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皇后様に呼び出されて宮廷を追放になりました

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エンゲル王が、クリス曰く、糞まみれになって怒り狂う姿を見て、私は少し胸がスカッとした。
でも、こんないたずらみたいなことして良いんだろうか?
帝国の特務の方々をとても危険な目に逢わせたのだ。私はとても悪い事をしたような気分になった。

「でも、あんなことして、あなたがエンゲル王に恨まれて良かったの?」
私はクリスに悪い気がした。何しろ狙われているのは私なのだ。
「何を他人事のように言っているのよ。当然、あなたの名前で犯行声明を置いて来たわよ」
「えっ?」
私はクリスをまじまじと見つめた。

「私の名前でやってくれたの?」
「そうよ。グーテンベルク。読んであげて」
「『欲望と性欲の塊のカスパル・エンゲルヘ。
我が両親の仇なすカス王にここに鉄槌を下す。直ちに降服せよ。そして、全ての国民に懺悔せよ。変態ロリコン王よ。今まで多くの子供達を毒牙にかけたその恥ずかしいロリコンの性癖を世界の全ての者に懺悔するのだ。
さもないと次は貴様の太ったからだを串刺しにして焼き豚にしてやる!』
以上です」
グーテンベルクさんが読み上げてくれたんだけど、
「な、何て事を書いてくれるのよ」
私は怒って言った。
更にエンゲル王に恨まれるじゃない!

「何言っているのよ。どのみち、狙われているんだから、同じじゃない」
クリスはもっともな事を言ってくれたんだけど……
一緒じゃないわよ!
私は大声で叫びたかった。

「ここにアデリナ王女ありと全ハウゼンの国民に訴えたからね。これで反撃がしやすくなったわ。この画像を、ハウゼンの全貴族に送りつけるからね」
クリスは勝手に言ってくれた。

でも、私は国を取り戻そうとかは思っていないんだけど……
国は貴族の裏切りに遭って滅んでしまったのだ。今更どうこうしても、もうどうしようもないんじゃないだろうか?
しかし、私の思いは私の意向に関係なく、話は勝手にどんどん大きくなっていったのだった。


午後からはクリスが用があるとの事で、私は宮廷をノーラに案内されていた。
世界のて帝国の宮廷がどの様になっているかこの目で少し見たかったのだ。
それが間違いだった。

私はいきなり、威張った女官に捕まったのだ。

「皇后様がお呼びです。直ぐに来るように」
女官が高圧的に話してきたのだ。

「しかし、アビルダ様。アデリナ様はエルヴィン皇子殿下の婚約者様です。いくら皇后様と言ってもおいそれと呼び出すのはいかがなものかと」
ノーラは言ってくれたんだけど、
「はああああ! あなたは皇后様に逆らうというの?
この宮廷で皇后様に逆らって生きていけると思っているの?」
女官はノーラに言ってきたのだ。

「ノーラ、良いのよ。私が皇后様にお会いします」
私はノーラを抑えた。
皇后様はこの宮廷の女性の最高権力者だ。いずれは会わなければならないのだ。
私は腹を括った。
何を言われるか判らないけれど……あまりいい話ではないように思う。

皇后の間はクリスの謁見の間よりも豪勢だった。
さすが帝国の皇后陛下だ。
当然我が国の謁見の間よりも豪勢なんだけど……
帝国ってどれだけ立派なんだろう……
私が少し驚いていた時だ。

「カリーナ!」
驚いた声がして真ん前に座っている豪華な衣装を着た女性が中央の椅子の横で棒立ちしていた。
その顔はどこかエルヴィンに似ていた。

「陛下、アデリナ・ハウゼンです」
皇后様の横にいた女官が訂正する。

「ああ、あなたがカリーナの娘のアデリナね」
「はい。皇后陛下。カリーナ・ハウゼンにございます」
私は礼をしたのだ。
「エルヴィンが昔世話になったわ」
「いえ、こちらこそ、エルヴィンには危ういところを何度もお助けいただき、感謝の言葉もございません」
私は皇后様に頭を下げたのだ。
頭を上げるとまた、皇后様は固まっていた。

「あなた、しぐさも何もかも本当にカリーナにそっくりなのね」
皇后様がぼそりと言われた。
その瞳が何か怒っているんだけど……
私は一瞬戸惑ったが、

「有難うございます。ただ、母の方がもっと優雅だったかと」
私はそう言って皇后様を見上げると、
「その上目遣いは止めて。とても不機嫌になるわ」
皇后様が怒って私を見下ろしていた。

「申し訳ありません」
私は取り合えず謝った。

「その驚いた顔もよ。いかにも自分が傷つきましたって顔して、本当にむかつくわ」
私は皇后様の理不尽に驚いた。だって普通、そんな事を言われたら傷つくわよ!

「貴方の母もそうやって男を誑かせていたのよ。本当に親娘揃ってそっくりね。そうやって、エルヴィンも誑かしたのね」
きっとした目で皇后様は私を睨め付けてくれるんだけど。

「私は別に誑かしてなどは……」
私は戸惑って皇后様を見返した。
「ああ、もうその顔よ。クラーラには何回もそんな顔をされたわ。それであの子はアレクシスを手に入れたのよ。何もかも本当にあなたはカリーナそっくりね。
亡国の王女がエルヴィンの、帝国の次期皇帝の妻になどなれると本気で思えるほどあなたは脳天気なの?」
「いえ、それは」
私は何一つ答えられなかった。そう、基本は無理なのだ。
そんなことは100も判っている。でも、ルヴィンが強引に言ってきた話で……

「そうやってエルヴィンを誑かしたんでしょうけど、私の目は誤魔化せないわ。絶対にあなたとこの婚姻は認めさせません」
私はエルヴィンのお母様に完全に嫌われてしまった。
そして、反対されてしまったのだ。

「今すぐにこの宮廷から出ていきなさい。幸いなことにあなたの祖父母のディール伯爵があなたを引き取って良いと言ってくれています。二度とこの宮廷に顔を出すことは私が許しません」
皇后様はそう言うと女騎士たちに命じて私を引っ立てさせたのだった。
取り付く島もなかった。
私はそのまま、宮廷から追放されてしまったのだ。

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 https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/381877902


これも皆様の応援のお陰です

本当に有難うございました。


詳しいことはこれから記載していきますが、取り急ぎご報告まで

これからも頑張って書いていくのでよろしくお願いします。
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