67 / 323
戦勝者の憂鬱
桜散る(エロ度☆☆☆☆☆)
しおりを挟む
「秀頼、約束は果たしたのですから、2人の希望は叶えるのですね?」
眼がさめると昨晩の情事が嘘のようにピシッとした母上に言われてしまう。
「え~、でも母上、江叔母上に種付けしてません」
素直に不満を言う。
母上と初叔母上にはしっかり膣出ししたから良かったけれど・・・・・・。
「秀頼、母や叔母を孕ませてどうします」
「あ、もしも母上が孕んだら、弟妹なんですか? 子供なんですか?」
ヒクッと母上がひきつった顔をする。
「秀頼、よく聞きなさい。天下人である貴方の行動は誰もが見ているのです。そして、貴方がおかしなことをすれば天下の誰もが不安になる。そして不安が溜まれば世が乱れる。それが天下人なのです」
「それ、もしかしておね様の言葉ですか?」
「ウッ・・・・・・」
やっぱりか。
確かにあの人ならそう言いそうだ。
恐らくは天下人の母としての心持を説く時に話したんだろうけど。
「母上。江叔母上達の願いは勿論聞き届けます。その上で相談があります」
「・・・・・・なんです?」
「昨晩の話にあった子女達の話です」
「諸大名の子女を豊臣家預かりにするという話ですね?」
「はい。しかし、ただ預かるだけでは居場所がないと思うのです。なので!」
「・・・・・・まさか後宮を造るとでもいうのではないでしょうね?」
ジト目で睨まれてしまう。
いや、大奥だからぁって、全く同じですね。
後宮は中国皇帝の大奥みたいなものだ。
この時代には大奥と言う言葉が存在しないので後宮と表現したのだろう。
ということで、
「大正解!」
「駄目です」
「・・・・・・じゃ、子女達をどうするのです? 豊臣の財政的にただ遊ばせておくことは簡単ですけど、それでいいのですか?」
「それは・・・・・・」
「反論は代案が無ければ聞きつけません! それじゃ母上、俺はお仕事がありますので! 後宮のまとめ役は母上に任せます。考えておいてくださいね!」
「待ちなさい、秀頼!」
母親に待てと言われて待つ子供はいない。
とっとと今日のお仕事を終わらせよう。
たぶん、三成達が昨日の内に恩賞や転封・加増の整理と処罰の整理を終わらせているはずだ。
後は俺が署名をしてやれば良い。
そうすれば4日後には諸将が集まり論功行賞を行い、ようやくこの戦は終わりとなる。
ふと、階下の向かいの廊下をトテトテと歩く幼女の姿が目に入る。
千姫が江叔母上と共にいられるのもあと4日。
「・・・・・・今のうちに甘えておきなよ」
母と別れて暮らさなければいけなくなる憐れな娘に申し訳なく思ってしまう。
他の大名の子女達と違い、母上の養女となる千姫には乳母も付いてくる。
そう言った意味では他の娘達よりは手厚い環境にはあるが、それでもたったの4歳で実の母と別れなければいけないと言うのは可愛そうでならない。
いくら新しく義母や義兄が出来たり、種違いとは言え姉・完子と一緒と言っても、そう簡単に寂しさを埋められるものではないだろう。
・・・・・・そう言えば、江叔母上にはもう一人珠という赤ん坊がいる。
そちらも母上の養女となるわけだが、俺の2つ上の完子も含めれば江叔母上の娘3人がそうなったことになる。
そうしてしまったのは俺自身だけど、浅井三姉妹もその娘達もやはり数奇な運命を辿るということか。
散ゆく桜が春の終わりを告げている。
既にして歴史は大きく動いた。
もはや誰も俺をただの子供だとは侮らないだろう。
これからは天下人として、日の本の総帥として、ああいった幼子達の運命も背負って行かなければいけない。
「殿、御採択をいただきたく」
「三成、人が感慨に耽っている時にそれは無くないか?」
「それも長たる者の使命にございます」
俺には桜を楽しむ余裕はないらしい。
「はぁ、あ、そうだ。そういや頼んどいた菓子は着いたか?」
「ははっ!」
三成の仏頂面を見飽きたら、またマイエンジェルに菓子をあげに行こう。
眼がさめると昨晩の情事が嘘のようにピシッとした母上に言われてしまう。
「え~、でも母上、江叔母上に種付けしてません」
素直に不満を言う。
母上と初叔母上にはしっかり膣出ししたから良かったけれど・・・・・・。
「秀頼、母や叔母を孕ませてどうします」
「あ、もしも母上が孕んだら、弟妹なんですか? 子供なんですか?」
ヒクッと母上がひきつった顔をする。
「秀頼、よく聞きなさい。天下人である貴方の行動は誰もが見ているのです。そして、貴方がおかしなことをすれば天下の誰もが不安になる。そして不安が溜まれば世が乱れる。それが天下人なのです」
「それ、もしかしておね様の言葉ですか?」
「ウッ・・・・・・」
やっぱりか。
確かにあの人ならそう言いそうだ。
恐らくは天下人の母としての心持を説く時に話したんだろうけど。
「母上。江叔母上達の願いは勿論聞き届けます。その上で相談があります」
「・・・・・・なんです?」
「昨晩の話にあった子女達の話です」
「諸大名の子女を豊臣家預かりにするという話ですね?」
「はい。しかし、ただ預かるだけでは居場所がないと思うのです。なので!」
「・・・・・・まさか後宮を造るとでもいうのではないでしょうね?」
ジト目で睨まれてしまう。
いや、大奥だからぁって、全く同じですね。
後宮は中国皇帝の大奥みたいなものだ。
この時代には大奥と言う言葉が存在しないので後宮と表現したのだろう。
ということで、
「大正解!」
「駄目です」
「・・・・・・じゃ、子女達をどうするのです? 豊臣の財政的にただ遊ばせておくことは簡単ですけど、それでいいのですか?」
「それは・・・・・・」
「反論は代案が無ければ聞きつけません! それじゃ母上、俺はお仕事がありますので! 後宮のまとめ役は母上に任せます。考えておいてくださいね!」
「待ちなさい、秀頼!」
母親に待てと言われて待つ子供はいない。
とっとと今日のお仕事を終わらせよう。
たぶん、三成達が昨日の内に恩賞や転封・加増の整理と処罰の整理を終わらせているはずだ。
後は俺が署名をしてやれば良い。
そうすれば4日後には諸将が集まり論功行賞を行い、ようやくこの戦は終わりとなる。
ふと、階下の向かいの廊下をトテトテと歩く幼女の姿が目に入る。
千姫が江叔母上と共にいられるのもあと4日。
「・・・・・・今のうちに甘えておきなよ」
母と別れて暮らさなければいけなくなる憐れな娘に申し訳なく思ってしまう。
他の大名の子女達と違い、母上の養女となる千姫には乳母も付いてくる。
そう言った意味では他の娘達よりは手厚い環境にはあるが、それでもたったの4歳で実の母と別れなければいけないと言うのは可愛そうでならない。
いくら新しく義母や義兄が出来たり、種違いとは言え姉・完子と一緒と言っても、そう簡単に寂しさを埋められるものではないだろう。
・・・・・・そう言えば、江叔母上にはもう一人珠という赤ん坊がいる。
そちらも母上の養女となるわけだが、俺の2つ上の完子も含めれば江叔母上の娘3人がそうなったことになる。
そうしてしまったのは俺自身だけど、浅井三姉妹もその娘達もやはり数奇な運命を辿るということか。
散ゆく桜が春の終わりを告げている。
既にして歴史は大きく動いた。
もはや誰も俺をただの子供だとは侮らないだろう。
これからは天下人として、日の本の総帥として、ああいった幼子達の運命も背負って行かなければいけない。
「殿、御採択をいただきたく」
「三成、人が感慨に耽っている時にそれは無くないか?」
「それも長たる者の使命にございます」
俺には桜を楽しむ余裕はないらしい。
「はぁ、あ、そうだ。そういや頼んどいた菓子は着いたか?」
「ははっ!」
三成の仏頂面を見飽きたら、またマイエンジェルに菓子をあげに行こう。
0
お気に入りに追加
876
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件
フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。
寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。
プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い?
そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない!
スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる