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助けてくれると思った友人が裏切りました

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「……」
私は張り倒されてしまった。
な、何でこいつに張られなければいけないの……
当然ながら王女だったから両親にも頬を張られたことなんて無かったし、前世でも無かった。
私は頬を押さえて、睨みつけたのだ。

「何、その目は、お前は、平民の分際で、公爵令嬢にそんな目つきで見るの?」
きっとして、クラーラが再度張ってきたのだ。
パシーンと言う音ともに私は張り倒された。
そして、そのまま地面に激突、地面に突っ伏したのだ。

もう最悪だった。

頬は痛いし、体は泥だらけになった。
私はノロノロと起き上がった。

「まあ、泥だらけね。本当に良い気味だわ」
そう言うと、クラーラは笑ってくれたのだ。
それに釣られて皆どっと笑ってくれた。

私は誰か一人くらいは助けてくれるかと思った。
でも、誰も助けてくれなかった。

そうだ。私はもう、王女でもなんでもないのだ。平民のアデリナなのだ。
お父様とお母様がエンゲル王国に殺されてしまって、国をエンゲル王国に奪われてしまった、落ちぶれた平民なのだ。
エンゲルに攻められた時、私は泣いてアヒムに助けてほしいと頼んだのに、自業自得だとアヒムにも突き飛ばされた。アヒムが私を助けてくれることなんてありえなかった。それも今まさに断罪されている途中だ。
周りを見ても皆、私を見て笑っていた。そもそも平民女を王太子や公爵令嬢から庇ってくれる貴族なんているわけはないのだ。

そう私が諦めた時だ。ベルタ・キルヒナー伯爵令嬢が立ち上がって私の前に来てくれたのだ。
私はベルタと親しかった。
私の事を少しは庇ってくれるのだろう。
私は期待したのだ。

「まあ、アデリナ、いい気味ね」
私を見下して話し出す、ベルタを私は唖然と見上げたのだ。

そんな……ベルタまで!

「アデリナ様。私のことをそこまで考えていたけるなんて、この御恩は一生涯忘れませんわ」
確か、ベルタの実家が作った織物が売れなくなったとかで、私はその多くを王国で買い取ってあげたことがあるのだ。
その時は感謝してくれたのに、力が無くなると、あっという間に恩も無くなるらしい。

私は貴族社会の無情さを骨身にしみて理解した。

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