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私が切れたので、無意識のうちに勝手に雷でぶった斬りました
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「キャー」
一斉に悲鳴や怒声が起こる。
当然雷の直撃を受けた大使は黒焦げになって倒れていた。
兵士たちの多くも倒れていた。
私は我が軍の制服をきた犯罪者の方にゆっくりと歩き出した。
「ヒィ」
犯罪者は私を見て悲鳴をあげて腰を抜かした。
「お、お前、厄災姫だったのか」
男は慌てて後ろに後ずさる。
「厄災姫?」
ベルンハルトが聞き返す。
「昔、我が国の軍が辺境伯の馬車を急襲して全滅させられたのです。そこに乗っていたのが厄災姫だと」
「はあ?、何故出来損ないがそんな事が出来るのだ。たまたまに、決まっているだろう」
犯罪者の説明にベルンハルトは馬鹿にしたように言った。
「おい、そこの出来損ないを拘束しろ」
ベルンハルトは私の後ろにいた兵士たちに命じていた。
「はっ。おい、神妙にしろ」
兵士たちが私を取り囲んだ。
しかし、次の瞬間雷が落ちてきて兵士たちを弾き飛ばしていた。
その中でも私は全くの無傷だった。
「嘘だ」
ベルンハルトも驚いて固まっていた。
「あ、彼奴等馬鹿だ。厄災姫に逆らって無事に済んだ奴らはいない」
犯罪者の男が叫んで後退りする。
「おい、お前ら、エルヴィーラを拘束しろ」
ベルンハルトは側近の二人に命じていた。
「いや、殿下。俺らもまだ死にたくありません」
「そ、そうです」
側近の二人も後ずさりだした。
「き、貴様らそれでも側近か」
「じゃあ殿下が見本見せてくださいよ」
「そんなのできるか」
揉めているベルンハルトらを無視して私は男に近づいた。
「ふんっ、私が、厄災姫かどうかは判らないけど、あなた今自分がゲフマンの手先だと証したんだけど」
私が馬鹿にして言った。
「そんなのは、良いんだ。厄災姫にはかなわない。それより命だけは助けてくれ!」
男は後ずさりながら必死に叫んでいた。
「頼む、全部吐く。こいつらがお前を修道院に送る途中で襲わせようとしていた。悪いのは王太子だ」
「な、何を言うのだ」
「そうだ、そんなことは」
「あいつは見た目は綺麗だから皆で楽しもうと言っていたぞ」
「おい、何を言うんだ!」
男の言葉にベルンハルトらは必死に言い訳始めた。
しかし、次の瞬間側の校舎に雷が直撃した。
校舎が一瞬で炎上する。
「ヒェー」
もう側近どもも悲鳴をあげて腰を抜かしていた。
「ベルンハルト殿下、そうこの犯罪者は言ってますけど」
私は目を細めて言った。
「いや違うぞ、こいつが自分たちだけで楽しむのはどうかと言って俺らを誘ってきたんだ」
ベルンハルトが必死に言い訳してきた。
それも全然無罪じゃ無いんだけど!
「違う、そんなことは言っていない!それよりもそこの女が言ってたんだ。ヒィヒィ泣くあんたを見せてくれって」
「そ、そんなこと言ってませんわ。あなたこそ、殿下とどちらがたくさん出せるか勝負しようと言ってたじゃない」
アマーリエも必死に言い訳している。もうばらしまくっているんだけど。
まあこれで私が有責で婚約破棄される事はないよね!
その時また落雷があった。今度は別の校舎が燃え上がる。
「た、頼む、許してくれ!」
犯罪者の男が土下座してきた。
「そんなこと言っても、私がやっているわけじゃ無いし」
「嘘つけ、お前は全然被害を受けてないじゃないか!」
男が言う。
「うーん、よく判んないのよね。昔から、私がプッツン切れるとよくこうなるのよ! それで、ゲフマンの奴らよく被害にあっているわけ」
「な、何だと!貴様、これをどうするのだ?誰が責任を取るのだ?」
「そんなの余計な事を計画したあんたらが取るに決まっているでしょ! そもそも今回の件がお兄様やお姉さまに判ったら、あんたらどのみち命無いと思うけど」
私が当然のことのように言う。
「何を言う。貴様の兄や姉が出来損ないの肩を持つわけなかろう」
「じゃあ聞いてみたら。その瞬間首から上が無くなっているかもしれないけど」
私は馬鹿にしたように言った。そう、私は出来損ないだが、出来ないものほど可愛いのか、兄はテンプレだが、姉は激可愛がりで、私に酷いことをしようとした奴らは絶対に許さないと思う。
「俺は王太子だぞ」
「それがどうしたのよ。お兄様やお姉さまがそんなの気にすると思うの?」
そうなのだ。兄や姉はそこに敵がいるから戦っているだけで、おそらく敵が王太子に変わったと思った瞬間王太子達を攻撃に出るはずだ。
「おのれ貴様!」
コリントがよせば良いのに私を捕まえようとした。私にくっつけば雷の直撃を受けないと思ったのだろうか。
次の瞬間、雷が直撃する。
ピクピク痙攣してコリントは倒れ込んだ。傍にいたクレイグも同時に吹っ飛ぶ。
私はバリアか何かで覆われているのか全く無傷だ。
「馬鹿ね。これ、私に敵対する行為をするといつもこうなるんだって!」
私が呆れて言った。
「で、殿下大丈夫ですか」
近衛騎士達が駆けてくる。
しかし、次の瞬間雷が直撃して、吹っ飛んでいた。
「ヒィィィ」
「もう、助けてくれ」
「嫌ああああ」
3人は我慢の限界に達したようだった。
残ったベルンハルトとアマーリエ、犯罪者の3人は私に背を向けて必死に駆け出した。
「あっ、ちょっと待ちなさいよ」
「誰が待つか」
私の声にベルンハルトが叫ぶと逃げていく。
逃げ切れるわけないのに。
ドンガラガッシャーン
凄まじい音とともに、次の瞬間雷が3人を直撃した。
「ギャーーーー」
3人の断末魔のような悲鳴がして、3人は黒焦げになってゆっくりと倒れ込んだ。
まあ、これで一応与えられた恥辱は晴らしたはずだ。お兄様にも文句は言われないだろう。
「やっと終わったわ。でもどうやって領地に帰ろうか」
私は今までの雷鳴が嘘のように晴れて星が広がる夜道を領地に向けて歩き出した。
*****************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
話はまだまだ続きます。明朝更新予定です
一斉に悲鳴や怒声が起こる。
当然雷の直撃を受けた大使は黒焦げになって倒れていた。
兵士たちの多くも倒れていた。
私は我が軍の制服をきた犯罪者の方にゆっくりと歩き出した。
「ヒィ」
犯罪者は私を見て悲鳴をあげて腰を抜かした。
「お、お前、厄災姫だったのか」
男は慌てて後ろに後ずさる。
「厄災姫?」
ベルンハルトが聞き返す。
「昔、我が国の軍が辺境伯の馬車を急襲して全滅させられたのです。そこに乗っていたのが厄災姫だと」
「はあ?、何故出来損ないがそんな事が出来るのだ。たまたまに、決まっているだろう」
犯罪者の説明にベルンハルトは馬鹿にしたように言った。
「おい、そこの出来損ないを拘束しろ」
ベルンハルトは私の後ろにいた兵士たちに命じていた。
「はっ。おい、神妙にしろ」
兵士たちが私を取り囲んだ。
しかし、次の瞬間雷が落ちてきて兵士たちを弾き飛ばしていた。
その中でも私は全くの無傷だった。
「嘘だ」
ベルンハルトも驚いて固まっていた。
「あ、彼奴等馬鹿だ。厄災姫に逆らって無事に済んだ奴らはいない」
犯罪者の男が叫んで後退りする。
「おい、お前ら、エルヴィーラを拘束しろ」
ベルンハルトは側近の二人に命じていた。
「いや、殿下。俺らもまだ死にたくありません」
「そ、そうです」
側近の二人も後ずさりだした。
「き、貴様らそれでも側近か」
「じゃあ殿下が見本見せてくださいよ」
「そんなのできるか」
揉めているベルンハルトらを無視して私は男に近づいた。
「ふんっ、私が、厄災姫かどうかは判らないけど、あなた今自分がゲフマンの手先だと証したんだけど」
私が馬鹿にして言った。
「そんなのは、良いんだ。厄災姫にはかなわない。それより命だけは助けてくれ!」
男は後ずさりながら必死に叫んでいた。
「頼む、全部吐く。こいつらがお前を修道院に送る途中で襲わせようとしていた。悪いのは王太子だ」
「な、何を言うのだ」
「そうだ、そんなことは」
「あいつは見た目は綺麗だから皆で楽しもうと言っていたぞ」
「おい、何を言うんだ!」
男の言葉にベルンハルトらは必死に言い訳始めた。
しかし、次の瞬間側の校舎に雷が直撃した。
校舎が一瞬で炎上する。
「ヒェー」
もう側近どもも悲鳴をあげて腰を抜かしていた。
「ベルンハルト殿下、そうこの犯罪者は言ってますけど」
私は目を細めて言った。
「いや違うぞ、こいつが自分たちだけで楽しむのはどうかと言って俺らを誘ってきたんだ」
ベルンハルトが必死に言い訳してきた。
それも全然無罪じゃ無いんだけど!
「違う、そんなことは言っていない!それよりもそこの女が言ってたんだ。ヒィヒィ泣くあんたを見せてくれって」
「そ、そんなこと言ってませんわ。あなたこそ、殿下とどちらがたくさん出せるか勝負しようと言ってたじゃない」
アマーリエも必死に言い訳している。もうばらしまくっているんだけど。
まあこれで私が有責で婚約破棄される事はないよね!
その時また落雷があった。今度は別の校舎が燃え上がる。
「た、頼む、許してくれ!」
犯罪者の男が土下座してきた。
「そんなこと言っても、私がやっているわけじゃ無いし」
「嘘つけ、お前は全然被害を受けてないじゃないか!」
男が言う。
「うーん、よく判んないのよね。昔から、私がプッツン切れるとよくこうなるのよ! それで、ゲフマンの奴らよく被害にあっているわけ」
「な、何だと!貴様、これをどうするのだ?誰が責任を取るのだ?」
「そんなの余計な事を計画したあんたらが取るに決まっているでしょ! そもそも今回の件がお兄様やお姉さまに判ったら、あんたらどのみち命無いと思うけど」
私が当然のことのように言う。
「何を言う。貴様の兄や姉が出来損ないの肩を持つわけなかろう」
「じゃあ聞いてみたら。その瞬間首から上が無くなっているかもしれないけど」
私は馬鹿にしたように言った。そう、私は出来損ないだが、出来ないものほど可愛いのか、兄はテンプレだが、姉は激可愛がりで、私に酷いことをしようとした奴らは絶対に許さないと思う。
「俺は王太子だぞ」
「それがどうしたのよ。お兄様やお姉さまがそんなの気にすると思うの?」
そうなのだ。兄や姉はそこに敵がいるから戦っているだけで、おそらく敵が王太子に変わったと思った瞬間王太子達を攻撃に出るはずだ。
「おのれ貴様!」
コリントがよせば良いのに私を捕まえようとした。私にくっつけば雷の直撃を受けないと思ったのだろうか。
次の瞬間、雷が直撃する。
ピクピク痙攣してコリントは倒れ込んだ。傍にいたクレイグも同時に吹っ飛ぶ。
私はバリアか何かで覆われているのか全く無傷だ。
「馬鹿ね。これ、私に敵対する行為をするといつもこうなるんだって!」
私が呆れて言った。
「で、殿下大丈夫ですか」
近衛騎士達が駆けてくる。
しかし、次の瞬間雷が直撃して、吹っ飛んでいた。
「ヒィィィ」
「もう、助けてくれ」
「嫌ああああ」
3人は我慢の限界に達したようだった。
残ったベルンハルトとアマーリエ、犯罪者の3人は私に背を向けて必死に駆け出した。
「あっ、ちょっと待ちなさいよ」
「誰が待つか」
私の声にベルンハルトが叫ぶと逃げていく。
逃げ切れるわけないのに。
ドンガラガッシャーン
凄まじい音とともに、次の瞬間雷が3人を直撃した。
「ギャーーーー」
3人の断末魔のような悲鳴がして、3人は黒焦げになってゆっくりと倒れ込んだ。
まあ、これで一応与えられた恥辱は晴らしたはずだ。お兄様にも文句は言われないだろう。
「やっと終わったわ。でもどうやって領地に帰ろうか」
私は今までの雷鳴が嘘のように晴れて星が広がる夜道を領地に向けて歩き出した。
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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
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