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第三部 ルートン王国交換留学編
王太子に目の前で頭を下げられて、皆に非難されました
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な、何でこうなった?
私は固まってしまった。
翌朝の食堂の前で、アドではなくて、この国の王太子が私に対して頭を下げているのだ。
翌朝は、起きるのが本当に大変だった。
あの後、やっとまともな騎士団が来てくれて、全員を拘束したり、なんやかんやで結構時間がかかったのだったのだ。
その上、深夜帰ってきた私はメラニーの部屋に連れ込まれて、詳しく詳細を延々と語らされたのだ。
私はほとんど寝る暇はなかった。
そして、寝起き、まだ、半分寝ているうちにメラニーに食堂に連れてこられて、目の前に、頭を下げたフェリペ王太子殿下がいるんだけど……
アドの見間違えではないだろうか?
本来王族なるものは、頭を下げない動物なのだ。
対外的にも、対内的にもだ。
確かに私はアドには王太子にもかかわらず、散々頭を下げさせたことはある。というか、いつも酷い事をされた時は、頭を下げさせている。
私の意図とは別に、アド自身が都合が良いから下げている面もあるが。
どれだけ私が怒っていても、皆の目の前で土下座されたら、許すしかなくなるのだ。
一学期は学園の名物にもなっていた。
でも、あれは私とアドの仲だから許されるのだ。一部問題にするフェリシー先生らはいたが、アドが勝手に頭を下げているのだ。私に許してもらうために!
でも、目の前の王太子は何故頭を下げているんだろう?
いや、見間違いだ。私は見なかった事にして、食堂に入ろうとした。
「フランソワーズ嬢、申し訳なかった」
しかし、王太子が声を出して私に謝ってきたのだ。
「えっ、夢じゃなくて、現実ですか?」
私は、慌てて対処しようとした。
「全て任せてくれと言ったのに、何一つ出来ていなかった。
私は王宮に設置した対策室にいたにも関わらずだ」
王太子は頭を下げたまま言った。
「騎士団長初め、皆私に知らせずに対処していたのだ。その上、100人くらいの騎士が海賊側についたという、とんでもない醜態だった。それを私は何一つ知らされていなかったのだ」
まあ、本来ならば王族とはそう言うものなのかもしれない。下々が勝手に全てやってくれるのだ。王族は最後の結果だけ知ればいいというのが理想かもしれない。
現場の最前線に王太子とその婚約者が出しゃばる我が国が異常かもしれない。
「で、殿下何をしていらっしゃるのです」
そこに驚いた王太子の婚約者のソニアが現れたのだ。
「王族たるものが他者に頭を下げるのはいかがなものかと存じますが」
ソニアは常識を話したにすぎない。
「ソニア、今回の失態は我が王家の責任だ。その責任者たる俺が謝らなくしてどうする」
「しかし、殿下、皆見ております」
ソニアは周りを見て言った。
「今回の責は全て王家にある。あなたは黙っていてもらおう」
王太子のきつい言葉にソニアは驚いたみたいだった。
「これは失礼しました」
そう言うとソニアは食堂の前から駆けて行こうとした。はっきりとは見えなかったけれど、ソニアの目に涙が光っていたように見えたのだ。
「ちょっとソニアさん」
私は慌ててソニアを止めようとしたが、ソニアは私には見向きもせずに駆けていったのだ。
「ちょっと殿下、今のは言いすぎなのでは」
私が少しムッとして言った。
「これは私とソニアとの間の事だ。あなたには関係ないだろう」
王太子が言い切る。
「そうですか。じゃあ、そう言うことで」
私もムっとして食堂に入った。
「いやちょっとフランソワーズ嬢」
私に縋ろうとした王太子を私は無視して食堂に入った。
「えっ、フラン、良かったの?」
後ろで見ていたメラニーが慌てて私を追って来たが、
「王太子に頭を下げさせる趣味はないし、婚約者にあんなひどい言葉をかける王太子も好きじゃない」
私はメラニーにはっきり言いきった。
「まあ、王太子殿下もあれだけ騎士からアルメリアに通じていた者が見つかって、混乱していらっしゃるんじゃない」
「それはそうかもしれないけれど、ソニアは年下でなおかつ伯爵家の令嬢じゃない。それも旧アルメリア王国の王女殿下だし。もう少し立ててあげるべきよ」
私はムッとして言った。
「うーん、それはそうかもしれないけれど、王太子殿下の反応は普通なのではないのかしら」
メラニーが言うんだけど。
「えっ、そうかな」
「だって王族って普通偉いのよ。特に王太子殿下は次期国王陛下だし。あんたと我が国の王太子殿下の間の関係が異常何だと思うけど。ねえ、オーレリアン」
いつの間にか横に居たオーレリアンにメラニーが振った。
「えっ、そうかな」
「そうよ。いくら公爵家とはいえ、普通は殿下の方が圧倒的に強い立場のはずよ。でも我が国は圧倒的にフランの方が強いんだけど。絶対におかしいわよね」
「それは俺もそう思うぞ。結婚したら完全にフランのかかあ天下だよな」
アルマンが言ってくれるんだけど。
「何言っているのよ。私が強いのは戦闘に関してだけよ。後は政治、経済、領地運営、貴族対策、全てアドの方が上なんだから。私は何も言わないわよ」
「それこそあんたが余計なことをしたら、国が傾くから余計なことはしてほしくないけれど、家庭内は圧倒的にフランが強いわよね」
「まあ、それはそれで良いんじゃないのかな。我が家も母さんが圧倒的に強いぞ」
ガスペルが横から言ってきた。
「うちもそうだよ」
「我が家もそうよ」
ルフィナとテオドラも頷く。
「流石にエドガルドのところは違うよな」
アルマンが聞いたら
「えっ、まあ一応母は外では父を立てているけど、実際は母のほうが強いぞ。アルマンのところは違うのか」
「いや、うちもそうだ」
「何だ皆母のほうが強いんじゃない」
私が勝ち誇って言うと、
「でも、いくら父でも、公衆の面前で母に謝ったりしないぞ」
「それも王族なのに」
エドガルドの言葉にガスペルが頷いた。
残りの皆も頷くんだけど……
私もさせたくないわよ! アドは皆の同情引くために絶対にわざとやっているのだ。
そう言ったら、それをさせないようにするのがあんたの仕事じゃないってメラニーが言うんだけど。
そんなの私には絶対に無理だ!
腹黒のアドに私が勝てるわけないじゃない!
私は一人で膨れるしかなかった。
私は固まってしまった。
翌朝の食堂の前で、アドではなくて、この国の王太子が私に対して頭を下げているのだ。
翌朝は、起きるのが本当に大変だった。
あの後、やっとまともな騎士団が来てくれて、全員を拘束したり、なんやかんやで結構時間がかかったのだったのだ。
その上、深夜帰ってきた私はメラニーの部屋に連れ込まれて、詳しく詳細を延々と語らされたのだ。
私はほとんど寝る暇はなかった。
そして、寝起き、まだ、半分寝ているうちにメラニーに食堂に連れてこられて、目の前に、頭を下げたフェリペ王太子殿下がいるんだけど……
アドの見間違えではないだろうか?
本来王族なるものは、頭を下げない動物なのだ。
対外的にも、対内的にもだ。
確かに私はアドには王太子にもかかわらず、散々頭を下げさせたことはある。というか、いつも酷い事をされた時は、頭を下げさせている。
私の意図とは別に、アド自身が都合が良いから下げている面もあるが。
どれだけ私が怒っていても、皆の目の前で土下座されたら、許すしかなくなるのだ。
一学期は学園の名物にもなっていた。
でも、あれは私とアドの仲だから許されるのだ。一部問題にするフェリシー先生らはいたが、アドが勝手に頭を下げているのだ。私に許してもらうために!
でも、目の前の王太子は何故頭を下げているんだろう?
いや、見間違いだ。私は見なかった事にして、食堂に入ろうとした。
「フランソワーズ嬢、申し訳なかった」
しかし、王太子が声を出して私に謝ってきたのだ。
「えっ、夢じゃなくて、現実ですか?」
私は、慌てて対処しようとした。
「全て任せてくれと言ったのに、何一つ出来ていなかった。
私は王宮に設置した対策室にいたにも関わらずだ」
王太子は頭を下げたまま言った。
「騎士団長初め、皆私に知らせずに対処していたのだ。その上、100人くらいの騎士が海賊側についたという、とんでもない醜態だった。それを私は何一つ知らされていなかったのだ」
まあ、本来ならば王族とはそう言うものなのかもしれない。下々が勝手に全てやってくれるのだ。王族は最後の結果だけ知ればいいというのが理想かもしれない。
現場の最前線に王太子とその婚約者が出しゃばる我が国が異常かもしれない。
「で、殿下何をしていらっしゃるのです」
そこに驚いた王太子の婚約者のソニアが現れたのだ。
「王族たるものが他者に頭を下げるのはいかがなものかと存じますが」
ソニアは常識を話したにすぎない。
「ソニア、今回の失態は我が王家の責任だ。その責任者たる俺が謝らなくしてどうする」
「しかし、殿下、皆見ております」
ソニアは周りを見て言った。
「今回の責は全て王家にある。あなたは黙っていてもらおう」
王太子のきつい言葉にソニアは驚いたみたいだった。
「これは失礼しました」
そう言うとソニアは食堂の前から駆けて行こうとした。はっきりとは見えなかったけれど、ソニアの目に涙が光っていたように見えたのだ。
「ちょっとソニアさん」
私は慌ててソニアを止めようとしたが、ソニアは私には見向きもせずに駆けていったのだ。
「ちょっと殿下、今のは言いすぎなのでは」
私が少しムッとして言った。
「これは私とソニアとの間の事だ。あなたには関係ないだろう」
王太子が言い切る。
「そうですか。じゃあ、そう言うことで」
私もムっとして食堂に入った。
「いやちょっとフランソワーズ嬢」
私に縋ろうとした王太子を私は無視して食堂に入った。
「えっ、フラン、良かったの?」
後ろで見ていたメラニーが慌てて私を追って来たが、
「王太子に頭を下げさせる趣味はないし、婚約者にあんなひどい言葉をかける王太子も好きじゃない」
私はメラニーにはっきり言いきった。
「まあ、王太子殿下もあれだけ騎士からアルメリアに通じていた者が見つかって、混乱していらっしゃるんじゃない」
「それはそうかもしれないけれど、ソニアは年下でなおかつ伯爵家の令嬢じゃない。それも旧アルメリア王国の王女殿下だし。もう少し立ててあげるべきよ」
私はムッとして言った。
「うーん、それはそうかもしれないけれど、王太子殿下の反応は普通なのではないのかしら」
メラニーが言うんだけど。
「えっ、そうかな」
「だって王族って普通偉いのよ。特に王太子殿下は次期国王陛下だし。あんたと我が国の王太子殿下の間の関係が異常何だと思うけど。ねえ、オーレリアン」
いつの間にか横に居たオーレリアンにメラニーが振った。
「えっ、そうかな」
「そうよ。いくら公爵家とはいえ、普通は殿下の方が圧倒的に強い立場のはずよ。でも我が国は圧倒的にフランの方が強いんだけど。絶対におかしいわよね」
「それは俺もそう思うぞ。結婚したら完全にフランのかかあ天下だよな」
アルマンが言ってくれるんだけど。
「何言っているのよ。私が強いのは戦闘に関してだけよ。後は政治、経済、領地運営、貴族対策、全てアドの方が上なんだから。私は何も言わないわよ」
「それこそあんたが余計なことをしたら、国が傾くから余計なことはしてほしくないけれど、家庭内は圧倒的にフランが強いわよね」
「まあ、それはそれで良いんじゃないのかな。我が家も母さんが圧倒的に強いぞ」
ガスペルが横から言ってきた。
「うちもそうだよ」
「我が家もそうよ」
ルフィナとテオドラも頷く。
「流石にエドガルドのところは違うよな」
アルマンが聞いたら
「えっ、まあ一応母は外では父を立てているけど、実際は母のほうが強いぞ。アルマンのところは違うのか」
「いや、うちもそうだ」
「何だ皆母のほうが強いんじゃない」
私が勝ち誇って言うと、
「でも、いくら父でも、公衆の面前で母に謝ったりしないぞ」
「それも王族なのに」
エドガルドの言葉にガスペルが頷いた。
残りの皆も頷くんだけど……
私もさせたくないわよ! アドは皆の同情引くために絶対にわざとやっているのだ。
そう言ったら、それをさせないようにするのがあんたの仕事じゃないってメラニーが言うんだけど。
そんなの私には絶対に無理だ!
腹黒のアドに私が勝てるわけないじゃない!
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