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テストの成績が勝手に最下位にされていたので友人が文句を言おうとしましたが、横から王子が出てきて邪魔してくれました
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その日の昼休み、最後の定期テストの順位が発表されるとの事で、私達は中庭に見に行った。
昼過ぎに順位表が、中庭の掲示板に一斉に張り出された。
私は今回のテストには自信があった。珍しく、ケアレスミスがほとんどなかったのだ。
私の名前はどこにあるんだろう?
私は上から見ていった。
トップはエイベルだった。二位はアラベラだ。私は……
ない、全然ないのだ。
「リディ、あった?」
ベティが聞いてきた。
「ううん」
私は首を振った。
「変ね。リディは今回のテストは出来たのに……」
「あ、あった」
私は唖然とした。一番下に私の名前が書かれていたのだ。
「えっ、嘘よ、リディ、あなたが最下位なんてあり得ないわよ」
ベティが言ってくれた。
「そうだ。こんなことはないぞ。絶対につけ間違いだって!」
アーチも驚いて、掲示板を見てくれた。
私も信じられなかった。今回のテストは私も必死に勉強したのだ。なのに最下位なんて、普通はあり得なかった。
まあ、でも考えたら私はいつも最下位だった。
何でなんだろう? と思わないわけでもなかったが、さすがシュタイン王国の人間は出来るから仕方がないのかなと、思っていたのだ。
「まあ、テストの点数が取れなかったからって、今度は先生のミスだと言われますの?」
「信じられませんわ」
「さすがに他国の王女様が言われることは違いますわね」
アラベラとその取り巻き達が私を馬鹿にしたように見下してくれた。
「何を言っているの? リディはほとんどのテストで満点だったのよ。なのにこの順位はおかしいわよ」
「そうだ。リディは絶対にトップ10の成績のはずだ。最下位にいるなんておかしいだろう!」
「そうだ。さすがにこの成績はおかしいと思うぞ」
ベティら友人達が皆して言ってくれた。
「まあ、なんてことを言われますの。万年最下位のリディアーヌ様がそんな高得点を取れる訳はないでしょう」
「本当ですわ。もしそれが本当ならば何か不正をされたに違いないわ」
「大方、試験の最中に平民の男子生徒の方に見せてもらったんじゃないの」
「何ですって!」
さすがの温厚な私もアラベラらに切れそうになった。
「何を騒いでいる!」
そこに氷のように冷たい声が響いた。王太子教育の責任者で、この学園の学園長のゴードンだった。
「学園長!」
あたかも、親の仇を取ったような顔をして、アラベラが学園長にすりよったのだ。こいつは誰でも良いのか?
私は思わず思ってしまった。
「Eクラスの者があろうことか先生方の採点にケチをつけているのです」
「ほう、Eクラスの者達は我々の採点方法に問題があるというのか?」
じろりとゴードンが私たちを睨んでくれた。
「違うんです。学園長先生。リディはテストでほとんど満点だったんです。なのに最下位っておかしくないですか?」
学園長の白い視線をものともせずにベティが、学園長に逆らってくれた。
「ベティ嬢、あなたは何か勘違いしているようだ。成績付けはテストの点数だけではない。日頃の授業態度とか授業に対する貢献度とか、全ての事が総合評価されるのだ。
例えば成績が良くないので、同級生を示唆して徒党を組んで学園に反抗するというのは、当然減点の対象になる」
学園長がそう言うと私を見下してきたんだけど。
いつもの事だ。私の成績はどれだけ点数をとってもいつも最下位だった。まあ、高位貴族には加算点があるから、必ず上位になるのだが、私の場合は絶対にマイナス点があるんだと思う。
「私は別に徒党を組んで学園に反抗するように示唆しておりません。ただ、友人達があまりにおかしい成績付けに自発的に私を庇ってくれただけです」
私は一応言い訳はした。
「ふんっ、君を中心に反抗しているのは事実だろう」
学園長の中では何を言っても全ては私が悪いみたいだ。
王太子の婚約者に他国の人間がなっているのが許せないようなのだ。
「学園長、リディの成績はあまりにもテストの成績とかけはなれているのではありませんか?」
レックスが、ここで文句を言ってくれた。
「そうだ、あまりに変です」
「おかしいです」
Eクラスの面々がいろいろ言ってくれるんだけど、これ以上私を庇うとクラスの皆の将来に響くから止めさせようとした。
もっとも私も一応今のところ未来の王太子妃、しいては王妃なんだけど……
未来の王妃のご機嫌を損ねるのが判らないのだろうか?
もっとも王宮の面々にしても高位貴族の子供達やその取り巻き達にしても私にいろいろきつく当たってくれるから、私を未だに王太子の婚約者に認めていないのだろう。
でも、はっきり言って私も嫌なんだけど……
私が皆を止めようとしたときだ。
「何の騒ぎだ!」
そこに怒り顔のエイベルがやってきたのだ。
なんか最悪だった。
「また、リディアーヌが何かわがままを言ってくれているのか?」
私を見てうんざりしたようにエイベルが言ってくれた。
「そうなんです。エイベル様。リディアーヌ様が自分の成績が低すぎると学園長に文句をおっしゃっていらっしゃるんです」
アラベラが喜んで告げ口してくれた。
「またか。リディアーヌ。その方、自分が俺の婚約者であることを盾にして成績を改ざんするように学園長に迫ったのではあるまいな」
「まさか、そんなことはしておりません」
エイベルの言葉に私は思わず否定した。
「ならば何も言うな。学園は王家に対しても一切の忖度はしないのだ。王家の人間が余計な介入をするとその前提が崩れる。貴様はそんなことも知らないのか」
「申し訳ありません」
私は思わず頭を下げていた。
「そもそも自分が王太子の婚約者であるにもかかわらず、勉強もせずに遊び歩いているからこういうことになるのであろうが」
エイベルはなんか言ってくれた。
今回の試験で私は寝る間も惜しんで勉強したのに、この言い方はない。
私は思わず泣きそうになった。
「何を言っているんですか? リディのテストの点数は我々よりも圧倒的に良いんですよ」
「そうです。おそらく学年でもトップクラスです」
私の表情を見たのかアーチとレックスがエイベルに反論した。
「はああああ、脳筋のリディアーヌがそんなわなかろう。こいつは女だてらに剣術部に入って剣の腕前もたいしたことはないのに、女だという理由だけで、部長に祭り上げられて喜んでいるそうではないか」
それに対してエイベルは唾棄するように言ってくれた。
「何をおっしゃっていらっしゃるんですか。リディはそんじょそこらの騎士よりも圧倒的に強いんですよ」
「そうです。リディの腕前はおそらくこの学園一かと」
「そんなわけはなかろう。この前は騎士団長にはコテンパンにやられたそうではないか」
「それはたまたまで」
アーチ達剣術部の面々は私の剣術の腕前を庇おうとしてくれた。
「アーチ、もう良いわ」
私は言い訳しようとしたアーチに言った。
「しかし、リディ」
アーチらが更に反論しようとしてくれたが、私は首を振ったのだ。
彼らは優秀な人間で今後は王宮に就職していくのだ。
ここで王太子と問題を起こしてその未来を棒に振る必要はない。
エイベルは私が絡むと意地になるのだ。ここは私が謝れば良いだけの話だ。
「エイベル様。私の考えが浅はかでした」
私はエイベルに頭を下げたのだ。
「本当に判ったのか? いつもいつも問題を起こしてくれるな! それで本当に未来の王太子妃が務まるのか?」
「務められるように努力いたします」
私は再度エイベルに頭を下げた。
「本当に頼むぞ。ではアラベラ、昼食を食べに行こうか?」
私に対しての時とは明らかに口調も態度も優しげになっていた。
「はい。エイベル様」
アラベラはエイベルと連れだって高位貴族の食堂に向かって歩き出した。
アラベラは角を曲がるときに私に勝ち誇ったような視線を向けてくれたのだった。
「何なのあの王太子、ちゃんと調べもせずにあんなこと言ってくれて。リディがどれだけ努力したと思っているのよ。絶対に加算点が無ければリディの方があの王太子よりも点数は高いはずよ。それに婚約者がいるのに他の女と連れ立っていくなんて」
ベティが文句を言ってくれた。
「ベティ、言い過ぎだ」
レックスが私の事を気にして注意してくれた。
「レックス、別に良いのよ私は」
私は首を振ったが、
「あっ、ごめん、リディに嫌みを言うつもりはなくて」
ベティが謝ってくれた。
ベティも周りの皆も私に気を使ってくれてそれ以上は何も言わなかった。
でも、エイベルらに私の努力を否定されても、少なくともクラスの皆が私に味方してくれて私はとてもうれしかったのだ。
*************************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございました
婚約者のエイベルはリディに冷たいです。
卒業パーティーまであと少し、
続きが気になる方はお気に入り登録、感想等して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
昼過ぎに順位表が、中庭の掲示板に一斉に張り出された。
私は今回のテストには自信があった。珍しく、ケアレスミスがほとんどなかったのだ。
私の名前はどこにあるんだろう?
私は上から見ていった。
トップはエイベルだった。二位はアラベラだ。私は……
ない、全然ないのだ。
「リディ、あった?」
ベティが聞いてきた。
「ううん」
私は首を振った。
「変ね。リディは今回のテストは出来たのに……」
「あ、あった」
私は唖然とした。一番下に私の名前が書かれていたのだ。
「えっ、嘘よ、リディ、あなたが最下位なんてあり得ないわよ」
ベティが言ってくれた。
「そうだ。こんなことはないぞ。絶対につけ間違いだって!」
アーチも驚いて、掲示板を見てくれた。
私も信じられなかった。今回のテストは私も必死に勉強したのだ。なのに最下位なんて、普通はあり得なかった。
まあ、でも考えたら私はいつも最下位だった。
何でなんだろう? と思わないわけでもなかったが、さすがシュタイン王国の人間は出来るから仕方がないのかなと、思っていたのだ。
「まあ、テストの点数が取れなかったからって、今度は先生のミスだと言われますの?」
「信じられませんわ」
「さすがに他国の王女様が言われることは違いますわね」
アラベラとその取り巻き達が私を馬鹿にしたように見下してくれた。
「何を言っているの? リディはほとんどのテストで満点だったのよ。なのにこの順位はおかしいわよ」
「そうだ。リディは絶対にトップ10の成績のはずだ。最下位にいるなんておかしいだろう!」
「そうだ。さすがにこの成績はおかしいと思うぞ」
ベティら友人達が皆して言ってくれた。
「まあ、なんてことを言われますの。万年最下位のリディアーヌ様がそんな高得点を取れる訳はないでしょう」
「本当ですわ。もしそれが本当ならば何か不正をされたに違いないわ」
「大方、試験の最中に平民の男子生徒の方に見せてもらったんじゃないの」
「何ですって!」
さすがの温厚な私もアラベラらに切れそうになった。
「何を騒いでいる!」
そこに氷のように冷たい声が響いた。王太子教育の責任者で、この学園の学園長のゴードンだった。
「学園長!」
あたかも、親の仇を取ったような顔をして、アラベラが学園長にすりよったのだ。こいつは誰でも良いのか?
私は思わず思ってしまった。
「Eクラスの者があろうことか先生方の採点にケチをつけているのです」
「ほう、Eクラスの者達は我々の採点方法に問題があるというのか?」
じろりとゴードンが私たちを睨んでくれた。
「違うんです。学園長先生。リディはテストでほとんど満点だったんです。なのに最下位っておかしくないですか?」
学園長の白い視線をものともせずにベティが、学園長に逆らってくれた。
「ベティ嬢、あなたは何か勘違いしているようだ。成績付けはテストの点数だけではない。日頃の授業態度とか授業に対する貢献度とか、全ての事が総合評価されるのだ。
例えば成績が良くないので、同級生を示唆して徒党を組んで学園に反抗するというのは、当然減点の対象になる」
学園長がそう言うと私を見下してきたんだけど。
いつもの事だ。私の成績はどれだけ点数をとってもいつも最下位だった。まあ、高位貴族には加算点があるから、必ず上位になるのだが、私の場合は絶対にマイナス点があるんだと思う。
「私は別に徒党を組んで学園に反抗するように示唆しておりません。ただ、友人達があまりにおかしい成績付けに自発的に私を庇ってくれただけです」
私は一応言い訳はした。
「ふんっ、君を中心に反抗しているのは事実だろう」
学園長の中では何を言っても全ては私が悪いみたいだ。
王太子の婚約者に他国の人間がなっているのが許せないようなのだ。
「学園長、リディの成績はあまりにもテストの成績とかけはなれているのではありませんか?」
レックスが、ここで文句を言ってくれた。
「そうだ、あまりに変です」
「おかしいです」
Eクラスの面々がいろいろ言ってくれるんだけど、これ以上私を庇うとクラスの皆の将来に響くから止めさせようとした。
もっとも私も一応今のところ未来の王太子妃、しいては王妃なんだけど……
未来の王妃のご機嫌を損ねるのが判らないのだろうか?
もっとも王宮の面々にしても高位貴族の子供達やその取り巻き達にしても私にいろいろきつく当たってくれるから、私を未だに王太子の婚約者に認めていないのだろう。
でも、はっきり言って私も嫌なんだけど……
私が皆を止めようとしたときだ。
「何の騒ぎだ!」
そこに怒り顔のエイベルがやってきたのだ。
なんか最悪だった。
「また、リディアーヌが何かわがままを言ってくれているのか?」
私を見てうんざりしたようにエイベルが言ってくれた。
「そうなんです。エイベル様。リディアーヌ様が自分の成績が低すぎると学園長に文句をおっしゃっていらっしゃるんです」
アラベラが喜んで告げ口してくれた。
「またか。リディアーヌ。その方、自分が俺の婚約者であることを盾にして成績を改ざんするように学園長に迫ったのではあるまいな」
「まさか、そんなことはしておりません」
エイベルの言葉に私は思わず否定した。
「ならば何も言うな。学園は王家に対しても一切の忖度はしないのだ。王家の人間が余計な介入をするとその前提が崩れる。貴様はそんなことも知らないのか」
「申し訳ありません」
私は思わず頭を下げていた。
「そもそも自分が王太子の婚約者であるにもかかわらず、勉強もせずに遊び歩いているからこういうことになるのであろうが」
エイベルはなんか言ってくれた。
今回の試験で私は寝る間も惜しんで勉強したのに、この言い方はない。
私は思わず泣きそうになった。
「何を言っているんですか? リディのテストの点数は我々よりも圧倒的に良いんですよ」
「そうです。おそらく学年でもトップクラスです」
私の表情を見たのかアーチとレックスがエイベルに反論した。
「はああああ、脳筋のリディアーヌがそんなわなかろう。こいつは女だてらに剣術部に入って剣の腕前もたいしたことはないのに、女だという理由だけで、部長に祭り上げられて喜んでいるそうではないか」
それに対してエイベルは唾棄するように言ってくれた。
「何をおっしゃっていらっしゃるんですか。リディはそんじょそこらの騎士よりも圧倒的に強いんですよ」
「そうです。リディの腕前はおそらくこの学園一かと」
「そんなわけはなかろう。この前は騎士団長にはコテンパンにやられたそうではないか」
「それはたまたまで」
アーチ達剣術部の面々は私の剣術の腕前を庇おうとしてくれた。
「アーチ、もう良いわ」
私は言い訳しようとしたアーチに言った。
「しかし、リディ」
アーチらが更に反論しようとしてくれたが、私は首を振ったのだ。
彼らは優秀な人間で今後は王宮に就職していくのだ。
ここで王太子と問題を起こしてその未来を棒に振る必要はない。
エイベルは私が絡むと意地になるのだ。ここは私が謝れば良いだけの話だ。
「エイベル様。私の考えが浅はかでした」
私はエイベルに頭を下げたのだ。
「本当に判ったのか? いつもいつも問題を起こしてくれるな! それで本当に未来の王太子妃が務まるのか?」
「務められるように努力いたします」
私は再度エイベルに頭を下げた。
「本当に頼むぞ。ではアラベラ、昼食を食べに行こうか?」
私に対しての時とは明らかに口調も態度も優しげになっていた。
「はい。エイベル様」
アラベラはエイベルと連れだって高位貴族の食堂に向かって歩き出した。
アラベラは角を曲がるときに私に勝ち誇ったような視線を向けてくれたのだった。
「何なのあの王太子、ちゃんと調べもせずにあんなこと言ってくれて。リディがどれだけ努力したと思っているのよ。絶対に加算点が無ければリディの方があの王太子よりも点数は高いはずよ。それに婚約者がいるのに他の女と連れ立っていくなんて」
ベティが文句を言ってくれた。
「ベティ、言い過ぎだ」
レックスが私の事を気にして注意してくれた。
「レックス、別に良いのよ私は」
私は首を振ったが、
「あっ、ごめん、リディに嫌みを言うつもりはなくて」
ベティが謝ってくれた。
ベティも周りの皆も私に気を使ってくれてそれ以上は何も言わなかった。
でも、エイベルらに私の努力を否定されても、少なくともクラスの皆が私に味方してくれて私はとてもうれしかったのだ。
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ここまで読んで頂いてありがとうございました
婚約者のエイベルはリディに冷たいです。
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