シャム猫

２４９

パタンッ

「ふ～、こんなもんかな」

参考書を閉じて、本棚に片付けに行く。

ソファーに戻ったついでに、ジョエルにピッタリとくっ付くように座った。

「何、読んでるの？」

ジョエルが読んでる雑誌を、脇から覗き込んで見せてもらった。

る○ぶ？

観光地の情報雑誌。

どっか行きたい場所でもあるのかな？

「勉強はもういいのか？」

「ん、一通り見たから、今日はもうお仕舞い」

「そうか、悪いけど、お風呂の方は、もう少しかかるかも」

「ん～ん、準備、ありがと」

「どう致しまして」

「ところで、何でこれ見てるの？」

「ああ、夏休みにうちの実家に行くだろ？寮に帰ってくる途中、いろいろ寄りながら、ゆっくり帰ってきてもいいかなって思って、どうかな？」

「えっ、寄る。寄りたい」

「そっか、良かった。実家からここに戻ってくる間の、観光地情報が載っていたから、買ってみたんだけど、気になる所とかがあったら言って、印付けるから」

「あっ、ここのパフェ、美味しそう。マンゴーとか、アイスとかが乗ってるやつ」

「そうだな。それ食べた後、その道の先に滝があるみたいだから、ついでに見に行くか？」

「遠回りにならない？」

「たいした距離じゃないから、大丈夫」

「じゃあ、行く」

お風呂のお湯が張り終わるまで、二人で見ながら、何ヶ所かに、チェックを入れていった。


♪♪♪～♪♪

お湯が溜まった合図だ。

「湖箔」

「うっ、うん///」

ジョエルに促がされ、脱衣所にむかう。

何度も肌を重ねているのに、ジョエルの前で服を脱ぐ時、何故か恥ずかしく感じる自分がいる。

合宿で温泉に入った時は、恥ずかしくはなかったのに・・・

何でだろ？

・・・恋愛感情のあるなし、とか？

俺がもたもたしている内に、さっさと脱ぎ終わったジョエルが、手伝おうと、手を伸ばしてくる。

自分でと言う間も無く、ズボンのボタンに手がかかり、外されていく。

「・・・///」

脱がされている間、何処を見ていたらいいのか分からなくて、困る。

ジョエルの指先を見ていられず、視線を彷徨わせた後、結局は目を伏せ、足元を見ながら、ワイシャツのボタンを、外していった。