72 / 174
第一部 学園始動編 モブでなく悪役令嬢だと判りました
侍女視点2 王妃が乱入してきましたが、それがどうした! 約束を盾に詰りまくりました
しおりを挟む
私はアンが客室を飛び出すのを、ただ見ているしか出来なかった。
本当はアンをこの手にもう一度抱きしめたかった。
母さんの為によくスカンディーナの奴らをやっつけてくれたねと抱きしめてやりたかった。
でも、アンは私の娘でなくて、スカンディーナの王族アンネローゼ様なのだ。
もう、アンは平民アンではなくなったのだ。
私は心を鬼にして、アンを見放したのだ。
心で泣きながら・・・・
私の目からは心せずに次々と涙が溢れてきた。泣くつもりなんて無いのに・・・・
涙が止まること無く次々と流れてきた。
「アン! ごめん、抱きしめられなくてごめんなさい」
私は顔を覆って泣くしか無かった。
どれくらい経っただろうか。
「王妃様。困ります」
外で声がした。
王妃様? ローズマリーか。
私は苦いものを感じた。
絶対に会いたくない相手だった。
折角生まれた愛子アンネローゼ様を国外にはあまり出したくないと、アンネ様もオスヴァルド様も思っていらっしゃったのだ。
そのアンネ様に強請られたのがローズマリー様だった。ご自身が伯爵家の出身だからか、国内の貴族からあまり良く思われていないローズマリー様は生まれたばかりのお子様の地位を固めるために、いや違う、ご自身の地位を固めるために、我がスカンディーナ王国の王女アンネローゼ様との婚約を欲っせられたお方だ。
なのに、アンネ様が殺されると同時にアンネローゼ様を見捨てられたお方だ。
私は平静を保てる自信がなかったのだ。
そこへ扉を開けて女官長と思しき女性を頭に、ローズマリー様が入ってこられた。
私はその姿を見て、いきなり怒鳴りそうになった。それを抑えるために必死に下を向いた。
取り敢えず頭を下げたのだ。心のなかは煮えくり返っていた。
「あなたがアンの育ての親なのですか?」
「いいえ、違います」
王妃の言葉に私ははっきりと否定した。
「私はアンネローゼ王女殿下の専属侍女、グレタ・シャーリーでございます」
私はアンネローゼ様が王女だとはっきりと王妃の前で言い放ったのだ。その態度を改めよと。
「な、何をいきなり言い出すのです」
王妃は慌てたみたいだ。
でも、私はアンネ様の代理でここにいるのだ。天国でアンネ様は私を見守ってくれているはずだった。
「ローズマリー様にお会いするのは学園以来ですね。ローズマリー様とのことはようく、アンネ様からお伺いしております。グスタフ様とのことも含めて」
私は何か言おうとした王妃を牽制した。すべて知ってるのだぞと王妃を脅したのだ。
「あなた、侍女の分際で妃殿下に名前呼ばわりするとは失礼ですよ」
女官長が言った。
「これは申し訳ありません。アンネローゼ様のことをアンと呼び捨てにされたので、私もつい学園に通っていた気分になってしまいました」
私は更に牽制した。
「アンネローゼ様と言われるが、今は平民のアンとして通っているのではないのですか」
女官長が言うが
「アンネローゼ様の名前は元々アンネ様とローズマリー様のお名前から頂いております。その御方の前で、他の名前で呼ぶのは失礼に当たるかと」
「・・・・」
これには女官長も何も言えなくなった。そうだ、アンネローゼ様の名前をつけるにあたって、ローズマリー様からたっての希望があったのだ。
「私はアンネローゼ様の名前の由来を、アンネ様からはっきり伺っております。
『グレタ、この子の名前だけれど、ローズマリーが何としても自分の名前をもらって欲しいと言ってきたの。たとえ、私が死んでも絶対にこの子の事はローズマリーが守ってくれるそうよ。だからアンネローゼという名前にして欲しいって』」
「何を言っているのです。ぜひとも名前を欲しいってアンネが言うから」
「殿下。そう言う嘘はやめてください。その言葉、天国のアンネ様が聞いていらっしゃるのですよ」
私ははっきり言った。
元々王妃には会うつもりもなかった。こんな事を言うつもりはなかったのだ。
アンネ様は殺されたのだし、王女としての価値の無くなったアンネローゼ様を見捨てるのも、一国の王妃ならば当然だろうと。
しかし、アンに対する態度を男爵に調べてもらうとアンは王妃に虐められているのではないかと。話が違うと私は思ったのだ。命に変えても守るから息子と婚約させて欲しいと言ってきたのはローズマリーの方だと、手紙を見せられてはっきりと私は知っているのだ。追い出そうと虐めるのはあまりにも露骨ではないかと。そこまでやるのならば一度言ってやらねばと思っていたのだ。
「な、何を言うのです。平民の分際で妃殿下に意見するのですか」
女官長が地位を笠に着て言うが、それがどうしたのだ。
「申し訳ありませんが、私もアンネ王妃殿下の代理でここにいるのです。嘘を付くわけには参りません」
「何言うの。アンネはもう王妃ではないわ。今スカンディーナの施政者はブルーノ様です」
「そうです。アンネ様達はその反逆者ブルーノらに殺されたのです」
「な、何を言うのです」
「事実です。妃殿下は親友のアンネ様よりも、簒奪したブルーノの肩を持たれるのですね。アンネ様は天国で友の裏切りに泣いていらっしゃるでしょう」
私ははっきりと言ってやったのだ。これだけは会ったら絶対に言ってやろうと思っていたのだ。それをノコノコ私の前にやってくるなんて、余程の馬鹿なのか。
「国のためには仕方がないでしょう。この国を争いに巻き込まれないためには仕方のないことよ」
王妃は苦しそうに言った。しかし、私はその王妃の言葉に完全にキレた。
「何言っているのよ。あなた、アンネ様に手紙ではっきり書いたわよね。どんな事があってもあなたの子供は絶対に守るって。
どんな事があってもよ。
たとえどんな事があっても守ると」
私は何回も繰り返してやった。王妃はそれをただ聞くしか無かった。
「国のためにはという以前に、あなたには個人としてやることがあるのではなくて。
また、あなたは手紙にこうも書いていたわ。『アンネがもし、この世にいなくなっても、神に誓って、自分の子供として大切に育てるから、だから自分の名前をもらってほしい。自分の子供と婚約してほしい』そう手紙には書いていたじゃない!
それは全て嘘だったわけ! よくそんな嘘がつけたわね。アンネローゼ様の名付け親のくせに、何一つ助けようとしないばかりか、アンネローゼ様を追い出そうと画策しているじゃない。
天国でアンネ様は泣いていらっしゃるわ!
あなたの行いにね!
王妃が嘘をついていいと思っているの!」
私は王妃殿下に対して不敬も礼儀作法も何も関係なしに大声で啖呵をきっていたのだ。
もう不敬罪で殺すなら殺せばいいわ。
私は覚悟が出来ていた。アンはこれからアンネローゼとして、貴族社会で生きて行くのだ。その為には私がどうなっても、言うべきことは言わなければならない。アンがアンで無くなって、私もヤケになっていたのかもしれなかった。
本当はアンをこの手にもう一度抱きしめたかった。
母さんの為によくスカンディーナの奴らをやっつけてくれたねと抱きしめてやりたかった。
でも、アンは私の娘でなくて、スカンディーナの王族アンネローゼ様なのだ。
もう、アンは平民アンではなくなったのだ。
私は心を鬼にして、アンを見放したのだ。
心で泣きながら・・・・
私の目からは心せずに次々と涙が溢れてきた。泣くつもりなんて無いのに・・・・
涙が止まること無く次々と流れてきた。
「アン! ごめん、抱きしめられなくてごめんなさい」
私は顔を覆って泣くしか無かった。
どれくらい経っただろうか。
「王妃様。困ります」
外で声がした。
王妃様? ローズマリーか。
私は苦いものを感じた。
絶対に会いたくない相手だった。
折角生まれた愛子アンネローゼ様を国外にはあまり出したくないと、アンネ様もオスヴァルド様も思っていらっしゃったのだ。
そのアンネ様に強請られたのがローズマリー様だった。ご自身が伯爵家の出身だからか、国内の貴族からあまり良く思われていないローズマリー様は生まれたばかりのお子様の地位を固めるために、いや違う、ご自身の地位を固めるために、我がスカンディーナ王国の王女アンネローゼ様との婚約を欲っせられたお方だ。
なのに、アンネ様が殺されると同時にアンネローゼ様を見捨てられたお方だ。
私は平静を保てる自信がなかったのだ。
そこへ扉を開けて女官長と思しき女性を頭に、ローズマリー様が入ってこられた。
私はその姿を見て、いきなり怒鳴りそうになった。それを抑えるために必死に下を向いた。
取り敢えず頭を下げたのだ。心のなかは煮えくり返っていた。
「あなたがアンの育ての親なのですか?」
「いいえ、違います」
王妃の言葉に私ははっきりと否定した。
「私はアンネローゼ王女殿下の専属侍女、グレタ・シャーリーでございます」
私はアンネローゼ様が王女だとはっきりと王妃の前で言い放ったのだ。その態度を改めよと。
「な、何をいきなり言い出すのです」
王妃は慌てたみたいだ。
でも、私はアンネ様の代理でここにいるのだ。天国でアンネ様は私を見守ってくれているはずだった。
「ローズマリー様にお会いするのは学園以来ですね。ローズマリー様とのことはようく、アンネ様からお伺いしております。グスタフ様とのことも含めて」
私は何か言おうとした王妃を牽制した。すべて知ってるのだぞと王妃を脅したのだ。
「あなた、侍女の分際で妃殿下に名前呼ばわりするとは失礼ですよ」
女官長が言った。
「これは申し訳ありません。アンネローゼ様のことをアンと呼び捨てにされたので、私もつい学園に通っていた気分になってしまいました」
私は更に牽制した。
「アンネローゼ様と言われるが、今は平民のアンとして通っているのではないのですか」
女官長が言うが
「アンネローゼ様の名前は元々アンネ様とローズマリー様のお名前から頂いております。その御方の前で、他の名前で呼ぶのは失礼に当たるかと」
「・・・・」
これには女官長も何も言えなくなった。そうだ、アンネローゼ様の名前をつけるにあたって、ローズマリー様からたっての希望があったのだ。
「私はアンネローゼ様の名前の由来を、アンネ様からはっきり伺っております。
『グレタ、この子の名前だけれど、ローズマリーが何としても自分の名前をもらって欲しいと言ってきたの。たとえ、私が死んでも絶対にこの子の事はローズマリーが守ってくれるそうよ。だからアンネローゼという名前にして欲しいって』」
「何を言っているのです。ぜひとも名前を欲しいってアンネが言うから」
「殿下。そう言う嘘はやめてください。その言葉、天国のアンネ様が聞いていらっしゃるのですよ」
私ははっきり言った。
元々王妃には会うつもりもなかった。こんな事を言うつもりはなかったのだ。
アンネ様は殺されたのだし、王女としての価値の無くなったアンネローゼ様を見捨てるのも、一国の王妃ならば当然だろうと。
しかし、アンに対する態度を男爵に調べてもらうとアンは王妃に虐められているのではないかと。話が違うと私は思ったのだ。命に変えても守るから息子と婚約させて欲しいと言ってきたのはローズマリーの方だと、手紙を見せられてはっきりと私は知っているのだ。追い出そうと虐めるのはあまりにも露骨ではないかと。そこまでやるのならば一度言ってやらねばと思っていたのだ。
「な、何を言うのです。平民の分際で妃殿下に意見するのですか」
女官長が地位を笠に着て言うが、それがどうしたのだ。
「申し訳ありませんが、私もアンネ王妃殿下の代理でここにいるのです。嘘を付くわけには参りません」
「何言うの。アンネはもう王妃ではないわ。今スカンディーナの施政者はブルーノ様です」
「そうです。アンネ様達はその反逆者ブルーノらに殺されたのです」
「な、何を言うのです」
「事実です。妃殿下は親友のアンネ様よりも、簒奪したブルーノの肩を持たれるのですね。アンネ様は天国で友の裏切りに泣いていらっしゃるでしょう」
私ははっきりと言ってやったのだ。これだけは会ったら絶対に言ってやろうと思っていたのだ。それをノコノコ私の前にやってくるなんて、余程の馬鹿なのか。
「国のためには仕方がないでしょう。この国を争いに巻き込まれないためには仕方のないことよ」
王妃は苦しそうに言った。しかし、私はその王妃の言葉に完全にキレた。
「何言っているのよ。あなた、アンネ様に手紙ではっきり書いたわよね。どんな事があってもあなたの子供は絶対に守るって。
どんな事があってもよ。
たとえどんな事があっても守ると」
私は何回も繰り返してやった。王妃はそれをただ聞くしか無かった。
「国のためにはという以前に、あなたには個人としてやることがあるのではなくて。
また、あなたは手紙にこうも書いていたわ。『アンネがもし、この世にいなくなっても、神に誓って、自分の子供として大切に育てるから、だから自分の名前をもらってほしい。自分の子供と婚約してほしい』そう手紙には書いていたじゃない!
それは全て嘘だったわけ! よくそんな嘘がつけたわね。アンネローゼ様の名付け親のくせに、何一つ助けようとしないばかりか、アンネローゼ様を追い出そうと画策しているじゃない。
天国でアンネ様は泣いていらっしゃるわ!
あなたの行いにね!
王妃が嘘をついていいと思っているの!」
私は王妃殿下に対して不敬も礼儀作法も何も関係なしに大声で啖呵をきっていたのだ。
もう不敬罪で殺すなら殺せばいいわ。
私は覚悟が出来ていた。アンはこれからアンネローゼとして、貴族社会で生きて行くのだ。その為には私がどうなっても、言うべきことは言わなければならない。アンがアンで無くなって、私もヤケになっていたのかもしれなかった。
30
お気に入りに追加
1,633
あなたにおすすめの小説
前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!
鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……!
前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。
正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。
そして、気づけば違う世界に転生!
けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ!
私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……?
前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー!
※第15回恋愛大賞にエントリーしてます!
開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです!
よろしくお願いします!!
【完結】気づいたら異世界に転生。読んでいた小説の脇役令嬢に。原作通りの人生は歩まないと決めたら隣国の王子様に愛されました
hikari
恋愛
気がついたら自分は異世界に転生していた事に気づく。
そこは以前読んだことのある異世界小説の中だった……。転生をしたのは『山紫水明の中庭』の脇役令嬢のアレクサンドラ。アレクサンドラはしつこくつきまとってくる迷惑平民男、チャールズに根負けして結婚してしまう。
「そんな人生は嫌だ!」という事で、宿命を変えてしまう。アレクサンドラには物語上でも片思いしていた相手がいた。
王太子の浮気で婚約破棄。ここまでは原作通り。
ところが、アレクサンドラは本来の物語に無い登場人物から言い寄られる。しかも、その人物の正体は実は隣国の王子だった……。
チャールズと仕向けようとした、王太子を奪ったディアドラとヒロインとヒロインの恋人の3人が最後に仲違い。
きわめつけは王太子がギャンブルをやっている事が発覚し王太子は国外追放にあう。
※ざまぁの回には★印があります。
【完結】転生したら少女漫画の悪役令嬢でした〜アホ王子との婚約フラグを壊したら義理の兄に溺愛されました〜
まほりろ
恋愛
ムーンライトノベルズで日間総合1位、週間総合2位になった作品です。
【完結】「ディアーナ・フォークト! 貴様との婚約を破棄する!!」見目麗しい第二王子にそう言い渡されたとき、ディアーナは騎士団長の子息に取り押さえられ膝をついていた。王子の側近により読み上げられるディアーナの罪状。第二王子の腕の中で幸せそうに微笑むヒロインのユリア。悪役令嬢のディアーナはユリアに斬りかかり、義理の兄で第二王子の近衛隊のフリードに斬り殺される。
三日月杏奈は漫画好きの普通の女の子、バナナの皮で滑って転んで死んだ。享年二十歳。
目を覚ました杏奈は少女漫画「クリンゲル学園の天使」悪役令嬢ディアーナ・フォークト転生していた。破滅フラグを壊す為に義理の兄と仲良くしようとしたら溺愛されました。
私の事を大切にしてくれるお義兄様と仲良く暮らします。王子殿下私のことは放っておいてください。
ムーンライトノベルズにも投稿しています。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
転生したらただの女子生徒Aでしたが、何故か攻略対象の王子様から溺愛されています
平山和人
恋愛
平凡なOLの私はある日、事故にあって死んでしまいました。目が覚めるとそこは知らない天井、どうやら私は転生したみたいです。
生前そういう小説を読みまくっていたので、悪役令嬢に転生したと思いましたが、実際はストーリーに関わらないただの女子生徒Aでした。
絶望した私は地味に生きることを決意しましたが、なぜか攻略対象の王子様や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛される羽目に。
しかも、私が聖女であることも判明し、国を揺るがす一大事に。果たして、私はモブらしく地味に生きていけるのでしょうか!?
【完結】バッドエンドの落ちこぼれ令嬢、巻き戻りの人生は好きにさせて貰います!
白雨 音
恋愛
伯爵令嬢エレノアは、容姿端麗で優秀な兄姉とは違い、容姿は平凡、
ピアノや刺繍も苦手で、得意な事といえば庭仕事だけ。
家族や周囲からは「出来損ない」と言われてきた。
十九歳を迎えたエレノアは、侯爵家の跡取り子息ネイサンと婚約した。
次期侯爵夫人という事で、厳しい教育を受ける事になったが、
両親の為、ネイサンの為にと、エレノアは自分を殺し耐えてきた。
だが、結婚式の日、ネイサンの浮気を目撃してしまう。
愚行を侯爵に知られたくないネイサンにより、エレノアは階段から突き落とされた___
『死んだ』と思ったエレノアだったが、目を覚ますと、十九歳の誕生日に戻っていた。
与えられたチャンス、次こそは自分らしく生きる!と誓うエレノアに、曾祖母の遺言が届く。
遺言に従い、オースグリーン館を相続したエレノアを、隣人は神・精霊と思っているらしく…??
異世界恋愛☆ ※元さやではありません。《完結しました》
【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
不機嫌な悪役令嬢〜王子は最強の悪役令嬢を溺愛する?〜
晴行
恋愛
乙女ゲームの貴族令嬢リリアーナに転生したわたしは、大きな屋敷の小さな部屋の中で窓のそばに腰掛けてため息ばかり。
見目麗しく深窓の令嬢なんて噂されるほどには容姿が優れているらしいけど、わたしは知っている。
これは主人公であるアリシアの物語。
わたしはその当て馬にされるだけの、悪役令嬢リリアーナでしかない。
窓の外を眺めて、次の転生は鳥になりたいと真剣に考えているの。
「つまらないわ」
わたしはいつも不機嫌。
どんなに努力しても運命が変えられないのなら、わたしがこの世界に転生した意味がない。
あーあ、もうやめた。
なにか他のことをしよう。お料理とか、お裁縫とか、魔法がある世界だからそれを勉強してもいいわ。
このお屋敷にはなんでも揃っていますし、わたしには才能がありますもの。
仕方がないので、ゲームのストーリーが始まるまで悪役令嬢らしく不機嫌に日々を過ごしましょう。
__それもカイル王子に裏切られて婚約を破棄され、大きな屋敷も貴族の称号もすべてを失い終わりなのだけど。
頑張ったことが全部無駄になるなんて、ほんとうにつまらないわ。
の、はずだったのだけれど。
アリシアが現れても、王子は彼女に興味がない様子。
ストーリーがなかなか始まらない。
これじゃ二人の仲を引き裂く悪役令嬢になれないわ。
カイル王子、間違ってます。わたしはアリシアではないですよ。いつもツンとしている?
それは当たり前です。貴方こそなぜわたしの家にやってくるのですか?
わたしの料理が食べたい? そんなのアリシアに作らせればいいでしょう?
毎日つくれ? ふざけるな。
……カイル王子、そろそろ帰ってくれません?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる