シャム猫

１７８

「じゃあ、部屋に戻るね。皆と夕食を摂って、部屋でお風呂に入って、それから電話する」

「分かった。食堂には、時間をずらして行く。後、連絡・・待ってるから」

「うん」


休日の朝食と昼食は、各自バラバラに摂っている。

疾風と森羅は部活があるし、紫艶は起きるのが遅かったりするから。

でも、入学して以来、別に、約束した訳ではないのだけど、何となく、夕食は皆で一緒に行くものって認識になっている。

だから、５時頃、廊下に出て来ないと、わざわざ扉をノックして〝食事に行こう〟って声をかけたり、かけられたり。


部屋にいないと不味いかもしれない。

いなかったら、どこにいるコールが、かかってくると思う。

クッキーを食べながら、夕食はどうするって話になって、今まで、皆と一緒に食べに行ってたって話をした結果、いったん、部屋に戻っていた方がいいだろうって事になった。

４時になり、早めだけど、戻っていようと、机の上に広げていた参考書を閉じ、書棚に片付け、制服の入った袋と、鞄を持った。

んだけど・・・

「ジョエル、また来るからんむっ・・あっ・・あむ・・・はぁ」

離したくないとでもいうかのように、ぎゅうっと抱きしめられていたんだけど、〝もう行くね〟って言葉を続ける前に、唇を塞がれ、速攻で舌が入ってきて・・・

ちょっ、そんなＫＩＳＳされたら、やばいから。

違和感はあるけど、やっとまともに歩けるようになったのに、腰砕けにされそう。

「もっ、ダメ・・歩・けなく・・・なる・・」

背中がぞくぞくするようなＫＩＳＳ。

やっと、離してくれた時には、あそこも起ち上がりかけていた。

「っもうっ」

って言って、ジョエルから離れようとしたら、ふらっときて、また、ジョエルの腕の中に逆戻り。

軽く睨んだのに、嬉しそうに笑ってるし。

抱きついたまま深呼吸を繰り返し、落ち着くのを待った。


結局、自分の部屋に帰り着いのは、１０分前。

余裕をもって出ようとした、俺が悪いのか？