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白馬の騎士視点 両親に呼ばれてリナとの婚約の事を話したら反対されました
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船の中で俺はリナに跪いたのだ。
「どうか俺と結婚してほしい」
俺はリナに手を差し出した。
俺が親父の継承でドタバタしている時に、メンロスの青瓢箪にリナをかっさらわれてしまったが、今度は他の奴に横からかっさらわれるわけにはいかなかった。
でもリナはなかなか渋ってくれたのだ。
俺はリナと結婚するために必死に剣聖になって白馬に乗って帰って来たのに!
それはないだろう!
焦った俺は中々、認めないリナに針千本飲ませるぞって脅したのだ。
俺が可愛いリナにそんな事する訳はないのに!
そう言って脅したこと自体、俺は良心の呵責に苛まれたが、ここはさっさとリナを自分の物にしたくて、強引に迫ったのだ。
何しろリナはきれいだ。
今は身分も無いのだ。娶ろうと思えば騎士でも娶れるのだ。
騎士達の間で、リナの美貌が早くも話題になっていた。
ここでものにしないと、誰にかっさらわれるか判ったものではなかった。
さっさと既成事実を作って抜き差しできない状態にしなければいけない。
俺はとても焦っていた。
可愛い婚約者を脅すってなんだ!
俺は良心の呵責に苛まれたが、再度強引に迫った。
リナはやっと頷いてくれた。
「やった。リナ有難う」
俺は思いっきりリナを抱きしめたのだ。
そして、戸惑うリナの唇を奪ったのだ。
リナの唇はとても甘酸っぱかった。
出来ればそのままリナを押し倒して、強引に自分のものにしたかった。
しかし、俺は自制心を総動員して、なんとか、抑えたのだ。
本当に自分を褒めてやりたかった。
それからの船旅は二人であまあまの恋人気分を味わったのだ。
甲板に二人で出て、潮風に当たったり、マストの上の見張り台に登りたいってリナが言うので連れて上がったりした。
抱き上げてマストの上まで飛び上がったのだが、
「キャッ」
俺にしがみついてくるリナがとても可愛かった。
後で、あんな事は止めてほしいとぶつぶつ言われたが、俺はもうリナを手放すつもりなどなかった。
俺は幸せの絶頂にいたのだ。
しかし、帝都に着いたら、そこには渋い顔をしたエーレンフリート・ウォルフスブルクがいた。
俺の側近で侯爵家の嫡男だ。こいつが白い目で睨んできた。
帝国の継承者第一位の俺が亡国の王女との婚約なんて出来るわけはないと言っているのだ。
ふんっ、俺は元々好きで継承権者第一位になったわけではない。
もともと継承権第一位が剣聖になんてなるのがおかしいのだ。
剣聖と皇帝が同じだったのは帝国を始めたかの始祖以外いないのだ。
リナは馬車の中でとても不安そうにしていた。
「大丈夫だ。リナ。俺は誓いは必ず守る」
俺はそう言ってリナを安心させた。
不安がるリナに俺はとてもそそられた。そのまま押し倒しそうになって、なんとか自制心で抑えたのだ。
馬車の中でも俺はリナを出来たら膝の上に抱いていたいくらいだった。
早速リナを俺の隣の皇子妃の部屋に入れようとしたら、両親が呼んでいるという。
俺は無視したかったが、後々煩そうだ。
ここは早めに両親に宣言しておいた方が良いだろう。
俺は仕方なしに、両親の待つ部屋に向かったのだ。
俺は応接で両親は待っていると思ったのだ。
しかし、案内されたのはなんと謁見の間だった。
「どういうつもりだ?」
俺は両親の意図が掴めずにエーレンフリートに聞いた。
「さあ、お前の行動を諫めるつもりではないか」
エーレンフリートは言ってくれた。
こいつは元々反対しているのだろう。
でも、俺はリナと結婚するために剣聖になったのだ。これは折れるわけにはいかなかった。
最初は両親の許可を取るつもりだったが、こうなったら仕方がない。
俺は重臣の前で宣言することにしたのだ。
謁見の間には多くの重臣たちが勢ぞろいしていた。
俺は二人並んで座っている両親の前で跪いたのだ。
「ただいま戻りました」
「おお、勝手に帝国を飛び出して、とても心配していたのだぞ」
父はむっとして言ってきた。
「それを言うならば何故、ハウゼンの危機を察知して事前に援軍を送らなかったのですか?」
俺は不満に思っていたことを述べた。
「あれはエンゲルが急に攻め込んだのだ。我らは抗議したが、エンゲルは聞かなかったのだ」
父が言ってくれた。
「ほおおおお、エンゲルは我が帝国の威光を無視したというのですな」
俺が眉を上げて言った。
「いや、まあ、そうなるかの」
父は笑って誤魔化そうとした。
「外務卿、どうなのだ」
俺は俺に付きまとってくるマリアンネの父の外務卿を問いただした。
「殿下、申し訳ありません。使者を散々送ったのですが、エンゲルは言う事を聞かず」
「軍務卿、帝国の威信をそこまで穢されて、何故帝国軍を送らなかった」
俺はラング軍務卿を問いただしたのだ。
重臣たちはギョッとした顔で俺たちを見ていた。
「申し訳ありません。殿下。私は何度も奏上したのですが、反対意見が多く」
「ほおおおお、帝国の威信が穢されたのに、それに反対する輩がいると」
俺は立ち上がって全員を睨め付けたのだ。
俺の視線をうけて大半が視線を逸らしたり冷や汗を出したりしてくれた。
「その事よりもエルヴィン。その方、沿岸諸国より女性を連れて帰って来たというではないか? どうするつもりなのです」
母がいきなり聞いて来た。
「その事が帝国の威信を傷つけられたことよりも大切な事だとは思えませんが」
「まあ、そうなのですね。それならば良いのですが。しかし、そのものをあなたの部屋の隣の部屋を与えると聞いたのですが、母の空耳ですね」
「いえ、事実ですが」
「何ですって! あなたの隣の部屋を与えるという事はそのものを正妃として迎え入れるという事ですよ。そんな事は許されません」
「母上。申し訳ありませんが、アデリナ・ハウゼンとは既に婚約いたしました」
「な、何ですって。そんな亡国の王女との結婚など許しません」
「許さないも何も、俺はこの剣に誓ったのです。剣聖の剣の誓いに二言はありません」
「そんな、何をしているのですか? そのような勝手な事を」
「そうですぞ。殿下。我ら重臣は何一つ聞いておりません」
「勝手に亡国の王女を婚約者にされても」
「我らは認めませんぞ」
俺の言葉に重臣たちは蜂の巣をつついたようになった。
「静粛に!」
総務卿が声を張り上げて私語を抑えてくれた。
再び謁見室は静かになる。
「エルヴィンよ。皆はこう申しておる。そのような勝手な事が帝国の皇子が許されるわけはなかろう」
父の言葉に俺はプッツン切れた。
「何を言うのです! 亡国の王女にしたのは、帝国の怠慢が原因ではないですか? 何故エンゲルに攻め込まれた時に援軍を送らなかったのです? 援軍さえ送っていればまだハウゼン王国は存在していたはずです。父上はハウゼン王から受けた恩義を忘れたのですか?」
きっとして俺は父を睨みつけた。
「まあ、ハウゼン王国にはその方を匿ってもらった恩義はある。だからこうして外務卿に言って抗議しておるのだ」
「抗議して、聞き入れなければ攻撃あるのみです」
俺は言い放ったのだ。
「しかし、殿下いきなりの攻撃は」
外務卿があたふたとしている。
「何を言う。帝国の抗議が聞き入れないときは攻撃するに決まっておろう」
俺は外務卿を睨め付けたのだ。俺の鋭い視線を受けて、外務卿は蒼白になった。
「少し待て、皇子も沿岸諸国から帰還したばかりで気が立っておる。本件は後日に再度審議するといたそう」
俺の言葉に慌てて父が審議を止めてくれたが、俺は納得いかなかった。
それから別室に引き連れられて父と母に婚約の件について諦める様に散々言われたが、俺は頑として首を縦に振らなかったのだ。
その日は平行線に終わった。
俺は絶対にあきらめるつもりはなかった。
****************************************************
ここまで読んで頂いて有難うございます。
白馬の騎士とリナの仲はどうなる。
両親や重臣は納得するのか?
妹を巻き込んで続きます
続きが気になる方はお気に入り登録、感想等して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
「どうか俺と結婚してほしい」
俺はリナに手を差し出した。
俺が親父の継承でドタバタしている時に、メンロスの青瓢箪にリナをかっさらわれてしまったが、今度は他の奴に横からかっさらわれるわけにはいかなかった。
でもリナはなかなか渋ってくれたのだ。
俺はリナと結婚するために必死に剣聖になって白馬に乗って帰って来たのに!
それはないだろう!
焦った俺は中々、認めないリナに針千本飲ませるぞって脅したのだ。
俺が可愛いリナにそんな事する訳はないのに!
そう言って脅したこと自体、俺は良心の呵責に苛まれたが、ここはさっさとリナを自分の物にしたくて、強引に迫ったのだ。
何しろリナはきれいだ。
今は身分も無いのだ。娶ろうと思えば騎士でも娶れるのだ。
騎士達の間で、リナの美貌が早くも話題になっていた。
ここでものにしないと、誰にかっさらわれるか判ったものではなかった。
さっさと既成事実を作って抜き差しできない状態にしなければいけない。
俺はとても焦っていた。
可愛い婚約者を脅すってなんだ!
俺は良心の呵責に苛まれたが、再度強引に迫った。
リナはやっと頷いてくれた。
「やった。リナ有難う」
俺は思いっきりリナを抱きしめたのだ。
そして、戸惑うリナの唇を奪ったのだ。
リナの唇はとても甘酸っぱかった。
出来ればそのままリナを押し倒して、強引に自分のものにしたかった。
しかし、俺は自制心を総動員して、なんとか、抑えたのだ。
本当に自分を褒めてやりたかった。
それからの船旅は二人であまあまの恋人気分を味わったのだ。
甲板に二人で出て、潮風に当たったり、マストの上の見張り台に登りたいってリナが言うので連れて上がったりした。
抱き上げてマストの上まで飛び上がったのだが、
「キャッ」
俺にしがみついてくるリナがとても可愛かった。
後で、あんな事は止めてほしいとぶつぶつ言われたが、俺はもうリナを手放すつもりなどなかった。
俺は幸せの絶頂にいたのだ。
しかし、帝都に着いたら、そこには渋い顔をしたエーレンフリート・ウォルフスブルクがいた。
俺の側近で侯爵家の嫡男だ。こいつが白い目で睨んできた。
帝国の継承者第一位の俺が亡国の王女との婚約なんて出来るわけはないと言っているのだ。
ふんっ、俺は元々好きで継承権者第一位になったわけではない。
もともと継承権第一位が剣聖になんてなるのがおかしいのだ。
剣聖と皇帝が同じだったのは帝国を始めたかの始祖以外いないのだ。
リナは馬車の中でとても不安そうにしていた。
「大丈夫だ。リナ。俺は誓いは必ず守る」
俺はそう言ってリナを安心させた。
不安がるリナに俺はとてもそそられた。そのまま押し倒しそうになって、なんとか自制心で抑えたのだ。
馬車の中でも俺はリナを出来たら膝の上に抱いていたいくらいだった。
早速リナを俺の隣の皇子妃の部屋に入れようとしたら、両親が呼んでいるという。
俺は無視したかったが、後々煩そうだ。
ここは早めに両親に宣言しておいた方が良いだろう。
俺は仕方なしに、両親の待つ部屋に向かったのだ。
俺は応接で両親は待っていると思ったのだ。
しかし、案内されたのはなんと謁見の間だった。
「どういうつもりだ?」
俺は両親の意図が掴めずにエーレンフリートに聞いた。
「さあ、お前の行動を諫めるつもりではないか」
エーレンフリートは言ってくれた。
こいつは元々反対しているのだろう。
でも、俺はリナと結婚するために剣聖になったのだ。これは折れるわけにはいかなかった。
最初は両親の許可を取るつもりだったが、こうなったら仕方がない。
俺は重臣の前で宣言することにしたのだ。
謁見の間には多くの重臣たちが勢ぞろいしていた。
俺は二人並んで座っている両親の前で跪いたのだ。
「ただいま戻りました」
「おお、勝手に帝国を飛び出して、とても心配していたのだぞ」
父はむっとして言ってきた。
「それを言うならば何故、ハウゼンの危機を察知して事前に援軍を送らなかったのですか?」
俺は不満に思っていたことを述べた。
「あれはエンゲルが急に攻め込んだのだ。我らは抗議したが、エンゲルは聞かなかったのだ」
父が言ってくれた。
「ほおおおお、エンゲルは我が帝国の威光を無視したというのですな」
俺が眉を上げて言った。
「いや、まあ、そうなるかの」
父は笑って誤魔化そうとした。
「外務卿、どうなのだ」
俺は俺に付きまとってくるマリアンネの父の外務卿を問いただした。
「殿下、申し訳ありません。使者を散々送ったのですが、エンゲルは言う事を聞かず」
「軍務卿、帝国の威信をそこまで穢されて、何故帝国軍を送らなかった」
俺はラング軍務卿を問いただしたのだ。
重臣たちはギョッとした顔で俺たちを見ていた。
「申し訳ありません。殿下。私は何度も奏上したのですが、反対意見が多く」
「ほおおおお、帝国の威信が穢されたのに、それに反対する輩がいると」
俺は立ち上がって全員を睨め付けたのだ。
俺の視線をうけて大半が視線を逸らしたり冷や汗を出したりしてくれた。
「その事よりもエルヴィン。その方、沿岸諸国より女性を連れて帰って来たというではないか? どうするつもりなのです」
母がいきなり聞いて来た。
「その事が帝国の威信を傷つけられたことよりも大切な事だとは思えませんが」
「まあ、そうなのですね。それならば良いのですが。しかし、そのものをあなたの部屋の隣の部屋を与えると聞いたのですが、母の空耳ですね」
「いえ、事実ですが」
「何ですって! あなたの隣の部屋を与えるという事はそのものを正妃として迎え入れるという事ですよ。そんな事は許されません」
「母上。申し訳ありませんが、アデリナ・ハウゼンとは既に婚約いたしました」
「な、何ですって。そんな亡国の王女との結婚など許しません」
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「そんな、何をしているのですか? そのような勝手な事を」
「そうですぞ。殿下。我ら重臣は何一つ聞いておりません」
「勝手に亡国の王女を婚約者にされても」
「我らは認めませんぞ」
俺の言葉に重臣たちは蜂の巣をつついたようになった。
「静粛に!」
総務卿が声を張り上げて私語を抑えてくれた。
再び謁見室は静かになる。
「エルヴィンよ。皆はこう申しておる。そのような勝手な事が帝国の皇子が許されるわけはなかろう」
父の言葉に俺はプッツン切れた。
「何を言うのです! 亡国の王女にしたのは、帝国の怠慢が原因ではないですか? 何故エンゲルに攻め込まれた時に援軍を送らなかったのです? 援軍さえ送っていればまだハウゼン王国は存在していたはずです。父上はハウゼン王から受けた恩義を忘れたのですか?」
きっとして俺は父を睨みつけた。
「まあ、ハウゼン王国にはその方を匿ってもらった恩義はある。だからこうして外務卿に言って抗議しておるのだ」
「抗議して、聞き入れなければ攻撃あるのみです」
俺は言い放ったのだ。
「しかし、殿下いきなりの攻撃は」
外務卿があたふたとしている。
「何を言う。帝国の抗議が聞き入れないときは攻撃するに決まっておろう」
俺は外務卿を睨め付けたのだ。俺の鋭い視線を受けて、外務卿は蒼白になった。
「少し待て、皇子も沿岸諸国から帰還したばかりで気が立っておる。本件は後日に再度審議するといたそう」
俺の言葉に慌てて父が審議を止めてくれたが、俺は納得いかなかった。
それから別室に引き連れられて父と母に婚約の件について諦める様に散々言われたが、俺は頑として首を縦に振らなかったのだ。
その日は平行線に終わった。
俺は絶対にあきらめるつもりはなかった。
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