上 下
19 / 25

19 拒絶 ※R18

しおりを挟む
 
僕は拒絶した。
 
死んだとしても体は生まれ変わり、また何も知らない自分になる。
 
でも、死ぬことは出来なかった。
 
だって、アンドレイとの約束だけは、忘れたくなかったんだ。
 
忘れないために、僕は全てを拒絶した。
 
空へ逃げ出す、その日のために。
 
 
 
 
 
東の国王は永遠の命のために、鳥の青年との契約を望んだ。
 
しかし、鳥の青年は拒絶した。
 
名前を拒む鳥の青年に怒り、何度も傷をつけ血を啜り、羽根を捥ぎ加護を求めたが、鳥の青年は全てを拒絶したのだ。
 
瀕死の状態になっても、鳥の青年は生まれ変わることさえ拒絶した。
 
死を拒絶した鳥の青年に、東の国王は益々怒り、とうとう鳥の青年の体を暴いた。
 
「鳥よ、何故こうまでして死さえ拒む?儂の怒りを買ってまで生きる理由は何だ?」
「…ぐっ、…理由なんて、ないさ。僕の体は傷ついても再生する。死を望めば生まれ変わって、また僕が始まるだけ。生きるも死ぬも僕の選択次第さ」
 
鳥の青年は血の滲む背中の痛みに耐えるように俯き、涙を零している。羽根が抜かれ激痛が全身を襲い、鞭で打たれた全身に蚯蚓腫れが浮き出ている。
 
それでも鳥の青年は痛みから逃げることなく、生きようとしている。
 
死んでしまえば痛みは消え、生まれ変われば恐怖も忘れてしまえるのに。もう何度も繰り返してきたことだ。今更一度我慢したところで何が変わると言うのか。
 
王は疑問に思いつつも、鳥の青年に問うことはなかった。
 
そのような問題は些末だとでも言うように、王はひたすら鳥の青年に名前の契約を持ちかけていた。しかし、何度繰り返そうと、鳥の青年は王を拒み続けた。
 
「鳥め、何度生まれ変わり記憶をなくしても、何故儂との契約を拒む?美しく生まれ変わる度に大切に扱い、甘い言葉で愛でてやっているというのに、拒む理由がわからぬ」
「…きっと、僕の心が君を拒絶しているんだ。何度繰り返そうとも、僕は君を拒絶するだろう」
 
鳥の青年は苦しそうに息を乱しながらも、王を見てそう言った。答えはいつも同じだった。
 
ついに王は激怒した。鳥の青年の胸元を掴み、ギロリと恐ろしい視線で睨みつける。
 
「鳥ふぜいが生意気な!!儂と名の契約を交わせ!!その名のもとに、儂の願いを聞き入れよ!!」
「ゲホッ、…っ、それは出来ない。絶対に…っ」
 
それを聞いた瞬間、王の目がギョロリと見開き、鳥の青年は激しく地面に叩き落とされた。
 
ズザザッ!!
 
「うぐう…っ」
 
怒り狂った王は、鳥の青年に近付き腰を下ろすと、腕を伸ばして鳥の青年の衣服を全て千切り取った。鳥の青年は驚いたように王を見た。
 
王は怒りのまま鳥の青年の体に覆いかぶさり、片手で鳥の青年の両腕を一纏めにすると、もう片方の手でパンッと頬を叩いた。
 
「…あぐ…っ」
 
痛む頬に、鳥の青年は体を震わせる。王は何度も手を振り上げ、鳥の青年の頬を叩き続けた。
 
パンッ!!パンッ!!パンッ!!
 
「ぐうっ、…んぐっ、…ひうっ…っ」
 
真っ赤に腫れた頬に、王はニタア…と笑う。痛みと恐怖で震え、動けなくなった鳥の青年の両手から手を放しても、鳥の青年はもう痛みと疲労で抵抗さえできない様子。
 
王は鳥の青年の体をひっくり返してうつ伏せにすると、小さな尻を見つめた。
 
「不死鳥の体を暴くのも一興。こうなれば別の方向から痛めつけ、無理やりにでも契約させるまで…」
「ひいっ、やっ、な、何を…っ、やだっ、やめてっ、やめてーっ」
 
王は鳥の青年の小さな尻を両手で掴み、その感触を楽しむかのようにやんわりと揉んでいく。
 
その行為に、真っ青な表情で驚愕した鳥の青年は、逃げようと抵抗するが、震える体では全く力が入らない。気持ち悪いと心の底から感じ、恐怖で涙が零れた。
 
嫌だ、やめて、怖い、誰か、助けて、誰か、………アンドレイ。
 
最後に見たアンドレイの顔を思い出し、鳥の青年はギュッと血が滲むほど唇を噛み締めた。
 
抵抗をやめた鳥の青年に、王は気味の悪い笑みを浮かべながら行為を続ける。尻を揉んでいた手が次第に蕾へと移動し、グチリと指が入れられた。
 
痛みに体を強張らせ、歯を食い縛っている。
 
蕾の皺を伸ばすように、王の指が二本、三本と増え、中を掻きまわしてゆく。
 
グチッ、グチッ、グチッ…
 
「ふぐううっ、いっ、ひいっ…いぎっ、…ひっ」
 
痛くて、苦しくて、堪らなかった。激痛が襲い、鳥の青年は血の滲む背中を丸めて耐えている。
 
王の行為は益々加速し、太い指が抜けるころには、とうとう後ろの穴は切れて血が垂れていた。ジンジンと痛みが前進を襲うようで、鳥の青年は涙を流しながら耐え続ける。
 
全身から汗が噴き出して、恐怖にブルブルと震えている。
 
すると、王は細くて今にも折れそうな鳥の青年の腰をガシッと掴んだ。
 
鳥の青年は、赤く腫れた蕾に何かが触れるのを感じ、後ろを振り向くと、その表情が真っ青になった。
 
王の硬く張り詰めたペニスが、その痛々しく血を流す蕾に入ろうとしていたのだ。鳥の青年はガクガクと震えながら抵抗したが、弱り切った体ではどうすることもできなかった。
 
グチュウッ!!
 
「ひいぐううううっ!!いああああああっ!!」
 
ガクンガクンガクンッ
 
勢いよく王のペニスが蕾を貫き、腸内へと侵入した。あまりの衝撃と激痛に、ショックで全身がガクガクと震え、鳥の青年の意識は朦朧となった。
 
しかし、王はグチャリと音を立てながらペニスで腸内を往復し、鳥の青年の奥深くまでを犯してきたのだ。
 
悲しみに抵抗を忘れた体が、後ろから大きく揺さぶられ、血の滴がポタポタといくつも地面に染みを作ってゆく。体が、心が悲鳴を上げていた。
 
それでも鳥の青年は、アンドレイの言葉を思い出し、死を踏み止まった。
 
駄目だ、まだ駄目なんだ。死んではいけない、記憶を消しては、いけない。
 
それだけが、鳥の青年の心をどうにか壊さないでいた。アンドレイの最期の顔が脳裏に浮かび、鳥の青年は王の行為が終わるまで、必死に耐えた。
 
ドクンッ、グジュッ…
 
「…っ……、…はっ……うっ……」
 
奥の奥まで突き込まれ、精液を吐き出された。もう、息をするのも苦しかった。
 
ヌプリと王のペニスが抜かれ、後ろからドロリと王の放った精液が漏れ出してきた。気持ちが悪い、と鳥の青年は身震いした。
 
次第に視界が暗くなり、鳥の青年は気絶してしまった。
 
王は冷静さを取り戻したように服を整え、グチャグチャに汚れて気絶した鳥の青年を見た。
 
「鳥め、いつか契約を受け入れさせてやる…」
 
そう言い残し、王は去っていった。
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

膀胱を虐められる男の子の話

煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ 男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話 膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)

ヒロイン不在の異世界ハーレム

藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。 神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。 飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。 ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?

イケメン王子四兄弟に捕まって、女にされました。

天災
BL
 イケメン王子四兄弟に捕まりました。  僕は、女にされました。

侯爵令息セドリックの憂鬱な日

めちゅう
BL
 第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける——— ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。

その瞳に魅せられて

一ノ清たつみ(元しばいぬ)
BL
「あの目が欲しい」  あの目に、あの失われぬ強い眼差しに再び射抜かれたい。もっと近くで、もっと傍で。自分だけを映すものとして傍に置きたい。そう思ったらもう、男は駄目だったのだーー 執着攻めが神子様らぶな従者の受けを横から掻っ攫っていく話。 ひょんなことから、カイトは神子だというハルキと共に、異世界へと連れて来られてしまう。神子の従者として扱われる事になったカイトにはしかし、誰にも言えない秘密があって…という異世界転移のおまけ君のお話。 珍しく若い子。おえろは最後の方におまけ程度に※表示予定。 ストーリーのもえ重視。 完結投稿します。pixiv、カクヨムに別版掲載中。 古いので読みにくいかもしれませんが、どうぞご容赦ください。 R18版の方に手を加えました。 7万字程度。

召喚先は腕の中〜異世界の花嫁〜【完結】

クリム
BL
 僕は毒を飲まされ死の淵にいた。思い出すのは優雅なのに野性味のある獣人の血を引くジーンとの出会い。 「私は君を召喚したことを後悔していない。君はどうだい、アキラ?」  実年齢二十歳、製薬会社勤務している僕は、特殊な体質を持つが故発育不全で、十歳程度の姿形のままだ。  ある日僕は、製薬会社に侵入した男ジーンに異世界へ連れて行かれてしまう。僕はジーンに魅了され、ジーンの為にそばにいることに決めた。  天然主人公視点一人称と、それ以外の神視点三人称が、部分的にあります。スパダリ要素です。全体に甘々ですが、主人公への気の毒な程の残酷シーンあります。 このお話は、拙著 『巨人族の花嫁』 『婚約破棄王子は魔獣の子を孕む』 の続作になります。  主人公の一人ジーンは『巨人族の花嫁』主人公タークの高齢出産の果ての子供になります。  重要な世界観として男女共に平等に子を成すため、宿り木に赤ん坊の実がなります。しかし、一部の王国のみ腹実として、男女平等に出産することも可能です。そんなこんなをご理解いただいた上、お楽しみください。 ★なろう完結後、指摘を受けた部分を変更しました。変更に伴い、若干の内容変化が伴います。こちらではpc作品を削除し、新たにこちらで再構成したものをアップしていきます。

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします

椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう! こうして俺は逃亡することに決めた。

処理中です...