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第四部
二章・進軍(1)
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クリスマス。旧時代の知識を持つアサヒは友之に「デートってどうすんの!?」と助言を求められ、一緒にデートプランを考えた。といっても彼自身、女性との交際経験など最近まで無かったわけで、捻り出したアイディアはどれも映画やドラマからの受け売りでしかなかったが。
相談に乗っていると、そこにマーカスやウォールまで首を突っ込んで来た。友之は何故か嫌がっていたが、流石に年の功というやつで、彼等の助言の方が的確で現実的だったと思う。
クリスマス当日。結果的に星海班のメンバー全員が研究室に集まり、鍋をつつくことになった。小波は小波で同じように朱璃と門司にアドバイスを求めており、演出に協力してくれと頼まれついていったアサヒ達は、隠れていたところを朱璃達に見つかってしまったのだ。
その後ちょっとした事件が起きて、気が付いたら研究員達や大谷ら護衛隊士まで呼んで鍋パーティーを開いていた。何故そうなったのか、実は今も思い出せない。多分マーカスに無理矢理飲まされた酒のせいだろう。
帰宅後、やはり少しだけ飲んだ朱璃がいつもより熱烈なキスをしてきたことなら覚えている。だが、その後の記憶もやはり定かでない。
起きたら二人とも裸だった。
正月。月灯から招待状が届き、仙台まで出向いた。久しぶりに会った彼女と開明は元気そうで、そして不思議な関係になっていた。
「お兄様、美味しいですか?」
「はい。陛下は料理がお上手ですね」
「この場には私達しかおりません。いつも通り月灯とお呼びください」
「なら言い直そう。とっても美味しい、料理上手だね月灯は」
「やった!」
喜ぶ月灯。純粋で眩しい彼女の笑顔とは対照的に、場の空気は冷え込んだ。ごく親しい身内だけを集めた宴席ではあったものの、それでもやはり気まずいものは気まずい。日本の象徴が、まさか北日本の王子とこんな関係になるなんて。
(いや、どんな関係なのか、いまいちわかんないけど……)
二人は恋人なのだろうか? それとも兄妹を真似て遊んでいるだけ? 観察してみてもアサヒには断定できなかった。
ただ、月華は終始機嫌が良かったので、少なくとも二人の関係に否定的ではないらしい。それだけは確かめられて、ホッと胸を撫で下ろした。
二月には、また大変なことが起きた。けれど、その騒動のおかげで決戦を目前に国内の敵を一掃することができたと、焔と緋意子は笑っていた。アサヒがこの二人にだけは絶対逆らうまいと誓った出来事である。協力要請を受けて派遣されて来た烈火、斬花、風花も同様に震えていた。「星海怖い」が彼女達の口癖になった。
余談だが、節分には忙しさのあまりちょっとおかしくなった朱璃が高速連射豆まき装置なるものを開発してしまい、久しぶりに蜂の巣にされたりもした。その暴走により、大豆にはこの季節だけ魔素を弾く効果があると判明。世の中にはまだまだ不思議が隠れているものねと彼女は上機嫌で語った。
少し後のバレンタイン。節分の時のお詫びも兼ねてのプレゼントを渡された。朱璃自身である。チョコは材料の調達が不可能らしい。休暇を取って丸一日、二人だけでのんびり過ごせた。小畑が気を利かせ、この日だけは監視も外してくれた。
愛してると何度も囁き、小柄な妻を抱きしめる。
絶対に守り抜こうと、改めて誓った。
そして三月半ば、彼等の姿は福島にあった。
朱璃とアサヒだけではない。特異災害対策局に属する調査官五八名。王室護衛隊からは八〇名。陸軍の兵士は三〇〇人弱。ここには姿が無いものの、海軍も南日本の術士数名を護衛として同行させ軍艦二隻を初の長距離航海に送り出した。順調にいけば、こちらが目的地へ着くより早く到着して待っているはず。
海軍も含めると北日本の精鋭が約五〇〇人。そして南日本からは術士隊の八割、七三名が参加し、ついにドロシー討伐作戦の幕が切って下ろされた。
「アサヒ殿、どうか朱璃を、よろしくお願いします」
地下都市の出口、地上に出たばかりのところで頭を下げる焔。北日本の女王が福島までわざわざ見送りに来てくれたのだ。これは、それだけ重大な作戦ということ。
「はい」
複雑な表情で頷くアサヒ。実はここへ来るまでの間に一悶着あった。朱璃を決戦に参加させるか否かで意見が割れてしまった。
焔は反対派だった。緋意子も。
「朱璃……」
「大丈夫だって」
心配そうな母の顔を見上げ、苦笑する朱璃。それから腕を広げると、自分から緋意子に抱き着いた。
「ほら、前回もこうしたら無事に帰って来れたでしょ? 験担ぎ験担ぎ」
「ならせめて、私も連れて行ってくれ」
「それはなりません」
散々議論した末、ようやく孫の出立を認めた焔も、流石に娘の同行までは許さない。
「お前は本来、まだ城の中にいなければならない身ですよ。ここまでは特例で連れて来ただけ。これ以上の我儘は許しません」
「わかっているが……」
「そもそも今の私達が同行したところで、足手まといにしかならないでしょう」
二〇年前ならともかく、自分も緋意子も現場を離れてから長く経っている。かつてない強敵との戦いの場へは赴くべきでない。討伐軍全体の人数が少ないのも、量産した新兵器を十全に使いこなせる手練れだけに絞ったがゆえ。
「安心しろっても無理な話だろうが、オレも行くしコイツもいる。信じてくれ」
アサヒの肩を叩いて語りかけるマーカス。その晴れ晴れとした表情を見た緋意子は嫉妬の念にかられた。
「卑怯だぞマーカス。お前や門司がいけるなら、私だって……」
「オレぁまだ現役だからな。なまってるオメエと一緒にすんじゃねえよ」
彼はかつて、同じような状況で怖気づいて生き延びた。ずっとその選択を後悔し続けていたが、今度は迷わず踏み出せる。理由はアサヒと同じ。今の自分にも守るべき者がいて、そのためならば命を賭せる。その恐怖に打ち勝てる。
「アサヒ、朱璃を守るのも大事だけど、君も必ず帰って来なよ」
ドンと彼の胸を拳で叩く開明。
アサヒもそっと、手加減して同じことをやり返す。
「わかってる。そっちも無事で。月灯ちゃんをしっかり守ってやれよ」
「もちろんさ。僕はお兄様だからね」
微笑み、生身の左手を月灯の前へ差し出す彼。すると少女は、その手に自分の手の平を重ね、アサヒと朱璃に対し誇示するように持ち上げて見せた。
「ご武運をお祈りいたします。ちゃんと戻って来てくれなかったら、私達で勝手に王国と日本を統一させちゃいますからね」
「へっ?」
ギョッとするアサヒ達。それはつまり、そういうこと?
朱璃は月灯と睨み合い、心底楽しそうに破顔した。
「ハン、上等じゃない。このタイミングで堂々と宣言するなんて、結構いい根性してるわアンタ」
「血筋が血筋ですから」
そう言って一転、表情を沈ませる月灯。急に、開明と繋いだ手を離して月華の前へ歩み出る。
「……あの、もう、いいでしょうか」
「……好きになさい」
これが今生の別れになるかもしれない。二人にしか意味のわからない問答に、そう結論を下す月華。
途端、七歳か八歳か、そのくらいの幼子にしか見えない彼女に月灯は縋りついた。
「おばあさま……!」
相談に乗っていると、そこにマーカスやウォールまで首を突っ込んで来た。友之は何故か嫌がっていたが、流石に年の功というやつで、彼等の助言の方が的確で現実的だったと思う。
クリスマス当日。結果的に星海班のメンバー全員が研究室に集まり、鍋をつつくことになった。小波は小波で同じように朱璃と門司にアドバイスを求めており、演出に協力してくれと頼まれついていったアサヒ達は、隠れていたところを朱璃達に見つかってしまったのだ。
その後ちょっとした事件が起きて、気が付いたら研究員達や大谷ら護衛隊士まで呼んで鍋パーティーを開いていた。何故そうなったのか、実は今も思い出せない。多分マーカスに無理矢理飲まされた酒のせいだろう。
帰宅後、やはり少しだけ飲んだ朱璃がいつもより熱烈なキスをしてきたことなら覚えている。だが、その後の記憶もやはり定かでない。
起きたら二人とも裸だった。
正月。月灯から招待状が届き、仙台まで出向いた。久しぶりに会った彼女と開明は元気そうで、そして不思議な関係になっていた。
「お兄様、美味しいですか?」
「はい。陛下は料理がお上手ですね」
「この場には私達しかおりません。いつも通り月灯とお呼びください」
「なら言い直そう。とっても美味しい、料理上手だね月灯は」
「やった!」
喜ぶ月灯。純粋で眩しい彼女の笑顔とは対照的に、場の空気は冷え込んだ。ごく親しい身内だけを集めた宴席ではあったものの、それでもやはり気まずいものは気まずい。日本の象徴が、まさか北日本の王子とこんな関係になるなんて。
(いや、どんな関係なのか、いまいちわかんないけど……)
二人は恋人なのだろうか? それとも兄妹を真似て遊んでいるだけ? 観察してみてもアサヒには断定できなかった。
ただ、月華は終始機嫌が良かったので、少なくとも二人の関係に否定的ではないらしい。それだけは確かめられて、ホッと胸を撫で下ろした。
二月には、また大変なことが起きた。けれど、その騒動のおかげで決戦を目前に国内の敵を一掃することができたと、焔と緋意子は笑っていた。アサヒがこの二人にだけは絶対逆らうまいと誓った出来事である。協力要請を受けて派遣されて来た烈火、斬花、風花も同様に震えていた。「星海怖い」が彼女達の口癖になった。
余談だが、節分には忙しさのあまりちょっとおかしくなった朱璃が高速連射豆まき装置なるものを開発してしまい、久しぶりに蜂の巣にされたりもした。その暴走により、大豆にはこの季節だけ魔素を弾く効果があると判明。世の中にはまだまだ不思議が隠れているものねと彼女は上機嫌で語った。
少し後のバレンタイン。節分の時のお詫びも兼ねてのプレゼントを渡された。朱璃自身である。チョコは材料の調達が不可能らしい。休暇を取って丸一日、二人だけでのんびり過ごせた。小畑が気を利かせ、この日だけは監視も外してくれた。
愛してると何度も囁き、小柄な妻を抱きしめる。
絶対に守り抜こうと、改めて誓った。
そして三月半ば、彼等の姿は福島にあった。
朱璃とアサヒだけではない。特異災害対策局に属する調査官五八名。王室護衛隊からは八〇名。陸軍の兵士は三〇〇人弱。ここには姿が無いものの、海軍も南日本の術士数名を護衛として同行させ軍艦二隻を初の長距離航海に送り出した。順調にいけば、こちらが目的地へ着くより早く到着して待っているはず。
海軍も含めると北日本の精鋭が約五〇〇人。そして南日本からは術士隊の八割、七三名が参加し、ついにドロシー討伐作戦の幕が切って下ろされた。
「アサヒ殿、どうか朱璃を、よろしくお願いします」
地下都市の出口、地上に出たばかりのところで頭を下げる焔。北日本の女王が福島までわざわざ見送りに来てくれたのだ。これは、それだけ重大な作戦ということ。
「はい」
複雑な表情で頷くアサヒ。実はここへ来るまでの間に一悶着あった。朱璃を決戦に参加させるか否かで意見が割れてしまった。
焔は反対派だった。緋意子も。
「朱璃……」
「大丈夫だって」
心配そうな母の顔を見上げ、苦笑する朱璃。それから腕を広げると、自分から緋意子に抱き着いた。
「ほら、前回もこうしたら無事に帰って来れたでしょ? 験担ぎ験担ぎ」
「ならせめて、私も連れて行ってくれ」
「それはなりません」
散々議論した末、ようやく孫の出立を認めた焔も、流石に娘の同行までは許さない。
「お前は本来、まだ城の中にいなければならない身ですよ。ここまでは特例で連れて来ただけ。これ以上の我儘は許しません」
「わかっているが……」
「そもそも今の私達が同行したところで、足手まといにしかならないでしょう」
二〇年前ならともかく、自分も緋意子も現場を離れてから長く経っている。かつてない強敵との戦いの場へは赴くべきでない。討伐軍全体の人数が少ないのも、量産した新兵器を十全に使いこなせる手練れだけに絞ったがゆえ。
「安心しろっても無理な話だろうが、オレも行くしコイツもいる。信じてくれ」
アサヒの肩を叩いて語りかけるマーカス。その晴れ晴れとした表情を見た緋意子は嫉妬の念にかられた。
「卑怯だぞマーカス。お前や門司がいけるなら、私だって……」
「オレぁまだ現役だからな。なまってるオメエと一緒にすんじゃねえよ」
彼はかつて、同じような状況で怖気づいて生き延びた。ずっとその選択を後悔し続けていたが、今度は迷わず踏み出せる。理由はアサヒと同じ。今の自分にも守るべき者がいて、そのためならば命を賭せる。その恐怖に打ち勝てる。
「アサヒ、朱璃を守るのも大事だけど、君も必ず帰って来なよ」
ドンと彼の胸を拳で叩く開明。
アサヒもそっと、手加減して同じことをやり返す。
「わかってる。そっちも無事で。月灯ちゃんをしっかり守ってやれよ」
「もちろんさ。僕はお兄様だからね」
微笑み、生身の左手を月灯の前へ差し出す彼。すると少女は、その手に自分の手の平を重ね、アサヒと朱璃に対し誇示するように持ち上げて見せた。
「ご武運をお祈りいたします。ちゃんと戻って来てくれなかったら、私達で勝手に王国と日本を統一させちゃいますからね」
「へっ?」
ギョッとするアサヒ達。それはつまり、そういうこと?
朱璃は月灯と睨み合い、心底楽しそうに破顔した。
「ハン、上等じゃない。このタイミングで堂々と宣言するなんて、結構いい根性してるわアンタ」
「血筋が血筋ですから」
そう言って一転、表情を沈ませる月灯。急に、開明と繋いだ手を離して月華の前へ歩み出る。
「……あの、もう、いいでしょうか」
「……好きになさい」
これが今生の別れになるかもしれない。二人にしか意味のわからない問答に、そう結論を下す月華。
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