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怒られた翌日に部屋に王女がいきなりやってきました
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私達は延々ロッテ・マイヤーさんのお叱りを受けたのだ。
最初に叩いて来たのはクリスティーネだし、マイヤーさんに肘鉄を食らわせたのもクリスティーネだから、悪いのは全てクリスティーネでマイヤーさんもクリスティーネだけを怒ればいいのにと思っていた私だった。
でも、マイヤーさんの怒りは全然収まらずに、延々と怒られ続けた。
なんかマイヤーさんの話を聞くと、やはり帝国は男も女もけんかっ早いものが多いらしい。手が良く出るのだとか。それを紳士教育や淑女教育で抑えるようにしていくんだけど、たまに出てしまう人もいるらしい。
なんかすごい国に来たというのが私の感想なんだけど……それがクリスティーネ様は一番手が早いみたいで……
それにしても、本来帝国は沿岸諸国と違って、身分よる上下の差は激しいと聞いていたのだけど、あの我儘皇女として有名なクリスティーネが、マイヤーさんの叱責をただ大人しく聞いていたのには驚いた。王族と知っているにもかかわらず、私を叩いてきたクリスティーネが反論の一つもしないのだ。
そう、ただひたすら叱られていた。
「判っておいでですか、クリスティーネ様!」
「はい」
そして、時たま、飛んでくる叱責にもちゃんと頷いているのだ。
私には信じられなかった。それだけマイヤーさんが怖いのだろうか?
「宜しいですか? アデリナ様」
「はい!」
最後の方は私はあまりの長さに、半分頭の回転が止まっていて、もう死にそうになっていていた。
「二度とこのようなことは無いように!」
「「はい」」
延々二時間くらい怒られて、私達はやっと解放されたのだった。
叱責の終わった後、私は全身の力が抜けた。
やっと終わった。
私はホッとしたのだ
そして、クリスティーネと目が合うと思わず二人して頷いてしまったのだ。
流石に2時間も怒られていると、もう喧嘩をやり直す力も残っていなかった。
私はその日は自分の与えられた部屋に行って、寝てしまったのだ。
翌朝は少し寝坊した。
起きたら太陽がとても高く登っていたのだ。
私は慌てて飛び起きた。
「おはようございます。昨日は良く寝られましたか?」
扉を開けて、ノーラさんが入ってきた。
「おはよう。とても良く過ごせたわ」
私は挨拶をした。本来は私はもう平民のはずなのに、王女として振る舞えって言うから敬語は省いたけれど、おそらくノーラさんは貴族だ。平民の私は絶対に敬語で離さないといけないはずなのに……
後で確認したらノーラさんは子爵婦人だった。ルヴィ付けでずっと働いていて、ルヴィの乳母も勤めていたらしい。そんな人に敬語で話しかけないで良いのかと思わないでもなかったが、そうしろとマイヤーさんからは言われているから仕方がなかった。
「エルヴィン様は?」
昨日は返ってくるなり寝てしまって、あれから会えていなかった。
「昨夜遅くに帰っていらっしゃいましたが、また朝早くに出かけられました」
ノーラさんは私に悪そうに教えてくれた。
「御本人はせっかく、アデリナ様を連れてこられたのに、話せなくてととても残念だとおっしゃっていらっしゃいました」
「そう。いらっしゃったのなら私を起こしてくれたら良かったのに」
私がそう言うと
「アデリナ様はお疲れだから寝かせておくようにとのことでした」
首を振ってノーラさんは教えてくれた。
やはり私と婚約するという事が皇帝陛下の裁可がおりないのだろう。
私はもう王女でも、なんでもないのだ。それに、メンロスの王太子に婚約破棄されたところだし……
「それよりも、アデリナ様。クリスティーネ様から会いたいと何度か連絡がありました」
ノーラさんは爆弾発言をしてくれた。
この帝国の第一皇女で我儘皇女としても有名だ。
昨日は叩かれて頭にきたので、叩き返したが、よく考えてみたら、相手は大国帝国のお姫様。こちらは亡国の王女なのだ。
絶対に私が仕返しなんてしてはいけなかったのだ。
私はさっと青くなった。
どうしよう? 流石に今日は体調も寝すぎて万全だし、言い返す気力もない。
でも、呼ばれた行くしか無いだろう。
私は嫌な気分でノーラさんに手伝ってもらいながら薄いピンク色のドレスに着替えたのだ。
衣装はいくつかルヴィが用意してくれていたみたいだけど、どれも胸が大きくて、着ると私の胸のないのが判ってしまうのだ。なんかルヴィに胸の大きいのが期待されたのに、実際は違ったと残念に思われているみたいで、少し悲しくなってしまうんだけど……
このピンクのはそこまで胸が大きくないので、まだ誤魔化せられるので仕方無しにこれにしたのだ。
そこへ外で何か騒々しくなったと思うと、
「私も女だから良いでしょ」
「いえ、少しお待ち下さい」
と言い合う声が聞こえたんだけど。
「アデリナ様。待ちくたびれたみたいで、クリスティーネ様がいらっしゃったみたいですよ」
呆れてノーラさんが言ってくれるんだけど。
わたしはさああああっと血の気が引けた。
どうしよう?
待ちきれないほど昨日のことを怒っているのだろうか?
私は絶体絶命のピンチに陥ってしまったのだ。
**********************************************
ここまで読んでいただいて有難うございました。
どうなるアデリナ?
続きは今夜です。
続きが気になる方はお気に入り登録、感想等して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
最初に叩いて来たのはクリスティーネだし、マイヤーさんに肘鉄を食らわせたのもクリスティーネだから、悪いのは全てクリスティーネでマイヤーさんもクリスティーネだけを怒ればいいのにと思っていた私だった。
でも、マイヤーさんの怒りは全然収まらずに、延々と怒られ続けた。
なんかマイヤーさんの話を聞くと、やはり帝国は男も女もけんかっ早いものが多いらしい。手が良く出るのだとか。それを紳士教育や淑女教育で抑えるようにしていくんだけど、たまに出てしまう人もいるらしい。
なんかすごい国に来たというのが私の感想なんだけど……それがクリスティーネ様は一番手が早いみたいで……
それにしても、本来帝国は沿岸諸国と違って、身分よる上下の差は激しいと聞いていたのだけど、あの我儘皇女として有名なクリスティーネが、マイヤーさんの叱責をただ大人しく聞いていたのには驚いた。王族と知っているにもかかわらず、私を叩いてきたクリスティーネが反論の一つもしないのだ。
そう、ただひたすら叱られていた。
「判っておいでですか、クリスティーネ様!」
「はい」
そして、時たま、飛んでくる叱責にもちゃんと頷いているのだ。
私には信じられなかった。それだけマイヤーさんが怖いのだろうか?
「宜しいですか? アデリナ様」
「はい!」
最後の方は私はあまりの長さに、半分頭の回転が止まっていて、もう死にそうになっていていた。
「二度とこのようなことは無いように!」
「「はい」」
延々二時間くらい怒られて、私達はやっと解放されたのだった。
叱責の終わった後、私は全身の力が抜けた。
やっと終わった。
私はホッとしたのだ
そして、クリスティーネと目が合うと思わず二人して頷いてしまったのだ。
流石に2時間も怒られていると、もう喧嘩をやり直す力も残っていなかった。
私はその日は自分の与えられた部屋に行って、寝てしまったのだ。
翌朝は少し寝坊した。
起きたら太陽がとても高く登っていたのだ。
私は慌てて飛び起きた。
「おはようございます。昨日は良く寝られましたか?」
扉を開けて、ノーラさんが入ってきた。
「おはよう。とても良く過ごせたわ」
私は挨拶をした。本来は私はもう平民のはずなのに、王女として振る舞えって言うから敬語は省いたけれど、おそらくノーラさんは貴族だ。平民の私は絶対に敬語で離さないといけないはずなのに……
後で確認したらノーラさんは子爵婦人だった。ルヴィ付けでずっと働いていて、ルヴィの乳母も勤めていたらしい。そんな人に敬語で話しかけないで良いのかと思わないでもなかったが、そうしろとマイヤーさんからは言われているから仕方がなかった。
「エルヴィン様は?」
昨日は返ってくるなり寝てしまって、あれから会えていなかった。
「昨夜遅くに帰っていらっしゃいましたが、また朝早くに出かけられました」
ノーラさんは私に悪そうに教えてくれた。
「御本人はせっかく、アデリナ様を連れてこられたのに、話せなくてととても残念だとおっしゃっていらっしゃいました」
「そう。いらっしゃったのなら私を起こしてくれたら良かったのに」
私がそう言うと
「アデリナ様はお疲れだから寝かせておくようにとのことでした」
首を振ってノーラさんは教えてくれた。
やはり私と婚約するという事が皇帝陛下の裁可がおりないのだろう。
私はもう王女でも、なんでもないのだ。それに、メンロスの王太子に婚約破棄されたところだし……
「それよりも、アデリナ様。クリスティーネ様から会いたいと何度か連絡がありました」
ノーラさんは爆弾発言をしてくれた。
この帝国の第一皇女で我儘皇女としても有名だ。
昨日は叩かれて頭にきたので、叩き返したが、よく考えてみたら、相手は大国帝国のお姫様。こちらは亡国の王女なのだ。
絶対に私が仕返しなんてしてはいけなかったのだ。
私はさっと青くなった。
どうしよう? 流石に今日は体調も寝すぎて万全だし、言い返す気力もない。
でも、呼ばれた行くしか無いだろう。
私は嫌な気分でノーラさんに手伝ってもらいながら薄いピンク色のドレスに着替えたのだ。
衣装はいくつかルヴィが用意してくれていたみたいだけど、どれも胸が大きくて、着ると私の胸のないのが判ってしまうのだ。なんかルヴィに胸の大きいのが期待されたのに、実際は違ったと残念に思われているみたいで、少し悲しくなってしまうんだけど……
このピンクのはそこまで胸が大きくないので、まだ誤魔化せられるので仕方無しにこれにしたのだ。
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「アデリナ様。待ちくたびれたみたいで、クリスティーネ様がいらっしゃったみたいですよ」
呆れてノーラさんが言ってくれるんだけど。
わたしはさああああっと血の気が引けた。
どうしよう?
待ちきれないほど昨日のことを怒っているのだろうか?
私は絶体絶命のピンチに陥ってしまったのだ。
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