恋人は副会長

福山ともゑ

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(86)R18! 18歳未満&抵抗ある方はスルーして下さい。

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デトックスしてやる。
という言葉が聞こえてきたが、オイルなんて持って来てない。
長袖Tシャツの裾を捲られては、腹に柔かいモノが触れてくる。
副会長の唇だ。
 「え、え…、ちょっ」
 「ん。俺なりのデトックス」

思わず笑ってしまった。
 「あははっ…」
 「笑ってろ。好きにさせてもらう」
 「はは、は…、んあっ…、あ… 」

副会長の手の感触が優しく俺の肌を擦ってくる。
 「ん…、ん……」

その手が、俺の下半身を擦ろうとしてくる。
 「声出すなよ」
 「っ…、うっ」

 「・・あああっ!」


副会長の口の中に放ってしまった。
 「たまには、こういう場所でするのも良いかもな。」
 「も、もうっ…。エッチ…、だ、誰か居たらどうするのっ」

もう、こんな楽しい時間は取れないだろうな。
副会長は受験生だし、時間が合わなくなるのは必至だ。
嬉しい、ありがとう副会長。
俺にとって、今日は一番幸せな日だ。
バイトと誕生日、どっちを言うか迷ったがバイトの方にした。
 「俺、バイトするの」
 「うん。え・・、バイト?」
 「両親には言って許可貰ったんだ。面接に受かったら良いなあ」
 「バイトって…」
 「今度は、学校からの許可を貰わないとね」
 「バイトも良いが、高校生は勉強が大事なんだからな。」
俺は、副会長の言葉に溜息が出てしまった。
 「それ、お母ちゃんと同じ…。母親みたいな事、言わないで」


そして、家に帰りつく前に「あそこね」と、ある場所を指差した。
 「和菓子屋さん。皆に渡した手土産を買った所ね」
 「ああ。あそこで買ったのか」
 「あそこでバイトしようと思ってるの」
 「え・・・」
 「人通りも多いし、家から徒歩10分も掛からないからね。土日祝祭日だけのバイトで、大学卒業まで出来るから。まあ、面接に受かればの話だけどね…」
 「時間は?」
 「バイト時間は、13時から18時まで」
 「受かれば良いな」
 「誰かさんの受験もね」
 「お前ねー!今日は考えない様にしてたのに…」

家が見えてきた。
 「今日はありがとうございました。楽しかったです。気を付けて帰ってくださいね。
お休みなさい」
 「おやすみ。いびき嗅ぐんじゃないぞ」
 「かきませんっ」
思わず、アッカンベーをしてしまった…。


バタン…、と静かに玄関のドアが閉まった。

文雄は、その閉まった扉を見て溜息吐いていた。
バイトかあ…、平日はしないみたいだから良いけど。
俺も、大学受かったら探さないとな。
あの野郎、考えない様にしてたのに、結局考えさせてくれたな…。




9月に入り、俺は担任にバイトの話をした。
 「え…。バイトって、お前クラブはどうする気だ?」
 「バイトは、土日祝祭日だけですよ」
 「で、どこに?」
そう聞かれ、俺は和菓子屋の店名と店長の名前を書いた紙を渡した。

そうして、俺は学校からもバイトの許可を貰い、面接も受かった。
副会長にメールをしたいが、どうしよう…。


別れないといけないのは分かってる。
なので、我慢してアドレスを削除した。


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