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王女の侍女はクリスと一緒にジャルカ先生に魔術を教わりました
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教室を出るとクリスは魔導電話を取り出した。
「うわっ、魔導電話だ」
思わず私は見入っていた。外国では魔導電話という魔道具を使ったテレビ電話が普通にあると聞いていたけれど、平民でも普通に持っているんだ。
「えっ、ソニアは見るの初めて?」
「いや、寮の貴族の子らが使うのは見ていたけれど、平民の子でも普通に持っているんだって思って」
「うーん、自分の魔力を使うからそんなに日々のお金はかからないのよ」
「でも本体は高いんじゃないの」
「金貨一枚もしないよ」
「そんなに高いの?」
私は驚いた。金貨一枚って言ったらお米一年分だ。
「だから金貨一枚で10台くらいかな」
「定食10日ぶんか」
私は一生懸命計算した。
「買えない額じゃないでしょ」
「まあ、切り詰めれば」
私は難しい顔をして言う。王女から生活費としてもらった金は無駄には出来ない。
「次の休みにでも見に行くだけでも行ってみようよ」
「えっ、付き合ってくれるの?」
私は喜んで聞いた。まだこの街はよく知らないし、魔導電話がどこでうっているかも知らない。まあ、買うのは難しいけれど見るだけなら良いだろう。
「確か、割引券があったからそれ使ったらもっと安くなるわ」
「えっ、本当に。クリスありがとう」
私はクリスの手を握って喜んで言った。
「ちょっと待ってね」
クリスはそう言うと画面を操作して電話する。
画面には老齢の魔導師が現われた。
「ジャルカ先生。今お手すきですか」
「これはこれはクリスさん。クリスさんのお願いならば最優先に致しますが」
「授業が無くなったので、インダルからの友達と魔術の練習したいんですが」
「判りました。いつものところで宜しいですか」
「はい。お願いします」
クリスは電話を切った。
「すごいね。すぐに繋がるんだ」
私は魔導電話に感激して言った。
「そうよ。これが出来るようになってメチャクチャ便利になったの」
「本当だね。インダルもいずれ出来るかな」
「中央部に塔を建てればおそらく国中つながるようになるから、国王がやる気があるかどうかだと思う」
「そうなんだ。リーナ王女が即位したら早速建ててもらおう」
私は決意した。今のところリーナ様が王になるのは中々厳しかったが、可能性はある。
私達はそのまま学園を出ると学園の裏に向かった。
そこは結構広い空地になっていた。
そして、そこには老魔道士が立っていた。
「すいません。ジャルカ先生。お呼び出しして」
「いえいえ、クリスさん。魔導の練習は久しぶりですな。で、そちらがインダル王国からいらっしゃったご友人ですか」
「そうなんです。ソニアさん。こちらは魔術の先生のジャルカ先生」
クリスが紹介してくれた。
「よろしくお願いします。ソニア・サンスクリットと言います。ジャルカ先生ってフランツ先生より凄そうですね」
私は思った通りのことを言った。
「ほっほっほっ、ソニアさんは目が良いですな。フランツなど私に比べるとひよっこも良いところですな」
ジャルカ先生は笑って言った。
なんか単純そうで扱いやすそうな先生だと不敬にも私は思ってしまった。
「ではクリスさんは、障壁の練習をしましょうか。ここならば気にせずに出来るでしょう」
ジャルカが笑って言った。
「そうですね」
クリスは一歩前に出ると手を広げた。
「えっ!」
次の瞬間巨大な壁が現われて私は腰を抜かしそうに驚いた。高さは100メートル以上幅は1キロはあるだろうか。それも無詠唱だ。
「そう、消して」
ジャルカの合図で一瞬でクリスはそれを無くした。
「出して」
ジャルカの言葉に合わせてクリスは巨大な障壁を出す。
「はい。クリスさんはそれを続けて下さい」
ジャルカはそう言うと私に向き直った。
「クリスってすごいんですね」
「まあ、まだまだ訓練が必要じゃが」
私の言葉にジャルカ先生は頷いた。こんな巨大な障壁を作れる生徒なんてほとんどいないのではないかと私は思った。
「で、ソニアさんは王女殿下を守りたいと」
「そうなんです。クリスみたいな障壁を出すことは可能でしょうか」
「まあ、ここまでは無理ですが、少しくらいなら出来るでしょう」
ジャルカ先生は私の言葉に少し考えて答えてくれた。
「クリスさんの障壁は頭に入りましたね」
「はい」
「ここまで大きくなくてよいのですが、取り敢えず、手を広げてその幅だけ障壁を出してみましょう」
ジャルカ先生はそう言うと、
「出でよ!障壁」
言うや、広げた手の幅だけ小さな障壁を出して見せてくれた。
「では、ソニアさんもやってみて下さい」
ジャルカ先生の指示に私も構えた。
でも、目の前ではクリスが巨大な障壁を出したり引っ込めたりしている。
「出でよ!障壁」
そう叫ぶとクリスに引っ張られたのか、幅10メートルくらい高さ2m位の薄い障壁が出来た。
「そうその調子です」
「はい」
私は嬉しくなった。
「すごいじゃない。ソニア、一度で出来るなんて」
横で練習していたクリスが喜んでくれた。
「ありがとう。でも、クリスの障壁とは比べようもないけれど」
「何言っているのよ。私なんて最初はすぐには出来なかったんだから。一度で出来たらすごいわよ」
この巨大な障壁を作っているクリスの言葉に更に勇気づけられる。頑張れは゛いずれクリスのような障壁が出来るかもしれない。
私はジャルカ先生の合図で何回も出したり消したりする。
徐々に障壁の光が強くなり、障壁の強度が強くなるのが判る。
「そう、もっとイメージを強くして」
ジャルカ先生は的確に指示してくれた。
1時間も練習をやると流石に私も疲れてきた。体全体が熱くなって額からの汗で顔がテカっていた。でも、隣のクリスを見ると汗も流さずにただひたすら練習している。
「ソニアさん。今日はそろそろ終わりにしましょうか」
「はい。では次で最後にします」
私の汗を見てじゃるか先生が言ってくれた。
私は最後にもう少し大きな障壁を出してみようと思った。ちょっとクリスを意識しすぎたらしい。でも、クリスはやはり桁違いだった。それが次の瞬間に判った。
「出でよ!障壁」
私は目一杯大きな障壁を作ろうとした。クリスほどでなくても今まで作った10倍くらい大きな障壁を。
ある程度の大きさの障壁が出たのだが、次の瞬間私は目の前が真っ白になった。
「ソニア!」
クリスの悲鳴が聞こえた。私は魔力切れを起こして意識を失ったのだった。
「うわっ、魔導電話だ」
思わず私は見入っていた。外国では魔導電話という魔道具を使ったテレビ電話が普通にあると聞いていたけれど、平民でも普通に持っているんだ。
「えっ、ソニアは見るの初めて?」
「いや、寮の貴族の子らが使うのは見ていたけれど、平民の子でも普通に持っているんだって思って」
「うーん、自分の魔力を使うからそんなに日々のお金はかからないのよ」
「でも本体は高いんじゃないの」
「金貨一枚もしないよ」
「そんなに高いの?」
私は驚いた。金貨一枚って言ったらお米一年分だ。
「だから金貨一枚で10台くらいかな」
「定食10日ぶんか」
私は一生懸命計算した。
「買えない額じゃないでしょ」
「まあ、切り詰めれば」
私は難しい顔をして言う。王女から生活費としてもらった金は無駄には出来ない。
「次の休みにでも見に行くだけでも行ってみようよ」
「えっ、付き合ってくれるの?」
私は喜んで聞いた。まだこの街はよく知らないし、魔導電話がどこでうっているかも知らない。まあ、買うのは難しいけれど見るだけなら良いだろう。
「確か、割引券があったからそれ使ったらもっと安くなるわ」
「えっ、本当に。クリスありがとう」
私はクリスの手を握って喜んで言った。
「ちょっと待ってね」
クリスはそう言うと画面を操作して電話する。
画面には老齢の魔導師が現われた。
「ジャルカ先生。今お手すきですか」
「これはこれはクリスさん。クリスさんのお願いならば最優先に致しますが」
「授業が無くなったので、インダルからの友達と魔術の練習したいんですが」
「判りました。いつものところで宜しいですか」
「はい。お願いします」
クリスは電話を切った。
「すごいね。すぐに繋がるんだ」
私は魔導電話に感激して言った。
「そうよ。これが出来るようになってメチャクチャ便利になったの」
「本当だね。インダルもいずれ出来るかな」
「中央部に塔を建てればおそらく国中つながるようになるから、国王がやる気があるかどうかだと思う」
「そうなんだ。リーナ王女が即位したら早速建ててもらおう」
私は決意した。今のところリーナ様が王になるのは中々厳しかったが、可能性はある。
私達はそのまま学園を出ると学園の裏に向かった。
そこは結構広い空地になっていた。
そして、そこには老魔道士が立っていた。
「すいません。ジャルカ先生。お呼び出しして」
「いえいえ、クリスさん。魔導の練習は久しぶりですな。で、そちらがインダル王国からいらっしゃったご友人ですか」
「そうなんです。ソニアさん。こちらは魔術の先生のジャルカ先生」
クリスが紹介してくれた。
「よろしくお願いします。ソニア・サンスクリットと言います。ジャルカ先生ってフランツ先生より凄そうですね」
私は思った通りのことを言った。
「ほっほっほっ、ソニアさんは目が良いですな。フランツなど私に比べるとひよっこも良いところですな」
ジャルカ先生は笑って言った。
なんか単純そうで扱いやすそうな先生だと不敬にも私は思ってしまった。
「ではクリスさんは、障壁の練習をしましょうか。ここならば気にせずに出来るでしょう」
ジャルカが笑って言った。
「そうですね」
クリスは一歩前に出ると手を広げた。
「えっ!」
次の瞬間巨大な壁が現われて私は腰を抜かしそうに驚いた。高さは100メートル以上幅は1キロはあるだろうか。それも無詠唱だ。
「そう、消して」
ジャルカの合図で一瞬でクリスはそれを無くした。
「出して」
ジャルカの言葉に合わせてクリスは巨大な障壁を出す。
「はい。クリスさんはそれを続けて下さい」
ジャルカはそう言うと私に向き直った。
「クリスってすごいんですね」
「まあ、まだまだ訓練が必要じゃが」
私の言葉にジャルカ先生は頷いた。こんな巨大な障壁を作れる生徒なんてほとんどいないのではないかと私は思った。
「で、ソニアさんは王女殿下を守りたいと」
「そうなんです。クリスみたいな障壁を出すことは可能でしょうか」
「まあ、ここまでは無理ですが、少しくらいなら出来るでしょう」
ジャルカ先生は私の言葉に少し考えて答えてくれた。
「クリスさんの障壁は頭に入りましたね」
「はい」
「ここまで大きくなくてよいのですが、取り敢えず、手を広げてその幅だけ障壁を出してみましょう」
ジャルカ先生はそう言うと、
「出でよ!障壁」
言うや、広げた手の幅だけ小さな障壁を出して見せてくれた。
「では、ソニアさんもやってみて下さい」
ジャルカ先生の指示に私も構えた。
でも、目の前ではクリスが巨大な障壁を出したり引っ込めたりしている。
「出でよ!障壁」
そう叫ぶとクリスに引っ張られたのか、幅10メートルくらい高さ2m位の薄い障壁が出来た。
「そうその調子です」
「はい」
私は嬉しくなった。
「すごいじゃない。ソニア、一度で出来るなんて」
横で練習していたクリスが喜んでくれた。
「ありがとう。でも、クリスの障壁とは比べようもないけれど」
「何言っているのよ。私なんて最初はすぐには出来なかったんだから。一度で出来たらすごいわよ」
この巨大な障壁を作っているクリスの言葉に更に勇気づけられる。頑張れは゛いずれクリスのような障壁が出来るかもしれない。
私はジャルカ先生の合図で何回も出したり消したりする。
徐々に障壁の光が強くなり、障壁の強度が強くなるのが判る。
「そう、もっとイメージを強くして」
ジャルカ先生は的確に指示してくれた。
1時間も練習をやると流石に私も疲れてきた。体全体が熱くなって額からの汗で顔がテカっていた。でも、隣のクリスを見ると汗も流さずにただひたすら練習している。
「ソニアさん。今日はそろそろ終わりにしましょうか」
「はい。では次で最後にします」
私の汗を見てじゃるか先生が言ってくれた。
私は最後にもう少し大きな障壁を出してみようと思った。ちょっとクリスを意識しすぎたらしい。でも、クリスはやはり桁違いだった。それが次の瞬間に判った。
「出でよ!障壁」
私は目一杯大きな障壁を作ろうとした。クリスほどでなくても今まで作った10倍くらい大きな障壁を。
ある程度の大きさの障壁が出たのだが、次の瞬間私は目の前が真っ白になった。
「ソニア!」
クリスの悲鳴が聞こえた。私は魔力切れを起こして意識を失ったのだった。
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