37 / 57
モバイルスーツ編
厄災女は噂とは違い天女で、俺はそんな天女に一目惚れしてしまった
しおりを挟む
俺は世間に恐れられている傭兵バスターズの面々が、どんないかつい奴等だろうと、身構えて待っていた。
来るのは厄災女だ。
厄災女自体は絶対に不細工で筋肉もりもりの女に違いない。男のプロレスラー顔負けの容姿と体をしているはずだと俺は勝手に想像していた。
でも、現実は違った。
何と、飛行船からは見たこともない天女が降りてきたのだ。
嘘だって?
いやあれは本当の天女だった。
俺は今まで生きてきた中でも、前世も含めてこんな美女に出会ったことがなかった。
本当に天女もかくやと言えるほどの美女だったのだ。
どこが筋肉隆隆な女なんだよ!
俺はそう思っていた自分に怒っていた。
ボケーとした俺の前に天女様がタラップを降りてきた。
俺は思わずひれ伏しそうになったのだ。
「あなたが、人形使いのエイブラハム・バーンなの?」
何と天女様は俺の名前を知ってくれていたのだ。俺はその事に天にも登る気持ちだった。
「私はキャロラインよ。宜しくね」
ニコっとキャロラインが笑ってくれた。
俺に向けて笑顔で名乗ってくれたのだ。
もう俺はいちころだった。
その瞬間、世界の全てが薔薇色に見え出した。
この女だ。この女こそが俺の女神様だ。
俺は心の底からそう思ってしまった。
もう他の雑魚なんてどうでも良かった。
天女に比べれば剣聖など大したことはなかった。本当に目立たない男だった。
「ようこそお出で頂きました。国王陛下の下で人形使いをしております、エイブラハム・バーンです。エイブとお呼び頂ければ結構かと」
俺はそう言うと後ろを振り返った。
「早速お部屋に案内させましょう」
俺は侍女達に指示した。
キャロライン達が到着したその夜に急遽歓迎会が開かれた。
本来歓迎会など予定にはなかったのだが、キャロラインの容姿の報告を俺から受けた陛下自ら歓迎会を開こうと言い出したのだ。
歓迎会の間中、俺の目はキャロラインに釘付けだった。他の雑魚など目にも写らなかった。
陛下もキャロラインを横に侍らせて、まな尻を下げていた。
そして、そんな皆の注目を浴びていたキャロラインが、その場で俺を呼んでくれたのだ。そして、是非ともその力を見せたて欲しいとお願いされた。
「エイブの人形使いとしての腕を是非とも見てみたいの」
「分かりました。明日ならば、訓練場でお見せしましょう」
キャロラインにせがまれて、俺は喜んで頷いていたのだ。
翌日、競技場には多くの見学者がやってきた。
キャロラインは陛下と一緒に現れた。
俺はやる気満々だった。
ここまで力が充実したのは久しぶりだった。
そして、キャロラインの見ている前で、
「変身」
俺はあっという間に回りの土を集めて、モバイルスーツをまとったのだ。
それは地上に現れた白い機動戦士だった。見た目も実際も最強の戦士だ。
俺はキャロラインの前で土剣を構えてやったのだ。この勇姿を見ればキャロラインも俺に惚れることは間違いないだろう。俺はニヤけた顔をしていた。
「セド!」
そんな俺の思惑を知ってか知らずか、キャロラインが、剣聖を呼んでいた。
何か耳元で話す。
「はああああ! 何で俺がそんなことをしなければいけないんだ」
「文句を言わずにやりなさいよ」
あろうことか冴えない剣聖はキャロラインに文句を言っている。
こいつはここで叩きのめす必要があるだろう。
キャロラインの言葉に逆らうとは良い根性をしているものだ。
剣聖と俺がどちらが強いか思い知らせてやる。
俺は一歩前に出た。
「エイブ。セドと模擬戦をやってみせてくれる」
キャロラインが俺に微笑みかけてくれたのだ。
「任せてくれ。剣聖様がなにか知らんがここで目にもの見せてくれるぜ」
俺は土剣を構えた。
「ふんっ、やれば良いんだろう」
剣聖は剣をいい加減に構えてくれた。
「行くぞ」
俺は強化魔術をかけて渾身の力で真上から剣聖に剣を叩きつけたのだ。
カキン!
しかし、剣聖はその渾身の俺の剣を受け止めてくれたのだ。
「ふんっ、少しはやるようだな」
俺は剣を構え直した。
もう一度振り下ろした。
ガキン
また剣聖が受ける。
俺は次々に剣を切り下ろしたが、剣聖はそれを尽く受けてくれたのだ。
「おのれ!」
俺は更に強化すると思いっきり剣に力を込めて渾身の一撃を剣聖に浴びせたのだ。
ガキン
バキ。
と言う音とともに剣聖の剣がポキリと折れた。
「それまで」
審判が俺の方に手をあげた。
「よっしゃーーーー」
俺は拳を振り上げた。
「さすが、エイブ、凄いわ」
変身を解いた俺にキャロラインが褒めてくれた。
俺は天にも登る気分だった。
「古代竜がやってきたら、エイブ、あなたのその人形で古代竜を抱き止めて」
「俺が古代竜を止めるのか」
「あなたなら出来るわ」
総キャロラインに褒められると俺でも出来るという気分になったのだ。
「そこをセド、あなたがトドメを指すのよ」
「へいへい」
いい加減にセドが応えていた。
「俺がトドメを指すのではなくてか」
「あなたの人形がちょうど古代竜を抱きとめるのに良いのよ。全てはエイブ、あなたの方にかかっているわ」
そうキャロラインに褒められたら、そうするしかないではないか。
俺達の作戦はこうして決められたのだ。
来るのは厄災女だ。
厄災女自体は絶対に不細工で筋肉もりもりの女に違いない。男のプロレスラー顔負けの容姿と体をしているはずだと俺は勝手に想像していた。
でも、現実は違った。
何と、飛行船からは見たこともない天女が降りてきたのだ。
嘘だって?
いやあれは本当の天女だった。
俺は今まで生きてきた中でも、前世も含めてこんな美女に出会ったことがなかった。
本当に天女もかくやと言えるほどの美女だったのだ。
どこが筋肉隆隆な女なんだよ!
俺はそう思っていた自分に怒っていた。
ボケーとした俺の前に天女様がタラップを降りてきた。
俺は思わずひれ伏しそうになったのだ。
「あなたが、人形使いのエイブラハム・バーンなの?」
何と天女様は俺の名前を知ってくれていたのだ。俺はその事に天にも登る気持ちだった。
「私はキャロラインよ。宜しくね」
ニコっとキャロラインが笑ってくれた。
俺に向けて笑顔で名乗ってくれたのだ。
もう俺はいちころだった。
その瞬間、世界の全てが薔薇色に見え出した。
この女だ。この女こそが俺の女神様だ。
俺は心の底からそう思ってしまった。
もう他の雑魚なんてどうでも良かった。
天女に比べれば剣聖など大したことはなかった。本当に目立たない男だった。
「ようこそお出で頂きました。国王陛下の下で人形使いをしております、エイブラハム・バーンです。エイブとお呼び頂ければ結構かと」
俺はそう言うと後ろを振り返った。
「早速お部屋に案内させましょう」
俺は侍女達に指示した。
キャロライン達が到着したその夜に急遽歓迎会が開かれた。
本来歓迎会など予定にはなかったのだが、キャロラインの容姿の報告を俺から受けた陛下自ら歓迎会を開こうと言い出したのだ。
歓迎会の間中、俺の目はキャロラインに釘付けだった。他の雑魚など目にも写らなかった。
陛下もキャロラインを横に侍らせて、まな尻を下げていた。
そして、そんな皆の注目を浴びていたキャロラインが、その場で俺を呼んでくれたのだ。そして、是非ともその力を見せたて欲しいとお願いされた。
「エイブの人形使いとしての腕を是非とも見てみたいの」
「分かりました。明日ならば、訓練場でお見せしましょう」
キャロラインにせがまれて、俺は喜んで頷いていたのだ。
翌日、競技場には多くの見学者がやってきた。
キャロラインは陛下と一緒に現れた。
俺はやる気満々だった。
ここまで力が充実したのは久しぶりだった。
そして、キャロラインの見ている前で、
「変身」
俺はあっという間に回りの土を集めて、モバイルスーツをまとったのだ。
それは地上に現れた白い機動戦士だった。見た目も実際も最強の戦士だ。
俺はキャロラインの前で土剣を構えてやったのだ。この勇姿を見ればキャロラインも俺に惚れることは間違いないだろう。俺はニヤけた顔をしていた。
「セド!」
そんな俺の思惑を知ってか知らずか、キャロラインが、剣聖を呼んでいた。
何か耳元で話す。
「はああああ! 何で俺がそんなことをしなければいけないんだ」
「文句を言わずにやりなさいよ」
あろうことか冴えない剣聖はキャロラインに文句を言っている。
こいつはここで叩きのめす必要があるだろう。
キャロラインの言葉に逆らうとは良い根性をしているものだ。
剣聖と俺がどちらが強いか思い知らせてやる。
俺は一歩前に出た。
「エイブ。セドと模擬戦をやってみせてくれる」
キャロラインが俺に微笑みかけてくれたのだ。
「任せてくれ。剣聖様がなにか知らんがここで目にもの見せてくれるぜ」
俺は土剣を構えた。
「ふんっ、やれば良いんだろう」
剣聖は剣をいい加減に構えてくれた。
「行くぞ」
俺は強化魔術をかけて渾身の力で真上から剣聖に剣を叩きつけたのだ。
カキン!
しかし、剣聖はその渾身の俺の剣を受け止めてくれたのだ。
「ふんっ、少しはやるようだな」
俺は剣を構え直した。
もう一度振り下ろした。
ガキン
また剣聖が受ける。
俺は次々に剣を切り下ろしたが、剣聖はそれを尽く受けてくれたのだ。
「おのれ!」
俺は更に強化すると思いっきり剣に力を込めて渾身の一撃を剣聖に浴びせたのだ。
ガキン
バキ。
と言う音とともに剣聖の剣がポキリと折れた。
「それまで」
審判が俺の方に手をあげた。
「よっしゃーーーー」
俺は拳を振り上げた。
「さすが、エイブ、凄いわ」
変身を解いた俺にキャロラインが褒めてくれた。
俺は天にも登る気分だった。
「古代竜がやってきたら、エイブ、あなたのその人形で古代竜を抱き止めて」
「俺が古代竜を止めるのか」
「あなたなら出来るわ」
総キャロラインに褒められると俺でも出来るという気分になったのだ。
「そこをセド、あなたがトドメを指すのよ」
「へいへい」
いい加減にセドが応えていた。
「俺がトドメを指すのではなくてか」
「あなたの人形がちょうど古代竜を抱きとめるのに良いのよ。全てはエイブ、あなたの方にかかっているわ」
そうキャロラインに褒められたら、そうするしかないではないか。
俺達の作戦はこうして決められたのだ。
10
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
俺と幼女とエクスカリバー
鏡紫郎
ファンタジー
憧れた世界で人をやめ、彼女と出会い、そして俺は初めてあたりまえの恋におちた。
見知らぬ少女を助け死んだ俺こと明石徹(アカシトオル)は、中二病をこじらせ意気揚々と異世界転生を果たしたものの、目覚めるとなんと一本の「剣」になっていた。
最初の持ち主に使いものにならないという理由であっさりと捨てられ、途方に暮れる俺の目の前に現れたのは……なんと幼女!?
しかもこの幼女俺を復讐のために使うとか言ってるし、でもでも意思疎通ができるのは彼女だけで……一体この先どうなっちゃうの!?
剣になった少年と無口な幼女の冒険譚、ここに開幕
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
最強執事の恩返し~大魔王を倒して100年ぶりに戻ってきたら世話になっていた侯爵家が没落していました。恩返しのため復興させます~
榊与一
ファンタジー
異世界転生した日本人、大和猛(やまとたける)。
彼は異世界エデンで、コーガス侯爵家によって拾われタケル・コーガスとして育てられる。
それまでの孤独な人生で何も持つ事の出来なかった彼にとって、コーガス家は生まれて初めて手に入れた家であり家族だった。
その家を守るために転生時のチート能力で魔王を退け。
そしてその裏にいる大魔王を倒すため、タケルは魔界に乗り込んだ。
――それから100年。
遂にタケルは大魔王を討伐する事に成功する。
そして彼はエデンへと帰還した。
「さあ、帰ろう」
だが余りに時間が立ちすぎていた為に、タケルの事を覚えている者はいない。
それでも彼は満足していた。
何故なら、コーガス家を守れたからだ。
そう思っていたのだが……
「コーガス家が没落!?そんな馬鹿な!?」
これは世界を救った勇者が、かつて自分を拾い温かく育ててくれた没落した侯爵家をチートな能力で再興させる物語である。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
【完結】暁の荒野
Lesewolf
ファンタジー
少女は、実姉のように慕うレイスに戦闘を習い、普通ではない集団で普通ではない生活を送っていた。
いつしか周囲は朱から白銀染まった。
西暦1950年、大戦後の混乱が続く世界。
スイスの旧都市シュタイン・アム・ラインで、フローリストの見習いとして忙しい日々を送っている赤毛の女性マリア。
謎が多くも頼りになる女性、ティニアに感謝しつつ、懸命に生きようとする人々と関わっていく。その様を穏やかだと感じれば感じるほど、かつての少女マリアは普通ではない自問自答を始めてしまうのだ。
Nolaノベル様、アルファポリス様にて投稿しております。執筆はNola(エディタツール)です。
Nolaノベル様、カクヨム様、アルファポリス様の順番で投稿しております。
キャラクターイラスト:はちれお様
=====
別で投稿している「暁の草原」と連動しています。
どちらから読んでいただいても、どちらかだけ読んでいただいても、問題ないように書く予定でおります。読むかどうかはお任せですので、おいて行かれているキャラクターの気持ちを知りたい方はどちらかだけ読んでもらえたらいいかなと思います。
面倒な方は「暁の荒野」からどうぞ!
※「暁の草原」、「暁の荒野」共に残酷描写がございます。ご注意ください。
=====
この物語はフィクションであり、実在の人物、国、団体等とは関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる