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寮の部屋に帰るとまたヘレナに捕まって状況を報告しました
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私は、ルードに徹底的に勉強させられて、へとへとになって寮に帰ってきたのだ。
もう勉強のし過ぎで頭が痛くて、そのまま寝てしまいたかったけれど、部屋の前でヘレナに捕まってしまったのだ。
「どうしたの? クラウ。また、ルード様に送ってもらって。ご飯のときにもいなかったけれど、そんな長い間、二人でイチャイチャしていたの?」
私はヘレナの言葉に脱力してしまった。
言い返す気力もない。
考えたらご飯も食べていなかった。
グーーーー
盛大に私のお腹がなったのだ。
「えっ、クラウ、どうしたの?」
「ヘレナ、お腹減った」
私はヘレナに抱きつくような形で倒れ込んでしまったのだ。
「ちょっとクラウ、大丈夫なの」
ヘレナは慌てて私を自分の部屋に入れてくれたのだ。
「ど、どういうことなの? 御飯食べる事も忘れるくらい二人でイチャイチャしていたの?」
「んりぁあへはいへひょ」
私はヘレナに出してもらったお菓子の缶を開けて口に入れながら叫んでいた。
「何言っているかわからないわよ!」
私は慌ててお菓子を飲み込んだ。
「そんな訳無いでしょ!」
むっとして否定すると、今までのことをヘレナに怒涛のごとく説明したのだ。
「ええええ! そんな事あったの? 令嬢達に囲まれてリンチされそうになったって、昨日も説明したように、それは悪役令嬢のあなたが取り巻きに指示して、ヒロインのデジレがされることよ! なんで悪役令嬢のあなたがされているのよ?」
「そんなの私が判るわけないでしょ」
私はバリバリとヘレナのお菓子を食べながら文句を言った。
「ちょっと貴方その食べ方、令嬢の食べ方じゃないわよ」
「だって、昼食から全然食べていなかったのよ。礼儀作法なんて気にしてられないわよ。挙句の果てはアデライド先生に怒られるわ、ルードに怒られるわ最悪だったんだから」
バリバリ食べながら私が言うと
「ちょっとクラウ、それ私の非常食なんだから、少しは残しておいてよ」
ヘレナが注意してくれだけど、お腹の好きすぎた私はそんなの聞いていなかった。
必死にむしゃむしゃとあっと言う間にクッキーをすべて食べきってしまったのだ。
「ちょっと、クラウ、私の非常食だって言ったでしょ」
ヘレナは怒ってきたが、
「もっとないの」
「あるわけ無いでしょ。絶対に返してよね」
ヘレナは食料がなくなって怒っていた。
「あなたは文句を言うけれど、今日は私もあなたが避けるから水を頭の上からかけられて私も被害者なんだから」
「それはかけたやつに言ってよ」
「あなたがかけさせたんじゃないの?」
「そんな訳無いでしょ。私この学園に知り合いなんてあなた達以外ほとんどいないんだから」
「まあ、それはそうだけど、でも、なんであなたルード様に怒られてたの」
「昨日、あなたと朝方まで話していて、ルードから与えられた宿題やっていなかったのよ」
「宿題って?」
キョトンとしてヘレナが聞いてきた。
「補講の宿題よ。ルードは私が組分けの成績が最悪だったから、それでは自分の都合が悪いみたいで、毎日宿題が出されているのよ。それやっていなかったから、怒られたのよ」
私がぶすっとして言うと
「えっ、じゃあ、昨日も二人して抜け出したのに、勉強していたの?」
目を見開いてヘレナが聞いてくると
「そうよ。今もやっていなかったから延々怒られたのよ」
「あんた達何やっているのよ」
ヘレナが頭を抱えてくれた。
「それはルードに言ってよ。ルードに補講で怒られまくってたのよ。
喜ぶようなことなにもないわよ! なのに、女の子等に嫉妬されて水をぶちまけられるわ、物を隠されるわ、挙句の果てにリンチされそうになるわっておかしくない!」
私が怒りをヘレナにぶちまけると
「どうどう、判ったから、もう少し声を落としてよ」
ヘレナが注意してきた。
声が大きすぎたみたいだ。
「でも、変ね」
ヘレナが首をかしげた。
「何が変なのよ。あたなもルードの補講受けてみたら良いわ。ルードは本当に厳しいんだから」
「それは遠慮するけど、ゲームのレセプションではヒロインを連れてルード様が悪役令嬢から逃げ出す場面があるんだけど、その後二人で甘い感じになるのに……あなた達の場合は補講をしていたの?」
「そうよ、甘いことなんてなにもないわよ」
「うーん、悪役令嬢とルード様がやるとそうなるのかな」
「知らないわよ。本当に最悪だったんだから」
私がヘレナに文句を言った。
「イジメも本来ならばヒロインがあんたの指示を受けてされるものなのよ。何故悪役令嬢がイジメられるの?」
「それは私が聞きたいわよ」
本当に私が聞きたかった。
「変よね」
「本当に」
私とヘレナはお互いに首をかしげあった。
私はヘレナの部屋の時計を見て慌てた。
「もう21時じゃない。ごめん、ヘレナ。わたし宿題やらないと」
「えっ、今日の授業で宿題なんてあったっけ」
頓珍漢な事をヘレナが言ってくれた。
「何言っているのよ。ルードの補講よ。3日連続してやっていないと今度こそ何言われるかわからないんからすぐに戻ってやるわ」
「えっ、クラウ、まだ話は終わっていない……」
このまま話好きのヘレナといたらまた、宿題が出来ない。私はヘレナの言葉をぶった切って、慌てて自分の部屋に帰ったのだった。
もう勉強のし過ぎで頭が痛くて、そのまま寝てしまいたかったけれど、部屋の前でヘレナに捕まってしまったのだ。
「どうしたの? クラウ。また、ルード様に送ってもらって。ご飯のときにもいなかったけれど、そんな長い間、二人でイチャイチャしていたの?」
私はヘレナの言葉に脱力してしまった。
言い返す気力もない。
考えたらご飯も食べていなかった。
グーーーー
盛大に私のお腹がなったのだ。
「えっ、クラウ、どうしたの?」
「ヘレナ、お腹減った」
私はヘレナに抱きつくような形で倒れ込んでしまったのだ。
「ちょっとクラウ、大丈夫なの」
ヘレナは慌てて私を自分の部屋に入れてくれたのだ。
「ど、どういうことなの? 御飯食べる事も忘れるくらい二人でイチャイチャしていたの?」
「んりぁあへはいへひょ」
私はヘレナに出してもらったお菓子の缶を開けて口に入れながら叫んでいた。
「何言っているかわからないわよ!」
私は慌ててお菓子を飲み込んだ。
「そんな訳無いでしょ!」
むっとして否定すると、今までのことをヘレナに怒涛のごとく説明したのだ。
「ええええ! そんな事あったの? 令嬢達に囲まれてリンチされそうになったって、昨日も説明したように、それは悪役令嬢のあなたが取り巻きに指示して、ヒロインのデジレがされることよ! なんで悪役令嬢のあなたがされているのよ?」
「そんなの私が判るわけないでしょ」
私はバリバリとヘレナのお菓子を食べながら文句を言った。
「ちょっと貴方その食べ方、令嬢の食べ方じゃないわよ」
「だって、昼食から全然食べていなかったのよ。礼儀作法なんて気にしてられないわよ。挙句の果てはアデライド先生に怒られるわ、ルードに怒られるわ最悪だったんだから」
バリバリ食べながら私が言うと
「ちょっとクラウ、それ私の非常食なんだから、少しは残しておいてよ」
ヘレナが注意してくれだけど、お腹の好きすぎた私はそんなの聞いていなかった。
必死にむしゃむしゃとあっと言う間にクッキーをすべて食べきってしまったのだ。
「ちょっと、クラウ、私の非常食だって言ったでしょ」
ヘレナは怒ってきたが、
「もっとないの」
「あるわけ無いでしょ。絶対に返してよね」
ヘレナは食料がなくなって怒っていた。
「あなたは文句を言うけれど、今日は私もあなたが避けるから水を頭の上からかけられて私も被害者なんだから」
「それはかけたやつに言ってよ」
「あなたがかけさせたんじゃないの?」
「そんな訳無いでしょ。私この学園に知り合いなんてあなた達以外ほとんどいないんだから」
「まあ、それはそうだけど、でも、なんであなたルード様に怒られてたの」
「昨日、あなたと朝方まで話していて、ルードから与えられた宿題やっていなかったのよ」
「宿題って?」
キョトンとしてヘレナが聞いてきた。
「補講の宿題よ。ルードは私が組分けの成績が最悪だったから、それでは自分の都合が悪いみたいで、毎日宿題が出されているのよ。それやっていなかったから、怒られたのよ」
私がぶすっとして言うと
「えっ、じゃあ、昨日も二人して抜け出したのに、勉強していたの?」
目を見開いてヘレナが聞いてくると
「そうよ。今もやっていなかったから延々怒られたのよ」
「あんた達何やっているのよ」
ヘレナが頭を抱えてくれた。
「それはルードに言ってよ。ルードに補講で怒られまくってたのよ。
喜ぶようなことなにもないわよ! なのに、女の子等に嫉妬されて水をぶちまけられるわ、物を隠されるわ、挙句の果てにリンチされそうになるわっておかしくない!」
私が怒りをヘレナにぶちまけると
「どうどう、判ったから、もう少し声を落としてよ」
ヘレナが注意してきた。
声が大きすぎたみたいだ。
「でも、変ね」
ヘレナが首をかしげた。
「何が変なのよ。あたなもルードの補講受けてみたら良いわ。ルードは本当に厳しいんだから」
「それは遠慮するけど、ゲームのレセプションではヒロインを連れてルード様が悪役令嬢から逃げ出す場面があるんだけど、その後二人で甘い感じになるのに……あなた達の場合は補講をしていたの?」
「そうよ、甘いことなんてなにもないわよ」
「うーん、悪役令嬢とルード様がやるとそうなるのかな」
「知らないわよ。本当に最悪だったんだから」
私がヘレナに文句を言った。
「イジメも本来ならばヒロインがあんたの指示を受けてされるものなのよ。何故悪役令嬢がイジメられるの?」
「それは私が聞きたいわよ」
本当に私が聞きたかった。
「変よね」
「本当に」
私とヘレナはお互いに首をかしげあった。
私はヘレナの部屋の時計を見て慌てた。
「もう21時じゃない。ごめん、ヘレナ。わたし宿題やらないと」
「えっ、今日の授業で宿題なんてあったっけ」
頓珍漢な事をヘレナが言ってくれた。
「何言っているのよ。ルードの補講よ。3日連続してやっていないと今度こそ何言われるかわからないんからすぐに戻ってやるわ」
「えっ、クラウ、まだ話は終わっていない……」
このまま話好きのヘレナといたらまた、宿題が出来ない。私はヘレナの言葉をぶった切って、慌てて自分の部屋に帰ったのだった。
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