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第二章 愛娘との幸せな生活を邪魔することは許しません

エピローグ シャラは本人が納得しないままに3国の王となる事が決まりました

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「げっ」
シャラは真っ赤になって慌てて起き出した。

「えっ、姉御」
アルヴィンも固まっていた。

「よし、無かったことにしよう」
シャラが言い切る。

「それでいいよな、アルヴィン」
言われたアルヴィンもコクコク頷いた。

「姉御、大変です。姉御」
シャラをステバンが探す大声が聞こえる。

「どうした、ステバン」
服を着てテントから慌ててシャラは飛び出した。

「えっ」
ステバンはまじまじとシャラの胸のあたりを見た。

「どうした」
シャラが慌てて聞く。

「姉御って胸は大きかったんですね」
服を着崩していて、乳房が少しはみ出していたのだ。

「何言っている」
シャラは赤くなって思いっきりステバンの頭をしばく。

慌てて衣服の乱れを直す。

「それよりもどうしたのだ」
「ダレルからブリエントという奴が100人くらいの兵士を率いて、姉御にお会いしたいと」
「はっ?何故会わねばならない。そいつには会いたくない」
「でも、姉御、何でもすぐに姉御に言う事があるとかで、チェレンチーが姉御を呼んで来いと」
「ハッ?チェレンチーが聞けばいいだろう」
面倒くさそうにシャラが言った。

「それは姉自身がチェレンチーに言って下さいよ」
脳筋のステバンは理論家のチェレンチーが苦手だった。

「本当に同しようもないやつだな」
ブツブツ文句を言いながら本部の巨大テントに行く。


シャラが入ってくるのを見るとブリエントラらは一斉に跪いた。

「な、何の真似だ」
シャラは驚いて聞いた。

「シャラ様に置かれましてはマーマ王国制圧おめでとうございます」
ブリエントは跪いたまま祝いの言葉を述べる。

「別に私に手を出そうとしたやつを退治しただけだ」
なんでも無いようにシャラは言う。


「はっ、ダレル王国、ノザレ王国、そして、マーマ王国の3国を制圧されたこと、臣としては歓喜に耐えません。ここはなんとしてもこの3国を治められる国王にご就任賜りますよう、平にお願いいたします」
ブリエントが口上を述べた。


「はんっ、何でそんな面倒なことをしなければならん。私は私達に攻撃してきた不敵な奴らを退治したに過ぎん」
「しかし、行政機能をも含めて完全制圧された上は、その地にいる民の為に何卒、国王となられますよう、臣は平にお願い申し上げる次第です」
平伏せんばかりにブリエントは頭を下げた。

「姉御。姉御が3国で一番強いのは自明の事実です。3国の親分イコール国王ではないのですか」
チェレンチーまでもが言う。

「はんっ。だから、そんな面倒なことはしないぞ。そんなのは得意な奴に任せればいいだろう。」

そこへ、何故か立派な正装をしたアルヴィンが入ってきた。

「アルヴィン。良いところに来た。お前、元王子だろう。ぜひとも3国の王になってくれ」
シャラは喜んで声をかけた。元々アルヴィンはマーマ王国の第二王子だ。
国を治めることも出来るだろう。民に人望もあるはずだ。

早速シャラはアルヴィンに変わってもらおうとした。

しかし、そのアルヴィンがシャラの前で跪いたのだ。

「おい何の真似だ」
シャラは慌てふためいた。

「シャラ様。ここにアルヴィン・マーマ、命の限りシャラ様に忠誠を誓わせていただきます」
シャラは目が点になった。

「ここに、チェレーンチーもシャラ様に永久の忠誠を誓います」
「私も」
周りの者たちが一斉にひざまずき出したのだ。

「おい、待て、私は絶対に嫌だからな」
言うや、シャラは転移して逃げ出した。

「シャラ様」
ブリエントが叫んだ時はもういなかった。


「ほっほっほっ、なんとも情けないやつよの。逃げ出すとは」
笑いながらジャルカが入ってきた。


「ジャルカ様。笑い事ではありませんぞ」
ブリエントが怒って言った。

「まあ、こうなることは元々想定されたことじゃ。とりあえず、シャラがいるものとして準備していけば良かろうて」
ジャルカが言った。

「しかし、シャラ様はご納得頂けるのでしょうか」
ブリエントが不審そうに言う。

「最悪、シャラがならないなら、クローディアにさせると脅せば即座に戻って来よう」
「左様ですな」
「その線で進めますか」

4人は笑って頷きあったのだった。

シャラザール歴元年。シャラは本人が了承することなくして、3国の王となることが決まった。

**********************************************************
ここまで読んで頂いて本当にありがとうございました。

とりあえずこの話は完結です。

今後どうなつていくのか、またじっくり考えていきます。

閑話を少し書く予定です。

今後とも宜しくお願いします。


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