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アルバート視線13 筆頭魔道士は小国王妃に雷撃を発しました
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ソニアとキスしてしまった。
俺はソニアの周りを牽制するために俺のペンダントをソニアに渡すだけのはずが、ソニアがあまりにも可愛かったので、思わずキスしてしまった。
これがクリス様だったら確実にしばかれていた。
ソニアは真っ赤になって悶えるだけだった。
優しいソニアで良かった。
それに恥ずかしがって悶えるソニアも可愛かった。
俺が部屋でぼうっと今日のことを思い出して悶ているのを見て、周りは白い目で見ていた。
「春が来て頭がおかしくなったのか」
ウィルが言っているが聞こえたが、馬鹿にはそう思わせておけばよいのだ。
この世の春がきたのだ。
俺は本当に能天気だった。
ソニアが自国の危機に際し、勝手に帰って危機に瀕するなど露とも思っていなかったのだ。
俺はその脳天気な頭のまま、戦場に向かった。
ボフミエ魔導国は他国からの援軍も加えて多国籍連合軍としてクロチアの魔王征伐に繰り出した。魔王は小賢しいことに兵士の多くを魔人等に変えて攻撃してきたが、我らの前に、魔王軍は殲滅された。クリス様の活躍は素晴らしく、俺ら近衛も頑張ったのだ。詳しくは別の話だ。
そして、翌日、クロチアの街は破壊しつくされたが、こちらの被害は軽微なものだった。
クリス様は念を入れてベッドの中だったが、体に異常はなかった。
朝からやってきた我が国の皇太子がまたクリス様にふらちなことをしたので、ドタバタしたが、今は二人で病室の中だ。
ソニアは元気にしているのだろうか。
俺がぼんやり考えていた時だ。
突然俺のつけているペンダントが真っ赤に光ったのだ。
「ソニア!」
俺は慌てた。俺のペンダントが光るということはソニアに何か危機が起こって防御魔術が発動したのだ。何が起こったのか。
俺は慌ててソニアに電話したが、ソニアの電話は圏外になっていた。
おかしい。ボフミエ魔導国はどこにいても魔導電話が繋がるようになっているはずだった。
ますます慌てて俺は学園に直接電話しした。
「どうしたの。アルバート」
そこに出てきたのは学園長だった。
思わず舌打ちしそうになったが、今はそんな事は言っていられなかった。
「学園長。ソニアに何かあったようなのです」
「何かあったってどういう事」
「それがわからないんだ。ソニアはどこにいる」
俺は怒鳴り散らしそうになりながらアメリアに叫んでいた。
「何言っているのよ。ソニアはオーウェンが手配してインダルに返したわよ」
「何だと」
俺は電話を切ってブチ切れた。
戦いが終わって今朝早くにオーウェンはこの地に来ていた。でも、そんな話は聞いていない。
クリス様の部屋の中にノックもなしに飛び込むとオーウエンの胸ぐらを捕まえた。
「オーウェン。貴様、ソニアに何をした」
「はっ、何をって、俺のところに来て無理やり帰るって言うから、危険だと思ってエスターに頼んで連れて帰ってもらったんだ」
「はん、何だと。あれだけ危険だからボフミエにいろって言いおいてきたのに、お前なんてことしてくれたんだ」
「何言っている。俺が手配してやらなかったら今頃一人で帰っていたぞ。トリポリまではトリポリの皇太子にスカイバードで送らせたし、もう国には帰っているはずだ」
「ソニアに何かあったの?」
クリス様が聞いてきた。
「ソニアに渡したペンダントの防御魔術が発動したんです。ソニアが・・・・」
俺は動揺していた。
「判ったわ。ソニアに通信してみる」
「しかし、クリス、まだ躰が」
「オウは黙っていて」
クリス様は一言でオーウェンを黙らせるとダイレクトにソニアと通信した。
目の前に現れたソニアは血だらけで吊るされていた。
俺はその姿を唖然と見た。
「ソニア!」
蒼白となったクリス様が叫んだ。
「ソニア、大丈夫?」
クリス様が叫ぶ。
「クリス、もうだめ・・・・」
ソニアは声を絞り出したようだった。
「ソニアしっかりしろ」
俺はクリス様の横から叫んでいた。
「アルバート、会えて良か・・・・」
ソニアはもう声も出ないみたいだった。
「どうしたんだその傷は」
俺は呆然としていた。こんなことなら残してくるんじゃ無かった。もっと皆に絶対に学園から出ないようにさせるように頼んでくれば良かった。
ソニア、ソニア、俺はどれだけソニアを愛していたか初めて判った。
「貴様ら何奴じゃ」
その時画面にムチを持った女が割り込んできた。
こいつか、こいつがやったのか。
俺は憎しみを持って女を睨みつけた
「私はクリスティーナ・ミハイル、お前はカイラ・インダルか」
クリス様も切れかけていた。その言葉の端々に怒りが滲み出ていた。
「何故、私の名前を知っている」
王妃は驚いて聞いた。
「インダルの王妃であろう。それよりも貴様、私の友人のソニアに何をした」
クリス様は怒りに震えていた。こんなに怒っているクリス様は久しぶりに見た。
「ふんっ。まあ誰でも良い。貴様の小娘が殺されるのをよく見ておくことだ」
王妃はそう叫ぶとムチを振り上げようとした。
「おのれ、許さん」
クリス様が切れた。手を天に伸ばす。
次の瞬間、クリス様の手から雷撃が天空に伸びた。
それは臨時テントを突き破って空に向かって飛んでいった。
「ギャーーーーーー」
王妃の絶叫が画面に響いた。
「アルバートいらっしゃい」
クリス様が俺の手を掴んだ。
「ちょっとクリス」
「教えてくれなかったオウは最低」
クリス様に手を伸ばしたオーウエンの手がクリス様に弾かれた。
次の瞬間俺はクリス様に連れられてインダルに向けて転移していた。
****************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
アルバート視線はここまでです。
続きは明朝 乞うご期待!
俺はソニアの周りを牽制するために俺のペンダントをソニアに渡すだけのはずが、ソニアがあまりにも可愛かったので、思わずキスしてしまった。
これがクリス様だったら確実にしばかれていた。
ソニアは真っ赤になって悶えるだけだった。
優しいソニアで良かった。
それに恥ずかしがって悶えるソニアも可愛かった。
俺が部屋でぼうっと今日のことを思い出して悶ているのを見て、周りは白い目で見ていた。
「春が来て頭がおかしくなったのか」
ウィルが言っているが聞こえたが、馬鹿にはそう思わせておけばよいのだ。
この世の春がきたのだ。
俺は本当に能天気だった。
ソニアが自国の危機に際し、勝手に帰って危機に瀕するなど露とも思っていなかったのだ。
俺はその脳天気な頭のまま、戦場に向かった。
ボフミエ魔導国は他国からの援軍も加えて多国籍連合軍としてクロチアの魔王征伐に繰り出した。魔王は小賢しいことに兵士の多くを魔人等に変えて攻撃してきたが、我らの前に、魔王軍は殲滅された。クリス様の活躍は素晴らしく、俺ら近衛も頑張ったのだ。詳しくは別の話だ。
そして、翌日、クロチアの街は破壊しつくされたが、こちらの被害は軽微なものだった。
クリス様は念を入れてベッドの中だったが、体に異常はなかった。
朝からやってきた我が国の皇太子がまたクリス様にふらちなことをしたので、ドタバタしたが、今は二人で病室の中だ。
ソニアは元気にしているのだろうか。
俺がぼんやり考えていた時だ。
突然俺のつけているペンダントが真っ赤に光ったのだ。
「ソニア!」
俺は慌てた。俺のペンダントが光るということはソニアに何か危機が起こって防御魔術が発動したのだ。何が起こったのか。
俺は慌ててソニアに電話したが、ソニアの電話は圏外になっていた。
おかしい。ボフミエ魔導国はどこにいても魔導電話が繋がるようになっているはずだった。
ますます慌てて俺は学園に直接電話しした。
「どうしたの。アルバート」
そこに出てきたのは学園長だった。
思わず舌打ちしそうになったが、今はそんな事は言っていられなかった。
「学園長。ソニアに何かあったようなのです」
「何かあったってどういう事」
「それがわからないんだ。ソニアはどこにいる」
俺は怒鳴り散らしそうになりながらアメリアに叫んでいた。
「何言っているのよ。ソニアはオーウェンが手配してインダルに返したわよ」
「何だと」
俺は電話を切ってブチ切れた。
戦いが終わって今朝早くにオーウェンはこの地に来ていた。でも、そんな話は聞いていない。
クリス様の部屋の中にノックもなしに飛び込むとオーウエンの胸ぐらを捕まえた。
「オーウェン。貴様、ソニアに何をした」
「はっ、何をって、俺のところに来て無理やり帰るって言うから、危険だと思ってエスターに頼んで連れて帰ってもらったんだ」
「はん、何だと。あれだけ危険だからボフミエにいろって言いおいてきたのに、お前なんてことしてくれたんだ」
「何言っている。俺が手配してやらなかったら今頃一人で帰っていたぞ。トリポリまではトリポリの皇太子にスカイバードで送らせたし、もう国には帰っているはずだ」
「ソニアに何かあったの?」
クリス様が聞いてきた。
「ソニアに渡したペンダントの防御魔術が発動したんです。ソニアが・・・・」
俺は動揺していた。
「判ったわ。ソニアに通信してみる」
「しかし、クリス、まだ躰が」
「オウは黙っていて」
クリス様は一言でオーウェンを黙らせるとダイレクトにソニアと通信した。
目の前に現れたソニアは血だらけで吊るされていた。
俺はその姿を唖然と見た。
「ソニア!」
蒼白となったクリス様が叫んだ。
「ソニア、大丈夫?」
クリス様が叫ぶ。
「クリス、もうだめ・・・・」
ソニアは声を絞り出したようだった。
「ソニアしっかりしろ」
俺はクリス様の横から叫んでいた。
「アルバート、会えて良か・・・・」
ソニアはもう声も出ないみたいだった。
「どうしたんだその傷は」
俺は呆然としていた。こんなことなら残してくるんじゃ無かった。もっと皆に絶対に学園から出ないようにさせるように頼んでくれば良かった。
ソニア、ソニア、俺はどれだけソニアを愛していたか初めて判った。
「貴様ら何奴じゃ」
その時画面にムチを持った女が割り込んできた。
こいつか、こいつがやったのか。
俺は憎しみを持って女を睨みつけた
「私はクリスティーナ・ミハイル、お前はカイラ・インダルか」
クリス様も切れかけていた。その言葉の端々に怒りが滲み出ていた。
「何故、私の名前を知っている」
王妃は驚いて聞いた。
「インダルの王妃であろう。それよりも貴様、私の友人のソニアに何をした」
クリス様は怒りに震えていた。こんなに怒っているクリス様は久しぶりに見た。
「ふんっ。まあ誰でも良い。貴様の小娘が殺されるのをよく見ておくことだ」
王妃はそう叫ぶとムチを振り上げようとした。
「おのれ、許さん」
クリス様が切れた。手を天に伸ばす。
次の瞬間、クリス様の手から雷撃が天空に伸びた。
それは臨時テントを突き破って空に向かって飛んでいった。
「ギャーーーーーー」
王妃の絶叫が画面に響いた。
「アルバートいらっしゃい」
クリス様が俺の手を掴んだ。
「ちょっとクリス」
「教えてくれなかったオウは最低」
クリス様に手を伸ばしたオーウエンの手がクリス様に弾かれた。
次の瞬間俺はクリス様に連れられてインダルに向けて転移していた。
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