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第二章 愛娘との幸せな生活を邪魔することは許しません
シャラとアルヴィンは酒を飲んで愚痴り合い、朝起きると抱き合って寝ていました
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それから、クローディアはジェイクを連れて牢を出て行った。
シャラはそれに対してショックのあまり何一つ言えなかった。
「よろしかったのですか」
あとから来たチェレンチーが聞くが、シャラは答えることも出来なかった。
その日一日呆然としていた。
「どうしたのじゃ。お主らしくもない」
ジャルカに言われたので、お前のせいだと言って食って掛かったが、それはシャラが実の母親だと話さないから悪いとジャルカに逆に窘められて、返す言葉も無かった。
でも、あんなふうに思われていたのに、自分が実の母親だと名乗れるわけはないではないか。
もう、シャラはやけ酒を飲みたい気分だった。
そして、アルヴィンが自分のテントに綴じ込もって出てこないのを思い出した。
今のシャラの気持ちを判ってくれるのはアルヴィンだけのような気がしたし、酒樽を持ってアルヴィンのテントに強引に入った。
アルヴィンは毛布にくるまって頭を抱えていた。
「誰だ」
誰何して顔を上げる。
「姉御」
入ってきたのがシャラだと知って驚いた。
シャラを邪険にするわけにも行かないが、今は誰とも話したくなかった。
「悪かったな。アルヴイン。お前を連れて行って。結局お前の想い人を殺させてしまった」
頭を垂れてシャラが言った。
「いえ、ついて行ったのは私です。姉御が悪いのではないです。それに、オードリーの事は処刑される前に諦めました」
「でも、お前に殺させる必要はなかった。私が殺せば良かったんだ」
シャラは唇を噛んだ。
「どのみち殺されるなら私が手を下せて良かったんですよ」
「でも、」
「もう、ほうっておいてくれませんか」
アルヴィンが言っ放った。
「慰めならいらないんです」
アルヴィンが言い切る。
「ふんっ。貴様の慰めのために来たのではないわ。私の愚痴を聞いてほしくて来たんだ」
言うや、強引にアルヴインの横に座る。そして、グラスに盛ってきた酒を次いで飲み干した。
「飲め」
シャラがもう一つのグラスに酒を酌んで差し出した。
「えっ」
断ろうとしたアルヴィンにどの強い酒を強引に押し付けて、自分のグラスにもまた入れて飲みほした。
「アルヴィン、自分の想いなんて全然伝わらないんだな」
いきなり、シャラが話しだした。
「それはそう思いますけれど」
「そうだろう。お前ならそう思ってくれると思ったんだ・・・・」
そう言うとシャラは怒涛のごとく今日あったことを話しだした。
自分が良かれと思ってクローディアをコニーに預けたのに、コニーは悲惨な目にクローディアを合わせていて、それを全部シャラのせいにしていた点。
そして、それをクローディアも信じていた点。
訂正しても信じてくれないといつの間にか怒涛のごとく愚痴っていた。
愛娘のために命がけで戦っているのに、全然気づいてくれないと。
「そうですよね。俺も、オードリーのことだけ考えていたのに、全く思ってももらえていなくて、最後に、死ぬ前にその憎い男の盾になって俺に殺されたんですよ。
こんなの無いじゃないですか。地獄に落とされたら、オードリーがどんな気分で俺に殺されたか思い知らされるんですよ。こんなのないですよね。キャメロンの奴を思って盾になったなんて判った日には本当に地獄ですよ。オードリーは本当に悪魔ですよね」
アルヴインは号泣していた。
「お前も辛いよな。私の胸で泣け。思いっきり泣け」
涙ぐんでシャラはアルヴィンを抱きしめた。
「姉御!」
二人は抱き合っていた・・・・・・。
それからどのくらい経ったろうか。シャラは気づくと外は明るかった。
昨日は珍しく意識をなくして寝てしまった。
そして、目の前にアルヴィンの寝顔があった。
「えっ!」
シャラは絶句した。
同じ毛布で横たわっていた二人は素っ裸で抱き合っていたのだった・・・・・・
****************************************************************
次話最終話です。
その後閑話が少しはいるとは思いますが、とりあえず完結となります。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
シャラはそれに対してショックのあまり何一つ言えなかった。
「よろしかったのですか」
あとから来たチェレンチーが聞くが、シャラは答えることも出来なかった。
その日一日呆然としていた。
「どうしたのじゃ。お主らしくもない」
ジャルカに言われたので、お前のせいだと言って食って掛かったが、それはシャラが実の母親だと話さないから悪いとジャルカに逆に窘められて、返す言葉も無かった。
でも、あんなふうに思われていたのに、自分が実の母親だと名乗れるわけはないではないか。
もう、シャラはやけ酒を飲みたい気分だった。
そして、アルヴィンが自分のテントに綴じ込もって出てこないのを思い出した。
今のシャラの気持ちを判ってくれるのはアルヴィンだけのような気がしたし、酒樽を持ってアルヴィンのテントに強引に入った。
アルヴィンは毛布にくるまって頭を抱えていた。
「誰だ」
誰何して顔を上げる。
「姉御」
入ってきたのがシャラだと知って驚いた。
シャラを邪険にするわけにも行かないが、今は誰とも話したくなかった。
「悪かったな。アルヴイン。お前を連れて行って。結局お前の想い人を殺させてしまった」
頭を垂れてシャラが言った。
「いえ、ついて行ったのは私です。姉御が悪いのではないです。それに、オードリーの事は処刑される前に諦めました」
「でも、お前に殺させる必要はなかった。私が殺せば良かったんだ」
シャラは唇を噛んだ。
「どのみち殺されるなら私が手を下せて良かったんですよ」
「でも、」
「もう、ほうっておいてくれませんか」
アルヴィンが言っ放った。
「慰めならいらないんです」
アルヴィンが言い切る。
「ふんっ。貴様の慰めのために来たのではないわ。私の愚痴を聞いてほしくて来たんだ」
言うや、強引にアルヴインの横に座る。そして、グラスに盛ってきた酒を次いで飲み干した。
「飲め」
シャラがもう一つのグラスに酒を酌んで差し出した。
「えっ」
断ろうとしたアルヴィンにどの強い酒を強引に押し付けて、自分のグラスにもまた入れて飲みほした。
「アルヴィン、自分の想いなんて全然伝わらないんだな」
いきなり、シャラが話しだした。
「それはそう思いますけれど」
「そうだろう。お前ならそう思ってくれると思ったんだ・・・・」
そう言うとシャラは怒涛のごとく今日あったことを話しだした。
自分が良かれと思ってクローディアをコニーに預けたのに、コニーは悲惨な目にクローディアを合わせていて、それを全部シャラのせいにしていた点。
そして、それをクローディアも信じていた点。
訂正しても信じてくれないといつの間にか怒涛のごとく愚痴っていた。
愛娘のために命がけで戦っているのに、全然気づいてくれないと。
「そうですよね。俺も、オードリーのことだけ考えていたのに、全く思ってももらえていなくて、最後に、死ぬ前にその憎い男の盾になって俺に殺されたんですよ。
こんなの無いじゃないですか。地獄に落とされたら、オードリーがどんな気分で俺に殺されたか思い知らされるんですよ。こんなのないですよね。キャメロンの奴を思って盾になったなんて判った日には本当に地獄ですよ。オードリーは本当に悪魔ですよね」
アルヴインは号泣していた。
「お前も辛いよな。私の胸で泣け。思いっきり泣け」
涙ぐんでシャラはアルヴィンを抱きしめた。
「姉御!」
二人は抱き合っていた・・・・・・。
それからどのくらい経ったろうか。シャラは気づくと外は明るかった。
昨日は珍しく意識をなくして寝てしまった。
そして、目の前にアルヴィンの寝顔があった。
「えっ!」
シャラは絶句した。
同じ毛布で横たわっていた二人は素っ裸で抱き合っていたのだった・・・・・・
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次話最終話です。
その後閑話が少しはいるとは思いますが、とりあえず完結となります。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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