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第二部 学園波乱編 隣国から多くの留学生が来ました
私の騎士が誕生しました
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その日は始業式に、宿題の提出、そして実力テストだった。実力テストは一学期の復習テストだ。本当にこの学園は遊ぶ暇もない。夏休みの宿題も結構あったのだ。その上実力テストなんて・・・・。
でも、私は決闘の事に頭がいっていて、それどころでは無かったんだけど。
始業式の挨拶は本当に上の空だった。
学園長の長々としてた話も生徒会長のイェルド様の話も、色んな国の生徒が留学してくれて嬉しいとか仲良くしてほしいという内容だったような気がするんだけど。いきなり決闘するのはやはり良くないんじゃない?
「まあ、アンが気にすることではないわよ」
とエルダが気休めに言ってくれたけど、そんな訳ないでしょう! 何しろメルケルは私の代わりに戦ってくれるのだ。
「でも、売られた喧嘩を婚約者が他の者に取られるなんて変よね?」
「いや、俺が手袋を取ろうとしたんだ。でも、その前にメルケルに取られてしまって」
イングリッドの白い視線に、フィル様は必死に言い訳しているんだけど。絶対にこの国の王太子が隣国の王女様と決闘なんてしてはいけない。そんな時は私が受けて立たないと。
私がそう言うと、
「うーん、この国も隣国も女のほうが強いのか」
アルフとかは何か言ってくれるんだけど。
「何言っているのよ。こちらの代表は凛々しいメルケル君よ。可憐なアンのために戦ってくれるのよ。本当にうちの男子は情けないわ」
イングリッドが白い目で見下していた。
「メルケル様。頑張って下さいね」
「応援しています」
一躍、我がクラスの留学生のメルケルは時の人になっていた。
デザートが女の子から次々にメルケルの机の上に積み上げられているのだけれど。ちょっと残念だったけれど、私もメルケルの机の上にデザートを置いた。
「いや、こんなにたくさんは」
「良いのよ。どんどん食べて。絶対にあのいけ好かない王女を叩きのめしてね」
イングリッドが期待を込めて言っていた。
「本当にうちの男子はだらしないわ」
ドーソンが皆を見回して言うんだけど。
そんなこんなで、実力テストも終わって放課後、決闘の時が来た。
演習場で決闘だ。
決闘と言っても本当に決闘するわけではない。
剣は潰した模擬剣が使われるし、魔術も殺しそうになったら止めなければいけない。
最もこの隣国の王女は間違わなくてもメルケルを殺してしまいそうだが。まあ私は最悪、ヒールが使えるし、いざとなったらガーブリエル様に泣きこめばなんとかなるかと思っていた。
フィル様、エルダ、イングリッド、アルフそして私の5人がいれば王女と言えども止められるだろう。
審判はこちら側からフィル様、向こうはマックスが務めるみたいだ。
向こう側にはB組の面々が揃っていた。
聖女までいる。最悪けが人が出ればピンク頭に治してもらえばいいかと私は思ってしまった。
たすき掛けしたメルケルは凛々しかった。
「王女殿下。ぜひとも私をあなたの騎士にして下さい」
メルケルが私の前に跪いて言い出したのには驚いた。
「えっ、メルケルさん、私は今は平民のアンよ」
私は王女ではないと慌てて否定したんだけど。
「アン、何言っているのよ。メルケルはあなたのために今戦おうとしているのよ。あなたは正しくメルケルのお姫様じゃない」
イングリッドが言ってくれるんだけど。
「そうよ。アン。メルケルはあなたのために戦うんだから、騎士の誓いを受けないと」
エルダまで言うんだけど。
フィル様は複雑な表情をしているし、男連中は唖然としてみていだか、
「そうだ。アン、騎士の誓いをしてやらないと」
騎士団長を父に持つアルフが宣言してくれたんだけど。
そこまで言われたら私もやるしか無かった。
私はメルケルに模擬剣渡された。
私はそれをメルケルの肩に当てて宣言した。
「我アンネローゼは、汝、メルケル・シーデーンを我が騎士に任命する。いついかなる時も民の盾となり、その力を民のために使え」
「御意」
メルケルは頭を垂れて頷くと、剣を私から受け取った。
そう、ここに初めて私の騎士が生まれたのだ。
うーん、でも、私の騎士って言っても私は平民だし、彼を雇う金もない。本当に良かったんだうか?
最悪、私をもらってくれれば・・・・フィル様は王族だし、平民の私が嫁ぐなんて無理だし・・・・。
そう思った時だ。
審判をしているフィル様からとても怖い視線を感じたんだけど・・・・。その顔が後で覚えておけと言っているような気がして、私に悪寒が走った。
メルケルに報いるにはそうするしか無いのではないかと思うんだど、それをフィル様の前で言葉に出してはいけないと私の心の中で警報が鳴り響いていた。
でも、私は決闘の事に頭がいっていて、それどころでは無かったんだけど。
始業式の挨拶は本当に上の空だった。
学園長の長々としてた話も生徒会長のイェルド様の話も、色んな国の生徒が留学してくれて嬉しいとか仲良くしてほしいという内容だったような気がするんだけど。いきなり決闘するのはやはり良くないんじゃない?
「まあ、アンが気にすることではないわよ」
とエルダが気休めに言ってくれたけど、そんな訳ないでしょう! 何しろメルケルは私の代わりに戦ってくれるのだ。
「でも、売られた喧嘩を婚約者が他の者に取られるなんて変よね?」
「いや、俺が手袋を取ろうとしたんだ。でも、その前にメルケルに取られてしまって」
イングリッドの白い視線に、フィル様は必死に言い訳しているんだけど。絶対にこの国の王太子が隣国の王女様と決闘なんてしてはいけない。そんな時は私が受けて立たないと。
私がそう言うと、
「うーん、この国も隣国も女のほうが強いのか」
アルフとかは何か言ってくれるんだけど。
「何言っているのよ。こちらの代表は凛々しいメルケル君よ。可憐なアンのために戦ってくれるのよ。本当にうちの男子は情けないわ」
イングリッドが白い目で見下していた。
「メルケル様。頑張って下さいね」
「応援しています」
一躍、我がクラスの留学生のメルケルは時の人になっていた。
デザートが女の子から次々にメルケルの机の上に積み上げられているのだけれど。ちょっと残念だったけれど、私もメルケルの机の上にデザートを置いた。
「いや、こんなにたくさんは」
「良いのよ。どんどん食べて。絶対にあのいけ好かない王女を叩きのめしてね」
イングリッドが期待を込めて言っていた。
「本当にうちの男子はだらしないわ」
ドーソンが皆を見回して言うんだけど。
そんなこんなで、実力テストも終わって放課後、決闘の時が来た。
演習場で決闘だ。
決闘と言っても本当に決闘するわけではない。
剣は潰した模擬剣が使われるし、魔術も殺しそうになったら止めなければいけない。
最もこの隣国の王女は間違わなくてもメルケルを殺してしまいそうだが。まあ私は最悪、ヒールが使えるし、いざとなったらガーブリエル様に泣きこめばなんとかなるかと思っていた。
フィル様、エルダ、イングリッド、アルフそして私の5人がいれば王女と言えども止められるだろう。
審判はこちら側からフィル様、向こうはマックスが務めるみたいだ。
向こう側にはB組の面々が揃っていた。
聖女までいる。最悪けが人が出ればピンク頭に治してもらえばいいかと私は思ってしまった。
たすき掛けしたメルケルは凛々しかった。
「王女殿下。ぜひとも私をあなたの騎士にして下さい」
メルケルが私の前に跪いて言い出したのには驚いた。
「えっ、メルケルさん、私は今は平民のアンよ」
私は王女ではないと慌てて否定したんだけど。
「アン、何言っているのよ。メルケルはあなたのために今戦おうとしているのよ。あなたは正しくメルケルのお姫様じゃない」
イングリッドが言ってくれるんだけど。
「そうよ。アン。メルケルはあなたのために戦うんだから、騎士の誓いを受けないと」
エルダまで言うんだけど。
フィル様は複雑な表情をしているし、男連中は唖然としてみていだか、
「そうだ。アン、騎士の誓いをしてやらないと」
騎士団長を父に持つアルフが宣言してくれたんだけど。
そこまで言われたら私もやるしか無かった。
私はメルケルに模擬剣渡された。
私はそれをメルケルの肩に当てて宣言した。
「我アンネローゼは、汝、メルケル・シーデーンを我が騎士に任命する。いついかなる時も民の盾となり、その力を民のために使え」
「御意」
メルケルは頭を垂れて頷くと、剣を私から受け取った。
そう、ここに初めて私の騎士が生まれたのだ。
うーん、でも、私の騎士って言っても私は平民だし、彼を雇う金もない。本当に良かったんだうか?
最悪、私をもらってくれれば・・・・フィル様は王族だし、平民の私が嫁ぐなんて無理だし・・・・。
そう思った時だ。
審判をしているフィル様からとても怖い視線を感じたんだけど・・・・。その顔が後で覚えておけと言っているような気がして、私に悪寒が走った。
メルケルに報いるにはそうするしか無いのではないかと思うんだど、それをフィル様の前で言葉に出してはいけないと私の心の中で警報が鳴り響いていた。
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