16 / 60
一章 予兆編
十六話 魔人討伐~後編~
しおりを挟む
「アスフェン、レグルスを守ってくれ!」
イザベラが叫ぶ。
「奴を殺して私が『選ばれる』」
ヨアンがレグルスを殺そうとする。
「ひぃー!」
レグルスが一目散にアスフェンの後ろに逃げ込む。
「どけ!」
ヨアンがアスフェンに斬りかかる。
「おらっ!」
アスフェンが攻撃を弾く。
「くそっ」
ヨアンが体勢を崩す。
『獣人から『矢』を奪わなければ!幸い獣人は『矢』の使い方を知らない……いや』
ヨアンがイザベラを見る。
『アイツは『矢』の使い方を知っている!アイツを先に殺すのが得策だろう。あの男の始末は……後回しだ』
イザベラがレグルスに叫ぶ。
「矢を突き刺せ!」
レグルスが驚く。
「えぇ!?自分に!?どこに……?」
イザベラがまた何かを叫ぼうとしたがヨアンが妨害する。
「これ以上は言わせんぞ!」
ヨアンの蹴りがイザベラの骨を砕く。
「ゴフッ」
イザベラが血を吐いてぶっ飛ぶ。
「レグルス、早くやるんだ!」
ケラスターゼとアリスがヨアンに斬りかかりながら言う。
「む、無理だよ……!」
レグルスが震えながら言う。
「早くしないとアイツら死ぬぞ」
「な、そんなこと言ったって……アスフェンがアイツを倒せば」
「お前は一生俺の助けを借りて生きていくのか?人生での重要な岐路に立たされたときに俺がその場にいると思うか?これからはお前達の時代だ、俺の時代じゃあない」
「レグルス、なにやってる!」
アリスが叫ぶ。
「勇気を出して、レグルス!」
ケラスターゼも叫ぶ。
「俺はお前が『矢』をぶっさすまでの時間しか稼がないからな」
アスフェンが走り出す。
「アスフェン!」
ケラスターゼの顔が綻ぶ。
「レグルスが矢を刺すまでこいつを抑えるぞ!」
「分かった!」
『まずい、奴に『矢』を使われる』
ヨアンが焦る。
「……っ」
レグルスが絶叫する。
「うあああああ!」
思いっきり自分の胸に矢を突き刺した。
『くそっ!』
ヨアンが無理やり突破してレグルスに斬りかかる。
「これが……『矢』の力」
レグルスがポツリと呟く。
ヨアンの剣が拳に止められている。
『この獣人、拳で剣を……!いや、この獣人の拳ではない!?』
ヨアンが青ざめる。
別の獣人が拳を突き出していた。
「やった、『矢』の力が発動した!」
アリスが喜ぶ。
『しまった、近付きすぎた……』
ヨアンが離れようとするが間に合わなかった。
「うがぁ!」
獣人の叫びがこだまする。
拳がヨアンの顔に叩き込まれる。
ヨアンの顔にヒビが入る。
「ぐふぅ!」
『なんてパワーの……』
「うおおおお!」
レグルスのラッシュがヨアンに叩き込まれる。
『まずい、このままでは死ぬ!魔核を本部に転送しておかなくては』
「うがうがうがうがうが、うがあああ!」
獣人がヨアンを殴る度に岩を砕くような、分厚い鉄をへこませるような音がなる。
アッパーがヨアンの顎にクリティカルヒットする。
『私は命の替えが利かない人間とは違う、また逢う時、その事を知るだろう』
ヨアンの顔が潰れる。
「さよなら、永遠に」
レグルスがポツリと呟く。
「ふっ、終わったな」
アスフェンがレグルスの背中をバシバシ叩く。
『本当に怖かったろうにな、こいつは凄い奴だ』
アスフェンが微かに微笑む。
「ゲホッ、死ぬ……」
アリスが倒れる。
「アルティメットヒール……」
アリスの身体が緑に輝き、傷が塞がっていく。
「よしっ、全快っ!」
「……最初からそれをやりまくってれば勝てたんじゃないか?」
「なに言ってるんですか師匠、アルティメットヒールは連発できないんですよ、他人への付与も出来ないし……」
「イザベラさんの治療を行いつつ、夜明けまで待ちましょう。もうすぐですし」
レグルスが言う。
「そういえば、レグルスの後ろにいたあの獣人だれ?」
ケラスターゼが尋ねる。
「うーん……何だろう」
レグルスが考え込む。
「獣人族に伝わる伝説の神、ジャガウォックで良いんじゃないか」
アスフェンがイザベラを引きずりながら言う。
「ジャガウォック……よろしくね」
レグルスが拳を握りしめる。
空は明るみ始めていた。
イザベラが叫ぶ。
「奴を殺して私が『選ばれる』」
ヨアンがレグルスを殺そうとする。
「ひぃー!」
レグルスが一目散にアスフェンの後ろに逃げ込む。
「どけ!」
ヨアンがアスフェンに斬りかかる。
「おらっ!」
アスフェンが攻撃を弾く。
「くそっ」
ヨアンが体勢を崩す。
『獣人から『矢』を奪わなければ!幸い獣人は『矢』の使い方を知らない……いや』
ヨアンがイザベラを見る。
『アイツは『矢』の使い方を知っている!アイツを先に殺すのが得策だろう。あの男の始末は……後回しだ』
イザベラがレグルスに叫ぶ。
「矢を突き刺せ!」
レグルスが驚く。
「えぇ!?自分に!?どこに……?」
イザベラがまた何かを叫ぼうとしたがヨアンが妨害する。
「これ以上は言わせんぞ!」
ヨアンの蹴りがイザベラの骨を砕く。
「ゴフッ」
イザベラが血を吐いてぶっ飛ぶ。
「レグルス、早くやるんだ!」
ケラスターゼとアリスがヨアンに斬りかかりながら言う。
「む、無理だよ……!」
レグルスが震えながら言う。
「早くしないとアイツら死ぬぞ」
「な、そんなこと言ったって……アスフェンがアイツを倒せば」
「お前は一生俺の助けを借りて生きていくのか?人生での重要な岐路に立たされたときに俺がその場にいると思うか?これからはお前達の時代だ、俺の時代じゃあない」
「レグルス、なにやってる!」
アリスが叫ぶ。
「勇気を出して、レグルス!」
ケラスターゼも叫ぶ。
「俺はお前が『矢』をぶっさすまでの時間しか稼がないからな」
アスフェンが走り出す。
「アスフェン!」
ケラスターゼの顔が綻ぶ。
「レグルスが矢を刺すまでこいつを抑えるぞ!」
「分かった!」
『まずい、奴に『矢』を使われる』
ヨアンが焦る。
「……っ」
レグルスが絶叫する。
「うあああああ!」
思いっきり自分の胸に矢を突き刺した。
『くそっ!』
ヨアンが無理やり突破してレグルスに斬りかかる。
「これが……『矢』の力」
レグルスがポツリと呟く。
ヨアンの剣が拳に止められている。
『この獣人、拳で剣を……!いや、この獣人の拳ではない!?』
ヨアンが青ざめる。
別の獣人が拳を突き出していた。
「やった、『矢』の力が発動した!」
アリスが喜ぶ。
『しまった、近付きすぎた……』
ヨアンが離れようとするが間に合わなかった。
「うがぁ!」
獣人の叫びがこだまする。
拳がヨアンの顔に叩き込まれる。
ヨアンの顔にヒビが入る。
「ぐふぅ!」
『なんてパワーの……』
「うおおおお!」
レグルスのラッシュがヨアンに叩き込まれる。
『まずい、このままでは死ぬ!魔核を本部に転送しておかなくては』
「うがうがうがうがうが、うがあああ!」
獣人がヨアンを殴る度に岩を砕くような、分厚い鉄をへこませるような音がなる。
アッパーがヨアンの顎にクリティカルヒットする。
『私は命の替えが利かない人間とは違う、また逢う時、その事を知るだろう』
ヨアンの顔が潰れる。
「さよなら、永遠に」
レグルスがポツリと呟く。
「ふっ、終わったな」
アスフェンがレグルスの背中をバシバシ叩く。
『本当に怖かったろうにな、こいつは凄い奴だ』
アスフェンが微かに微笑む。
「ゲホッ、死ぬ……」
アリスが倒れる。
「アルティメットヒール……」
アリスの身体が緑に輝き、傷が塞がっていく。
「よしっ、全快っ!」
「……最初からそれをやりまくってれば勝てたんじゃないか?」
「なに言ってるんですか師匠、アルティメットヒールは連発できないんですよ、他人への付与も出来ないし……」
「イザベラさんの治療を行いつつ、夜明けまで待ちましょう。もうすぐですし」
レグルスが言う。
「そういえば、レグルスの後ろにいたあの獣人だれ?」
ケラスターゼが尋ねる。
「うーん……何だろう」
レグルスが考え込む。
「獣人族に伝わる伝説の神、ジャガウォックで良いんじゃないか」
アスフェンがイザベラを引きずりながら言う。
「ジャガウォック……よろしくね」
レグルスが拳を握りしめる。
空は明るみ始めていた。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
俺は5人の勇者の産みの親!!
王一歩
ファンタジー
リュートは突然、4人の美女達にえっちを迫られる!?
その目的とは、子作りを行い、人類存亡の危機から救う次世代の勇者を誕生させることだった!
大学生活初日、巨乳黒髪ロング美女のカノンから突然告白される。
告白された理由は、リュートとエッチすることだった!
他にも、金髪小悪魔系お嬢様吸血鬼のアリア、赤髪ロリ系爆乳人狼のテル、青髪ヤンデレ系ちっぱい娘のアイネからもえっちを迫られる!
クラシックの音楽をモチーフとしたキャラクターが織りなす、人類存亡を賭けた魔法攻防戦が今始まる!
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
勇者に闇討ちされ婚約者を寝取られた俺がざまあするまで。
飴色玉葱
ファンタジー
王都にて結成された魔王討伐隊はその任を全うした。
隊を率いたのは勇者として名を挙げたキサラギ、英雄として誉れ高いジークバルト、さらにその二人を支えるようにその婚約者や凄腕の魔法使いが名を連ねた。
だがあろうことに勇者キサラギはジークバルトを闇討ちし行方知れずとなってしまう。
そして、恐るものがいなくなった勇者はその本性を現す……。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる