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第二部 学園波乱編 隣国から多くの留学生が来ました
隣国王女視点2 転入を拒否されましだが、外務卿に文句を言って認めさせました
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私は隣国のオースティンについて、特にアンネローゼについてわかることを調べた。
判った事は、なんと、アンネローゼは平民のアン・シャーリーとして学園に通っているらしいのだ。どこかの貴族に匿われていたのでは無かった事に驚いた。
しかし、入学当初から公爵令嬢のエルダと侯爵令嬢のイングリッドを配下に従えて、学園を闊歩しているらしい。そして、平民にもかかわらず、王太子をも虜にしているそうだ。
王太子に全く相手にされなかった聖女が泣いていたそうだ。話によると聖女は王太子に気に入られそうになったのに、アンネローゼの卑怯な手段によって阻止されたらしい。さすが、女の魅力で我が父を誑かそうとしたアンネの娘だ。
「アンは貧乳だけど、女の武器で王太子殿下を虜にしたのよ」
影の報告によると聖女は嬉々として影に語ったそうだ。
なんと汚らわしい、存在なのか。元スカンディーナの王女にも関わらず、女の武器で王太子を篭絡したらしい。
「何でも、男女の関係に既になっているとか」
影から聞いたロヴィーサが真っ赤になって報告してくれた。
さすが、淫婦アンネの娘だ。何しろアンネは国王だけでなくて、その体を使って我が父にも手を伸ばそうとしたそうだから。
母が言うには、哀れに思った我が父がアンネの最後の頼みでその娘のアンネローゼを殺さずに、侍女と一緒にこのオースティンの地に転移させてやったらしい。
その父の温情を裏切り、王太子を篭絡し、そのオースティン王国の力を利用してスカンディーナに盾つこうとしているとは許せなかった。
更には、アンネローゼは反体制派の者たちを留学生として、オースティンの地に呼びつけて着々と勢力を伸ばしているらしい。それを阻止しようとした我が父は、その師、ガーブリエルの出現にやむを得ず、手を出さずに引き返したのだとか。アンネローゼはあろうことか、わが父の師まで誑かしているらしい。
「ふんっ、でも、アンネローゼが我が物顔で振る舞えるのも私が行くまでよ」
あの程度の美貌で私に勝とうとするなんて笑止だった。
何しろ私は傾国の美女と言われ、国一番の美貌を誇っている我が母の血を引いているのだ。後数年で国一番の美貌になるのは確実だと周りには見られていた。
「あの貧乏くさい平民の多いオースティンの王立学園などは、あっという間に私の美貌で大半の男を虜に出来るわ」
私がそう豪語すると、なんか、ロヴィーサの顔が少しひきつっているように見えたのは何故だろう?
私はすぐに留学にあたっての編入試験を受けたのだが、問題がめちゃくちゃ難しいかった。
どういう事だ?
このスカンディーナの王立学園では私の成績はトップだったのに全然解けない。
これは嫌がらせとしか考えられなかった。私を転入させないために、学者クラスの難問をテスト問題として出してきたのだ。
何だ? この加速度はいくらかという問題は?
加速度ってなんだ?
まあ、答えは
「舐めるな! こんな問題を出すなど国際問題だ」
これだけ書いておけば合格間違いなしだろう!
所詮学園の入試だ。国王である父から推薦してもらえば当然通るだろう。
私は、そう思っていたのに、結果は不合格だった。
私よりも頭の悪いロヴィーサが通ったのにだ!
これはアンネローゼが手を回したに違いなかった。あの売女、学園の先生陣にまで媚を売っているのか、私は呆れ果てた。
「外務卿。この結果はどういうことですか! 私を入れたくないというのが王国のご意思ですか? オースティン王国は我が国の反逆者の娘を、王女である私よりも優遇すると言われるのですか?」
丁度来訪していたオースティン王国の外務卿に私は抗議した。
「いや、王女殿下。そのようなことは無いはずです」
「しかし、外務卿、私はこの国の学園では成績はトップなのです。私よりも成績の悪い者が入学を認められて、より優秀な私が認められないという事はそういうことではないのですか?」
私が外務卿に詰め寄ると
「判りました。直ちに国に立ち返って協議してみます。殿下の成績を証明できるものを何か頂いても」
「こちらですわ」
私は一学期の成績表を外務卿に渡した。
「えっ」
外務卿の目が点になっていたのだけれど、何故だ?
私の魔術関連の成績はぶっちぎりのトップだ。私が入学してから、評価科目が魔術科目だけ増えたそうだが、5つある魔術関連の教科は全て5だ。歴史とか算数は少し苦手だったが。ダンスは5だ。
評定平均は4はある。これで問題はないだろう。
何故か引きつった顔で外務卿は帰って行ったが、その後すぐ入学の許可が降りた。
当然のことだ。私はすぐにオースティンに向かったのだ。
判った事は、なんと、アンネローゼは平民のアン・シャーリーとして学園に通っているらしいのだ。どこかの貴族に匿われていたのでは無かった事に驚いた。
しかし、入学当初から公爵令嬢のエルダと侯爵令嬢のイングリッドを配下に従えて、学園を闊歩しているらしい。そして、平民にもかかわらず、王太子をも虜にしているそうだ。
王太子に全く相手にされなかった聖女が泣いていたそうだ。話によると聖女は王太子に気に入られそうになったのに、アンネローゼの卑怯な手段によって阻止されたらしい。さすが、女の魅力で我が父を誑かそうとしたアンネの娘だ。
「アンは貧乳だけど、女の武器で王太子殿下を虜にしたのよ」
影の報告によると聖女は嬉々として影に語ったそうだ。
なんと汚らわしい、存在なのか。元スカンディーナの王女にも関わらず、女の武器で王太子を篭絡したらしい。
「何でも、男女の関係に既になっているとか」
影から聞いたロヴィーサが真っ赤になって報告してくれた。
さすが、淫婦アンネの娘だ。何しろアンネは国王だけでなくて、その体を使って我が父にも手を伸ばそうとしたそうだから。
母が言うには、哀れに思った我が父がアンネの最後の頼みでその娘のアンネローゼを殺さずに、侍女と一緒にこのオースティンの地に転移させてやったらしい。
その父の温情を裏切り、王太子を篭絡し、そのオースティン王国の力を利用してスカンディーナに盾つこうとしているとは許せなかった。
更には、アンネローゼは反体制派の者たちを留学生として、オースティンの地に呼びつけて着々と勢力を伸ばしているらしい。それを阻止しようとした我が父は、その師、ガーブリエルの出現にやむを得ず、手を出さずに引き返したのだとか。アンネローゼはあろうことか、わが父の師まで誑かしているらしい。
「ふんっ、でも、アンネローゼが我が物顔で振る舞えるのも私が行くまでよ」
あの程度の美貌で私に勝とうとするなんて笑止だった。
何しろ私は傾国の美女と言われ、国一番の美貌を誇っている我が母の血を引いているのだ。後数年で国一番の美貌になるのは確実だと周りには見られていた。
「あの貧乏くさい平民の多いオースティンの王立学園などは、あっという間に私の美貌で大半の男を虜に出来るわ」
私がそう豪語すると、なんか、ロヴィーサの顔が少しひきつっているように見えたのは何故だろう?
私はすぐに留学にあたっての編入試験を受けたのだが、問題がめちゃくちゃ難しいかった。
どういう事だ?
このスカンディーナの王立学園では私の成績はトップだったのに全然解けない。
これは嫌がらせとしか考えられなかった。私を転入させないために、学者クラスの難問をテスト問題として出してきたのだ。
何だ? この加速度はいくらかという問題は?
加速度ってなんだ?
まあ、答えは
「舐めるな! こんな問題を出すなど国際問題だ」
これだけ書いておけば合格間違いなしだろう!
所詮学園の入試だ。国王である父から推薦してもらえば当然通るだろう。
私は、そう思っていたのに、結果は不合格だった。
私よりも頭の悪いロヴィーサが通ったのにだ!
これはアンネローゼが手を回したに違いなかった。あの売女、学園の先生陣にまで媚を売っているのか、私は呆れ果てた。
「外務卿。この結果はどういうことですか! 私を入れたくないというのが王国のご意思ですか? オースティン王国は我が国の反逆者の娘を、王女である私よりも優遇すると言われるのですか?」
丁度来訪していたオースティン王国の外務卿に私は抗議した。
「いや、王女殿下。そのようなことは無いはずです」
「しかし、外務卿、私はこの国の学園では成績はトップなのです。私よりも成績の悪い者が入学を認められて、より優秀な私が認められないという事はそういうことではないのですか?」
私が外務卿に詰め寄ると
「判りました。直ちに国に立ち返って協議してみます。殿下の成績を証明できるものを何か頂いても」
「こちらですわ」
私は一学期の成績表を外務卿に渡した。
「えっ」
外務卿の目が点になっていたのだけれど、何故だ?
私の魔術関連の成績はぶっちぎりのトップだ。私が入学してから、評価科目が魔術科目だけ増えたそうだが、5つある魔術関連の教科は全て5だ。歴史とか算数は少し苦手だったが。ダンスは5だ。
評定平均は4はある。これで問題はないだろう。
何故か引きつった顔で外務卿は帰って行ったが、その後すぐ入学の許可が降りた。
当然のことだ。私はすぐにオースティンに向かったのだ。
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