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義妹視点 そのまま過ごしていたら、捕まって100たたきの刑の上鉱山送りになりました

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「私、修道院に入れられるの?」
私は最後の手段で、今度はそのでっぷり太った外務卿に抱きついてみたのだ。
修道院に入れられるのは嫌だった。

外務卿はほくそ笑んで
「まあ、行くふりをしていれば問題ないでしょう。二度とルード様がここにいらっしゃることはないですし」
外務卿の言葉に私は飛び上がって喜びたかった。

後はこんな目に合わせてくれたお姉様をどうするかだ。
私はもう絶対に許さないと心に決めたのだ。
お父様もお母様も今度という今度は許さないみたいだ。

「帰ってきたら娼館に売り払ってやるわ」
お母様が言ってくれた。
泣き叫んで娼館に売られていくお姉様が楽しみだわ。
私はそう思っていたのだ。

その日の夜中だ。

ダンダンダン

大きな音とともに、私は部屋に男たちに踏み込まれたのだ。
「キャーーーー」
悲鳴を上げたが、
「連れて行け」
騎士たちに縛られて広間に連行されたのだ。

「どういう事だ? 外務卿。何故、この女たちは修道院に行っていないのだ」
そこには外務卿よりも更に偉そうなおじいちゃんが立っていた。

「えっ、修道院には入らなくていいって」
「黙れ、小娘」
外務卿がそう言ってきたが、もう遅い。

「愚か者! 貴様、カッセル王国を滅ぼすつもりか?」
「滅相もございません」
おじいちゃんの剣幕に外務卿は慌てて頭を下げた。

「へ、陛下」
同じく縛られたお父様の驚いた声に私は驚いた。
陛下って、この偉そうなおじいちゃんが国王陛下ってこと?

「貴様は喋るな。このような一大事にしよってからに。衛兵、この者達を城の地下牢に連行しろ」
「えっ、嘘、そんな」
私は唖然とした。地下牢ってそれは修道院よりも酷いんじゃないの?

私は唖然とした。

こんなんだったら修道院に入ったほうが余程ましだったんじゃないの?
私は思ったが、後の祭りだった。

地下牢はジメジメしていてとても過ごしにくかった。
ご飯も本当にまずかった。
でも、そんなのはまだましだったのだ。

翌日、私はお母様と一緒に王宮の外の広場に後手に縛られたまま引き出されたのだ。

服は囚人服のボロ服だった。

「この者らは平民のくせに、オイシュタット男爵家に入り込み、次期当主に対して手を上げた。よって100叩きの刑に処して、鉱山送りとする」
役人が述べてくれた。
鉱山送りだって、そんなの嫌よ。
それなら余程修道院のほうが良いわ!

「えっ、いや、嘘よ、止めて! 許して」
私は必死に泣き叫んだのだ。でも無常にも誰も助けてくれなかったのだ。
私は抵抗しようとしたが、あっという間に地面に組み伏せられて縄で固定されてしまった。

「一つ」
パシン
「「ギャーーーー」」
私は悲鳴をあげた。めちゃくちゃ痛かった。
こんなの100回も耐えられない。

「2つ」
「「ギャーーーー」」
「3つ」
「「ギャーーーー」」
いつくまで叩かれたか、私は覚えていなかった。
気を失う度に水を被せられて起こされたのだ。
最後は意識も朦朧だった。

こんなんだったらさっさと修道院に行けば良かった。
後悔したが後の祭りだった。

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ここまで読んで頂いて有難うございました
次から学園編です。
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