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帰ったらクリフがやたらベタベタ私につき纏ってきました
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「嘘!」
「あれ、治っているぞ」
二人共血まみれになっていたのに、綺麗さっぱり治ってしまった。
「お、お前、ヒールを使えるのか?」
ボビー等は呆然として私を見つめてきたんだけど……
「あっ、やってしまった」
私は青くなった。
聖女とバレたら碌なことはないから、絶対にヒールは使うなと皆に言われていたのだ。
なのに、ヒールを使ってしまった。
「今の無しにして!」
私はみんなに頼み込もうとしたが、
「無しになんか、出来るわけないたろう」
「お前、俺の足も治してくれたのか」
ボビーが飛びつかんばかりに私に寄ってくるんだけど。
「ええっと、皆、忘れて」
私が必死に誤魔化そうとした時だ。
「アオイ様、良かった。いらっしゃらないので探しました」
そこへ、エイミーが駆けてきたのだ。
「あっ、エイミー、ごめん。迎えの時間を忘れていた」
「本当にお願いしますね」
エイミーが怒って言った。
「メイドが迎えに来るって、アオイって良い所のお嬢様だったんだ」
なんか、ボビーがショックを受けているんだけど……
エイミーは宮殿のメイドで私のメイドではないのだけど、それを言うとややこしくなりそうなので黙っていたけど。
「ごめんね皆。また明日」
私は皆に手を振って、エイミーに連れて行かれたのだ。
「アオイ様、あれだけ、ヒールは使ってはいけないと言われていましたのに!」
「えっ、見てたの? 見ていたんなら使う前に止めてよ」
私が文句を言うと、
「止める間もなく使われたのはアオイ様です」
そう言われたら返す言葉もなかった。
「ごめん、つい、血まみれの二人を見て、パニックになってしまって……そもそも決闘を途中で止めさせたのはまずかったのかな?」
「えっ、あの二人決闘していたのですか?」
驚いてエイミーが聞いてきた。
「えっ、高等学園で決闘って日常茶飯事なんでしょ」
私が聞くと
「そんな訳無いですよ。決闘が日常茶飯事ってどこの野蛮国家なんですか?」
「えっ、そうなの。入学して1日目から決闘しているから、高等学園では普通なんだと思っていたわ」
「それはヴァーノン族とかバレー族ならいざ知らず、我が国の学園ではめったに無いことです」
そうなんだ。まあ、その喧嘩早い一族はあの中に二人もいたから、仕方がないのかもしれない。ということは、私達のクラスはこれから毎日あんな感じなんだろうか? 私は少し不安になってきた。
でも、決闘のもう一人のボビーは普通の帝国人なのではと思ったが、お父さんが騎士だと言っていたから、やはり騎士連中は喧嘩早いんだと私は思うことにした。
決闘の介添え役なんて勝手に引き受けてはいけないだの、決闘現場に行かれるのは淑女としては良くないとか、帰りの馬車の中で私は愚痴愚痴とエイミーからお小言を受けていたのだ。
最悪だ!
そんなの勝手に私を巻き込んだボビーらが悪いと私は思っていたのだ。
でも、宮殿に帰ったらもっと面倒くさいやつがいた。
「アオイ!」
「あっ、クリフ、久しぶり」
私は久々に見たクリフに駆け寄った。
「今、ちらりと聞いたのだが、俺との約束を破って勝手にヒールを使ったんだって」
いきなりクリフが文句を言ってきた。
「だって、お互いに血まみれだったからついかわいそうになって」
「可哀想になったって、喧嘩していたのはその二人なんだろう」
「だって、私も介添人やっていたし」
「介添人だって!」
クリフの声が一オクターブ高くなったんだけど、何故に?
「アオイ、普通決闘の介添人っていうのは女性がやる場合は、その男の婚約者とかあるいはその男が好きな子がやるものなんだぞ」
「えっ、そうなの? だって無理やり、やれって言われたし」
「何処のどいつだ、そんなのをアオイに頼んだ奴は!」
クリフはエイミーを見て聞いていた。
「ボビー・アラコンと言ってその父は第八騎士団の騎士をしています」
何故かエイミーがスラスラ応えるんだけど。私でさえ、クラスの皆の顔と名前をまだ覚えていないのに、エイミーは凄いと思ったのは秘密だ。
「何だいきなり、アオイは男に目をつられているじゃないか! エイミー、できるだけアオイを地味な装いにして、髪の毛をくくっておけと俺は言ったはずだが」
白い目でエイミーをクリフは睨みつけているんだけど。
「言われたように後ろにリボンで止めていたんですけれど」
「あっ、ごめん。そのリボンを腕に巻いてほしいとボビーに頼まれたから、取ってしまったの」
私が思わず言うと、
「な、なんだとアオイは男にリボンをやったのか!」
「だって、決闘のルールだとか言われたら仕方がないじゃない。どんな風に決闘するかクリフも教えてくれなかったし」
私が文句を言うと
「普通はアオイが決闘の場面に出くわすなんて思っていないぞ。学園の警備体制はどうなっているのだ?」
クリフは完全に怒っているんだけど。
「まあ、クリフ、あげたのはクリフからもらったものではなかったし、良いじゃない」
私が言うと、
「エイミー、これからアオイのつけるものは全て俺のものにしろ」
クリフがとんでもない事を言うんだけど、
「えっ、でも殿下はリボンなんて持っておられないのでは?」
「俺の銀の髪留めがあるだろう。それをつければ良い」
「殿下、殿下の髪の色が銀色ですから銀の髪留めはないのでは」
「とりあえず、俺の名で発注しろ。それと、アオイの筆記用具等も全て俺のと交換しろ」
「ええええ! クリフの筆記用具って色彩とかもう一つなんだけど」
私が文句を言うと
「アオイ、何か言ったか?」
「だって」
「判った。俺の筆記用具使うのならば、お前に毎日1時間攻撃魔術の練習をしてやる」
「えっ、本当に? 前は必要ないって言っていたじゃない」
「いや、話が変わった。何があるかわわからないからな。群がる男たちに攻撃できるものがあったほうが良いだろう」
なんかクリフが変なことを言っているんだけど。
結局、その後は、寝るまでクリフが何故か、ずうーーーーっと私の周りにベタベタつき纏っていたんだけど……
**************************************************************
ここまで読んで頂いて有難うございます。
つぎラノ2023にもノミネートされた私の初書籍
『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! 学園生活を満喫するのに忙しいです』
全国の書店様、ネット書店様で絶賛発売中です
https://www.regina-books.com/lineup/detail/1056603/9532
下にリンクも貼ってます
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「ええっと、皆、忘れて」
私が必死に誤魔化そうとした時だ。
「アオイ様、良かった。いらっしゃらないので探しました」
そこへ、エイミーが駆けてきたのだ。
「あっ、エイミー、ごめん。迎えの時間を忘れていた」
「本当にお願いしますね」
エイミーが怒って言った。
「メイドが迎えに来るって、アオイって良い所のお嬢様だったんだ」
なんか、ボビーがショックを受けているんだけど……
エイミーは宮殿のメイドで私のメイドではないのだけど、それを言うとややこしくなりそうなので黙っていたけど。
「ごめんね皆。また明日」
私は皆に手を振って、エイミーに連れて行かれたのだ。
「アオイ様、あれだけ、ヒールは使ってはいけないと言われていましたのに!」
「えっ、見てたの? 見ていたんなら使う前に止めてよ」
私が文句を言うと、
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驚いてエイミーが聞いてきた。
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でも、決闘のもう一人のボビーは普通の帝国人なのではと思ったが、お父さんが騎士だと言っていたから、やはり騎士連中は喧嘩早いんだと私は思うことにした。
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最悪だ!
そんなの勝手に私を巻き込んだボビーらが悪いと私は思っていたのだ。
でも、宮殿に帰ったらもっと面倒くさいやつがいた。
「アオイ!」
「あっ、クリフ、久しぶり」
私は久々に見たクリフに駆け寄った。
「今、ちらりと聞いたのだが、俺との約束を破って勝手にヒールを使ったんだって」
いきなりクリフが文句を言ってきた。
「だって、お互いに血まみれだったからついかわいそうになって」
「可哀想になったって、喧嘩していたのはその二人なんだろう」
「だって、私も介添人やっていたし」
「介添人だって!」
クリフの声が一オクターブ高くなったんだけど、何故に?
「アオイ、普通決闘の介添人っていうのは女性がやる場合は、その男の婚約者とかあるいはその男が好きな子がやるものなんだぞ」
「えっ、そうなの? だって無理やり、やれって言われたし」
「何処のどいつだ、そんなのをアオイに頼んだ奴は!」
クリフはエイミーを見て聞いていた。
「ボビー・アラコンと言ってその父は第八騎士団の騎士をしています」
何故かエイミーがスラスラ応えるんだけど。私でさえ、クラスの皆の顔と名前をまだ覚えていないのに、エイミーは凄いと思ったのは秘密だ。
「何だいきなり、アオイは男に目をつられているじゃないか! エイミー、できるだけアオイを地味な装いにして、髪の毛をくくっておけと俺は言ったはずだが」
白い目でエイミーをクリフは睨みつけているんだけど。
「言われたように後ろにリボンで止めていたんですけれど」
「あっ、ごめん。そのリボンを腕に巻いてほしいとボビーに頼まれたから、取ってしまったの」
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「な、なんだとアオイは男にリボンをやったのか!」
「だって、決闘のルールだとか言われたら仕方がないじゃない。どんな風に決闘するかクリフも教えてくれなかったし」
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クリフは完全に怒っているんだけど。
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