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あと一分で七日目が終わる。

私とレオポルドは手を取り合って座った。ドキドキした。

レオポルドは言った。


「僕は……実はこの国の王子だったんだ」


私はふっと笑ってしまった。


「……あなたにも冗談が言えるのね。貴族学院で一緒だったんだから、王子じゃないでしょ」


「あのときはまだ知らなかったんだよ。まさか父親だと思っていた人が父親じゃなかったなんて」


「どういうこと?」


「父が亡くなったときに、言い遺したんだ。『お前の本当の父親は国王陛下なのだ』って」


「そうなんだ……じゃああなたのお父上様はそれを知っていてレオポルドを育ててくれたのね」


「うん。厳しいけど優しい父だったよ」


「国王陛下はあなたの存在を知ってるの?」


「知ってる。まだフローラに言っていなかったけど、僕は一年前からずっとお城に住んでいたんだ」


「え! そうだったの!? いろいろわからないんだけど、どうして?」


「国王を継ぐはずの王太子様がご病気なんだ。長くない。で、国王陛下にはもう子どもがいなくて、僕が呼び出されたってわけ」


「そんな事情があったのね……。あなたも苦労したわね」


「急に王子にされてもね、って感じだったよ。まあ世界が終わるなら王子も貴族も関係ないけどね」


私たちが話しているうちに八日目になっていた。


「レオポルド! 八日目になったけど、世界は崩壊してないわ!」


「そうだね……やっぱり嘘だったのかな? 外を見てみよう」


外はいつもと変わらない夜で、星が綺麗だった。世界の滅亡なんていう言葉とは正反対の世界だった。木々は茂っていたし、虫の音は響いていたし、空気も美味しかった。
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