ニーチェのようにはいかないけれど

 誰もが〝無〟の中を漂っている。

 空虚さを埋めつつ、虚勢を張るための独り言――
 


 どこにでも転がっている物語、
 その中の人たちの人生の一場面を切り取っている、
 そんなテイの話です。
 ショートショートにしていますがオチはないので、
 そのあたり期待せずに読んでいただければ嬉しいです。


24h.ポイント 0pt
0
小説 193,499 位 / 193,499件 現代文学 8,603 位 / 8,603件

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

140字小説

碧井永
現代文学
《140字で完結する小説です》  エックスで書いているものですが、少し変えているところもあります。  カテゴリは「現代小説」となっていますが、主な内容は「ファンタジー」と「恋愛」です。

親子

春秋花壇
現代文学
親子

うちの息子はモンスター

島村春穂
現代文学
義理の息子と一線を越えてしまった芙美子。日ごとに自信をつける息子は手にあまるモンスターと化していく。 「……も、もう気が済んだでしょ?……」息子の腕にしがみつく芙美子の力は儚いほど弱い。 倒錯する親子の禁戒(タブー)は終わりを知らない。肉欲にまみれて二人はきょうも堕ちていく。

*いにしえのコトノハ*8 なっちゃん

N&N
現代文学
だって親ってそういうものでしょう。 子どもの考えなんてお見通し、なんて言って。

糸を読むひと

井川林檎
現代文学
奇妙な経緯で梟荘に住むことになった、糸出ゆめ。同居人の従妹、いとちゃんは風変わりな引きこもりで、ほぼ夜行性。 同居しながら顔を合わせない生活が続いたが、ある日唐突にいとちゃんが姿を現した。 「糸が絡まり始めた」 いとちゃんが告げた謎の言葉。それ以降、いとちゃんは頻回に姿を現すようになり、同時に日常生活の中で、妙におかしなことが起こるようになっていった。 ※表紙写真:「ぱくたそ」無料素材を使用しています。

トラロープの絆

深川さだお
現代文学
『トラロープの絆』は、工業都市で生きる人々の現実と内面的な葛藤、そしてその中で見つける本物の絆を描いた心に響く物語です。地元の工場で働く拓次、専門職で都会的な生活を志向する深川、伝統工芸の漆器職人である祐美子――彼らが抱える葛藤と向き合いながら、互いに支え合う姿が描かれています。 物語の中心にいる拓次は、工場での仕事と恋活の現実に向き合う一方で、自然の中での釣りに癒しを求めています。彼が釣り上げるイワナは、日常の喧騒から逃れる瞬間を象徴するものであり、同時に拓次が求める「本物」の象徴でもあります。彼が遭難し、生死の狭間でイワナに出会う場面は、彼の人生観に大きな転機をもたらします。生還を果たした後、彼はそれまで見過ごしていた日常の小さな支えに気づくようになり、トラロープで繋がるかけがえのない人間関係の価値を再認識していきます。 一方、都会的な価値観を持つ深川は、専門職として高い評価を得ているものの、地元の人々との距離感に悩んでいます。アウトドアには疎い深川もまた、拓次との釣りを通して自然や地元への理解を深めていきます。彼は拓次のように日常の中で深くつながることを難しく感じつつも、地元に根ざした人間関係や自然との関わりに共感し、自分の内面を見つめ直すようになります。 物語の中で重要な存在である祐美子は、伝統工芸である漆器作りに心を注いでいます。彼女が手掛ける漆器の器には、日常の中で人々の「心をのせる」ことが大切に込められています。祐美子は、都会的な深川に憧れつつも、工業都市での地道な生活や自らの技術への誇りとの間で葛藤しています。漆器作りに携わりながら、彼女もまた地元や自然、そして自分が守りたいものに気づいていくのです。漆器は彼女にとって、日々の生活に根ざし、人々を支えるための器として、物語の中で「支え合い」や「絆」を象徴するアイテムとなります。 物語のクライマックスでは、拓次が釣り上げたイワナを深川や祐美子とともに食し、さるなし酒を酌み交わすシーンがあります。この場面は、彼らがそれぞれの葛藤を越えて、自然や生活の豊かさを共有し、本物の絆を確かめ合う象徴的な瞬間です。漆器に盛られた料理や、酒を囲む彼らの姿には、日常の中で育まれる支え合いや、自己を超えてつながる人間関係の深さが見事に表現されています。 『トラロープの絆』は、現代の恋愛や人間関係、地方都市に根付く絆の意義について問いかける作品です。恋愛において条件重視の風潮に疑問を抱く方や、自然の中での経験が人の価値観をどう変えるかに興味がある方、また日常にある小さな支えを見つめ直したいと考える方にとって、心に深く響く物語となるでしょう。拓次たちが見つけた「本物の絆」とは何か――釣りや漆器、イワナに象徴される支え合いの精神を知りたい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。

ユルサレタイスパイラル

碧井永
現代文学
子供から大人へと 誰にも等しく流れる時間―― 《 過去を振り返る男の自問自答ストーリー 》  文筆家としてサラリーマンから独立したばかりの仁哉(じんや)のもとへ、ある日突然に「貴方の娘です」と少女が訪ねてくる。彼女の名前は、春乃(はるの)。  それは高校三年を迎える春に別れてしまったカノの娘に間違いはなかった。  男女の奇妙な共同生活が続く中で、仁哉の心は過去へと引き戻されていく……。  歳の離れた兄の育て方で両親が不和となり、家族であっても孤独のつきまとう日々。当然のことながら、性悪に成長した兄も、付き合っていた女性を妊娠させて結婚するが、「子供に嫌気が差した」とすぐに離婚してしまう。薄情な血縁を呪いながら居場所を探して生きてきた仁哉にとって、小学校から付き合いのあったカノの存在が唯一の救いとなっていた。  春乃から「母は死にました」と告げられ動揺する仁哉。  ただひとつ、カノに対して疑心のあった仁哉は、自分が春乃の父親であるのかを確かめるために探偵を雇うことにする――

処理中です...