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*78:たっぷりの愛撫に、とろけ出す理性*

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*しょっぱなから閲覧時周囲の視線に注意なので、各自の自己責任でご覧ください。
*そういう描写が苦手な方は、読み飛ばし推奨。






 なんというか、やっぱりはずかしすぎる。
 シラフのままにその準備をされるというのは、とんでもない羞恥心を呼び起こすことだった。

 いや、だってそこは本来排泄のためにしか使わない場所なのに、そんなところをやんごとなき王子様に指でていねいにほぐされるとか、もう申し訳ないやらはずかしいやらで、いつでも死ねると思う。
 なんで、OKしてしまったんだろうかと、少し前の自分に文句を言いたかった。

 ……でも、そのはずかしさ以上に相手のことを優先したい、なんでもしてあげたいって思ってしまったんだから、しょうがないだろ!
 我ながら、本当にあり得ないことだとは思うんだけど……。

「も、いいですから……っ!」
「まだダメだよ?だってキミのからだは抱かれることに慣れていないのだから、ちゃんとほぐしてあげないと」
 されていることにも、そしてそのポーズにもはずかしさは増してきて、耐えきれなくなったところで声をあげれば、しかしそれはすぐに却下された。

「だ、『抱かれる』って……」
「もちろん、そのつもりだろう?大丈夫、いっぱいやさしくして、気持ちよくしてあげるよ」
 いや、たしかにそうなんだけど、いざ口に出して言われると、あいかわらず動揺してしまう。

 今も止まることなくほぐされているそこは、最初は1本しか入っていなかった指も、今やその倍に増やされ、さらには根元まで深々と飲み込んでいた。
 狭いところをじっくりとほぐすような、クチクチというつつましやかだった音も、グチュグチュという大胆でいやらしい水音へと変化していた。

「ひっ、あ……あぅ……」
 なんだよ、これ!?
 指先が内壁をこすりあげてくるたびに、腰から背中にかけて甘い刺激がかけあがり、勝手に腰がゆれてしまう。
 おかげで、さっきからガマンしようとしているのに、変な声が止まらない。

 男のあえぎ声なんて、聞いたところで、楽しくもなんともないだろうに……さっきからブレイン殿下はなにが楽しいのか、俺の口からこらえきれずに声があがるたびに、うれしそうにそこをかきまわしてくる。

 クプ、グチュリ……
 何度も足されたローションですっかりとぬかるんだそこからは、ゆっくりとかきまわされるたびに湿った音が響いた。

 はずかしい、なんてモンじゃない!
 いっそ耳もふさいでしまいたかったけれど、あいにくと両腕ともに、からだをささえるためにベッドへとついているせいで、どうしようもなかった。

「……うん、そうやって私のすることに、いちいち反応を示してくれるのもまた、とってもかわいいよ」
 チュと音を立てて背中に何度もキスをふり散らされながら、さらに褒められる。
 もちろんその間も、そこを責め立てる指は止まる気配もない。

 だから、そういうのが居たたまれないんだってば!
 そう言いたいのに、口を開けば、ただもう情けないあえぎ声がもれてしまいそうで、必死に歯を噛みしめるしかできなかった。

「うぅ……っ」
 ヤバい、褒められ慣れてないせいで、こんなときどう反応をしていいのか、わかんないんだよ……!
 おかげで、ほっぺたどころか耳まで真っ赤に染まっているだろうし、よくわからないくぐもった声だけが出る。

「やめ、も、ホントに……っ!」
 なんだかさっきから、からだがおかしい。
 腰の奥がジンジンとして、下腹部にこもった熱が、解放されるときをじっと待つように蓄積されていく一方だ。

「ダメだよ、私の手でさんざんに乱れるキミの姿が見たいんだから、やめてあげないよ?」
「な、なんで……アゥっ!?」
 いっそ、ただの性欲処理の相手としてあつかわれたほうが、まだマシだった。

 こんなの、耐えられるわけがない!
 だって相手は、俺のことを気持ちよくさせようとしているのがわかる。
 絶対に傷つけないようにという、気づかいの感じられるソフトタッチでの責め苦は、いっそもどかしさが募るほどだった。

 なのにブレイン殿下は、ほんの数日前、さんざん俺のからだをむさぼったばかりなだけに、どこをどう責められたら弱いのかまで、バッチリおぼえられていた。
 つまり、こっちが感じる場所だけは的確なのに、触りかたはやたらとやさしくて、なんならちょっと物足りない。

 そんなの───もっと欲しくなるに決まってるだろ、バカ!!
 作戦勝ちだよ、あんたのな!!
 そう、心のなかで白旗をあげる。

「はぁ……んっ!っく、アァッ!」
 もはや相手の指先がどんな動きをしても気持ちよくて、責められつづけている内側は、もっと奥まで来てほしいとばかりに、貪欲にさらなる刺激を期待してわなないている。

 クソ、俺のからだなのに、全然言うことを聞いてくれない……!!
 上半身をささえるためについていた腕からも、ともすれば力が抜けていきそうだった。
 そうなれば当然、尻だけを高々とあげているケモノのようなポーズになってしまう。

 そんなの、さすがにイカンヤツだろ?!
 かろうじてのこっている理性が拒否しようとするのに、ブレイン殿下からの責め苦はやさしいながらも、まったく容赦がなかった。

「ここ、トントンされるのは好きなんでしょう?フフ、さっきからヒクヒクしちゃって、そんなに気持ちいいのかい?」
「ひぅっ!アッ、アッ!?やっ、ダメぇ……!」
 2本の指が余裕で出し入れできるのをいいことに、リズミカルに前立腺のあたりを裏からタップするように刺激されて、からだは小刻みにふるえ、視界は明滅する。

「よしよし、イイコだね?後ろだけでも、だいぶ反応してるじゃないか?せっかくだから、もっといっぱい気持ちよくなろうね?」
 気がつけば、ずっと後ろばかりを弄られていて触られてもなかったハズなのに、前までもが、ゆるやかに反応して硬くなりはじめていた。

「な、なにを……っ!?」
 こちらを見下ろし、にっこりと笑いかけてくるブレイン殿下の瞳は、やっぱり捕食者のそれになっている。
 それを目にした瞬間、期待なのか恐怖なのかわからないままに、心拍数はあがっていったのだった。
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