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第一章:始まりの契約
第1話 最弱の落第
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頭上から降り注ぐ猛烈な熱気によって目を覚ました和灘悟は、辺りを見渡し、一瞬思った。
「は?」
疑問符を入れても二字であるのに、その言葉は、今の少年の心情を恐ろしく的確に表現していた。
無理もない。
髪や顔が焼けそうな程の高熱の正体は、正真正銘それらを焼けてしまう炎から発せられていたものだったのだから。
付け加えると、何故か自分が逆さ釣りになっている。
つまり、状況的には。
「ノーですノーです!これダメな奴ぅッ。ちょ、ま、マジ助けてくださいましぃッ!」
「あぁ、起きたの悟くん。うんうん、相変わらず良い反応なの」
顔を青くさせながら必死に叫び助けを乞うも、返ってきたのは呑気な口調と台詞が混ざった声一つ。しかも聞き覚え有りまくりだった。
ばっ、と声のする斜め上へ顔を向ける。今の悟は逆さになっている。よって客観的に見れば下、つまり地上の方だ。
そして、案の定そこには一人の女性がいた。鞭野琴梨、悟の担任だった。
「『あぁ、起きたの』じゃっねぇよ!琴梨先生この野郎!助けてお願い。ねぇ、死んじゃう、死んじゃうからぁッ!」
「?大丈夫、先生は満足なの~」
「俺は大分不満だよ!」
「あら、先生を見て欲求不満なんて…悟君のド・ス・ケ・ベ、なの~」
「じゃあアンタはドアホだ。今の会話のどこにそんな要素あったよ!?なかったよな!」
「むぅ――…つれないの。あっ、ねぇ悟くん、新調した鞭でなぶっても良いかしら?具合を確かめたいのっ」
「俺もうこの先生やだぁ……」
長い深緑の髪を纏めポニーテールにし、それと同色の瞳を宿した琴梨。
やや低身長であり童顔なのはご愛嬌。
しかし、趣味の方は見ての通り嗜虐的。これで二十歳の合法ロリであるにも関わらず、まるで可愛らしさを感じない。更に、身に纏う黒いスーツとミニスカートに加えて、腰に携えた漆黒の鞭がそれらしさをより顕著に表していた。
一部生徒には大好評らしいが、生憎と悟はなぶられて悦ぶような感性は持ち合わせていない。
「と、まぁそんな茶番はひとまず置いておくとするの」
不意に、琴梨は瞼を閉じ、場の雰囲気を仕切り直すようにポンッと胸の手前で軽く一拍手した。そしてスッと目を開くと、悟を再びその深緑の双眸で見つめる。
「だって今、試験の最中なんだから」
「はッ…!しまっ、糞、こんな所で油売ってる場合じゃなかった!」
言われて思い出した。
この洞窟の中のような場所は、【魔術師】の数少ない教育機関・第六魔法学院にある施設の一つ【疑似迷宮】。
しかも今は、試験の真っ最中。
それも悟の運命を左右する、絶対に落とすことが出来ないものだ。
「これに落ちたら、悟君は落第確定だったかしら?あぁ…あと一分立てば悟君のその焦った表情は、絶望に染まったものへと変わっちゃうのね……。うふっ――興・奮、しちゃうの」
「アンタそれでも教師かァァァァぁああッ!」
もうこのドS教師は駄目なのかもしれない。
自分の受け持った生徒が落第するのだ、普通ならば複雑な気持ちにでもなるだろうに。
「って、そうだそうだ落第!」
意識が琴梨に向き過ぎていたが、今己のすべきことは彼女に対して喚くことではなく落第の危機を乗り越えること。
しかし現在、悟は逆さ釣りにされ、その真下には魔法陣から炎が吹き出している状態だ。
注釈を入れるならば、悟のような学院生活二年目に突入した者にとっては初歩も初歩な【罠】である。…はずなのだが、当の本人はいとも容易く嵌まってしまっている、といった所だろう。【迷宮】攻略を目指す者にとっては致命的だ。
が、その終わっている部分は正直今はどうでもいい。
問題は、身動きがまるで取れないというその事実だ。
何せ手は動くものの、迂闊に両足首を縛ってる縄をほどこうものなら下の炎に焼かれて大怪我は間違いなしなのだから。
「不味いぃ…!ど、どうする?……ぁッ」
「ん?どうかしたの、悟くん」
見つけた。この状況を打破する一手を。
「えぇ、まぁ…!」
その瞬間、琴梨が見たのは、口を三日月のように歪ませ作った悟の鋭い笑み。
唇の隙間から剥き出た吸血鬼のように凶暴な犬歯。
「――!」
不味い、何かが不味い。
急速に高まる危機感が琴梨を襲い、咄嗟に距離を取ろうとして、
「【加速】」
その直前、少年の口より紡がれた力を伴った短い単語。
次の瞬間、言葉は淡く白い光――魔力を彼の全身へ纏わり付かせる事で彼に不思議を可能とさせた。
――魔術、そう呼ばれる力によって和灘悟は逆さになったまま、前方に立つ琴梨の元へ加速し向かったのだッ。
「きゃッ!」
直前の判断が功を奏し、迫る悟の額を紙一重で避けた琴梨。
しかし、
「悟君はどこ?」
逆さ釣りにされていたのだ。本来ならば、今頃琴梨の目の前で悟は振り子の要領で宙をぶらぶら揺れているはずだ。
だが気が付けば、悟の両足を縛っていた縄は途中で切れ、彼の姿がなくなっていた。
いや、考えろ。魔術を行使した時はまだ縄の拘束からは抜け出してはいなかった。恐らく、自分が目を離した隙に、自らの足首を縛る縄を切って【罠】から脱出したのだろう。
つまり悟は、
「後ろ!」
言いながら、振り向く。
距離にして一メートル。そこに――自分へ襲いかかろうとする和灘悟がいた。
瞬時に拳を突き出す琴梨。
「なッ…!?」
だが悟は、地を踏み締め、同時にしゃがむことで琴梨からの攻撃を回避した。
そして、即座に視線で目標を捉えに移る。
視界に入ったのは、琴梨の腰に装備されているウエストポーチ。
試験内容は試験官を倒すことではなく、試験官が持つ宝石の奪取。
今回はあのウエストポーチに入っている。
しゃがんだ姿勢から、そこへ目掛けて膝を伸ばす。瞬間、右手もウエストポーチへ伸ばそうと急く悟。
「おっらッ…もらったぁぁぁぁああ!」
勝利は目前、これで決め――
「うわっ」
そう勝利を半ば確信しながら、琴梨の腰の一寸手前まで届いた指先。だがそこで、悟の右足首に違和感が巻き付いた。足に絡み付くその感覚の正体が、琴梨の鞭だと直後に気付く。
と、ほぼ同時――鞭が悟を強引に引っ張り姿勢を崩させた。僅かに地面から離れた少年の体。
そして、その小柄な体からは想像出来ない琴梨の膂力によって、漆黒の鞭が彼の体と共に真横へ引っ張られる。
最中に足に纏わり付く感触が離れるも、時既に遅し。
「カ――ハッ……!」
直後、悟は【疑似迷宮】の岩壁に背中から叩き付けられた。
激痛を感じながら、衝撃によって肺の中に存在する空気を全て吐き出す。
痛い、痛い、痛い。
痛いが、痛みを感じられているのだと思いながら、あぁ、加減されたんだなぁ、と悟は察した。
でなければ、琴梨の攻撃が直撃した時点で、自分は痛みを感じる暇もなくミンチになっていたはずだ。
そうなっていないのは、彼女の優しさが原因か、嗜虐趣味が原因か。
いずれにせよ、悟は生きている。
しかし。
「危ない危ない♪」
「……ぐ………ぅ、うぅ…………」
微かな呻き声の後に流れる沈黙。
無骨な岩の壁を支えに座った姿勢のまま、遂に耐え切れず悟は気絶した。
突如、甲高いブザー音が【疑似迷宮】内に鳴り響く。
「あら、時間なの」
『それまで。和灘悟、制限時間内での課題未達成の為、試験不合格』
そうして、この瞬間、和灘悟の落第は決定した。
「は?」
疑問符を入れても二字であるのに、その言葉は、今の少年の心情を恐ろしく的確に表現していた。
無理もない。
髪や顔が焼けそうな程の高熱の正体は、正真正銘それらを焼けてしまう炎から発せられていたものだったのだから。
付け加えると、何故か自分が逆さ釣りになっている。
つまり、状況的には。
「ノーですノーです!これダメな奴ぅッ。ちょ、ま、マジ助けてくださいましぃッ!」
「あぁ、起きたの悟くん。うんうん、相変わらず良い反応なの」
顔を青くさせながら必死に叫び助けを乞うも、返ってきたのは呑気な口調と台詞が混ざった声一つ。しかも聞き覚え有りまくりだった。
ばっ、と声のする斜め上へ顔を向ける。今の悟は逆さになっている。よって客観的に見れば下、つまり地上の方だ。
そして、案の定そこには一人の女性がいた。鞭野琴梨、悟の担任だった。
「『あぁ、起きたの』じゃっねぇよ!琴梨先生この野郎!助けてお願い。ねぇ、死んじゃう、死んじゃうからぁッ!」
「?大丈夫、先生は満足なの~」
「俺は大分不満だよ!」
「あら、先生を見て欲求不満なんて…悟君のド・ス・ケ・ベ、なの~」
「じゃあアンタはドアホだ。今の会話のどこにそんな要素あったよ!?なかったよな!」
「むぅ――…つれないの。あっ、ねぇ悟くん、新調した鞭でなぶっても良いかしら?具合を確かめたいのっ」
「俺もうこの先生やだぁ……」
長い深緑の髪を纏めポニーテールにし、それと同色の瞳を宿した琴梨。
やや低身長であり童顔なのはご愛嬌。
しかし、趣味の方は見ての通り嗜虐的。これで二十歳の合法ロリであるにも関わらず、まるで可愛らしさを感じない。更に、身に纏う黒いスーツとミニスカートに加えて、腰に携えた漆黒の鞭がそれらしさをより顕著に表していた。
一部生徒には大好評らしいが、生憎と悟はなぶられて悦ぶような感性は持ち合わせていない。
「と、まぁそんな茶番はひとまず置いておくとするの」
不意に、琴梨は瞼を閉じ、場の雰囲気を仕切り直すようにポンッと胸の手前で軽く一拍手した。そしてスッと目を開くと、悟を再びその深緑の双眸で見つめる。
「だって今、試験の最中なんだから」
「はッ…!しまっ、糞、こんな所で油売ってる場合じゃなかった!」
言われて思い出した。
この洞窟の中のような場所は、【魔術師】の数少ない教育機関・第六魔法学院にある施設の一つ【疑似迷宮】。
しかも今は、試験の真っ最中。
それも悟の運命を左右する、絶対に落とすことが出来ないものだ。
「これに落ちたら、悟君は落第確定だったかしら?あぁ…あと一分立てば悟君のその焦った表情は、絶望に染まったものへと変わっちゃうのね……。うふっ――興・奮、しちゃうの」
「アンタそれでも教師かァァァァぁああッ!」
もうこのドS教師は駄目なのかもしれない。
自分の受け持った生徒が落第するのだ、普通ならば複雑な気持ちにでもなるだろうに。
「って、そうだそうだ落第!」
意識が琴梨に向き過ぎていたが、今己のすべきことは彼女に対して喚くことではなく落第の危機を乗り越えること。
しかし現在、悟は逆さ釣りにされ、その真下には魔法陣から炎が吹き出している状態だ。
注釈を入れるならば、悟のような学院生活二年目に突入した者にとっては初歩も初歩な【罠】である。…はずなのだが、当の本人はいとも容易く嵌まってしまっている、といった所だろう。【迷宮】攻略を目指す者にとっては致命的だ。
が、その終わっている部分は正直今はどうでもいい。
問題は、身動きがまるで取れないというその事実だ。
何せ手は動くものの、迂闊に両足首を縛ってる縄をほどこうものなら下の炎に焼かれて大怪我は間違いなしなのだから。
「不味いぃ…!ど、どうする?……ぁッ」
「ん?どうかしたの、悟くん」
見つけた。この状況を打破する一手を。
「えぇ、まぁ…!」
その瞬間、琴梨が見たのは、口を三日月のように歪ませ作った悟の鋭い笑み。
唇の隙間から剥き出た吸血鬼のように凶暴な犬歯。
「――!」
不味い、何かが不味い。
急速に高まる危機感が琴梨を襲い、咄嗟に距離を取ろうとして、
「【加速】」
その直前、少年の口より紡がれた力を伴った短い単語。
次の瞬間、言葉は淡く白い光――魔力を彼の全身へ纏わり付かせる事で彼に不思議を可能とさせた。
――魔術、そう呼ばれる力によって和灘悟は逆さになったまま、前方に立つ琴梨の元へ加速し向かったのだッ。
「きゃッ!」
直前の判断が功を奏し、迫る悟の額を紙一重で避けた琴梨。
しかし、
「悟君はどこ?」
逆さ釣りにされていたのだ。本来ならば、今頃琴梨の目の前で悟は振り子の要領で宙をぶらぶら揺れているはずだ。
だが気が付けば、悟の両足を縛っていた縄は途中で切れ、彼の姿がなくなっていた。
いや、考えろ。魔術を行使した時はまだ縄の拘束からは抜け出してはいなかった。恐らく、自分が目を離した隙に、自らの足首を縛る縄を切って【罠】から脱出したのだろう。
つまり悟は、
「後ろ!」
言いながら、振り向く。
距離にして一メートル。そこに――自分へ襲いかかろうとする和灘悟がいた。
瞬時に拳を突き出す琴梨。
「なッ…!?」
だが悟は、地を踏み締め、同時にしゃがむことで琴梨からの攻撃を回避した。
そして、即座に視線で目標を捉えに移る。
視界に入ったのは、琴梨の腰に装備されているウエストポーチ。
試験内容は試験官を倒すことではなく、試験官が持つ宝石の奪取。
今回はあのウエストポーチに入っている。
しゃがんだ姿勢から、そこへ目掛けて膝を伸ばす。瞬間、右手もウエストポーチへ伸ばそうと急く悟。
「おっらッ…もらったぁぁぁぁああ!」
勝利は目前、これで決め――
「うわっ」
そう勝利を半ば確信しながら、琴梨の腰の一寸手前まで届いた指先。だがそこで、悟の右足首に違和感が巻き付いた。足に絡み付くその感覚の正体が、琴梨の鞭だと直後に気付く。
と、ほぼ同時――鞭が悟を強引に引っ張り姿勢を崩させた。僅かに地面から離れた少年の体。
そして、その小柄な体からは想像出来ない琴梨の膂力によって、漆黒の鞭が彼の体と共に真横へ引っ張られる。
最中に足に纏わり付く感触が離れるも、時既に遅し。
「カ――ハッ……!」
直後、悟は【疑似迷宮】の岩壁に背中から叩き付けられた。
激痛を感じながら、衝撃によって肺の中に存在する空気を全て吐き出す。
痛い、痛い、痛い。
痛いが、痛みを感じられているのだと思いながら、あぁ、加減されたんだなぁ、と悟は察した。
でなければ、琴梨の攻撃が直撃した時点で、自分は痛みを感じる暇もなくミンチになっていたはずだ。
そうなっていないのは、彼女の優しさが原因か、嗜虐趣味が原因か。
いずれにせよ、悟は生きている。
しかし。
「危ない危ない♪」
「……ぐ………ぅ、うぅ…………」
微かな呻き声の後に流れる沈黙。
無骨な岩の壁を支えに座った姿勢のまま、遂に耐え切れず悟は気絶した。
突如、甲高いブザー音が【疑似迷宮】内に鳴り響く。
「あら、時間なの」
『それまで。和灘悟、制限時間内での課題未達成の為、試験不合格』
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