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魔術術技の授業で王女の侍女は火の玉を初めて出せました
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翌日は朝から魔術実技の授業があった。
「皆さんの魔術実技の授業はボフミエ最強クラスの魔導師と呼ばれているこの私フランツ・マルクスが務めさせて頂きます」
何か偉そうな先生だなと私は思った。見るからにふてぶてしい。こいつも絶対に貴族だ。ここの公爵の息子然り、ボフミエの貴族って碌なのがいなのかもしれない。
「では、まず皆さんの力を見せて頂きましょう。
何でもいいので的に向けて皆さんの精一杯の力で的に当ててみてください。デニスさん」
やっぱりこいつ、自国の貴族を贔屓にしている。私は思った。
「出でよ火の玉」
デニスが唱えるとファイアーボールが飛び出して的の横を通り過ぎる。
「はいありがとうございます。次はあててくださいね」
次々に生徒たちが魔術を発動させて的に向かってうつ。
私は平民だからか最後の方で呼ばれた。
私は魔力はまあまああるのだが、魔術を体系立てて習ったことはなかった。
取り敢えずやってみる。
「出でよ、火の玉」
小さな火の玉が出ようとして出なかった。
やはり出来ない。
「うーん、もう少し、実際に心の中で火の玉が出るところを思い描いて下さい」
フランツがアドヴァイスをくれた。
えっ、平民にもアドヴァイスをくれるんだ。私はちょっとフランツ先生を見直した。
そして、言われたように心の中で火の玉を思い出しながら、
「出でよ、火の玉」
そうするとどうだろう。
自分の手から小さいが火の玉がはっきり出てきたのだ。
やった。初めて火の玉が出来たのだ。
しかし、それはゆっくりと的に向かっていったが、途中で消えてはしまった。でも、初めて火の玉が出来て手から飛んでいったのだ。
「生まれてはじめて出来た」
私は飛び跳ねそうなほど喜んだ。
「惜しい。その調子です。ガンバって練習して下さい」
「はい。ありがとうございます」
私は的確な指示をくれたフランツ先生を見直していた。
その私の次がアルバートだった。
アルバートはいきなり手を構えると、無詠唱でいきなり巨大なファイアーボールを作り出した。
それは一瞬で的を吹き飛ばしていた。
「すごい」
思わず私は声を出していた。
「ふんっ、こんなの騎士なら当然のことだ」
アルバートはぶすっとして言った。
何、せっかく人が褒めたのに、そんなふうに言うこと無いじゃない。もっともいつも女に言い寄られているみたいだから、女に褒められるのが嫌いなのかもしれない。
ボフミエの公爵令息には喧嘩うったし、ドラフォードの公爵の息子には嫌われているみたいだし、このまま有力なつてを得るのは厳しいのかもしれない。
私が先のことを悲観した時だ。
「おい、そこの生意気女、お前の番じゃ無いのか」
デニスの大声で、私はクリスが座ったままなのに気づいた。そう言えばクリスはまだやっていない。何でだろう?私は不審に思った。
「デニス君。クリスさんは見学でいいんです。・・・・・」
フランツが慌てて言った。その後に何かいったようだが、聞き取れなかった。
「えっなんでこいつだけ」
不満そうにデニスが言う。
クリスはにこりと笑って立ちあがった。
「私もやりましょうか?」
「おやめください。学園がつぶれます」
慌ててフランツが叫んだ。
えっ、学園が潰れるってどういう事?クリスは魔力量が大きいんだろうか。
今までに私みたいに何かやらかしているのかもしれない。
私はおっちょこちょいで良くリーナ様に小言を貰っていた。クリスも入学試験か何かで魔術の失敗で何かしでかしたのかもしれない。
「そうですか」
クリスが残念そうに椅子に座るのを見てフランツ先生はほっとしたみたいだった。絶対にクリスはなんかやらかしたのだ。後で聞こうと私は思った。
「では皆さん。大体の魔力量は判りました。
今日はその得意の魔力を磨くことに注意を払って練習してください。
ただし、アルバート君は今出した力の半分で的の中央をめがけて攻撃することにしてください」
さすが近衛騎士のアルバート。やはり普通にしてもみんなのより魔力量は多いのだ。怒るので今度は褒めないが・・・
私も頑張って練習しようと心に思ったときだ。
何か不吉な予感がして横を向くとデニスが後ろのクリスに向けてファイアーボールを放とうとしていた。
「出でよ、火の玉」
「何すんのよ」
私はそのデニスの手を上に弾いていた。
ファイアーボールはクリスを大きくそれて障壁の柵で中和される。
次の瞬間アルバートが剣を抜いてデニスの頬につけていた。
「ヒィィィぃ」
デニスは顔をひきつらせていた。
「次授業で変なことをしたら貴様の首と胴が離れるぞ」
アルバートからは凄まじい殺気が出ていた。関係ない私も心から震え上がった。
「アルバート君。剣は引いて」
フランツが注意する。
アルバートは剣を引いた。
私も訓練では剣に慣れてはいたが、こんなところで一瞬で剣が抜かれたことにショックを受けていた。何しろ私の真横で起こったことなのだから。さすがに近衛騎士だとは思ったが、何故その近衛騎士の彼がここにいるのだろうか。良くは判らなかった。
そして、絶対にアルバートに逆らうのだけはやめようと私は心に誓った。
「デニスくんも次やると理事長に報告しますからね」
フランツ先生の声も冷たかった。
デニスはフルフルと震えていた。
「皆さんの魔術実技の授業はボフミエ最強クラスの魔導師と呼ばれているこの私フランツ・マルクスが務めさせて頂きます」
何か偉そうな先生だなと私は思った。見るからにふてぶてしい。こいつも絶対に貴族だ。ここの公爵の息子然り、ボフミエの貴族って碌なのがいなのかもしれない。
「では、まず皆さんの力を見せて頂きましょう。
何でもいいので的に向けて皆さんの精一杯の力で的に当ててみてください。デニスさん」
やっぱりこいつ、自国の貴族を贔屓にしている。私は思った。
「出でよ火の玉」
デニスが唱えるとファイアーボールが飛び出して的の横を通り過ぎる。
「はいありがとうございます。次はあててくださいね」
次々に生徒たちが魔術を発動させて的に向かってうつ。
私は平民だからか最後の方で呼ばれた。
私は魔力はまあまああるのだが、魔術を体系立てて習ったことはなかった。
取り敢えずやってみる。
「出でよ、火の玉」
小さな火の玉が出ようとして出なかった。
やはり出来ない。
「うーん、もう少し、実際に心の中で火の玉が出るところを思い描いて下さい」
フランツがアドヴァイスをくれた。
えっ、平民にもアドヴァイスをくれるんだ。私はちょっとフランツ先生を見直した。
そして、言われたように心の中で火の玉を思い出しながら、
「出でよ、火の玉」
そうするとどうだろう。
自分の手から小さいが火の玉がはっきり出てきたのだ。
やった。初めて火の玉が出来たのだ。
しかし、それはゆっくりと的に向かっていったが、途中で消えてはしまった。でも、初めて火の玉が出来て手から飛んでいったのだ。
「生まれてはじめて出来た」
私は飛び跳ねそうなほど喜んだ。
「惜しい。その調子です。ガンバって練習して下さい」
「はい。ありがとうございます」
私は的確な指示をくれたフランツ先生を見直していた。
その私の次がアルバートだった。
アルバートはいきなり手を構えると、無詠唱でいきなり巨大なファイアーボールを作り出した。
それは一瞬で的を吹き飛ばしていた。
「すごい」
思わず私は声を出していた。
「ふんっ、こんなの騎士なら当然のことだ」
アルバートはぶすっとして言った。
何、せっかく人が褒めたのに、そんなふうに言うこと無いじゃない。もっともいつも女に言い寄られているみたいだから、女に褒められるのが嫌いなのかもしれない。
ボフミエの公爵令息には喧嘩うったし、ドラフォードの公爵の息子には嫌われているみたいだし、このまま有力なつてを得るのは厳しいのかもしれない。
私が先のことを悲観した時だ。
「おい、そこの生意気女、お前の番じゃ無いのか」
デニスの大声で、私はクリスが座ったままなのに気づいた。そう言えばクリスはまだやっていない。何でだろう?私は不審に思った。
「デニス君。クリスさんは見学でいいんです。・・・・・」
フランツが慌てて言った。その後に何かいったようだが、聞き取れなかった。
「えっなんでこいつだけ」
不満そうにデニスが言う。
クリスはにこりと笑って立ちあがった。
「私もやりましょうか?」
「おやめください。学園がつぶれます」
慌ててフランツが叫んだ。
えっ、学園が潰れるってどういう事?クリスは魔力量が大きいんだろうか。
今までに私みたいに何かやらかしているのかもしれない。
私はおっちょこちょいで良くリーナ様に小言を貰っていた。クリスも入学試験か何かで魔術の失敗で何かしでかしたのかもしれない。
「そうですか」
クリスが残念そうに椅子に座るのを見てフランツ先生はほっとしたみたいだった。絶対にクリスはなんかやらかしたのだ。後で聞こうと私は思った。
「では皆さん。大体の魔力量は判りました。
今日はその得意の魔力を磨くことに注意を払って練習してください。
ただし、アルバート君は今出した力の半分で的の中央をめがけて攻撃することにしてください」
さすが近衛騎士のアルバート。やはり普通にしてもみんなのより魔力量は多いのだ。怒るので今度は褒めないが・・・
私も頑張って練習しようと心に思ったときだ。
何か不吉な予感がして横を向くとデニスが後ろのクリスに向けてファイアーボールを放とうとしていた。
「出でよ、火の玉」
「何すんのよ」
私はそのデニスの手を上に弾いていた。
ファイアーボールはクリスを大きくそれて障壁の柵で中和される。
次の瞬間アルバートが剣を抜いてデニスの頬につけていた。
「ヒィィィぃ」
デニスは顔をひきつらせていた。
「次授業で変なことをしたら貴様の首と胴が離れるぞ」
アルバートからは凄まじい殺気が出ていた。関係ない私も心から震え上がった。
「アルバート君。剣は引いて」
フランツが注意する。
アルバートは剣を引いた。
私も訓練では剣に慣れてはいたが、こんなところで一瞬で剣が抜かれたことにショックを受けていた。何しろ私の真横で起こったことなのだから。さすがに近衛騎士だとは思ったが、何故その近衛騎士の彼がここにいるのだろうか。良くは判らなかった。
そして、絶対にアルバートに逆らうのだけはやめようと私は心に誓った。
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フランツ先生の声も冷たかった。
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