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第二章 愛娘との幸せな生活を邪魔することは許しません
シャラは元第二王子を連れてマーマ王国を叩き潰すために転移しました
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ノザレの地でいきなり城が爆炎魔術で火に包まれた時、チェレンチーは外で向かい来る兵士たちを相手に戦っていた。
「えっ、」
後ろの城がいきなり炎に包まれて、チェレンチーは驚いた。
シャラ達は大丈夫なんだろうか。もっともシャラは地獄の灼炎地獄の中に放り込まれてもケロリとして出て来た口だ。その身よりもその部下たちが大丈夫なのか心配になったが、いきなり異空間に引っ張り上げられた。
「えっえっーーーーーーー」
チェレンチーは強引に異空間に引っ張られた。転移したと気づいたのはいきなりいつものシャラ村の畑に真ん中に放り出された時だった。
シャラに連れられて転移していった約100名がひとまとめに放り投げられていた。
「ギャッ」
下になった人間が悲鳴を上げる。
「クローディア!」
シャラは彼らのことは放っておいて、慌てて出発の時にクローディアがいたエルンストの小屋に駆け込んだ。
そこには地面に倒れ込んだエルンストとステバンがいた。
「おいっ、クローディアはどうした」
シャラは二人に叫んだ。
「姉御すいません。連れて行かれました」
何とか目を開けたステバンが言う。
「どこに連れて行かれた」
シャラは気を失ったステバンからエルンストをみて聞いた。
「判りません」
エルンストは首を振った。
「マーマ王国のディーンですな」
後ろから声がかかった。振り返るとそこにはジャルカが立っていた。
「4人一度に転移させましたからな。あんな事ができるのはマーマ王国のディーンくらいしか居りません」
「ジャルカ、貴様がいながらクローディアを拐われるなんてなんという事だ」
シャラがきっとして言った。
「いやあ、気配に気づいて今来たところじゃが。私を恐れて逃げたようですな」
ジャルカは笑った。
「どこに転移した?」
「マーマ王国の王宮ですな」
「おのれ。もう許さん。城もろとも滅ぼしてくれるわ」
頭にきてシャラが言った。
「おい、野郎ども。マーマ王国に攻め込むぞ」
シャラは部屋を飛び出した。
「えっ、今からですか」
「当たり前だ。クローディアが拐われたんだぞ」
チェレンチーの呆れた言葉に、シャラは殴り倒しそうな勢いで言い切った。
「シャラ。この夜中に行くのか。今も100人を連れてノザレを往復してきたんだろう。さすがのお主でも100人を連れてマーマ王国まで行くのは厳しくないか。明日まで待ったほうが良かろう」
ジャルカも言う。
「ふんっ、そうだな。マーマ王国などしゃらくさい。貴様らの力を借りずとも私一人で叩き潰してやるわ」
シャラが言い切った。
「えっ姉御。それは流石に危険では」
シャラの魔力量の欠如を危惧してステバンが反対する。
転移は一人で行くのは大したことはないが、100人も連れて行くと大量の魔力量を使う。確かに100人連れて数百キロの往復は魔力量的にシャラにとっても中々大変だった。これから100人連れてマーマ王国まで行くのはなかなか難しいかもしれない。
シャラにとってマーマ王国まで一人でいって王宮を消滅させるのは容易い。しかし、クローデイアの安全を完全に守れるかと言うと万全ではない。手の者は多いほうが良い。
シャラは他人事のようにニヤニヤしているジャルカを見た。
そう言えば個奴はシャラの師匠であって、他の者達から大賢者とか言われていたな、と思いだしていた。当然魔力量も多いはずだ。マーマ王国のヘボ魔導師など敵ではないだろう。
シャラはジャルカを使うことにした。しかし、師匠も偏屈。頼んでもやってくれないかもしれない。
シャラはニヤリとした。
「そう言えばジャルカ師匠。随分お年を取られたようですな」
「な、何を申す。儂はまだ十二分に元気じゃぞ」
「ても、ステバンが聞いたそうだぞ。マーマ王国の魔導師が、『ジャルカは耄碌してたいしたことはないと』」
不敵な笑みでシャラは言った。
「な、何じゃと」
ジャルカはその言葉を聞いた瞬間に目に怒りの火が灯った。
「おのれーーーー。小童共が儂を老いぼれ扱いしたじゃと。どうしてくれよう・・・・」
ブツブツ言い始めるジャルカをシャラは無視して、
「アルヴィン。お前は私と来い」
片隅にいたアルヴィンに声をかけた。
「しかし、シャラ様。私はマーマ王国とはもう何の関係もありません」
アルヴィンが拒否する。
「何を言っている。私はマーマ王国の王宮は不案内だ。中を案内してくれるくらいしてくれても良いのではないか」
「それくらいなら」
不承不承にアルヴィンは頷いた。確かに王宮は広く、迷いやすかった。一刻も早く救出なら知っていたものがいたほうが良い。
「すまないな。アルヴィン。それにお前の問題も逃げているだけで良いのか」
シャラはアルヴィンの瞳を覗き込んだ。
アルヴィンはその青い瞳の深淵に吸い込まれそうになった。
マーマ王国の王宮には愛しかった妃のオードリーがいる。そして全てを奪ったキャメロンも。
「すまん。アルヴィン。お前の個人的なことに首を突っ込むつもりはなかったのだが、今回はマーマを叩き潰す。せめてその目で見てくれ。それが残された貴様の責任だろう」
シャラはアルヴィンの肩をたたいた。
「それに私が何も考えないでやるとマーマ王国自体を火の海に変えかね無いからな。その時は止めてくれ」
そう言うとシャラはアルヴィンから離れる。
確かにシャラは切れると何をするか判らなかった。
そして、シャラはチェレンチーに向いた。
「シャラの姉御。俺たちは」
「後のことはチェレンチーに任せる。まあ、3時間位休んでから来れば良かろう」
平然とシャラが言った。
「えっ、でも、ここからでは馬を飛ばしても数日はかかりますが」
チェレンチーは当然のことを言う。
「ジャルカに頼めば良かろう。お前らくらいは余裕で送ってくれる」
「な、何故儂がそのような事をせねばならんのじゃ」
シャラの言葉にジャルカが文句を言う。
「マーマのヘボ魔導師にバカにされたままで良いのか?」
シャラが笑って言った。
それをジャルカは睨みつけた。
「では、3時間後に王宮で」
シャラはアルヴィンの手を掴んで一同を見回した。
「行くぞ」
シャラはアルヴィンの死んだ魚のような目を見つめて言った。
アルヴィンは軽く頷く。
シャラはアルヴィンを連れて転移した。
愛しのクローデイアを追って。
**************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
ついに最終決戦です。
拐われたクローディアの運命やいかに
明日の朝から更新です。
「えっ、」
後ろの城がいきなり炎に包まれて、チェレンチーは驚いた。
シャラ達は大丈夫なんだろうか。もっともシャラは地獄の灼炎地獄の中に放り込まれてもケロリとして出て来た口だ。その身よりもその部下たちが大丈夫なのか心配になったが、いきなり異空間に引っ張り上げられた。
「えっえっーーーーーーー」
チェレンチーは強引に異空間に引っ張られた。転移したと気づいたのはいきなりいつものシャラ村の畑に真ん中に放り出された時だった。
シャラに連れられて転移していった約100名がひとまとめに放り投げられていた。
「ギャッ」
下になった人間が悲鳴を上げる。
「クローディア!」
シャラは彼らのことは放っておいて、慌てて出発の時にクローディアがいたエルンストの小屋に駆け込んだ。
そこには地面に倒れ込んだエルンストとステバンがいた。
「おいっ、クローディアはどうした」
シャラは二人に叫んだ。
「姉御すいません。連れて行かれました」
何とか目を開けたステバンが言う。
「どこに連れて行かれた」
シャラは気を失ったステバンからエルンストをみて聞いた。
「判りません」
エルンストは首を振った。
「マーマ王国のディーンですな」
後ろから声がかかった。振り返るとそこにはジャルカが立っていた。
「4人一度に転移させましたからな。あんな事ができるのはマーマ王国のディーンくらいしか居りません」
「ジャルカ、貴様がいながらクローディアを拐われるなんてなんという事だ」
シャラがきっとして言った。
「いやあ、気配に気づいて今来たところじゃが。私を恐れて逃げたようですな」
ジャルカは笑った。
「どこに転移した?」
「マーマ王国の王宮ですな」
「おのれ。もう許さん。城もろとも滅ぼしてくれるわ」
頭にきてシャラが言った。
「おい、野郎ども。マーマ王国に攻め込むぞ」
シャラは部屋を飛び出した。
「えっ、今からですか」
「当たり前だ。クローディアが拐われたんだぞ」
チェレンチーの呆れた言葉に、シャラは殴り倒しそうな勢いで言い切った。
「シャラ。この夜中に行くのか。今も100人を連れてノザレを往復してきたんだろう。さすがのお主でも100人を連れてマーマ王国まで行くのは厳しくないか。明日まで待ったほうが良かろう」
ジャルカも言う。
「ふんっ、そうだな。マーマ王国などしゃらくさい。貴様らの力を借りずとも私一人で叩き潰してやるわ」
シャラが言い切った。
「えっ姉御。それは流石に危険では」
シャラの魔力量の欠如を危惧してステバンが反対する。
転移は一人で行くのは大したことはないが、100人も連れて行くと大量の魔力量を使う。確かに100人連れて数百キロの往復は魔力量的にシャラにとっても中々大変だった。これから100人連れてマーマ王国まで行くのはなかなか難しいかもしれない。
シャラにとってマーマ王国まで一人でいって王宮を消滅させるのは容易い。しかし、クローデイアの安全を完全に守れるかと言うと万全ではない。手の者は多いほうが良い。
シャラは他人事のようにニヤニヤしているジャルカを見た。
そう言えば個奴はシャラの師匠であって、他の者達から大賢者とか言われていたな、と思いだしていた。当然魔力量も多いはずだ。マーマ王国のヘボ魔導師など敵ではないだろう。
シャラはジャルカを使うことにした。しかし、師匠も偏屈。頼んでもやってくれないかもしれない。
シャラはニヤリとした。
「そう言えばジャルカ師匠。随分お年を取られたようですな」
「な、何を申す。儂はまだ十二分に元気じゃぞ」
「ても、ステバンが聞いたそうだぞ。マーマ王国の魔導師が、『ジャルカは耄碌してたいしたことはないと』」
不敵な笑みでシャラは言った。
「な、何じゃと」
ジャルカはその言葉を聞いた瞬間に目に怒りの火が灯った。
「おのれーーーー。小童共が儂を老いぼれ扱いしたじゃと。どうしてくれよう・・・・」
ブツブツ言い始めるジャルカをシャラは無視して、
「アルヴィン。お前は私と来い」
片隅にいたアルヴィンに声をかけた。
「しかし、シャラ様。私はマーマ王国とはもう何の関係もありません」
アルヴィンが拒否する。
「何を言っている。私はマーマ王国の王宮は不案内だ。中を案内してくれるくらいしてくれても良いのではないか」
「それくらいなら」
不承不承にアルヴィンは頷いた。確かに王宮は広く、迷いやすかった。一刻も早く救出なら知っていたものがいたほうが良い。
「すまないな。アルヴィン。それにお前の問題も逃げているだけで良いのか」
シャラはアルヴィンの瞳を覗き込んだ。
アルヴィンはその青い瞳の深淵に吸い込まれそうになった。
マーマ王国の王宮には愛しかった妃のオードリーがいる。そして全てを奪ったキャメロンも。
「すまん。アルヴィン。お前の個人的なことに首を突っ込むつもりはなかったのだが、今回はマーマを叩き潰す。せめてその目で見てくれ。それが残された貴様の責任だろう」
シャラはアルヴィンの肩をたたいた。
「それに私が何も考えないでやるとマーマ王国自体を火の海に変えかね無いからな。その時は止めてくれ」
そう言うとシャラはアルヴィンから離れる。
確かにシャラは切れると何をするか判らなかった。
そして、シャラはチェレンチーに向いた。
「シャラの姉御。俺たちは」
「後のことはチェレンチーに任せる。まあ、3時間位休んでから来れば良かろう」
平然とシャラが言った。
「えっ、でも、ここからでは馬を飛ばしても数日はかかりますが」
チェレンチーは当然のことを言う。
「ジャルカに頼めば良かろう。お前らくらいは余裕で送ってくれる」
「な、何故儂がそのような事をせねばならんのじゃ」
シャラの言葉にジャルカが文句を言う。
「マーマのヘボ魔導師にバカにされたままで良いのか?」
シャラが笑って言った。
それをジャルカは睨みつけた。
「では、3時間後に王宮で」
シャラはアルヴィンの手を掴んで一同を見回した。
「行くぞ」
シャラはアルヴィンの死んだ魚のような目を見つめて言った。
アルヴィンは軽く頷く。
シャラはアルヴィンを連れて転移した。
愛しのクローデイアを追って。
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ついに最終決戦です。
拐われたクローディアの運命やいかに
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