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第四部 第四部 古の古代帝国公爵家の野望
またしても食堂の前で王太子に捕まって王妃様の所に連れて行かれることになりました
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その日の授業は順調に始まった。
昨日は王妃様に呼ばれて授業に出られなかったから、二年生になって最初の授業だ。
最初の数学は流石に少しは難しくなってきたが、まだ、なんとかなる。
このまま、私の理解の能力の範囲で収まってほしいんだけど。
魔術理論は相も変わらず良く判らない。
魔術を使うには形が大切だと先生は何度も話してくれるんだけど、いつもは「えいや」で終わるのだ。詠唱の呪文なんて使った事なんてほとんどないし、魔術を放つ時の最初の形なんて気にしたこともない。私にとって魔術を理論で考えろなんて無理なのだ。
出来れば何でもいいと思うのにと後でメラニーに言ったら
「それはフランだけよ」
ムッとしてメラニーに言われたけれど、私だけってうちの両親もそうなんだけど……
そして、歴史の授業は最悪だった。
今日はエルグラン建国記だった。
戦いには全てに我がご先祖様が出てくる。
小さい時から散々聞かされているので、空で覚えているんだけど。
「この教科書に出ている剣ですがルブラン公爵家の初代様が使われた宝剣です」
歴史の先生が得意げに説明してくれるんだけど、
「あっ、その剣ってこの前公爵邸で見せてもらった、フランが殿下とチャンバラゴッコをして折った剣じゃないか」
「本当だ」
アルマンとバンジャマンの声にみんな一斉に教科書を見る。
「な、なんと、フランソワーズさんはこの歴史的宝剣を遊びで折られたのですか」
歴史の先生が怒っているんだけど、ちょっと子供の時の事を責めないでほしい。
「この横の鎧もフランが投げた剣で穴が開いていました」
更にアルマンが余計なこと言ってくれるんだけど。
「フランソワーズさん。歴史のある刀剣や鎧は大切に扱ってくださいね」
先生は涙ながらに言ってくれるんだけど。
文句は子供の私に言ってほしい……
先生の「歴史的遺物は大切にしてくださいね」と延々と泣かれ続けたんですけれど
「もう、アルマンもバンジャマンも余計な事を言わないでよね」
お昼休みに食堂に向かいながら私が文句を言うと、
「いやあ、つい口が滑って」
「しかし、フランとこのご先祖様も凄いよな。歴史に名前が出てくるんだから」
バンジャマンが感激して言ってくれているけれど。
「あんたら何言っているのよ。既にフランは歴史の教科書に名前が載るのが確定しているのよ」
メラニーが言い出したんだけど。
「ええええ! 私はまだ何も悪い事はしていないわよ」
驚いて私が言うと、
「悪いことをしたからって歴史の教科書に載らないわよ」
「だって、去年は近衛師団長が反逆しようとしたじゃない。それにアルメリア国王は宰相が反逆して乗っ取ったんでしょ。そんな事件は教科書に載るのは判るけれど」
グロヴレ侯爵の乱とかイエクラ20年の乱とかになるのだ。
でも、私は反逆なんてしていない。
「何言っているのよ。それを防いだのフランじゃない」
「えっ、私? まあ、私はみんなと一緒に防いだだれよ」
そうだ。断じて私一人がやったのではない。それでなくても問題起こすなって言われているのにこれ以上怒られたらたまったものではない。
「フランは見た目によらずに謙虚なんだな」
驚いてアルマンが言うんだけど。
「絶対に何か斜めに考えているだけだと思うけれど」
メラニーが何故か疑り深そうに見てくるんだけど。
「これ以上、私が怒られる要素を増やさないでよね」
「やっぱりフランの考えってそこなんだ」
メラニーが呆れて言うけれど、
「なんで、フランが怒られるの? ルートン王国からは勲章山のようにもらっているし、アルメリア国王からはこの国がまともになったのは全てフランソワーズ様のおかげだって感謝状が来たんでしょ」
ノエルが不思議そうに言う。
「そうよ、巷ではフランの人気は鰻登りよ」
「そうそう、私のクラスメートだって自慢したらみんなにとても驚かれたわ」
「サインもらってきてくれなんて頼まれてるんだから」
ソレンヌらが言ってくれるんだけど。
「えっ、そんなに人気あるの?」
私は嬉しくなった。
「そらあ、そうよ。近衛騎士団長の反乱を防いだのもフランだし、海賊を退治したのもフラン、海賊の親玉のアルメリア国王を退治したのもフランだもの」
「ターザンフランとか破壊女とか言われてもいるけれどな」
アルマンが余計なことを言ってくれた。
そうだ、危うく騙されるところだった。
巷にはこのまえの緑頭が言ったように絶対にあのターザンの雄叫びが広まっているのだ。
「ああああ、あんな映像広まったら私お嫁に行けないじゃない」
私は食堂の前で頭を抱えてしまった。
「な、何言っているんだ。フランは俺の婚約者だろうが、俺の所に嫁に来るに決まっているだろう!」
そこに会いたくもないアドが慌てて叫んできたんだけど。
「フンっ、あんた誰?」
私は無視した。
「ちょっと待てよ。フラン、本当に悪かったから」
アドが頭を下げてくるんだけど、そんなので許さない。
私は無視して食堂の中に入ろうとした。
「いや、フラン、母が呼んでいる」
私の腕を強引に掴んできたのでそれを振り払おうとした私にアドが囁いてきたのだ。
「ええええ! また?」
私は唖然とした。昨日怒られたところではないか。
「ひょっとしてあのいけ好かない子爵令嬢の件ですか?」
ノエルが殿下に聞く。
「おそらく」
アドが曖昧に頷くが
「すまん、フラン、余計なこと言ったばかりに」
アルマンとバンジャマンが謝ってくれるんかだけど、
「あなた達が悪いわけではないわ」
私は首を振った。
そうだ。
元々、この食堂を馬鹿にしたあの緑頭が悪いのだ。
「殿下。今度はきっちりとフランを守っていただけるのでしようね」
何かメラニーの視線が厳しいんだけど。
「当然だ」
アドはそう言うが、こいつはいつもこんな時は逃げるのがほとんどだし。
私が疑り深い視線をアドに向けると
「いや、本当だって」
アドが躍起になって言う。
「ふんっ、別に期待していないし」
私が言うと
「いや、絶対に守るから」
アドが言うんだけど。
本当だろうか?
私はそんなアドに引きずられるようにまた、王宮に連れて行かれたのだ。
昨日は王妃様に呼ばれて授業に出られなかったから、二年生になって最初の授業だ。
最初の数学は流石に少しは難しくなってきたが、まだ、なんとかなる。
このまま、私の理解の能力の範囲で収まってほしいんだけど。
魔術理論は相も変わらず良く判らない。
魔術を使うには形が大切だと先生は何度も話してくれるんだけど、いつもは「えいや」で終わるのだ。詠唱の呪文なんて使った事なんてほとんどないし、魔術を放つ時の最初の形なんて気にしたこともない。私にとって魔術を理論で考えろなんて無理なのだ。
出来れば何でもいいと思うのにと後でメラニーに言ったら
「それはフランだけよ」
ムッとしてメラニーに言われたけれど、私だけってうちの両親もそうなんだけど……
そして、歴史の授業は最悪だった。
今日はエルグラン建国記だった。
戦いには全てに我がご先祖様が出てくる。
小さい時から散々聞かされているので、空で覚えているんだけど。
「この教科書に出ている剣ですがルブラン公爵家の初代様が使われた宝剣です」
歴史の先生が得意げに説明してくれるんだけど、
「あっ、その剣ってこの前公爵邸で見せてもらった、フランが殿下とチャンバラゴッコをして折った剣じゃないか」
「本当だ」
アルマンとバンジャマンの声にみんな一斉に教科書を見る。
「な、なんと、フランソワーズさんはこの歴史的宝剣を遊びで折られたのですか」
歴史の先生が怒っているんだけど、ちょっと子供の時の事を責めないでほしい。
「この横の鎧もフランが投げた剣で穴が開いていました」
更にアルマンが余計なこと言ってくれるんだけど。
「フランソワーズさん。歴史のある刀剣や鎧は大切に扱ってくださいね」
先生は涙ながらに言ってくれるんだけど。
文句は子供の私に言ってほしい……
先生の「歴史的遺物は大切にしてくださいね」と延々と泣かれ続けたんですけれど
「もう、アルマンもバンジャマンも余計な事を言わないでよね」
お昼休みに食堂に向かいながら私が文句を言うと、
「いやあ、つい口が滑って」
「しかし、フランとこのご先祖様も凄いよな。歴史に名前が出てくるんだから」
バンジャマンが感激して言ってくれているけれど。
「あんたら何言っているのよ。既にフランは歴史の教科書に名前が載るのが確定しているのよ」
メラニーが言い出したんだけど。
「ええええ! 私はまだ何も悪い事はしていないわよ」
驚いて私が言うと、
「悪いことをしたからって歴史の教科書に載らないわよ」
「だって、去年は近衛師団長が反逆しようとしたじゃない。それにアルメリア国王は宰相が反逆して乗っ取ったんでしょ。そんな事件は教科書に載るのは判るけれど」
グロヴレ侯爵の乱とかイエクラ20年の乱とかになるのだ。
でも、私は反逆なんてしていない。
「何言っているのよ。それを防いだのフランじゃない」
「えっ、私? まあ、私はみんなと一緒に防いだだれよ」
そうだ。断じて私一人がやったのではない。それでなくても問題起こすなって言われているのにこれ以上怒られたらたまったものではない。
「フランは見た目によらずに謙虚なんだな」
驚いてアルマンが言うんだけど。
「絶対に何か斜めに考えているだけだと思うけれど」
メラニーが何故か疑り深そうに見てくるんだけど。
「これ以上、私が怒られる要素を増やさないでよね」
「やっぱりフランの考えってそこなんだ」
メラニーが呆れて言うけれど、
「なんで、フランが怒られるの? ルートン王国からは勲章山のようにもらっているし、アルメリア国王からはこの国がまともになったのは全てフランソワーズ様のおかげだって感謝状が来たんでしょ」
ノエルが不思議そうに言う。
「そうよ、巷ではフランの人気は鰻登りよ」
「そうそう、私のクラスメートだって自慢したらみんなにとても驚かれたわ」
「サインもらってきてくれなんて頼まれてるんだから」
ソレンヌらが言ってくれるんだけど。
「えっ、そんなに人気あるの?」
私は嬉しくなった。
「そらあ、そうよ。近衛騎士団長の反乱を防いだのもフランだし、海賊を退治したのもフラン、海賊の親玉のアルメリア国王を退治したのもフランだもの」
「ターザンフランとか破壊女とか言われてもいるけれどな」
アルマンが余計なことを言ってくれた。
そうだ、危うく騙されるところだった。
巷にはこのまえの緑頭が言ったように絶対にあのターザンの雄叫びが広まっているのだ。
「ああああ、あんな映像広まったら私お嫁に行けないじゃない」
私は食堂の前で頭を抱えてしまった。
「な、何言っているんだ。フランは俺の婚約者だろうが、俺の所に嫁に来るに決まっているだろう!」
そこに会いたくもないアドが慌てて叫んできたんだけど。
「フンっ、あんた誰?」
私は無視した。
「ちょっと待てよ。フラン、本当に悪かったから」
アドが頭を下げてくるんだけど、そんなので許さない。
私は無視して食堂の中に入ろうとした。
「いや、フラン、母が呼んでいる」
私の腕を強引に掴んできたのでそれを振り払おうとした私にアドが囁いてきたのだ。
「ええええ! また?」
私は唖然とした。昨日怒られたところではないか。
「ひょっとしてあのいけ好かない子爵令嬢の件ですか?」
ノエルが殿下に聞く。
「おそらく」
アドが曖昧に頷くが
「すまん、フラン、余計なこと言ったばかりに」
アルマンとバンジャマンが謝ってくれるんかだけど、
「あなた達が悪いわけではないわ」
私は首を振った。
そうだ。
元々、この食堂を馬鹿にしたあの緑頭が悪いのだ。
「殿下。今度はきっちりとフランを守っていただけるのでしようね」
何かメラニーの視線が厳しいんだけど。
「当然だ」
アドはそう言うが、こいつはいつもこんな時は逃げるのがほとんどだし。
私が疑り深い視線をアドに向けると
「いや、本当だって」
アドが躍起になって言う。
「ふんっ、別に期待していないし」
私が言うと
「いや、絶対に守るから」
アドが言うんだけど。
本当だろうか?
私はそんなアドに引きずられるようにまた、王宮に連れて行かれたのだ。
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