男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした！ 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです

学園を襲った魔物達の親玉の大司教が降伏を勧告してきました。

「無事で良かったわ！」
「クラウ！」
「ああん、二人とも怖かったよ」
一つ目巨人を皆が倒してくれた後、私に抱きついてきたヘレナとポピーに私は涙目で抱きつき返したのだ。

「よしよし、よく頑張ったね」
ポピーの大きな胸に抱かれて慰めてもらった私はポピーの胸の大きさに少しだけ羨ましいと思ったのは内緒だ。
私はポピーの大きな胸に慰められたのだ。


ドカーン！

そのときだ。校門の方から大きな何かが壊れる音がしたのだ。

「ど、どうしたの？」
「何なの？」
皆、青い顔をした。

「「「ギャオーーーー」」」
「「「ギャーーーー」」」
大挙した魔物たちの雄叫びが遠くで聞こえた。

そういえばさっき非常ベルが鳴っていた。
あれは一つ目巨人が現れたから鳴っていたんじゃないの？

「大変だ。校門が破られたぞ！」
「大量の魔物が侵入してきた！」
廊下に飛び込んできた生徒たちが叫んでいた。

「生徒たちは校舎に入りなさい」
「校舎で防ぐぞ」
校門から駆け戻ってきた担任のマルタン先生らの声が聞こえた。

休憩時間で校舎の外に出ていた生徒たちが慌てて校舎の中に戻ってくる。

私は教室に入って校舎の外を見ると、ひしゃげた校門を乗り越えて、大挙して魔物たちが現れたのたのが見えた。

ゴブリンやオーガに混じって一つ目巨人がいるのも見えた。
何でここに魔物の大群が襲ってくるの？
ルードたちが退治しているんじゃないの？
ルードたちはやられたんだろうか？

私には訳がわからなかった。

「何でも、教会からいきなり大挙して魔物が現れたそうよ」
どこから仕入れてきたのか、ポピーが教えてくれた。

「これって、バッドエンドよ」
真っ青になって、ヘレナが私に言ってくれた。
「聖女の思いが叶わなかったから、聖女が闇堕ちして、魔物が大発生して帝都は全滅するのよ」
気絶されて拘束された聖女を見てヘレナがつぶやいてくれたんだけど……

ええええ！　聖女の思いが叶わないバッドエンドは帝都壊滅なの？
そんなのさっさと教えてよ。
それなら、ルードと親しくならなかったのに……
私は叫びたくなった。

もっとも、ルードを聖女にとられるのは嫌だったけれど……


「ようし、校舎の障壁を展開する」
マルタン先生の言葉に反応して障壁が校舎全体を覆うのが判った。
「戦える生徒は戦闘準備だ。絶対に校舎の中に入れるな」
先生の指示で、皆それぞれ動き出した。
騎士志望のエグモントたちは教室の窓側に陣取り、攻撃魔術の強いポピーたちはその横に立った。

「「「「ギャオーーーー」」」」
そうしたところに魔物たちの大群が
襲いかかってきた。

私はそのあまりの迫力に思わず目をつぶりそうになった。

なんか怒り狂ったゴブリンたちが教室の窓ガラスをたたき割ろうとして障壁ではじき返される。
ベルナールなんて思わず腰砕けになっていた。

でも、障壁は頑丈だった。
ゴブリンたちが束になって襲いかかってきてもびくともしなかった。
安心感があった。

ゴブリンたちが必死に棍棒を振り下ろしてもびくともしなかったのだ。

そんなときだ。

ゴブリンたちが引いていったのだ。

次は何するんだろう？

不吉に思ってそちらを見ると今度は十匹の一つ目巨人が巨大な丸太を持って後ろから現れたのだ。

それはドシンドシンと足音を立てて校舎の前に現れると、皆で一斉に丸太を振り上げて叩き下ろしたのだ。

ズカーン

大音響とともに校舎が揺れる。

一回目は障壁はびくともしなかった。

そこにさらにもう一発

ズカーン

巨大な音とともに校舎が揺れた。

まだ大丈夫だ。

そして、三発目

ズカーン

しかし、一部で障壁にひびが入ったのだ。

「「「リペア」」」
先生たちが修復魔術をかける。

「「「ギャオーーーー」」」
一つ目巨人たちが成果に気を良くして鳴き叫んだ。

そして、四発目。

ズカーン

メキッ

今度はもっと大きなひびが入った。

「「「リペア」」」
先生たちが修復魔術をかける。

でも、このままではじり貧だ。

「「「ギャオーーーー」」」
一つ目巨人だけでも大変なのにそこにゴブリンたち魔物たちが大挙して襲いかかってきたのだ。
そこにさらに一つ目巨人たちが丸太をたたきつける。

ズドーン
障壁にさらにひびが入った。
そして、ゴブリンたちは一つ目巨人が丸太でひびを入れたところに大挙して襲いかかったのだ。

先生も修復魔術をかけるが一部はじけて、そこからゴブリンが窓ガラスをたたき割って入ってきた。

「喰らえ！」
「ギャーーーー」
そのゴブリンをエグモントが叩き斬ってくれた。

でも、先生が修復する尻から一つ目巨人が攻撃する。
そして、魔物たちがそこを攻撃して、侵入してくるのだ。
それを私たちは必死に倒していった。

しかし、次々に魔物たちは飛び込んでくるのだ。

さすがの私たちも疲れてきた。

そろそろ危ない。
私たちが危機感を持ったときだ。

いきなり魔物たちが、さああああっと引いたのだ。

「ん、どうしたの？」
ヘレナが聞いたが、誰も答えられなかった。

そして、引いた魔物たちの後ろから男が現れたのだった。

それは驚いた事になんと大司教だった。
その周りにシスターや司祭達を従えてバルトルト大司教が現れたのだ。

「学園の生徒達よ。直ちに我らに降伏せよ」
魔物を更にその後ろに従えた大司教が宣ってくれたのだ。

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絶対絶命のクラウらの運命やいかに
続きは明日
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