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学園で公爵令嬢に絡まれました
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「エイミー、私がこんな立派な馬車に乗るなんておかしいと思うのだけど」
学園に向けて動き出した超豪華な馬車の中で私がエイミーに言うと
「何をおっしゃるのです。アオイ様は聖女として陛下が認められたのです。この馬車をアオイ様が使われるのは当然です」
エイミーは全く動じずに言ってくれた。
「でも、近衛の方が、それも副騎士団長が私の護衛について頂けるなんておかしくない?」
「今まで護衛が付かなかった方がおかしかったのです。もともとアオイ様の癒し魔術は素晴らしいものがありました。どう見ても聖女だったのです。アリストンの奴らに誘拐されそうにって、陛下も慌てられたのだと思います」
「でも、どう考えても皇女殿下よりも厚遇されているんだけど……」
絶対にまた皇女殿下に嫌味言われるのは確定だ。私は頭が痛くなってきたんだけど……
「何を言っておられるのですか。アオイ様は聖女だと皇帝陛下が認定されたのです。聖女様は元々皇帝陛下と同格なのです。それから考えると護衛の数が少ないくらいです」
「えっ?」
私はエイミーの言葉にギョッとしてしまった。
皇帝陛下と同格って……それって絶対におかしいと思うんだけど……
それに私は聖女じゃないと思うんだけど。私は聖女じゃないってアリストン王国を追い出されたのに……
どうしよう。私が聖女じゃないって判って追い出されたら?
私がだんだん不安になってきた。
「大丈夫ですよ。あれだけすごい癒し魔術の担い手のアオイ様が聖女じゃないなんてあり得ませんから。それにアオイ様をアリストンの奴らが誘拐しようとしたことからして、アオイ様が聖女様なのは確実です。今、アリストンにいる性悪女が偽聖女だと今頃気付いたに違いありません」
エイミーは自信を持って言ってくれるんだけど……私は全然自信がなかった。まあ、凛が性悪女だというのは認めるけれど……
そうこうするうちに馬車は学園の馬車のたまり場についたのだが、なんと馬車は一等地の皇族方が使われる場所に止まったんだけど……
「すごい。あれは近衛の副騎士団長のラッセル様よ」
「誰を護衛してこられたのかしら」
皆の声が聞こえる。皆の注目が集まった。
この注目の中を降りろって言うの?
私はかちんこちんに固まったんだけど。
皇女殿下や皇子殿下の取り巻きたちが慌てて駆けてくる。
いや、ちょっと、降りるの私なんだけど……
罵倒される未来しか見えない中、ラッセル様が扉をあけられたんだけど……
「さっ、アオイ様」
私は差し出された手を取るしかなかった。
「「「えっ」」」
みんな絶句していた。
「嘘!」
「なんであの地味女が、ラッセル様のエスコートで降りてくるの?」
ざわざわ外野が煩い中、私は学園の入り口までラッセル様と近衛騎士たちに囲まれて歩いたのだ。
「ではアオイ様。また、学園が終わる頃にお迎えにあがりますのでよろしくお願いします」
「いえ、あの、副騎士団長にエスコートされるのは畏れ多いんですけど」
「私がだめですと、殿下か近衛騎士団長がエスコートすることになりますが」
「えっ、いや、それはもっとダメですよね」
私は慌てた。殿下って、クリフならやりかねない。そんな事されたらまたアマンダに絡まれるの確実だ。近衛騎士団長はまだお会いしたことは無いが、皇后様とラッセル様の御父上だ。そんな人には絶対に私の護衛などさせられない。
私は引きつった笑いを浮かべるしかなかった。
「アオイ」
そこにポーラらが迎えに来てくれた。
「ポーラ」
私はほっとした。
「ではよろしくお願いします」
ラッセル様はポーラに軽く頭を下げて帰って行かれた。
「凄いじゃない。アオイ。近衛副騎士団長に護衛されてくるなんて」
「もう、何か良く判らなくて」
ポーラの言葉に私が言うと、
「まあ、聖女様に認定されるんだから仕方がないんじゃない」
ポーラが当然のごとく言ってくれるんだけど……私は聖女じゃないと思うんだけど。
「いや、おじいさまの古傷まで治せたんだから絶対にあなたは聖女様よ」
ポーラが断定してくれたんだけど、私には全然自信がなかった。
私は皆の好奇の視線を浴びながら教室に向かったのだ。
クラスでは好奇の視線を浴びせてくる貴族の子弟連中はいたが、他は皆、普通通りに接してくれた。
まあ私の周りに、エイブとボビーという騎士志望の巨体がいるので、何も言えないというのもあったかもしれないが。
でも、それで終わるはずは無かったのだ。
休み時間だ。
「お前が、アオイか」
たしかウィンスロー伯爵令息だったと思われた男がいきなり現れたのだ。
それもこいつ、あろう事かポーラに話しかけているんだけど。
「違うわよ」
あっさりとポーラは否定したのだ。
「誰がアオイが知りもしないで声かけてくるなんて馬鹿なの?」
そのうえ、馬鹿にし始めたんだけど。
「な、何だと、無礼者」
伯爵令息は息まいたが、
「何かいう事があるのか」
その横からエイブが現れると
「やはい、これはバレーの蛮族」
何かとても指令な事を言ってくれるんだけど。
「何か言ったか?」
ギロリとエイブが睨みつけめると、
「ウィンスロー様。アオイはその後ろの黒髪ですよ」
言わなくてもいいのに、クラスの男爵令息が教えてくれた。
「ああ? とても貧相な女だな」
ウィンスロー伯爵令息はエイブを無視して私を見た。
こいつ、燃やしても良い? 私はとてもムカついた。 爆裂魔術が使えたら絶対にそのまま燃やしていた。
「喜べ、女、このウィンスロー伯爵令息様が貧相な貴様を婚約者にしてやろうとわざわざ足を運んでここまできてやっ」
この言葉前にも聞いたことがあるような……私が怒りのあまり殴りつけようとした時だ。
「どきなさい。邪魔よ」
そこへ後ろからいきなりまた、アマンダが現れたのだ。その後ろには取り巻き令嬢たちを10名くらい引き連れていた。
私の前にいた伯爵令息はアマンダに弾き飛ばされて地面に激突していた。
「ちょっと、アオイ、どういう事なの! 私のクリフ様をあなたが誘って休みの間旅に出ていたって本当なの?」
また、ややこしい奴が来た。私はうんざりしたのだ。
学園に向けて動き出した超豪華な馬車の中で私がエイミーに言うと
「何をおっしゃるのです。アオイ様は聖女として陛下が認められたのです。この馬車をアオイ様が使われるのは当然です」
エイミーは全く動じずに言ってくれた。
「でも、近衛の方が、それも副騎士団長が私の護衛について頂けるなんておかしくない?」
「今まで護衛が付かなかった方がおかしかったのです。もともとアオイ様の癒し魔術は素晴らしいものがありました。どう見ても聖女だったのです。アリストンの奴らに誘拐されそうにって、陛下も慌てられたのだと思います」
「でも、どう考えても皇女殿下よりも厚遇されているんだけど……」
絶対にまた皇女殿下に嫌味言われるのは確定だ。私は頭が痛くなってきたんだけど……
「何を言っておられるのですか。アオイ様は聖女だと皇帝陛下が認定されたのです。聖女様は元々皇帝陛下と同格なのです。それから考えると護衛の数が少ないくらいです」
「えっ?」
私はエイミーの言葉にギョッとしてしまった。
皇帝陛下と同格って……それって絶対におかしいと思うんだけど……
それに私は聖女じゃないと思うんだけど。私は聖女じゃないってアリストン王国を追い出されたのに……
どうしよう。私が聖女じゃないって判って追い出されたら?
私がだんだん不安になってきた。
「大丈夫ですよ。あれだけすごい癒し魔術の担い手のアオイ様が聖女じゃないなんてあり得ませんから。それにアオイ様をアリストンの奴らが誘拐しようとしたことからして、アオイ様が聖女様なのは確実です。今、アリストンにいる性悪女が偽聖女だと今頃気付いたに違いありません」
エイミーは自信を持って言ってくれるんだけど……私は全然自信がなかった。まあ、凛が性悪女だというのは認めるけれど……
そうこうするうちに馬車は学園の馬車のたまり場についたのだが、なんと馬車は一等地の皇族方が使われる場所に止まったんだけど……
「すごい。あれは近衛の副騎士団長のラッセル様よ」
「誰を護衛してこられたのかしら」
皆の声が聞こえる。皆の注目が集まった。
この注目の中を降りろって言うの?
私はかちんこちんに固まったんだけど。
皇女殿下や皇子殿下の取り巻きたちが慌てて駆けてくる。
いや、ちょっと、降りるの私なんだけど……
罵倒される未来しか見えない中、ラッセル様が扉をあけられたんだけど……
「さっ、アオイ様」
私は差し出された手を取るしかなかった。
「「「えっ」」」
みんな絶句していた。
「嘘!」
「なんであの地味女が、ラッセル様のエスコートで降りてくるの?」
ざわざわ外野が煩い中、私は学園の入り口までラッセル様と近衛騎士たちに囲まれて歩いたのだ。
「ではアオイ様。また、学園が終わる頃にお迎えにあがりますのでよろしくお願いします」
「いえ、あの、副騎士団長にエスコートされるのは畏れ多いんですけど」
「私がだめですと、殿下か近衛騎士団長がエスコートすることになりますが」
「えっ、いや、それはもっとダメですよね」
私は慌てた。殿下って、クリフならやりかねない。そんな事されたらまたアマンダに絡まれるの確実だ。近衛騎士団長はまだお会いしたことは無いが、皇后様とラッセル様の御父上だ。そんな人には絶対に私の護衛などさせられない。
私は引きつった笑いを浮かべるしかなかった。
「アオイ」
そこにポーラらが迎えに来てくれた。
「ポーラ」
私はほっとした。
「ではよろしくお願いします」
ラッセル様はポーラに軽く頭を下げて帰って行かれた。
「凄いじゃない。アオイ。近衛副騎士団長に護衛されてくるなんて」
「もう、何か良く判らなくて」
ポーラの言葉に私が言うと、
「まあ、聖女様に認定されるんだから仕方がないんじゃない」
ポーラが当然のごとく言ってくれるんだけど……私は聖女じゃないと思うんだけど。
「いや、おじいさまの古傷まで治せたんだから絶対にあなたは聖女様よ」
ポーラが断定してくれたんだけど、私には全然自信がなかった。
私は皆の好奇の視線を浴びながら教室に向かったのだ。
クラスでは好奇の視線を浴びせてくる貴族の子弟連中はいたが、他は皆、普通通りに接してくれた。
まあ私の周りに、エイブとボビーという騎士志望の巨体がいるので、何も言えないというのもあったかもしれないが。
でも、それで終わるはずは無かったのだ。
休み時間だ。
「お前が、アオイか」
たしかウィンスロー伯爵令息だったと思われた男がいきなり現れたのだ。
それもこいつ、あろう事かポーラに話しかけているんだけど。
「違うわよ」
あっさりとポーラは否定したのだ。
「誰がアオイが知りもしないで声かけてくるなんて馬鹿なの?」
そのうえ、馬鹿にし始めたんだけど。
「な、何だと、無礼者」
伯爵令息は息まいたが、
「何かいう事があるのか」
その横からエイブが現れると
「やはい、これはバレーの蛮族」
何かとても指令な事を言ってくれるんだけど。
「何か言ったか?」
ギロリとエイブが睨みつけめると、
「ウィンスロー様。アオイはその後ろの黒髪ですよ」
言わなくてもいいのに、クラスの男爵令息が教えてくれた。
「ああ? とても貧相な女だな」
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この言葉前にも聞いたことがあるような……私が怒りのあまり殴りつけようとした時だ。
「どきなさい。邪魔よ」
そこへ後ろからいきなりまた、アマンダが現れたのだ。その後ろには取り巻き令嬢たちを10名くらい引き連れていた。
私の前にいた伯爵令息はアマンダに弾き飛ばされて地面に激突していた。
「ちょっと、アオイ、どういう事なの! 私のクリフ様をあなたが誘って休みの間旅に出ていたって本当なの?」
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