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*77:『愛している』と言葉にできない代わりのそれ*
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*後半から閲覧時周囲の視線に注意なので、各自の自己責任でご覧ください。
*そういう描写が苦手な方は、読み飛ばし推奨。
「お疲れさま。急に連れ出してしまってすまなかったね」
緊張の夕食会を終え、寮の部屋へともどってきたところで、すまなそうなブレイン殿下にあやまられる。
「ホントですよ!まさかあんなにロイヤルな方々とごいっしょすると事前にわかっていたなら、なにがあろうと拒否してましたから!」
おかげで緊張しすぎて、味どころか、なにを食べたかさえおぼえていないくらいだった。
「まぁでも、おかげで愚弟の魅了も無事に解けたことだし、ライムホルン公爵家の子についても、私の裁量にまかされたからこそ、たぶんお咎めなしにできるだろう。うまいこと立ちまわれたと思うよ?」
「それについては、本当に感謝しかないですが……」
本当に、ファインプレーとしか言いようがない。
このままでは、原作シナリオにはない罪状で、本編がはじまってすぐに強制退場させられるところだった。
さすがにそれは困る。
だってまだ俺は、この世界を改変した犯人をつかまえていないわけで。
「おや、ひょっとしてお礼でもしてくれるのかい?」
それはなかば、からかうような口調だったけど、俺にとっては本気で感謝をしていたことだったから。
「そうですね……俺ができることならなんでもして差しあげたいくらいには、感謝をしています」
ジッと相手の目を見て、これが本心からのセリフであることが伝わるようにと願う。
「っ、キミはどうしてそういう、うかつなこと言うんだい……!?」
思っていたのとはちがう反応をされたからだろうか、はじめてブレイン殿下の言動に動揺が浮かんだ。
「私にそんなことを言っていいのか?都合のいいように解釈するよ?!」
「……えぇ、かまいません」
だって、俺がブレイン殿下のお気持ちにこたえられないのは、ひとえにゲームの世界を愛するがゆえだから。
攻略キャラクターとされる人たちと、ヒロインとの恋愛フラグを折ってしまわぬようにと気をつかっているだけで、別に俺自身はブレイン殿下が嫌いなわけじゃない。
……なんなら、たぶん今は、本気で好きになってしまっているんだと思う。
もし、少しでも俺のことを好きだと思ってくれるのなら、その気持ちにこたえられない代わりになるのなら、いくらでも都合のいい相手になってもいいとさえ思っていた。
たとえそれが、危険をともなうものだとしても。
それくらい、すでに俺はブレイン殿下にほだされてしまっていた。
「ツラかったなら、いつでも言ってかまわないからね?」
「はずかしいから、もうあんまりそういうこと言わないでください……っ!」
シラフのときになんて、絶対に無理だと思っていたのに。
ベッドのうえで裸のまま四つんばいになり、必死にはずかしさに耐えながら、後ろをふりかえって文句を言う。
明るい部屋のなかでこんな姿をさらすのとか、どうかんがえても無理だ。
そう思うのに、現実は俺の想像や常識を軽く越えてくる。
まだ顔を会わせないで済むよう、四つんばいになっているだけマシだと思えばいいのかもしれないけれど、それにしたって相手の目の前に自分の貧相なからだがさらされているのかと思うと、それだけでいたたまれない。
それこそ顔は真っ赤に染まっているだろうし、なんなら涙目になっているかもしれなかった。
さっきからそんな体勢のまま、ぐちぐちと音を立てて狭いそこを、たっぷりのローションとともにブレイン殿下の指先によってやさしくほぐされている。
どうしたって指先の異物感にさえ、キュッと窄まってしまいそうになるのを必死にこらえようとしても、からだは勝手にビクついてしまう。
うぅ、なんなんだよ、これ?!
どうせファンタジー作品のために直腸をきれいにする魔法を作るなら、こっちを一瞬でほぐしたり濡らしたりする魔法も作っとけよな!?
今さらながら、妙なリアリティーにこだわっていたスタッフに恨みごとを吐いたところで、どうしようもなかったけれど。
そう、この世界には前世の同僚───大変腐ったスタッフの熱烈なる思いやりのおかげで、洗浄と消毒に関しての魔法だけはしっかりとあった。
そのスタッフいわく『私、スカトロは苦手なんですよね』だそうだけど。
……って、めっちゃ個人的な趣味というか性癖が反映されただけじゃねぇか!!
あのころの俺にとっては、ストーリーとは直接関係ないことだったから、気にも止めずに軽く流してしまっていたけれど。
いや、でもまさか自分自身でその魔法を体感するはめに陥るとは思ってもみなかったけどな?!
しかも、ヒロインのベルに成り代わったならまだしも、テイラーなんていうモブキャラ男子になっただけなのに。
なにをどうして、こうなった??
「ふっ、あぁ……っ!」
ビクン!
一瞬、指先がかすめた場所から甘くしびれるような刺激が走り、変な声が出た。
「やっ、ちょっと、なんでそこばっか……!?」
その直後から、そこばかりを指先がこすってくる。
そのたびにからだはハネて、腰から背中に向かって、ゾクゾクとした感触が広がっていった。
「いや、気持ちいいのかと思ったんだけど、ちがったかい?」
「~~~~っ!!」
そりゃ気持ちいいかと言われたら、たぶんまちがいなくそうなんだけど、それを口に出してこたえるのとか、はずかしすぎるだろ!
「わかってて聞いてますよね?」
「うん?」
なんなんだよ、この人!?
わざとはぐらかすとか、ヒドくないか?
「ンッ、くぅっ……」
ガマンしようと思うのに、全然そのせりあがってくる快感を逃がしきれないでいた。
「ガマンなんてしないでいいんだよ?存分にあえいでくれて、かまわないのに……」
キラキラとかがやく、その麗しの笑顔がうらめしい。
「まぁ、そんなふうに照れる奥ゆかしさがまた、キミのかわいいところのひとつなのだけどね」
「………そういうこと、いきなり言うのとか、ズルいです……」
クソ、やっぱり敵う気がしない。
だって、やっぱりむちゃくちゃ顔が熱い。
俺をつかまえて『かわいい』なんて言うの、ブレイン殿下くらいだぞ?
こんなの、はずかしい以外のなにものでもないだろ。
「でもねぇ、そうやって照れる姿がかわいくてたまらないと思うのだから、仕方ないだろう?」
「うぅ、だからどうしてそういうことを……っ!」
顔を真っ赤に染めて照れまくる俺に、ブレイン殿下からは、キスの雨が無数にふり散らされることになったのだった。
*そういう描写が苦手な方は、読み飛ばし推奨。
「お疲れさま。急に連れ出してしまってすまなかったね」
緊張の夕食会を終え、寮の部屋へともどってきたところで、すまなそうなブレイン殿下にあやまられる。
「ホントですよ!まさかあんなにロイヤルな方々とごいっしょすると事前にわかっていたなら、なにがあろうと拒否してましたから!」
おかげで緊張しすぎて、味どころか、なにを食べたかさえおぼえていないくらいだった。
「まぁでも、おかげで愚弟の魅了も無事に解けたことだし、ライムホルン公爵家の子についても、私の裁量にまかされたからこそ、たぶんお咎めなしにできるだろう。うまいこと立ちまわれたと思うよ?」
「それについては、本当に感謝しかないですが……」
本当に、ファインプレーとしか言いようがない。
このままでは、原作シナリオにはない罪状で、本編がはじまってすぐに強制退場させられるところだった。
さすがにそれは困る。
だってまだ俺は、この世界を改変した犯人をつかまえていないわけで。
「おや、ひょっとしてお礼でもしてくれるのかい?」
それはなかば、からかうような口調だったけど、俺にとっては本気で感謝をしていたことだったから。
「そうですね……俺ができることならなんでもして差しあげたいくらいには、感謝をしています」
ジッと相手の目を見て、これが本心からのセリフであることが伝わるようにと願う。
「っ、キミはどうしてそういう、うかつなこと言うんだい……!?」
思っていたのとはちがう反応をされたからだろうか、はじめてブレイン殿下の言動に動揺が浮かんだ。
「私にそんなことを言っていいのか?都合のいいように解釈するよ?!」
「……えぇ、かまいません」
だって、俺がブレイン殿下のお気持ちにこたえられないのは、ひとえにゲームの世界を愛するがゆえだから。
攻略キャラクターとされる人たちと、ヒロインとの恋愛フラグを折ってしまわぬようにと気をつかっているだけで、別に俺自身はブレイン殿下が嫌いなわけじゃない。
……なんなら、たぶん今は、本気で好きになってしまっているんだと思う。
もし、少しでも俺のことを好きだと思ってくれるのなら、その気持ちにこたえられない代わりになるのなら、いくらでも都合のいい相手になってもいいとさえ思っていた。
たとえそれが、危険をともなうものだとしても。
それくらい、すでに俺はブレイン殿下にほだされてしまっていた。
「ツラかったなら、いつでも言ってかまわないからね?」
「はずかしいから、もうあんまりそういうこと言わないでください……っ!」
シラフのときになんて、絶対に無理だと思っていたのに。
ベッドのうえで裸のまま四つんばいになり、必死にはずかしさに耐えながら、後ろをふりかえって文句を言う。
明るい部屋のなかでこんな姿をさらすのとか、どうかんがえても無理だ。
そう思うのに、現実は俺の想像や常識を軽く越えてくる。
まだ顔を会わせないで済むよう、四つんばいになっているだけマシだと思えばいいのかもしれないけれど、それにしたって相手の目の前に自分の貧相なからだがさらされているのかと思うと、それだけでいたたまれない。
それこそ顔は真っ赤に染まっているだろうし、なんなら涙目になっているかもしれなかった。
さっきからそんな体勢のまま、ぐちぐちと音を立てて狭いそこを、たっぷりのローションとともにブレイン殿下の指先によってやさしくほぐされている。
どうしたって指先の異物感にさえ、キュッと窄まってしまいそうになるのを必死にこらえようとしても、からだは勝手にビクついてしまう。
うぅ、なんなんだよ、これ?!
どうせファンタジー作品のために直腸をきれいにする魔法を作るなら、こっちを一瞬でほぐしたり濡らしたりする魔法も作っとけよな!?
今さらながら、妙なリアリティーにこだわっていたスタッフに恨みごとを吐いたところで、どうしようもなかったけれど。
そう、この世界には前世の同僚───大変腐ったスタッフの熱烈なる思いやりのおかげで、洗浄と消毒に関しての魔法だけはしっかりとあった。
そのスタッフいわく『私、スカトロは苦手なんですよね』だそうだけど。
……って、めっちゃ個人的な趣味というか性癖が反映されただけじゃねぇか!!
あのころの俺にとっては、ストーリーとは直接関係ないことだったから、気にも止めずに軽く流してしまっていたけれど。
いや、でもまさか自分自身でその魔法を体感するはめに陥るとは思ってもみなかったけどな?!
しかも、ヒロインのベルに成り代わったならまだしも、テイラーなんていうモブキャラ男子になっただけなのに。
なにをどうして、こうなった??
「ふっ、あぁ……っ!」
ビクン!
一瞬、指先がかすめた場所から甘くしびれるような刺激が走り、変な声が出た。
「やっ、ちょっと、なんでそこばっか……!?」
その直後から、そこばかりを指先がこすってくる。
そのたびにからだはハネて、腰から背中に向かって、ゾクゾクとした感触が広がっていった。
「いや、気持ちいいのかと思ったんだけど、ちがったかい?」
「~~~~っ!!」
そりゃ気持ちいいかと言われたら、たぶんまちがいなくそうなんだけど、それを口に出してこたえるのとか、はずかしすぎるだろ!
「わかってて聞いてますよね?」
「うん?」
なんなんだよ、この人!?
わざとはぐらかすとか、ヒドくないか?
「ンッ、くぅっ……」
ガマンしようと思うのに、全然そのせりあがってくる快感を逃がしきれないでいた。
「ガマンなんてしないでいいんだよ?存分にあえいでくれて、かまわないのに……」
キラキラとかがやく、その麗しの笑顔がうらめしい。
「まぁ、そんなふうに照れる奥ゆかしさがまた、キミのかわいいところのひとつなのだけどね」
「………そういうこと、いきなり言うのとか、ズルいです……」
クソ、やっぱり敵う気がしない。
だって、やっぱりむちゃくちゃ顔が熱い。
俺をつかまえて『かわいい』なんて言うの、ブレイン殿下くらいだぞ?
こんなの、はずかしい以外のなにものでもないだろ。
「でもねぇ、そうやって照れる姿がかわいくてたまらないと思うのだから、仕方ないだろう?」
「うぅ、だからどうしてそういうことを……っ!」
顔を真っ赤に染めて照れまくる俺に、ブレイン殿下からは、キスの雨が無数にふり散らされることになったのだった。
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