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(64)ワクワ&ドキドキな七夕祭
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いよいよ、土曜日だ。
わくわくの、七夕祭の日だ。
男子校に女子高生が入ってくる。
この3月までは共学だったから、久しぶりに女子を見る。
学校の食堂と料理クラブの部室は、午前から大賑わいだ。
家庭科クラブでは女子受けのするネックレスやペンダントを始め、手作りのアクセサリーを売ってる。
他、2校の料理クラブでは、クッキーだったり、パンだったり、手作り弁当を売ってる。
イベントの時間になると、ホールや体育館が賑わう。
最初は吹奏楽だ。
3校同時の一斉合奏から始まり、各学校とも30分間の演奏を楽しませてくれる。
そして、主催校である俺達の学校の軽音部のライブが始まる。
カナタをボーカルとしたグループだ。
ノリノリのロックを歌いきったカナタは嬉しそうだ。
俺は、7人の名前を書いた横断幕を持って、応援していた。
裏で待ってると、7人が出てきたので俺は声を掛けた。
「お疲れ様でした。」
「ありがとう。」と返してくれた7人の目は、キラキラとしている。
その中の1人であるユウに、俺は声を掛けた。
「ユウ。昼飯行こう。」
「え…」
「一緒に、と思ってたんだ。あ、食べに行く予定があるのなら、その人と」
「ううん、ないよ。行こっ!」
ユウの嬉しそうな顔を見ると、可愛く見えてしまった。
昼飯も食べ終えると、昼の13時半からは他の2校の軽音部のライブだ。
吹奏楽も良かったが、軽音部のライブも良かった。
そして、いよいよ大詰め。
15時からは、アツヒコグループのライブだ。
なんか緊張してきた。
15時半になると、生徒会役員も、やってきた。
15時55分からは、3グループ目による七夕祭最後のライブ。
宮田副会長が声を掛けてくる。
「総会と同じつもりでやると良い。」
「総会より、規模大きいですっ。」
「なら、掌に『人』の字を3回書いて、そ」
「そんなので緊張は解けませんっ」
ましてや、皆は2年生で、俺だけ1年生…。
そんな俺に、松岡先輩が声を掛けてきた。
「コウキ、緊張しないまじないをしてあげよう。」
「もしかして、『人』の字、3回?」
「あら、ばれちゃった?」
「そんなのでは、効果ないですよ。」
うーん…と考えていたが、暫くして先輩は手招きしてきた。
「え、なんですか?」
「他にもあるよ。」
「どんなのですか?」
「ん、俺の心臓」
は?何言ってんだ、この人…。
「心臓って…」
「抱きしめてあげるから、俺の心臓の音を聞くと安心できるよ。」
それを聞いて安心した。
「ああ、そういう意味ね。びっくりした…」
「そうだよ。何だと思ったんだい?」
すると、俺と松岡先輩の真ん中辺りに、高田先輩が現れた。
「コウキ、音出ししようっ!」
「うわっ…。高田先輩?」
「生徒会とのコラボのヤツね。フミオは実行委員だから、丸々一曲弾いて貰うからな。」
ふむ…、音出しすると少しは緊張も解けるかな。
そう思い、俺は返した。
「良いですね。そしたら緊張解れるかも…」
「え、なに…、緊張してるの?」
「してますよぉ…」
すると、いきなり抱きつかれた。
「なっ…、高・・」
「こうやって、ぎゅっ…と抱きしめられてると、安心できるでしょ。」
出来るけど、背中が…なにやら視線が一杯、突き刺さってくる感じがする。
副会長の声が聞こえた。
「テル、お前何やってるんだっ」
「可愛い後輩の緊張を解してあげてるの」
松岡先輩の声もする。
「なに余計な事を…。俺が、それをしようと思ってたのにっ」
「おや、そう?コウキって、細いね。今夜は、俺ん家、おいで。」
「え、高田先輩の家?」
「うん。たらふく食わせてあげるよ。」
にこにこしながら言ってくる高田先輩には、他意は見受けられなかった。
わくわくの、七夕祭の日だ。
男子校に女子高生が入ってくる。
この3月までは共学だったから、久しぶりに女子を見る。
学校の食堂と料理クラブの部室は、午前から大賑わいだ。
家庭科クラブでは女子受けのするネックレスやペンダントを始め、手作りのアクセサリーを売ってる。
他、2校の料理クラブでは、クッキーだったり、パンだったり、手作り弁当を売ってる。
イベントの時間になると、ホールや体育館が賑わう。
最初は吹奏楽だ。
3校同時の一斉合奏から始まり、各学校とも30分間の演奏を楽しませてくれる。
そして、主催校である俺達の学校の軽音部のライブが始まる。
カナタをボーカルとしたグループだ。
ノリノリのロックを歌いきったカナタは嬉しそうだ。
俺は、7人の名前を書いた横断幕を持って、応援していた。
裏で待ってると、7人が出てきたので俺は声を掛けた。
「お疲れ様でした。」
「ありがとう。」と返してくれた7人の目は、キラキラとしている。
その中の1人であるユウに、俺は声を掛けた。
「ユウ。昼飯行こう。」
「え…」
「一緒に、と思ってたんだ。あ、食べに行く予定があるのなら、その人と」
「ううん、ないよ。行こっ!」
ユウの嬉しそうな顔を見ると、可愛く見えてしまった。
昼飯も食べ終えると、昼の13時半からは他の2校の軽音部のライブだ。
吹奏楽も良かったが、軽音部のライブも良かった。
そして、いよいよ大詰め。
15時からは、アツヒコグループのライブだ。
なんか緊張してきた。
15時半になると、生徒会役員も、やってきた。
15時55分からは、3グループ目による七夕祭最後のライブ。
宮田副会長が声を掛けてくる。
「総会と同じつもりでやると良い。」
「総会より、規模大きいですっ。」
「なら、掌に『人』の字を3回書いて、そ」
「そんなので緊張は解けませんっ」
ましてや、皆は2年生で、俺だけ1年生…。
そんな俺に、松岡先輩が声を掛けてきた。
「コウキ、緊張しないまじないをしてあげよう。」
「もしかして、『人』の字、3回?」
「あら、ばれちゃった?」
「そんなのでは、効果ないですよ。」
うーん…と考えていたが、暫くして先輩は手招きしてきた。
「え、なんですか?」
「他にもあるよ。」
「どんなのですか?」
「ん、俺の心臓」
は?何言ってんだ、この人…。
「心臓って…」
「抱きしめてあげるから、俺の心臓の音を聞くと安心できるよ。」
それを聞いて安心した。
「ああ、そういう意味ね。びっくりした…」
「そうだよ。何だと思ったんだい?」
すると、俺と松岡先輩の真ん中辺りに、高田先輩が現れた。
「コウキ、音出ししようっ!」
「うわっ…。高田先輩?」
「生徒会とのコラボのヤツね。フミオは実行委員だから、丸々一曲弾いて貰うからな。」
ふむ…、音出しすると少しは緊張も解けるかな。
そう思い、俺は返した。
「良いですね。そしたら緊張解れるかも…」
「え、なに…、緊張してるの?」
「してますよぉ…」
すると、いきなり抱きつかれた。
「なっ…、高・・」
「こうやって、ぎゅっ…と抱きしめられてると、安心できるでしょ。」
出来るけど、背中が…なにやら視線が一杯、突き刺さってくる感じがする。
副会長の声が聞こえた。
「テル、お前何やってるんだっ」
「可愛い後輩の緊張を解してあげてるの」
松岡先輩の声もする。
「なに余計な事を…。俺が、それをしようと思ってたのにっ」
「おや、そう?コウキって、細いね。今夜は、俺ん家、おいで。」
「え、高田先輩の家?」
「うん。たらふく食わせてあげるよ。」
にこにこしながら言ってくる高田先輩には、他意は見受けられなかった。
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