも人間界だぜ」
キュールが震える。
『なんじゃと!?こんな化け物を産んだ人間がおるのか!?』
パンタロンが二人の後ろに降り立つ。
「バルクとチュンチュン、『スターハイツ』は古城の方に向かった。ベルフェゴールとイケメソとレグルスは地下公道へ、ヒューズ、イザベラはあの魔術師と戦闘中だ」
「アリスは?」
アスフェンが尋ねる。
「大聖堂の方へ救援に向かった。魔王がいつ現れるか分からん。恐らくバルクかベルフェゴールの方に現れると思うが」
「なるほどな、このドラゴンはお前に任せて、あいつらの所へ行けってことだな」
ブリエッタが言うとパンタロンが直ぐに否定する。
「少しは手伝ってくれ」
「お喋りはすんだか!」
キュールが熱線を吐く。
三人が飛び避ける。
「頼むぜ、イケオジ!」
ブリエッタが叫びながら棍棒をキュールの背中に叩き込む。
アスフェンも拳を叩き込む。
『この者達、他の有象無象と明らか別格!まさか、十五年前に魔王様を打ち破ったのは……』
キュールが口を大きく開けて仰け反る。
「口が開いてるぜ、お嬢さん」
パンタロンがエネルギーを急速チャージし、究極電磁波をキュールの口に放出する。
大爆発が起きる。
「よし、別れて……はぁぁ?」
パンタロンが何事もなかったように暴れだすキュールを見て思わず頓狂な声を出した。
『完全に俺の認識が間違っていた、アスフェンとブリエッタの攻撃しか有効打になっていない。俺の技なんかこれっぽっちも効いてねぇ』
パンタロンが冷や汗を流す。
『敵味方双方の力量を見誤っちまった!』
ブリエッタとアスフェンがキュールから距離を取る。
「こいつがくたばるまで撃ち込んでくれ、一回効かなかったぐらいで焦るんじゃないぞ!」
「慢心してたな、あのイケオジ」
アスフェンが呆れる。
『こりゃこんなトカゲに時間かけてる場合じゃないな』
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