シャム猫

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今日やっとの思いで、愛してると言えた。

もちろん、ちゃんと目を見つめながら。

とても恥ずかしかったけど、思った以上に、ジョエルが喜んでくれたのを見て、言葉にして良かったって、本気で思えた。


マッサージをしてる際、ジョエルに、大輝が部屋に来た時の話を訊かれ、答えている内に、大輝の部屋に紅茶を飲みに言った話や、相談に乗って貰っていた話まで、いつの間にかしていた。

恋人であるジョエルに、秘密にしなくちゃならない話なんてないから、訊かれるままに答えてしまったけど・・・

別にやましい事なんて何もない、と思って、喋り過ぎたかも。

大輝と仲がいい事で、かなり不安になったみたい。

実際、そう口にもされたし。

二人っきりになって欲しくないとまで、言われたけど、急に行かなくなるのは、不自然だと思うから、難しい。

でも、もしジョエルが、俺以外の生徒の部屋に、俺と大輝のように行き来していると知ったら、やましい事は何もしていなくても、同じ様に不安になると思う。

このまま、ジョエルを、不安な気持ちのままにさせているのは、お互いの為に、良いとはいえない。

自分の今の気持ちを、素直に告げて、不安に感じる事なんて何もないと、解かってもらいたいのだけど・・・

その為に言おうとしている言葉は、面と向かって言うには、あまりにも勇気が要りすぎるから、背中にぺったりと頬をつけ、絶対に顔を見られない様にしてから、口にした。

「俺が好きなのは、キスをしたいと思うのも、それ以上をしてもいいと思えるのも、ジョエルだけだよ。今日は無理だけど、俺の全部を貰って？ジョエルの全部を・・・俺に頂戴」


うわあああ

やばい。

言っちゃったよ。


「もちろん、喜んで。俺の全ても、湖箔のものだよ」

弾むような声で、すぐにそう返され、伝えて良かったって思うものの、自分の言った言葉で、自身の心に、思った以上の大ダメージ。


全部を貰ってって、自分から言うなんて、少し前の自分からは、想像すらできないセリフ。

嘘じゃないだけに、羞恥心で、身悶え中。


顔を見せてくれない？って言われたけど、たぶん、真っ赤になってるだろうから、見せたくない。

背中に顔を擦り付け、断固拒否だ。