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聖女に冤罪をふっかけられましたが、反論したルードが公衆の面前で私にネックレスをつけてくれました
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私は、寮に入ってそのまま筆記具等を二階の部屋に戻って片付けようとしたのだが、1階で食堂に行こうとしたヘレナ達に捕まったのだ。
「クラウ、さっさと行かないと食堂終わってしまうわよ」
「えっ、でも荷物が」
「荷物くらい持ってくればいいじゃない」
私は3人に食堂に連れて行かれたのだ。
終了間際の食堂は流石に人も少くなっていた。
残っていた肉定食をもらって席に着く。
今日の肉は牛肉のソテーだった。
魚はマスのムニエルで、そちらのほうが良かったかもしれない。
まあ、最後の一個はヘレナが取ってくれたけれど。
この牛肉は少し硬かった。
私が苦労して肉を切っている時だ。
「あれっ、クラウ、それどうしたの?」
私が食べるために教科書の上に置いたネックレスを目ざとくポピーが見つけてくれたのだ。
「えっ、これはお守りなの」
私は慌てて、ポケットの中にしまおうとした。
「えっ、ちょっと見せてよ」
ポピーが言うので仕方無しに手を広げる。
「金のロザリオにサファイアが付いているわ」
驚いてポピーが言った。
「ルードからもらったのか?」
「えっ、なんで判ったの?」
私はコンスをまじまじと見た。
「それは見たら判るわよ」
呆れたようにヘレナが言ってくれた。
「えっ、どうして?」
私が聞くと
「ちょっと、なんであなたがルード様からネックレスをもらっているのよ」
大声がした。
「げっ」
そこには髪の毛を逆立てたようなピンク頭のデジレが仁王立ちしていた。
最悪のやつに見つかった。
「別にクラウが誰から何をもらおうがお前には関係ないだろう」
コンスが一言で片付けてくれた。
「な、なんですって、ルード様はこの女じゃなくて私を好きなのよ」
デジレが言ってくれるんだけど、
「いや、どう見てもお前は嫌われているだろう」
コンスが一言で言ってのけてくれた。
「何を言っているのよ。ゲームでは私とルード様は相思相愛の仲なんだから。この悪役令嬢に無理やり邪魔されているだけよ」
ピンク頭は言ってくれたが、こんな大勢のいる前でゲームとか悪役令嬢なんて言うなと私は言いたかった。
「ちょっと、そこ、煩いですよ」
そこにアデライド先生の大声が聞こえた。
ええええ! またアデライド先生だ!
本当にピンク頭にもいい加減にして欲しかった。
「また、デジレさんとクラウディアさんですか」
呆れて、アデライド先生が私達を見くらべてくれた。
「先生。この子が私のネックレスを取ったんです」
デジレはいきなりとんでもないことを言ってくれた。
「はああああ! 何言っているのよ。このネックレスは私のよ。勝手に取ったなんて言わないで」
私はネックレスを握って叫んでいた。
なんで勝手に取ったことになるわけ。
ルードからもらうのもどうかと思ったけれど、勝手にピンク頭に渡すわけにもいかない。
なんだったら後で私からルードに返せば良いんだから。
「こんな高価なものを、辺境の属国の男爵家の令嬢が持てる訳無いでしょ」
私がもらったって聞いたはずなのに、何故ピンク頭はこんな嘘を言えるんだろう。
私は不思議だった。
「何言っているんだ。今お前はクラウがルードからもらったって聞いただろう」
コンスの大声が響いた。
「ねえ、聞いた?」
「あの銀髪の子、ルード様からネックレスをもらったって」
「嘘!」
「何故ルード様があんな地味な子に渡すの?」
「信じられない」
外野の令嬢達の声が聞こえた。
私は頭を抱えたくなった。
また、私が虐められるじゃない!
私は今回のいちゃもんをつけてきたピンク頭にも切れていた。
「だって信じられないわ。そのペンダントって、金色のロザリオと言い、真ん中の青いサファイアと言いルード様そのものじゃない」
「えっ、そうなの?」
私はヘレナに聞いていた。
ヘレナは大きく頷いてくれた。
「これをクラウディアさんがルードさんからもらったのならば何も問題ないのではないですか」
アデライド先生がそう言ってくれたが、
「絶対に、ありえません。ルード様がその子に渡すわけ無いわ。ルード様はその子のことを心の底から嫌っているはずだから」
「ちょっと待て、ルードが嫌っていようがどうしようが、そのペンダントをルードがクラウに渡したんだったらそのペンダントはクラウの物だろうが」
「無理やり、その子が取り上げたんです」
あくまでピンク頭は言い張ってくれた。
「だってこのロザリオは私がルード様からもらう物なんだから」
ピンク頭がまた、理由のわからないことを言い出した。
どういう事? これがゲームのアイテムかなにかなの?
私はなんかもうどうでも良くなってきた。でも、私が受け取ったものを勝手にピンク頭に渡すわけにはいかない。
間に立ったアデライド先生は頭を抱えているし……
「何をしている」
そこに不機嫌なルードが現れたのだ。
後ろには側近たちを従えていた。
「あっ、ルード様。この女がルード様のロザリオを取り上げたんですよね」
ピンク頭はルードに言いきった。
「なんでこれを外に出したんだ」
ルードはムッとして私を睨みつけたんだけど。
「だって隠そうとしたら見つかってしまって」
「そこ、なんで二人して話しているんですか。離れて下さい」
ピンク頭が強引に私とルードの間に入ってきたんだけど……
私はヘレナにゲームのことをもっと聞いておけば良かった。
でも、ヘレナを見てもヘレナも頭を抱えているし。
「ルードさん、このようなややこしいものを学園で渡すのは止めて頂きたいのですが」
「いや、ネックレスだから見えないところなら良いかなと思ったんだ」
ルードはそう言うと、私からそのネックレスを取り上げてくれた。
私はほっとした。
先生もホッとしたみたいだ。
「クラウ、これはお守りだから」
そう言うとルードは私の首に手を回してくれたのだ。
「えっ」
私は何をされたのか判らず唖然とした。
「よし、これで良い」
ルードが手を離してくれると、なんと、私の胸にペンダントが光っていたのだ。
「えっ」
私は唖然と突っ立っていた。
「ルード様! このような公衆の面前で、あなたはなんてことをしてくれるんですか」
アデライド先生の叱責の声がしたが、
「仕方がないでしょ。クラウが取ったのではないことを皆に見せておかないと、また、どの者がいちゃもんを付けないとも限りませんからね」
平然とルードは言ってくれた。
先生はそんなルードを睨みつけているし、周りから怒りの視線を感じるし、もう最悪だった。
でも、生まれて始めて男の人からネックレスをつけられた初な私は、頭が沸騰して固まったまま動けなかったのだ。
そんな、私を怒り狂った目で睨みつけているピンク頭のことなんて考える余裕はまったくなかった。
「クラウ、さっさと行かないと食堂終わってしまうわよ」
「えっ、でも荷物が」
「荷物くらい持ってくればいいじゃない」
私は3人に食堂に連れて行かれたのだ。
終了間際の食堂は流石に人も少くなっていた。
残っていた肉定食をもらって席に着く。
今日の肉は牛肉のソテーだった。
魚はマスのムニエルで、そちらのほうが良かったかもしれない。
まあ、最後の一個はヘレナが取ってくれたけれど。
この牛肉は少し硬かった。
私が苦労して肉を切っている時だ。
「あれっ、クラウ、それどうしたの?」
私が食べるために教科書の上に置いたネックレスを目ざとくポピーが見つけてくれたのだ。
「えっ、これはお守りなの」
私は慌てて、ポケットの中にしまおうとした。
「えっ、ちょっと見せてよ」
ポピーが言うので仕方無しに手を広げる。
「金のロザリオにサファイアが付いているわ」
驚いてポピーが言った。
「ルードからもらったのか?」
「えっ、なんで判ったの?」
私はコンスをまじまじと見た。
「それは見たら判るわよ」
呆れたようにヘレナが言ってくれた。
「えっ、どうして?」
私が聞くと
「ちょっと、なんであなたがルード様からネックレスをもらっているのよ」
大声がした。
「げっ」
そこには髪の毛を逆立てたようなピンク頭のデジレが仁王立ちしていた。
最悪のやつに見つかった。
「別にクラウが誰から何をもらおうがお前には関係ないだろう」
コンスが一言で片付けてくれた。
「な、なんですって、ルード様はこの女じゃなくて私を好きなのよ」
デジレが言ってくれるんだけど、
「いや、どう見てもお前は嫌われているだろう」
コンスが一言で言ってのけてくれた。
「何を言っているのよ。ゲームでは私とルード様は相思相愛の仲なんだから。この悪役令嬢に無理やり邪魔されているだけよ」
ピンク頭は言ってくれたが、こんな大勢のいる前でゲームとか悪役令嬢なんて言うなと私は言いたかった。
「ちょっと、そこ、煩いですよ」
そこにアデライド先生の大声が聞こえた。
ええええ! またアデライド先生だ!
本当にピンク頭にもいい加減にして欲しかった。
「また、デジレさんとクラウディアさんですか」
呆れて、アデライド先生が私達を見くらべてくれた。
「先生。この子が私のネックレスを取ったんです」
デジレはいきなりとんでもないことを言ってくれた。
「はああああ! 何言っているのよ。このネックレスは私のよ。勝手に取ったなんて言わないで」
私はネックレスを握って叫んでいた。
なんで勝手に取ったことになるわけ。
ルードからもらうのもどうかと思ったけれど、勝手にピンク頭に渡すわけにもいかない。
なんだったら後で私からルードに返せば良いんだから。
「こんな高価なものを、辺境の属国の男爵家の令嬢が持てる訳無いでしょ」
私がもらったって聞いたはずなのに、何故ピンク頭はこんな嘘を言えるんだろう。
私は不思議だった。
「何言っているんだ。今お前はクラウがルードからもらったって聞いただろう」
コンスの大声が響いた。
「ねえ、聞いた?」
「あの銀髪の子、ルード様からネックレスをもらったって」
「嘘!」
「何故ルード様があんな地味な子に渡すの?」
「信じられない」
外野の令嬢達の声が聞こえた。
私は頭を抱えたくなった。
また、私が虐められるじゃない!
私は今回のいちゃもんをつけてきたピンク頭にも切れていた。
「だって信じられないわ。そのペンダントって、金色のロザリオと言い、真ん中の青いサファイアと言いルード様そのものじゃない」
「えっ、そうなの?」
私はヘレナに聞いていた。
ヘレナは大きく頷いてくれた。
「これをクラウディアさんがルードさんからもらったのならば何も問題ないのではないですか」
アデライド先生がそう言ってくれたが、
「絶対に、ありえません。ルード様がその子に渡すわけ無いわ。ルード様はその子のことを心の底から嫌っているはずだから」
「ちょっと待て、ルードが嫌っていようがどうしようが、そのペンダントをルードがクラウに渡したんだったらそのペンダントはクラウの物だろうが」
「無理やり、その子が取り上げたんです」
あくまでピンク頭は言い張ってくれた。
「だってこのロザリオは私がルード様からもらう物なんだから」
ピンク頭がまた、理由のわからないことを言い出した。
どういう事? これがゲームのアイテムかなにかなの?
私はなんかもうどうでも良くなってきた。でも、私が受け取ったものを勝手にピンク頭に渡すわけにはいかない。
間に立ったアデライド先生は頭を抱えているし……
「何をしている」
そこに不機嫌なルードが現れたのだ。
後ろには側近たちを従えていた。
「あっ、ルード様。この女がルード様のロザリオを取り上げたんですよね」
ピンク頭はルードに言いきった。
「なんでこれを外に出したんだ」
ルードはムッとして私を睨みつけたんだけど。
「だって隠そうとしたら見つかってしまって」
「そこ、なんで二人して話しているんですか。離れて下さい」
ピンク頭が強引に私とルードの間に入ってきたんだけど……
私はヘレナにゲームのことをもっと聞いておけば良かった。
でも、ヘレナを見てもヘレナも頭を抱えているし。
「ルードさん、このようなややこしいものを学園で渡すのは止めて頂きたいのですが」
「いや、ネックレスだから見えないところなら良いかなと思ったんだ」
ルードはそう言うと、私からそのネックレスを取り上げてくれた。
私はほっとした。
先生もホッとしたみたいだ。
「クラウ、これはお守りだから」
そう言うとルードは私の首に手を回してくれたのだ。
「えっ」
私は何をされたのか判らず唖然とした。
「よし、これで良い」
ルードが手を離してくれると、なんと、私の胸にペンダントが光っていたのだ。
「えっ」
私は唖然と突っ立っていた。
「ルード様! このような公衆の面前で、あなたはなんてことをしてくれるんですか」
アデライド先生の叱責の声がしたが、
「仕方がないでしょ。クラウが取ったのではないことを皆に見せておかないと、また、どの者がいちゃもんを付けないとも限りませんからね」
平然とルードは言ってくれた。
先生はそんなルードを睨みつけているし、周りから怒りの視線を感じるし、もう最悪だった。
でも、生まれて始めて男の人からネックレスをつけられた初な私は、頭が沸騰して固まったまま動けなかったのだ。
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