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「湯沢和泉です。気軽にいずみって呼んでくれると嬉しいかな。恋人募集中です」
「立浪飛沫です。俺も、しぶきでお願いね。俺もシングルです」
「川田豊です。俺も、ゆたかって呼び捨てでお願いします。(先ずは)お友達になって下さい」
・・・何で、俺だけを見つめ、それを言うんだ?
紫艶に〝ここ、こいつらもいい?〟って訊かれ、席も空いてるし、断わる理由も特に無かったから、OKを出したけど、早まったか?
名前呼びは・・・止めておこう。
必要以上に親しくならない方がよさそうだ。
ジョエルも不安がるだろうし、それに、俺の秘密を知る人を、今以上、増やすつもりは無いからね。
「紫艶、随分眠そうだね」
さっきから欠伸を連発してる。
「まぁ、いろいろあってな・・・」
いろいろって何だろ?って思ったけど、遠い目をして、それ以上、話す気はなさそうだ。
話題も切り替えてきたし。
昨日の肝試しはどうだったかって話や、スマホがないと不便だなって話とかをした。
本当、不便だよ。
スマホが無いのを忘れて、つい癖で、鞄やポケットの中を探っちゃうんだよね。
「美和先生の所、拇印を押すって、すぐに分かった?」
「いや、美和の親指が、朱色に染まってるのに気付くまで、かなり探し回った」
「だよね。プールのエリアだけ、時間がかかるようなのばっかで、大変だったよね」
やっぱり、紫艶達も真っ先にプールの中に下りて行って、真ん中にいた人を確認したらしい。
あんな汚い所を歩かせておいて、無駄足って最悪とか、あのヒントで、持ってる人を当てられたら凄い、って話で盛り上がった。
「食べ終わったら、歯ぁ磨いて、トイレ行って、8時までには、玄関前に整列する事~」
学年主任が、食堂の入り口で、声を張り上げた。
柱時計を見ると、7時40分。
「行くか」
「そうだね」
ウォークラリーで、山の中を長時間歩くから、トイレは行っとかないと、ヤバイ。
「じゃあまた、後で」
紫艶達に手を振って別れた。
「ああ、またな(結局最後まで、こいつ等の名は、呼ばなかったな。可哀想だか、親しくなる気はなさそうだ・・・こいつ等には悪いが、ほっとした自分がいる事に、気付いた)」
「立浪飛沫です。俺も、しぶきでお願いね。俺もシングルです」
「川田豊です。俺も、ゆたかって呼び捨てでお願いします。(先ずは)お友達になって下さい」
・・・何で、俺だけを見つめ、それを言うんだ?
紫艶に〝ここ、こいつらもいい?〟って訊かれ、席も空いてるし、断わる理由も特に無かったから、OKを出したけど、早まったか?
名前呼びは・・・止めておこう。
必要以上に親しくならない方がよさそうだ。
ジョエルも不安がるだろうし、それに、俺の秘密を知る人を、今以上、増やすつもりは無いからね。
「紫艶、随分眠そうだね」
さっきから欠伸を連発してる。
「まぁ、いろいろあってな・・・」
いろいろって何だろ?って思ったけど、遠い目をして、それ以上、話す気はなさそうだ。
話題も切り替えてきたし。
昨日の肝試しはどうだったかって話や、スマホがないと不便だなって話とかをした。
本当、不便だよ。
スマホが無いのを忘れて、つい癖で、鞄やポケットの中を探っちゃうんだよね。
「美和先生の所、拇印を押すって、すぐに分かった?」
「いや、美和の親指が、朱色に染まってるのに気付くまで、かなり探し回った」
「だよね。プールのエリアだけ、時間がかかるようなのばっかで、大変だったよね」
やっぱり、紫艶達も真っ先にプールの中に下りて行って、真ん中にいた人を確認したらしい。
あんな汚い所を歩かせておいて、無駄足って最悪とか、あのヒントで、持ってる人を当てられたら凄い、って話で盛り上がった。
「食べ終わったら、歯ぁ磨いて、トイレ行って、8時までには、玄関前に整列する事~」
学年主任が、食堂の入り口で、声を張り上げた。
柱時計を見ると、7時40分。
「行くか」
「そうだね」
ウォークラリーで、山の中を長時間歩くから、トイレは行っとかないと、ヤバイ。
「じゃあまた、後で」
紫艶達に手を振って別れた。
「ああ、またな(結局最後まで、こいつ等の名は、呼ばなかったな。可哀想だか、親しくなる気はなさそうだ・・・こいつ等には悪いが、ほっとした自分がいる事に、気付いた)」
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