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殿下が!? なぜ?
殿下には毒を盛っていないはず。それにそもそもあの毒は若い女性にしか効かないから、殿下には関係ないはず。
私はあえて大げさに衝撃を受けたような顔をした。
実際、驚いたのは事実だし。
でも正直なところ殿下が死んだと聞いても悲しみの感情は湧いてこなかった。あのお茶会の日に裏で嫌いと言われた私は、殿下への思いが急速に冷めてしまったから。
「お父様、どうして殿下はお亡くなりに……?」
「よくわからないが、心臓発作ではないかと言われている。病気はお持ちでなかったし、毒を盛られた形跡もないそうだ。不慮の体調悪化、といったところだろうか」
謎の老婆に説明を受けたときの現象が殿下に起きている。怖くなった。殿下を毒殺してしまったんだろうか。
「クラリスも殿下も……気の毒でしたね」
「そうだな。クラリス様は余命が短いこともあって、学院にいる間は殿下にお仕えしたいというご希望があったらしい。それを殿下も受け入れた。クラリス様はよく殿下の後ろを歩いていなかったか?」
「歩いて……おりました……」
殿下はクラリスを気に入ったから連れていたわけじゃなかったんだ。そうよね、お茶会で殿下が陰で言っていたのは、私もクラリスも嫌いということだった。結局、私たちは殿下に片思いをしていただけだったのね。
「メリッサ……ショックなのはわかるが、目覚めてくれて本当に嬉しい。クラリス様の形見があるから、見せたい。起き上がれるか?」
「はい、大丈夫です」
お父様に連れられて書斎に行くと、大きな絵が飾られていた。絵が得意だったクラリスがあの日のお茶会の様子を描いたらしい。
「お父様、クラリスの絵の才能は素晴らしいですね」
「お腹の激痛に耐えながら描いたようだよ。惜しい人が亡くなった」
……………………!
お父様の机の上に、薬瓶を見つけた。
私が謎の老婆からもらった瓶と同じである。
あり得なかった。
あの日私が薬を取り出したあと、粉々に砕いて処分したはずだったのに……。
殿下には毒を盛っていないはず。それにそもそもあの毒は若い女性にしか効かないから、殿下には関係ないはず。
私はあえて大げさに衝撃を受けたような顔をした。
実際、驚いたのは事実だし。
でも正直なところ殿下が死んだと聞いても悲しみの感情は湧いてこなかった。あのお茶会の日に裏で嫌いと言われた私は、殿下への思いが急速に冷めてしまったから。
「お父様、どうして殿下はお亡くなりに……?」
「よくわからないが、心臓発作ではないかと言われている。病気はお持ちでなかったし、毒を盛られた形跡もないそうだ。不慮の体調悪化、といったところだろうか」
謎の老婆に説明を受けたときの現象が殿下に起きている。怖くなった。殿下を毒殺してしまったんだろうか。
「クラリスも殿下も……気の毒でしたね」
「そうだな。クラリス様は余命が短いこともあって、学院にいる間は殿下にお仕えしたいというご希望があったらしい。それを殿下も受け入れた。クラリス様はよく殿下の後ろを歩いていなかったか?」
「歩いて……おりました……」
殿下はクラリスを気に入ったから連れていたわけじゃなかったんだ。そうよね、お茶会で殿下が陰で言っていたのは、私もクラリスも嫌いということだった。結局、私たちは殿下に片思いをしていただけだったのね。
「メリッサ……ショックなのはわかるが、目覚めてくれて本当に嬉しい。クラリス様の形見があるから、見せたい。起き上がれるか?」
「はい、大丈夫です」
お父様に連れられて書斎に行くと、大きな絵が飾られていた。絵が得意だったクラリスがあの日のお茶会の様子を描いたらしい。
「お父様、クラリスの絵の才能は素晴らしいですね」
「お腹の激痛に耐えながら描いたようだよ。惜しい人が亡くなった」
……………………!
お父様の机の上に、薬瓶を見つけた。
私が謎の老婆からもらった瓶と同じである。
あり得なかった。
あの日私が薬を取り出したあと、粉々に砕いて処分したはずだったのに……。
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