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千姫ルート 南京城攻略戦1
張居勝2(エロ度☆☆☆☆☆)
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居勝達明軍は散々に倭遊軍の追撃を受け、5000いた兵も3000程に減らしていた。
今、彼らの下には30万の兵ではなく、たったの3000、1%にまで減らされていたのだ。
「・・・・・・李将軍」
「なんじゃ!? また敵か?」
度重なる攻撃に全く前線に立たないはずの進安ですら幾つも傷を負い、満身創痍となっている。
そうでなくても火の囲いを抜ける際に火傷を負っているのだ。
「いえ、今のところは。ですが、このまま追いつかれれば全滅しかねません。此処は私に兵1000を預け殿をお命じください」
正直に言えば、居勝は疾うに死に場所を求めていた。
出来れば季夏のそれに出来るだけ近いところで。
「ふん、よかろう。此度の敗戦の責、少しは取り換えしてまいれ!」
吐き捨てるように居勝に言い、進安は先を急ぐ。
自分の責任など露も考えていないのだろう。
どう転んでも総大将が責を負わないわけはないというのに。
「・・・・・・南京にどれほどの兵が集まっているか、だな」
もともと先日の戦で本陣にいた兵は、そのほとんどが居勝の連れてきた兵だ。
今残ってくれた1000も同様であり、南京にも1000近くは残してきている。
後はどれほどの兵が集まってくれているかだが・・・・・・。
「すまんな。私に付き合わせてしまい」
「いえ! 我らは皆張将軍に救われた者。将軍が残ると言われるなら我々も付き従わせていただきます!」
それは確かもう5年も前、奸臣どもに友人の情報を売り、自らは出世の道を歩んでいた頃。
悪政により困窮していた民達に都から派遣された官吏は更なる税を課した。
その名目は一体なんだったろうか、確かその官吏の赴任を祝うための税、そのようなトンチンカンなものだった。
だが、その金額が高額で、はっきりと言えば2人くらい奴隷に売ったのと同様の金額だった。
実は、その官吏は奴隷商と懇意にしていたのだが、とにかくそれは民を震え上がらせた。
その民達を居勝は助けたのだ。
この官吏が朝廷の主流派から疎まれ、遠ざけられたことを知り、善人であった大商人と共謀してみせた。
先ず、税が払えないならと民の家を全て取り立て、住まわせる代わりに家賃を納入すると言う誓書に署名させる。
そして、その権利を大商人に売ることで税を取り立てると言うわけだ。
こうすれば、本来の税金よりも利子も付いた高額の税金となる。
もっとも、これは時間稼ぎの方便でしかなかった。
実際の徴税官である居勝は民達の知らないところで勝手にその証文を作り始めるが、活版印刷がまだ一般的ではなかった時代である。
遅々として進まぬ作業に官吏が怒鳴り込んできたが、一度は許可を得ていると居勝は取り合わない。
そうしている間に居勝の訴えが都に届き、官吏は更迭されていった。
もともと正式なものではなかった税も完全に無くなり、その日の夜は商人と証文を燃やした焚き火を囲み酒を呑んだ。
その時、大商人の娘の季夏と婚約したのだ。
「・・・・・・季夏」
季夏を進安に売ると言った時、商人は激しく怒り狂い、居勝をなじった。
それは当然そうだろう。
だが、最後にはこれが国のためになるならと血の涙を流して許してくれた。
そうまでして漕ぎ着けた出世の道は既にもうない。
出来ることなら商人に、義父になるはずだった者に詫びてから死にたい。
だが・・・・・・。
「陣を張れ。南京を倭冠から守るぞ」
「はっ!」
もはや出来ることはそれだけ、居勝はそう思っていた。
今、彼らの下には30万の兵ではなく、たったの3000、1%にまで減らされていたのだ。
「・・・・・・李将軍」
「なんじゃ!? また敵か?」
度重なる攻撃に全く前線に立たないはずの進安ですら幾つも傷を負い、満身創痍となっている。
そうでなくても火の囲いを抜ける際に火傷を負っているのだ。
「いえ、今のところは。ですが、このまま追いつかれれば全滅しかねません。此処は私に兵1000を預け殿をお命じください」
正直に言えば、居勝は疾うに死に場所を求めていた。
出来れば季夏のそれに出来るだけ近いところで。
「ふん、よかろう。此度の敗戦の責、少しは取り換えしてまいれ!」
吐き捨てるように居勝に言い、進安は先を急ぐ。
自分の責任など露も考えていないのだろう。
どう転んでも総大将が責を負わないわけはないというのに。
「・・・・・・南京にどれほどの兵が集まっているか、だな」
もともと先日の戦で本陣にいた兵は、そのほとんどが居勝の連れてきた兵だ。
今残ってくれた1000も同様であり、南京にも1000近くは残してきている。
後はどれほどの兵が集まってくれているかだが・・・・・・。
「すまんな。私に付き合わせてしまい」
「いえ! 我らは皆張将軍に救われた者。将軍が残ると言われるなら我々も付き従わせていただきます!」
それは確かもう5年も前、奸臣どもに友人の情報を売り、自らは出世の道を歩んでいた頃。
悪政により困窮していた民達に都から派遣された官吏は更なる税を課した。
その名目は一体なんだったろうか、確かその官吏の赴任を祝うための税、そのようなトンチンカンなものだった。
だが、その金額が高額で、はっきりと言えば2人くらい奴隷に売ったのと同様の金額だった。
実は、その官吏は奴隷商と懇意にしていたのだが、とにかくそれは民を震え上がらせた。
その民達を居勝は助けたのだ。
この官吏が朝廷の主流派から疎まれ、遠ざけられたことを知り、善人であった大商人と共謀してみせた。
先ず、税が払えないならと民の家を全て取り立て、住まわせる代わりに家賃を納入すると言う誓書に署名させる。
そして、その権利を大商人に売ることで税を取り立てると言うわけだ。
こうすれば、本来の税金よりも利子も付いた高額の税金となる。
もっとも、これは時間稼ぎの方便でしかなかった。
実際の徴税官である居勝は民達の知らないところで勝手にその証文を作り始めるが、活版印刷がまだ一般的ではなかった時代である。
遅々として進まぬ作業に官吏が怒鳴り込んできたが、一度は許可を得ていると居勝は取り合わない。
そうしている間に居勝の訴えが都に届き、官吏は更迭されていった。
もともと正式なものではなかった税も完全に無くなり、その日の夜は商人と証文を燃やした焚き火を囲み酒を呑んだ。
その時、大商人の娘の季夏と婚約したのだ。
「・・・・・・季夏」
季夏を進安に売ると言った時、商人は激しく怒り狂い、居勝をなじった。
それは当然そうだろう。
だが、最後にはこれが国のためになるならと血の涙を流して許してくれた。
そうまでして漕ぎ着けた出世の道は既にもうない。
出来ることなら商人に、義父になるはずだった者に詫びてから死にたい。
だが・・・・・・。
「陣を張れ。南京を倭冠から守るぞ」
「はっ!」
もはや出来ることはそれだけ、居勝はそう思っていた。
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