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(124)冬休み、最終日
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翌日、目が覚めて隣に目をやると…、人間だった。
息をしてる事は、胸が上下に動いてるので分かる。
おはようのキスをおでこにして、着替える為ベッドから出た。
昨夜のアレは夢だったのだろうかと思えるほどのものだったが、アレが夢でないことは分かってる。
なにしろ、俺の左肩には、しっかりと噛み痕が残ってるからだ。
ふと時計に目をやると、デジタル時計は「9:30」となっている。
え、9時半?
うわぁー、今日が始業式でなくて良かったよ。
そう思うと、副会長を叩き起こした。
「起きてっ。9時半ですよっ。副会長!」
「煩いなあ…。それに、俺は副会長ではない・・・」
「まだ3学期始まってません。だから、まだ副会長ですっ」
それでも起きてこない副会長に、俺はしていた。
そう、昨年の夏、俺は副会長にされた事を、今度は副会長に同じことをしてやった。
カリッ!
「っ…、弘毅ー・・・」
睨んでくるが、まだ眠そうな目は色っぽい。
「おはようございます。朝も10時になりますよ。ほら、起きて下さい。」
バタバタバタッと、煩く音を立てて1階へ上がって行った。
「おはようございますっ。ごめんなさい、遅くなりましたっ」
ユウが、口を開いてきた。
「遅起きだねー。何してたの?」
「ごめん。寝たのが遅かったから・・」
「ふーん…」
「だって、副会長はスパルタなんだよ。まだ分からんのかって」
「ああ、それは分かるよ」
俺は聞いていた。
「分かるって、何が?」
「コウキの理解力の低さ」
「ひどっ!」
副会長は、俺とユウのやり取りを聞いては笑ってる。
俺は、ユウに言っていた。
「お腹空いてるのだけど、食べても良いかな?」
「うん、良いよ。待ってて、温め直して持ってくるね」
「ありがとう」
朝食後、俺は副会長と一緒に先生の部屋へ行った。
ノックをすると、違う部屋の扉が開いた。
書斎に居たらしく、そこに入って、俺は昨夜のことを話した。
話し終えると、先生は副会長に体調を聞いて安心したみたいだ。
そして、2枚の紙を渡した。
「これは?」
「弘毅の下手な絵だよ。で、こっちは弘毅の左肩の噛み痕だ」
「下手なのは、自分でも分かってます。だって、本当に怖かったんだから…」
先生の呟きが聞こえてくる。
これを見る限り、怖そうには見えない…。
すると、先生は2枚を燃やした。
「忘れろ、とは言わない。ただ、これだけは忘れて欲しくない。
その宝石(いし)は人を選ぶ。
選ばれてしまった今は、悪用しない様にしてもらいたい。
おそらく、何かの力によって抑えられたか…、浄化されたのかもしれないな。
まあ、3月になると一緒に暮らすことになるから、その・・なんだな…。
悪霊退散でも、しといた方が良いかもな。」
俺は、その言葉に返していた。
「はい、そうします。」
「それでは、また明日。」
「コウキ。明日は寝坊しないようにねー」
「うん、目覚まし掛けとくよ。副会長、試験頑張って下さいね。」
「ああ、ありがとう」
弘毅が帰り、ユウと父が見つめてくる。
「なんだ?」
「お前は、いつまで副会長なんだ?」
「知るかっ!」
文雄も、それは思っていた。
エッチしてる時は良いんだよ、問題は普段の呼び方だ。
すぐに副会長、と言いたがる。
ユウの呟き声が聞こえる。
「コウキにとっては、文兄は副会長としか見てないって事か。
うん、それじゃ今年は攻めて攻めまくって心も体も、俺のモノにしようっと…」
文雄は、心の中で返していた。
(ユウ。それは絶対にない。あいつは、お前の事をそういう目で見てない、と言ってたからな)
息をしてる事は、胸が上下に動いてるので分かる。
おはようのキスをおでこにして、着替える為ベッドから出た。
昨夜のアレは夢だったのだろうかと思えるほどのものだったが、アレが夢でないことは分かってる。
なにしろ、俺の左肩には、しっかりと噛み痕が残ってるからだ。
ふと時計に目をやると、デジタル時計は「9:30」となっている。
え、9時半?
うわぁー、今日が始業式でなくて良かったよ。
そう思うと、副会長を叩き起こした。
「起きてっ。9時半ですよっ。副会長!」
「煩いなあ…。それに、俺は副会長ではない・・・」
「まだ3学期始まってません。だから、まだ副会長ですっ」
それでも起きてこない副会長に、俺はしていた。
そう、昨年の夏、俺は副会長にされた事を、今度は副会長に同じことをしてやった。
カリッ!
「っ…、弘毅ー・・・」
睨んでくるが、まだ眠そうな目は色っぽい。
「おはようございます。朝も10時になりますよ。ほら、起きて下さい。」
バタバタバタッと、煩く音を立てて1階へ上がって行った。
「おはようございますっ。ごめんなさい、遅くなりましたっ」
ユウが、口を開いてきた。
「遅起きだねー。何してたの?」
「ごめん。寝たのが遅かったから・・」
「ふーん…」
「だって、副会長はスパルタなんだよ。まだ分からんのかって」
「ああ、それは分かるよ」
俺は聞いていた。
「分かるって、何が?」
「コウキの理解力の低さ」
「ひどっ!」
副会長は、俺とユウのやり取りを聞いては笑ってる。
俺は、ユウに言っていた。
「お腹空いてるのだけど、食べても良いかな?」
「うん、良いよ。待ってて、温め直して持ってくるね」
「ありがとう」
朝食後、俺は副会長と一緒に先生の部屋へ行った。
ノックをすると、違う部屋の扉が開いた。
書斎に居たらしく、そこに入って、俺は昨夜のことを話した。
話し終えると、先生は副会長に体調を聞いて安心したみたいだ。
そして、2枚の紙を渡した。
「これは?」
「弘毅の下手な絵だよ。で、こっちは弘毅の左肩の噛み痕だ」
「下手なのは、自分でも分かってます。だって、本当に怖かったんだから…」
先生の呟きが聞こえてくる。
これを見る限り、怖そうには見えない…。
すると、先生は2枚を燃やした。
「忘れろ、とは言わない。ただ、これだけは忘れて欲しくない。
その宝石(いし)は人を選ぶ。
選ばれてしまった今は、悪用しない様にしてもらいたい。
おそらく、何かの力によって抑えられたか…、浄化されたのかもしれないな。
まあ、3月になると一緒に暮らすことになるから、その・・なんだな…。
悪霊退散でも、しといた方が良いかもな。」
俺は、その言葉に返していた。
「はい、そうします。」
「それでは、また明日。」
「コウキ。明日は寝坊しないようにねー」
「うん、目覚まし掛けとくよ。副会長、試験頑張って下さいね。」
「ああ、ありがとう」
弘毅が帰り、ユウと父が見つめてくる。
「なんだ?」
「お前は、いつまで副会長なんだ?」
「知るかっ!」
文雄も、それは思っていた。
エッチしてる時は良いんだよ、問題は普段の呼び方だ。
すぐに副会長、と言いたがる。
ユウの呟き声が聞こえる。
「コウキにとっては、文兄は副会長としか見てないって事か。
うん、それじゃ今年は攻めて攻めまくって心も体も、俺のモノにしようっと…」
文雄は、心の中で返していた。
(ユウ。それは絶対にない。あいつは、お前の事をそういう目で見てない、と言ってたからな)
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